阿慈谷ヒフミは聖杯戦争に参加するようです   作:1じゃんね☆

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①監督役は自身を除く全陣営に対して平等かつ公正に接し、中立の立場を維持する
②アサシンの霊基はアサシンクラスとランサークラスの二重霊基である
③アサシンは聖杯陣営より先に大聖杯を介して召喚されたイレギュラーである
④ ゲマトリアとフランシスはこれ以上今次聖杯戦争に関わる事はない
⑤黒服に願いはなくあくまで監督役に徹する
⑥アサシンは最後まで生き残った最後の一組と全力の手合わせがしたい
⑦黒服は今次聖杯戦争での完全終結を既に諦めている

『あるマスターから今回の話を聞いたとある少女の手記』より





挙手

 

 黒服さんが好意から設けて下さった質問タイムも後半戦です。

時間もあまりありませんし、聞きたいことはしっかり聞いておくべきですね。

 

「……お前は聖杯戦争が明るみに出る事自体も嫌っている。ならもし仮に私達も含めて全陣営が……そうだな、D.U.のような人口密集地で正面衝突する事になった場合、お前達監督役はどう動く?」

 

 アズサちゃんからの質問は私たち同盟陣営の弱点。

あまりにも戦力が大きくなり過ぎて、下手に全戦力を動かすと、という話にもつながります。

対して黒服さんからの回答は冷めた物でした。

 

「我々の隠蔽はある程度の予想がついているでしょうが、金銭的な補助と後は多少の情報操作。あまりにも大きすぎる衝突が起きれば……その時にもよりますが介入はせざるを得ない」

 

「どちらにもか」

 

「どちらにもです。そこに隔たりはありません。今次で終わらなければ今後も聖杯戦争は続くのです……その中立的立ち位置にある我々は武力を持ってあなた方も含めて敵として討伐するでしょうね」

 

「それが出来るとでも?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。もっとも過去に聖杯戦争が起きた訳でないこの地にあって、現状の予想がどこまで当てになるかは甚だ疑問ですが」

 

 六つどころか聖杯陣営まで相手取っても戦い切れる、そう言う黒服さんの言葉に虚勢は一切感じられません。

かと言ってこれまでの会話から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『(そうだね。恐らく彼はアサシンの戦力、ただそれだけで十分に目的を達成できる)』

 

『(監督役としての務めをやり切れる、って考えておられるんですね……)』

 

 本当にアサシンさんの事を信用してるんだなぁ、と思いつつ私はそんな彼女の方を見ました。

 

「……質問を変えます。アサシンさん」

 

「ふむ……なんだ?セイバーのマスター」

 

「アサシンさんは聖杯大戦についてどうお考えですか?」

 

「どう、とはまた曖昧な。では曖昧に返してやろうか……なんとも思っていないな、好きにすれば良い」

 

 これまた淡白な回答です。

でもこれでハッキリしました。

ビジネスライクなお二人であまり主従関係には見えませんが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

少なくともアサシンさんはその点について、あまり関心もないのが分かりました。

 

「なら、黒服さん……聖杯大戦について少し確認をさせて下さい」

 

「おや、貴女がですか?阿慈谷ヒフミさん」

 

 聞くのは正直気が引けます。

何せ彼は聖杯大戦自体に否定的です。

私達の考えを知ってなお、という所。

あまり深く彼に尋ねるというのはあんまり座りが良くありません、でも。

 

「ええ、知らないで動くのと知って動くのじゃ違いますから」

 

「それは確かに、なるほど金言です。ではなんなりと、伺いましょう」

 

「ありがとうございます。聖杯大戦で新たに召喚されるサーヴァントは七騎で新たに選ばれるマスターも七人という認識で間違いありませんか?」

 

「それは勿論。新たなサーヴァントと新たなマスター、それぞれ七組が選ばれ、彼らとあなた方の両陣営がぶつかるという物です」

 

 彼の言葉に思わず頭を抱えたくなりました。

勿論、聖杯大戦に踏み切る気持ちは今もありません。

でも最悪、どうしても間に合わない場合。

そう考えて一応確認しましたけど。

 

「……あなた方って言う事はやっぱり黒服さんは……」

 

「はい、勿論。私は監督役を務める関係から皆さんとは協力しませんね。何せ新しく七組も導かねばならない陣営が増えるわけですから」

 

「……ですよね」

 

 黒服さん、というか監督役は絶対に中立。

少なくとも聖杯大戦開催中に協力は求められそうにないですね。

 

「と言っても私も聖杯大戦なる物は観測した事がありませんし予備システムについても詳しくは知りません、調べもついていません。何事も初めてな物ですから」

 

 同じ陣営である、という認識すら出来ないでしょうね。

だってその時には新しく七組の陣営が生まれてしまってますから。

 

「なら私からも♡……新しくマスターになられたのが各校運営組織のトップやそれこそ……先生の場合。貴方はどうされるおつもりですか?」

 

「ふむ。どう、と言われましても困りますね……今と何も変わりませんので。所詮はキヴォトスの生徒。殺し合いに強制参加させられた事実の重さはあなた方もよく理解しておられるでしょう?」

 

 これについては思い当たる事はたくさんあります。

結局、自分から言い出す事なんて出来っこないんです。

 

 自分がマスターになった。

殺し合いに参加する事になった。

それを堂々と言える方がこのキヴォトスにどれだけいる事か。

私達と同じように水面下で動く、という事を考えればそういう方がマスターになったとしても今と何も変わりませんね。

 

「先生は恐らくですが聖杯に選ばれません。先ほどもお話しましたが、彼は聖杯その物へのカウンターですので。彼が参加する瞬間に何かもかもが終わってしまう、そういう物だと捉えて頂ければ幸いです」

 

そしてと付け加えた言葉に違和感を覚えつつ私たちはひとまず納得して頷きました。

 

「はい!個人的に勝って欲しい陣営はありますか?後その逆も教えて下さい!」

 

 もうそろそろ聞く事もなくなってきましたし、疲れてきたというのもありました。

なのでここは元気よく、ですね。

 

「クックックッ……疲れてきたのでしたら休憩を挟まれますか?」

 

「あぅぅ……ちょっとだけ、えへへ……」

 

手を挙げたんですけど黒服さんにはお見通しのようです。

 

「頂き物ですが洋菓子の類……いえ、そうですね。あとでカフェ街の優待券をお渡ししますので、話が終われば良ければまたそちらで休憩でも」

 

「ありがとうございます!……それから、お気遣いも。別に私、今更()()()()()()()()だなんて不安とか疑ってるとか、全然ありませんよ?」*1

 

「それはそれは……さて、勝って欲しい陣営、勝たれては困る陣営ですか。中立を保つ為にあまり答えたくない、というのが正直な所ですがお答えしましょう。ありません」

 

「……それは監督役としてグレーゾーンである事を自覚した上で?」

 

「……はっきりと仰る方だ。ええ、その通りですよ。私はどの陣営が勝ったとしても特に困る事はありません」

 

 困りましたね。

つまり黒服さんはどの陣営の願いも把握した上で、どこが勝ったとしても問題ない、そう仰ってるんです。

その願いの部分を教えていただきたい所なんですが、それは中立を保てないから断られるでしょう。悩ましい話です。

 

 どちらにせよ、黒服さんは全ての願いを知っている。

知る為に今後誰かにセルフギアスクロールを使ったり、みたいな事をされるのはないでしょう。

最後に気になっていた事を一つ。

 

「……そのぉ、黒服さんは箭吹シュロちゃって子とは……お知り合いだったりされますか?」

 

「ヤブキ……ああ、なるほど。彼女は一体誰との繋がりかと思えば貴女でしたか」

 

「へ?」

 

 思っていた反応とは違いましたけど、彼は私を気にした様子はなく、そのまま話を続けました。

 

「以前からコソコソと嗅ぎ回っている鼠が一匹いるのは分かっていましたが大きな干渉をするわけでもありませんでしたので、放っていました。彼女が何か?」*2

 

「あ、いえその……なんだか聖杯戦争に詳しいなぁって思ってたんですけど……」

 

「ほう……フランシスあたりの入れ知恵でしょうか。分かりました、そちらの件についてはすぐには解答できませんからまた後日、追ってお伝えしますね」

 

「あぅ……よろしくお願いします」

 

 シュロちゃんについては結局分からないまま。でも調べて下さるようですから気長に待つとしましょう。

なんなら直接モモトークで聞くのもありでしょうか。

 

 

 

 

イマジナリーシュロ「ひひひッ!あゝ可笑しいったりゃありゃしないっ!ヒフミちゃんは随分余裕があるんですねぇぇ?そぉぉぉんな木っ端な事を気になって!それで卵でも立てられるんですかい?いぃひっひっひっ!」

 

 

 

 やめましょうか。

絶対に馬鹿にされる気がします。

あとなんか気に食わないのであとでモモトークでスタンプ爆撃でもしてみましょう*3

 

「黒服。僕からも、一つ……冠位についてだ。どこまで話は聞いている?」

 

「アサシンからある程度、でしたら。そして恐らく彼らの顕現は難しいでしょう。そもそもキヴォトスに来る理由がない」

 

「……そうだね、返事をありがとう。聞きたかったのはそれだけだ」

 

 冠位、というのは強欲のアーチャーさんの戦闘映像の中でも出てきましたね。

確か冠位を呼んでも自分達は負けないとかなんとか。

一体どういう物なのか。

すごい必殺技かすごい強いサーヴァントの方の分類かなにかなんでしょうか。

 

「あ、そうだ……あ!あの!アサシンさん!」

 

「なんだ、小娘」

 

「こむすっ!?……えっと、アサシンさんの知り合いの人、とかがもしその……聖杯大戦とか……あと聖杯陣営にいたら……えっと、どうするのかなって……」

 

 間髪入れずに言われた小娘発言に目を丸くさせつつ、コハルちゃんが深呼吸をしてから聞いた質問。

 

「敵ならば殺すであろうな」

 

それにアサシンさんはなんの気負いもなくこたえられました。

 

「えっと……その……その、えと……」

 

あんまりにもさらりと言われるものですからコハルちゃんどころか私達も困惑顔をしちゃいます。

 

「……はあ。良いか?小娘。儂はこの時代よりずっと血の香りが濃い時代を生きていた。そんな時代で戦士としてあり続け、今に至って成れ果てた。故だ、価値観がお前達とは違う。良いか、ケルトの戦士のしきたりは単純だ」

 

 それにアサシンさんはまたもや溜め息。

それもただ吐いただけなのにすごく色っぽくて大人っぽさの息をしてから堂々と答えて下さいました。

 

 

 

「昨日の友だろうと今日敵ならば殺す、ただそれだけのこと」

 

 

 ダメですね、これ。

完全に私達の価値観の外にありそうなお話です。

こういう価値観もあるんだなぁ、とのんびり受け止めないと混乱しちゃいます。

そんな風に目を白黒させてる私達を置いて話は続きます。

 

「大体今更おめおめと嘗ての弟子であろうが友であろうが出てこようとだ、それがなんだという話なのだ。敵であるなら殺す。この理が骨の髄まで染み付いて漸くケルトの一人前という話よ」

 

それに思い出したようにぼそりと黒服さんが呟いた時でした。

 

「……貴女にご友人なんていらっしゃったのですね」

 

「おぉっと!手からげいぼるくぅ!……言葉には気をつけろ間抜け」

 

 次の瞬間には黒服さんの横に真紅の槍が突き刺さった所で質問タイムはお開きになりました。

 

「質問はもう十分かと。中立であるとはいえあまり長居されては邪推の元ですからね。さて、ここからは───ビジネスと参りましょうか」

 

 空気が再度ひりつきます。

足元に刺さっている槍のせいで今一つ抜けた空気ですけど*4

それはともかく、再度交渉。

 

「ええ……アサシン、例の物を」

 

いえ、取引の時間です。

 

「なんだ?アケミが寄越してきた茶葉ならやらんぞ」

 

「……違います。いつかの為にと取っておいた物ですよ」

 

 締まりませんねとため息を吐く黒服さんを他所に、惚けながらアサシンさんがまた虚空から取り出したそれはレザー調の薄いファイル。

 

「さて、これまで幾度となくお話してきたように我々は監督役、この聖杯戦争が致命的な被害を出さずにつつがなく終了する事を願い、観測し、補填し、隠蔽し、そして監督する者です。我々はその目的から聖杯戦争の解決を図りたい、ですが現実的な手段を持ち合わせない。それ故に」

 

 魔術、なのでしょうか。

ファイルが一人でに捲られていく隣で淡々と黒服さんが語り始めます。

 

「我々監督役は聖杯戦争を中長期的な視点で解決の糸口を探す事を形をとっています。それはあなた方から予備システムを介した解決策を聞いた今も変わりません。私はこれから先も聖杯戦争は終わらない、そう考えるからこそ絶対的な中立を掲げる事で今次以降も続く血濡れた時間を監督し続けます」

 

 そうでなくては誰も私を信用できない、そう断言する黒服さんの重い言葉になんとなくですけど察する物がありました。

多分この人は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()

だから最後の責任として見届ける事を選んだのだと、直感がそう言っている気がしたんです。

 

「ですが、アサシンを擁していようと監督役の務めは多岐に渡り人手は足りません……そう、たとえば」

 

そこで区切った黒服さんはにやりと黒い顔の罅をひろげました。

 

「───大聖杯の再調査」

 

その単語は聞き逃すわけにはいきませんでした。

 

「なんていうものが案件として残っているのは恥ずかしながら事実です」

 

「あはは……じゃあ、代わりに私達がしましょうか?」

 

「あなた方が信用に足る陣営であるのならば是非とも。私は大聖杯の位置や、これまで私達が観測したデータに基づいて次に聖杯陣営が出現するであろう場所……それらをお伝えした上であなた方に監督役として仕事を依頼したい。そういう取引をしないか、という話です」

 

「信用、ですか」

 

「ええ、競争入札のような物ですよ。我々としても取引相手に選ぶのなら相応の物を持つ陣営にお願いしたい。なにせ大聖杯なんていう非常にデリケートな案件をお願いするわけですから」

 

 なるほど、やっと見えて来ました。

黒服さんの言う取引っていうのはそんなに()()()()()()()()()()()

 

「たとえば武力、たとえば情報。そういった監督役としてあなた方にお任せしたいと頷けるだけの物をご提示して頂ければ我々も是非ともお願いしたいと考えています」

 

 要するにこちらが持っている戦力を貸与するか情報を渡したら、監督役からの依頼という形式の取引に従って私達が欲しい情報をくれる。

そういう話です。

 

「勿論、取引相手に見合う方であれば今後も継続して()()()をしますし、私としても報酬の一つや二つ……お渡しするつもりでもあります」

 

どうするか、と嗤って問う彼。

 

「そうですね、そういう事でしたら……」

 

そう言ってから、言葉に私は詰まりました。

 

『(……()()()()()()()()()())』

 

『(……ど、どどどうしましょう……)』

 

 大問題が発生しました。

いえ、仕方なかったんです。

売り言葉に買い言葉。雰囲気として勝負に乗ってさあここから交渉だ、取引だ。

と思っていましたから。

思ってたんですけど。

 

 

 

『(モモイちゃん達に一切相談しないままここまで来ちゃいましたぁ!)』

 

 

 

 そうなんです。

実は今回の話し合いって黒服さんとの取引だったりをする前段階で、その為の情報収集をっていう形で来てたんです。

でもなんだかたくさん質問してどんどん前のめりになって来ましたし。

そうしていたら、一旦持ち帰って相談するとかいう段階を通り越しちゃいました。

 

『(どうしましょう……一回お断りして……)』

 

『(まあ、アイスブレイクあたりでこうなる気配はあったからね。バーサーカーの手先が器用で助かったよ)』*5

 

『(はぇ……?)』

 

 黒服さんなんか完全に私達がここから色々情報出したりして話すだろうって待ち構えてて、今更ちょっとタンマとは言い出せない雰囲気。

それに耐えられなくてセイバーさんに相談したタイミングで。

 

 

 

 

 

 

話はかせてもらったわ

 

 

 

 

 

「え、えぇ……」

 

 いつの間にかスパルタクスさんが持っていた機材から大きなホログラムが浮かび上がりました。

なんだかさっきからずっと、彼が静かにされてると思っていたんですけど、どうやらリオ会長達とこっそり連絡を取る準備をしてくださっていたみたいです。

 

「これはこれは、お初お目に掛かります。セミナー会長、調月リオさん」

 

『あくまで臨時よ、現職復帰した覚えはないわ。今はたまたま他のセミナー役員が不在ですから、だからこの場に私はいる……それだけよ』

 

「なるほど。貴女も中々苦労を背負わせるのがお好きなようだ」

 

『なんとでも言って。それで、同盟陣営が取引先として相応しいかどうかだったわね?』

 

 全部聞いておられたのか、さくさく話が進んでいきます。

もう私は着いていくのに必死です。

 

「話がお早い。それで?貴女がわざわざ出て来られたという事は」

 

一体全体どうなるんだ、そんな風に目まぐるしい展開に慌てて整理もできない私の頭。次に飛び込んできたのは。

 

 

 

『セミナー臨時会長として彼女達の戦力的な保証と……彼女達が有事の際や取引を反故した際に私が監督役との契約を引き継ぐ……つまり保証人になるわ』

 

 

 

「リオさんッ!?」

 

「なっ!?このバカッ!お前は何をっ!」

 

 リオ会長のとんでもない発言とさっきまでちょっと胸を張って腕組みしてたミノリさんや困った顔をしていたハナコちゃんの、悲鳴に近い声でした。

 

『必要な契約書を出しましょう。貴方の言っていた、自己強制証明だったかしら?……マスターでない私には適用できないようだけど、必要なら文書として私がサインした物を準備するわ』

 

 その声の理由は明白でした。

聖杯戦争中のマスターと自治区間の協力関係は公にできない。

それは私達が日常に戻った後のことを考えても、そして自治区自体の立場を考えてもどうしても守らなきゃいけない一線です。

 

 それをリオ会長は、バレるリスクを全部背負った上で監督役との交渉に乗り出したんです。

おまけにわざわざ臨時で、しかもセミナー幹部が不在、とまで言い切って。

そしてこれまで私達との繋がりは一応秘匿され続けています。

それがつまりどういう事か。

 

「こんのっ、黒服ッ!ちょっと待て!私達の間で『不要よ。話がまとまろうとしているなら素早く済ませた方が合理的でしょ?』本当に!お前は!」

 

「ああもう!スパルタクスさん!他の方にも連絡……いえもう私が直接モモトークで先輩方に連絡を!」

 

 私達に協力してくれてた事実が万一明るみに出たとしても自分一人のせいにしようとしている、そういう事なんです。

それも取引を確実に成功させる、その為に。

 

 もう取引どころの騒ぎじゃありません。

一体全体どういう、いえもうそんな事より。

とにかく話に割って、そう思った時に聞こえてきたのはこのタイミングで聞こえるはずのない声。

 

『……これは臨時会長としてたった今、私が極秘裏に交わす契約となるわ。返答は『であれば《だ』『私達も一枚噛まないとねー』……貴女達』

 

「モモイちゃん!?ウイさんと一緒にって、キャスターさんもどうして?!」

 

チヒロ(女史)の伝手でな、通信に割り込ませてもらった。さてモモイよ、どうやら奴らは我らへの相談もなく取引に応じんとしているぞ?』

 

『こっまるなー!黒服さんとの話し合いはとりあえずちょーさ!って話だったじゃーん!』

 

軽やかな声で悪戯っぽく言われてしまうと私も弱いです。

 

「あぇえ……っと、その流れと言いますか……」

 

『駄目だな、それでは困る。セイバー、そしてバーサーカーよ。お前達が着いていたというのになたる体たらくか』

 

「ああ!これはうっかりしていたよ!だが許して欲しい!気が弱い僕としてはどうも我が愛する主人を咎める事ができなくて……」

 

明らかなオーバーリアクションで気がつきました。この人、というかセイバーさん達もしかして。

横目にして口笛吹いていますが、今ハッキリわかりました。

この人、最初から何かあったらキャスターさんに連絡する気まんまんだったんですね*6

それならそうと仰っておいて下さい、もう。

 

『リオ会長も話を進めちゃうし、同じ陣営としてショックだなー……ショックだからさぁ、私達も勝手させてもらおうか?』

 

『というわけでだ、黒服よ。監督役である貴様に我らキャスター陣営から人手を貸してやろう。喜べ、下手なオートマタとはものが違う』

 

「みなさん……」

 

「クックックッ……とりあえず、話をまとめましょうか?阿慈谷ヒフミさん」

 

「はい……」

 

そんなこんなで慌ただしい形でしたが私達の取引、というか私達同盟陣営は無事に取引相手として認められて───。

 

 

 

 

 

 

 

「では、幾つか情報をお渡ししますので、お好きな依頼を受けて下さい」

 

「勿論……報酬は弾みましょう」

 

という感じで黒服さんとの取引に応じる事になったんです。

 

 

 

 

 

 

 

*1
あまりにも細やかな気遣いに気付かぬふりも出来たが、それが出来ない、したくないのもまた阿慈谷ヒフミという少女だった

*2
鼠と聞いて頭の中に以前会った小柄な少女が「シューロシュロシュロシュロ!チーズは美味しいシュロねぇ!」となんか鼠耳をつけてるイメージ映像が沸いたヒフミであった。この娘も大概肝が据わっているというか暖気である

*3
この後突然スタンプ爆撃されたシュロは盛大に困惑して、彼女が慕う女性に相談に行った。結果は本人に見合わず可愛らしいスタンプを一つだけ返した、という。仲良しか?

*4
酷い絵面である

*5
???「ぬふっ。当然である、スパルタクスに不可能はない。たとえ慣れぬこんぴゅーたーやら機械仕掛けの絡繰であろうと、己が知識と指先が至らぬという現状にこそ叛逆しようとも」

*6
半分正解だよ。何もなくても連絡しておこうと思ってたさ。だって君、絶対何かやらかすだろ?





やっと、やっとこさ黒服とのお話が終わった1じゃんね☆
本当に難しかったじゃんね……量とか数は別にどうとでもなるけど、途中で解釈問題にぶち当たって何度か書き直してだいぶスレでは待たせちゃったもんじゃんね……
まあそのおかげでたくさんスレのみんなの疑問にちょっとでも答えられたかなぁって思えば万々歳じゃんね☆

話変わるけど奏章Ⅳまだ中盤だけど面白いじゃんね☆
みんなもまだならぜひプレイしてみてほしいじゃんね☆
ブルアカの方も絶賛新イベント開催中!
みんなもばちぼこに可愛い可愛いアオバちゃん(配布生徒)をお迎えしよう!!!!!!!じゃんね☆

ちなみに1はメインストーリーは配信から二週間、イベントは最終シナリオ更新から一週間、ネタバレになるような要素は本編内で出すつもりはないじゃんね☆
配慮は大事、じゃんね☆
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