……逃げられた、か。
いいわ、どうせこっちを削る算段だったんでしょうけど。
お生憎様。
私達の優位性はこの程度じゃ揺らがない。
あちらも本命はまだ隠しているようだけど……どちらにせよ、ね。
それが王道だろうが邪道だろうが、或いはそれ以外でも呑み干すのみ。
どんな小細工でも謀略でも正面から迎え撃って。
───一切合切、叩き潰してあげるわ。
さっ、帰るわよ、ライダー。
今日は勝利の祝杯よ!
チキンにケーキ!シャンメリーだって開けちゃうわ!
早く帰って美味しい物、みんなで食べなくちゃね!
……っ!?!?
な、なによ!?今の音!?
む、ムツキ!?ちょっと!報告を……はへ?
なななな、なっ、何ですってーーーーーーー!!!???
夕日を背にして、その陰を真っ黒に長く長く地面に伸ばしながら。
彼女は今日も微笑んでいる。
変わらぬ表情で、あの時のお茶会と変わらない笑みをその口元に浮かべて。
いつものように、私達を優しげに見ている。
そう、変わりません。
昨日のちょうどこの時間と同じように。
その手に銃を持って、その引き金に指をかけて。
彼女は微笑っている。
「あら?ハナコさんはいらっしゃらないんですね?」
まるで今気づいたとそう言わんばかりに、口に手を当ててマリーちゃんはそう言う。
何も、これまでと変わらない。
「その代わりに……あまりお見かけしないお客様がこんなにたくさん」
ちらりと私の横にいるモモイちゃん達を見て、彼女は大袈裟なぐらいに手を叩いた。
けれどそれは歓迎の乾いた音を鳴らしてはくれず、握りしめられたグリップを叩く鈍い音になる。
「はじめまして。私は
───伊落マリーさんはシスターフッドに退部届を提出されました。
マリーちゃんのどこか態とらしい自己紹介の口振りで思い出すのは今朝トリニティから出立する際にナギサ様から教えて頂いたこと。
───聖杯戦争、そして彼女の動向含めシスターフッドは完全に黙秘を続けています。
───曰く、伊落マリーは既にシスターフッドを辞し、我々とは
───表沙汰に出来ない案件ですから聴聞会も開けず、サクラコさんからの返答もそれっきりですが、経緯はどうあれ恐らくそれ自体がシスターフッドを退部された理由です。
マリーちゃんは既にシスターフッドから席を離れて、退部届を提出し、それをサクラコ様が受け取っている。
そして直帰外泊申請を済ませた彼女は既に寮からも備え付けられた家具以外は荷物を全て手放している。
そういう風に、私はナギサ様から伺って。
だから今の彼女はトリニティの名前しか名乗れないことを察してしまいました。
「───第六のマスター、伊落マリーです」
軽く頭を下げるとその裾を僅かに持ち上げて、夕焼けに照らされながらもぽっかり浮かんだように白い靴下とそれよりなお色のない下腿を見せつけるカーテシー。
そうしてから頭を上げた彼女の目はじとりと、モモイちゃんを見つめていた。
「うん、はじめまして。私はモモイ───ミレニアムサイエンススクール1年、ゲーム開発部の才羽モモイだよ」
「まあっ!やっぱりミレニアムの方でしたか!ヒフミさん達が短期留学に行かれているというお話しを伺ってましたからそうではないかと!」
「……うん、合ってるよ」
一歩、また一歩と彼女はこちらへと足取り確かに進んで来る。
こんな場所で会わなければ、あんな事がなかったのなら、何も思う事はなかったですけれど。
彼女が近づく度に揺れる影と、黄昏に沈もうとする世界の中で彼女の隣で揺らめく陽炎に。
やっぱり少しだけ、喉が渇いてしまいます。
そうして、マリーちゃんと私達の距離があと数メートル。
ほんの少し踏み込めば、もう間合いとなる。
そのタイミングで。
「───そこまでにしてもらおうか、ランサーのマスター」
「───通るならば、相応の痛手を強いるが……如何するか?」
風、一吹きと流れる。
蒼の外套と燻る蒸気。
御二方の背中が夕焼け色より鮮烈に私達の目に飛び込んできました。
この場にいる誰もが、今日このタイミングで彼女と会うと想像なんてしてなかっただけに、どんな風に話せばいいか分からないまま押し黙ってしまっていたから、正直助かりました。
「あら?こんにちは、セイバーさん」
「……合宿所、で見かけて以来かな?久しいね、ランサーのマスター」
「ふふっ、久しいだなんて───
「……レディの茶会に我が物顔で僕が参加しては折角の空気を壊してしまうからね」
「……では、そういうことにしておきましょうか」
前に躍り出たセイバーさん達を目にしてマリーちゃんは立ち止まられました。
けれどそこで一歩も退かず、いっそ優雅なぐらいに言葉を交わしていく。
「それから貴方がキャスターさんですか?」
「……如何にも」
「ふふっ、それは良かった。きちんとこれからの事を考えたらちゃんとお顔は見ておきたかったですし」
ころころと鈴が愉快げに鳴る。
その言葉に私はつい繰り返してしまいました。
「これ、から……?」
聞いてしまって、後悔した。
そんなこと今更聞くまでもないんです。
だって返ってくる答えが分かりきった問いなんですから。
「はいっ!私は
何を今更、と本当に不思議そうな顔を見してみせるマリーちゃんに思わず歯噛みする。
昨晩のナギサ様との喧嘩で私は言葉を尽くすと決めました。
届かないかもしれない。
でも言わなかったら始まりません。
一度で届かなくても、何度でも。
相手に気持ちを伝えて、言葉を尽くして。
相手のお話を聞いて、それを精一杯受け止めていきたい、と。
けれど、その心が少しだけぐらついてしまいます。
お友達から、真正面から敵だと言われる。
そういう風に話すマリーちゃんにどんな言葉を掛ければいいかが分からないんです。
彼女が何を思っているのか、何を願っているのか、私は何も知らない。
だから私は、
聞かなくちゃいけないんです。
僅かでも彼女の願いに、心をノックしなくてはいけない。
得られる物は僅かでも、そんな事では諦められない。
だから───。
口の中が緊張で乾いて、思わず唾を飲み込みました。
聞きたいことは多いです。
この聖杯戦争についても。
そして。マリーちゃん自身にもついても。
分からない事が多すぎて、逆にどれから聞くべきか悩んでしまいます。
でもだからといって今この絶好の機会で二の足を踏んではいられません。
知らなきゃ、聞かなくては、分かりあう為の一歩目すら踏み出せない。
それでもやはり、いざ口にしようとすると緊張してしまいます。
いつもお友達とお喋りする時はするする出てくれる言葉が中々喉の奥から出てきてくれない。
ちゃんと聞かないと、そう思えば思うほど。
ここで聞いてしっかりマリーちゃんの願いを知って、一緒にハッピーエンドを目指せるような話し合いにしないと、と。
そんな風に考えれば考えるほど、焦りが生まれてしまう。
「私達が敵だって……」
そんな私の背中に
怯えも不安も入り混じっていて、けれど強く芯のある声が。
「私達が敵だって言うなら!……なんで顔、見せてくれたの?なんでっ!……別に自分から出てこなくてもっ……教えてよ、まりー……」
振り返れば、涙目になりながらそう言うコハルちゃんがいました。
握りしめた拳を震わして、小さな体をくの字に曲げるぐらい大きな声で、でもやっぱり不安なのか引き攣った声で、そう叫ぶコハルちゃんを見て。
ハッとする思いでした。
その言葉は強いけど、『どうして』っていう批判なんかじゃなかったんです。
コハルちゃんの言葉にはどこまでも心配する思いが乗っています。
「……私達には、マリーちゃんが本当に『敵』なのかなんてわかりません。だけど、それでも、私達はマリーちゃんの友達です。今この場でわざわざ話しかけてくれたのだって、何か用事があって、だからお話しに来てくれたんですよね?……もし、もしそうなら。私もお話させて下さい……教えて下さい」
そんな風に叫んで、一番初めにきっかけを作ってくれたコハルちゃんへ感謝して、私も彼女へ続くように戸惑っているマリーちゃんにまず言いたい事を伝えます。
「マリーちゃんはこの戦争に、巻き込まれているだけなんですか?」
まずは私達の立場をはっきりさせて、それからもう一度確認しなきゃいけない。
本当にマリーちゃんは望んで聖杯戦争に参加したのか、それともただ巻き込まれているだけなのかを。
だって、そうです。
お友達なんです、マリーちゃんは。
だから、心配なんです。
「……私は」
そして私たちの言葉にマリーちゃんは。
「私だけの願いの為に戦争に参加しました」
「そこに嘘も偽りもありません」
一瞬だけ、瞼を閉じてから。やはり微笑んで彼女はそう言い切った。
だけど、そこに深く重い何かがあると、その彼女が聖杯戦争に参加する覚悟をした理由に、彼女の本心に繋がるヒントはあると直感する。
だから深追いしようと口を開いた時、周囲の温度が僅かに上昇した。
「もういいでしょう、マスター」
「……ランサー」
夕焼けに包まれた彼女の横でずっと揺らめいていた陽炎がその歪みを強めたかと思えば実像が結ばれる。
マリーちゃんのサーヴァント、ランサーさん。
彼がさりげなく、けれど油断なく盾でマリーちゃんを庇うように立ちながら現れた。
「彼らと言葉を交わす必要も、無駄に矛をぶつけ合う必要も今はありません。戻りましょう」
「……そう、ですね」
マリーちゃんは少しだけ顔を落とす。
逆光で暗く影になってしまって何も表情は見えない。
ただ、今、折角会えた友達ともう離れてしまうのだけは私には我慢できなかった。
「……あのっ!待って……下さい、ランサーさん」
「───何か?セイバーのマスター」
頬に一瞬だけ熱を感じた。
それはあの夜に感じたそれとは違って、もっとざりざりとした怒気に似ていた。
その怒りに似たナニカに怯えそうになるけれど。
「もしかしてさ、
誰かの左手が私の右手を強く握りしめてくれた。
一歩後ろに引きそうだった足が踏みとどまる。
私の隣に立って袋を、アンプルと銀の薬莢が入った袋をマリーちゃんへと見せる彼女と共にランサーさんの視線に負けじと見つめ返す。
きっとランサーさんもマリーちゃんの事を案じている、それはこれまで見てきたからよく分かる。
だけど私だって───お友達です。
「……答える義理は「れ、連戦!」……何か、小さな少女よ」
後ろからまた一歩進む音と声がした。
「4回も、連戦してるんならっ!そのっ、疲れてるんじゃ……ないかって……そう思ったからっ、だから」
コハルちゃんが言葉を切りながら、鋭くも強い圧迫感に負けじと叫ぶように尋ねてくれる。
「だから薬、とかその使ってるんじゃって……ほんと体調も……マリー良くないんじゃないかって……」
その言葉にマリーちゃんは、初めて笑顔を崩した気がした。
暫く、沈黙が流れて、それから彼女はどこか歪な笑みを作って言った。
「
「私は健康ですよ、コハルさん」
「でも驚きました、私達の戦闘記録を随分とお持ちなんですね?」
嘘だ。
マリーちゃんはきっと無理をしている。
無理をしないといけない理由がきっとある。
ここだと私の中で直感が囁く。
けどマリーちゃんの話は、コハルちゃんの告げた回数へと流れていく。
「そっ……それは……」
「いいえ、構いませんよコハルさん。殺し合い、なんですから。沢山の情報を集める事は重要なことです」
「ちがうっ!私達はっ!ヒフミはそんなつもりじゃっ!」
「大丈夫、いいんですよコハルさん。その程度の情報が集まったところで私達が不利になる事はありませんから」
にこりと今度こそいつもの微笑みで返す。
言葉の文字列だけなら強気だけれど、その温度は寒々しい。
挑発でもなんでもない、あの映像記録を見られてもなんの問題もないと心から思っているのが分かる。
だけど。
「じゃあ、このアンプル貰ってもいいよね?どうせ空なんだし」
モモイちゃんの言葉を、マリーちゃんは無視できなかった。
「貴女は……嗚呼、そうですか」
「もしかして、やっぱりこれ回収に来たの?それなら私達にこれ、
今度はモモイちゃんが強気に言う。
交渉、というほどの物じゃありません。
もし本当に彼女が望むなら私は薬莢もアンプルも渡してもいいと思ってます。
そしてそれはきっとモモイちゃんも同じ。
だからこそは強いて言うなら、帰ろうと、この場を去ろうとするマリーちゃんをなんとか引き留める為の一手。
ここで得た物の代わりに、彼女の反応を、想いに少しでも触れたい。
彼女に届く言葉を見つける為にも、彼女の想いを知らなきゃいけないから。
だからモモイちゃんはこの場で見つけた情報を全て賭けてくれた。
「……薬品も薬莢も、指定の場所に捨てるようトリニティでは義務付けられていますから……渡して頂けるならこちらで処分しましょう」
「なるほどねぇ……どうしよっか?」
そのニヤリと笑うモモイちゃんへ私達は───。
一度集まって話をする
初めから、どうするかなんて決まっています。
マリーちゃんが欲しいと言うのです、きっと何か考えがあるんでしょう。
なら全部渡すのは全く困らない、惜しくない。
けど、それでも
知るべき事を知らなかったで悲しむことがないように。
私はミドリちゃんに目で合図を送ると、小型ドローンを今回預かってもらっている彼女は小さく頷いてくれました。
こっそりと、私はモモイちゃんから受け取った袋の中身をしげしげと確認する
背中を向けているからマリーちゃん達は勿論、その角度から私とミドリちゃん以外はただこれから渡す物品を確認しているようにしか見えない。
そうやってゆうに1分、じっくり眺める振りをして大体の角度からの撮影を終えて、私達はマリーちゃんへと向き直る。
「どちらも、お渡しします」
「……皆さんの配慮に感謝します」
特に変化はありません。
ホッとしたとか、そういう内心は出ません。
でもマリーちゃん、それは甘いですよ。
必要とする品を入手したのにそこから生まれる気持ちをおくびにも出さないなんて、逆に
「あの、ヒフミさん……?」
だから私は、彼女の瞳をまっすぐに見た。
「無理をしなきゃ……いけないんですか?マリーちゃん」
「……何も、何も無理なんてしてませんよ?」
嘘に決まってる。
確かにポーカーフェイスは上手です、正直これだけ見事に表情を描けるなんて私は少し前まで想像もしてませんでした。
でも物の売り買い、取り引きのてにおはは、私だって覚えがあります。何せブラックマーケット仕込みですからね!
だから、袋を手渡したそのまま、私は彼女の手をそっと握る。
彼女が
「……離して下さい」
「駄目です。教えて下さい」
「……離して」
「嫌です。ちゃんと目を見て無理をしてないと言って下さい。私のこの手を斬り落としたい、マリーちゃん
「……っ」
「ちゃんと教えて下さい……お友達のお願いを何にも知らないままなのも、そんな無理した顔してお友達を知らんぷりするのも……私はそんなの嫌なんです」
たとえこの瞬間に腕を斬り落とされたら、その時はきっと泣き叫ぶぐらい痛いんだろうと思います。
きっとそれはすごく辛いのも分かってます。
馬鹿な行動なのも百も承知です。
それでも、私はマリーちゃんの友達です。
どんなに理性が怖あと叫んでも、目の前で無理してる彼女を知らんぷりするのは嫌なんです。
「……ごめん、なさい」
それでも、今回もやっぱり私の手は振り解かれてしまって。
彼女は背を向けてしまった。
けど、だからといって。
私はまだ、諦めない。
「マスター、これ以上は……「随分と焦りが見えるね、ランサー」……セイバー。私は……貴殿と話す事は何もない」
ランサーさんが、どこか急かすように背を向けたマリーちゃんを促そうとしたそのタイミングで、静かにセイバーさんは口を開いた
「素直に問うて、答えようもないのは分かるさ。それでもまだヒフミ達は、そして僕も君の主人が善き少女であると信じている───他ならぬ君の言葉だからだ、レオニダス王」
あの晩、初めてランサーさんと出会った時、彼は心から嬉しそうにマリーちゃんの事を誇っていました。
今ならその意味だって分かる、きっと本当に彼はマリーちゃんのサーヴァントになったのを心地よく感じてくれたのだと。
他ならない私達だって、彼女の友達なのだからその気持ちはよく分かる。
だからこそ、聞かなきゃいけません。
「理由があるのなら、聞かせて下さい。戦いを急がなきゃいけない理由、マリーちゃんが大好きなシスターフッドを抜けてまで聖杯戦争を戦わなきゃいけない理由」
そして、彼女がした
「腕を斬らなきゃ、いけないんですか?サーヴァントの方を……その自害させる選択がこの聖杯戦争には用意されてない。だから、そうまでこの殺し合いから私を脱落……させてくれようとしてるんですかっ……?」
これまで、彼女と話してきた時間を思い返して、けっして彼女がいたずらに人を傷つけて喜ぶような人間じゃないのは知っている。
なら彼女の選択は、もしかすると私達の為なんじゃないかと。
そう聞いて。
───12ゲージの号砲が鳴り響いた。
空砲、でしょう。
咄嗟に身構えそうになるのを必死に抑えつけて、彼女の背をじっと見続ける。
何か問いが返ってきてくれたら、嬉しい。
けど1回では彼女の気持ちは変わらないかもしれない。
それでも……ううん、それなら。
何度だってノックする、何度だって彼女の心に呼び掛ける。
だって友達なんです、ならきっと必ず通じ合える筈なんです。
「……帰りましょう、ランサー」
「……ええ、マスター」
彼女達はゆっくりと、空に沈んでしまいかけているオレンジに向かって歩き始める。
その足取りはすごくゆっくりで追おうとすれば、追いつけるけど、誰も動かない。
ただ待つんです、マリーちゃんが教えてくれるのを。
無理強いをして、組み伏せて口を開かせて、そんな事がしたいんじゃないんです。
だからきっと。
「拠点や協力者が……いるんだな?」
今必要なのは、アズサちゃんがそうするように足を動かすのではなく言葉なんだと思うんです。
「……でしたら、どうかしましたか?アズサさん」
「いや、寝床や食糧の心配をしていたけれど。でも仲間もいるみたいだし、少し……安心した」
「……んとうに」
小さく、本当に小さくマリーちゃんが言葉を風に乗せてから。
ほんの少しだけウィンブルを揺らして、それから。
「───ライダーには気をつけて下さい。それから何かあれば
その言葉に私は、はっきりと告げる。
「教えてくれて、ありがとうございますマリーちゃんっ!何かあったらマリーちゃんも私に言ってくださいねっ!」
笑顔で右手を振って、そう言う私に彼女は。
「いずれまた、戦場で」
そう言って、ふわりとランサーさんに運ばれて姿を消しました。
こつりと、裏口から人が入ってくることに少女は気がついた。
ろくに電灯を付けないその場所で彼女は来客を待つ。
その顔には憂いと痛みと、後悔で化粧をされていた。
知っていたのだ、彼女はこうなる事を。
蝙蝠のようだと己を蔑みながら、それでも彼女は僅かでも『嘘』の中に『真実』を混ぜて。
それでも、後悔は消えず。
だから少女は一人、審判を待ち続けた。
そうして。
「一人で待っておられたんですか?」
来客は、浦和ハナコは苦々しげに呟いた。
まるで他の人を、いや、いっそ兵士でも引き連れていて欲しかったのだろうと少女は当たりをつけた。そうすれば気持ちよく敵として関われたのかと、少女はまた一つ、心に石を乗せた。
「……いえ、良いんです。それよりも、お時間を取って頂きありがとうございます」
断る理由がないのだ。
だってもうその義務を果たしてしまったのだから。浦和ハナコは
「貴女が残した嘘をやっと見つけることができました。だから───」
だが同時に、嘘を見つけるのには
だからこそ、今ここにハナコはいる。
「今度こそ本当の話を教えてください。お願いします───」
そうして、少女は伏せた顔を上げ、その目がペリドットの輝きと交差して。
「───古関ウイさん」
古関ウイは、静かな頷きをゆっくりと返した。
1は最初からちゃんと誰が嘘つき(LIAR)か書いてたよって話だったじゃんね☆
続きはまた今夜、じゃんね☆
えーここからはご相談になりますじゃんね☆
活動報告(安価が恋しいってタイトルのやつじゃんね☆)にもあったようにクリスマス用の短編とか作るのを断念した……のですが設定上の都合でどうしても一本書かなきゃいけない短編がありました。
が、問題は削除(爆破)済みのPart6までの内容と言いますか、Part6スレの残り10レスで一回更新→Part7スレのラストら辺でお話しする内容になる筈の物だった短編です。
……そうです、クリスマス当日夜用に仕掛けてあった伏線があったんです。
というわけで安価!……じゃなくてアンケートするじゃんね☆
以下の選択肢?から好きなのを選んで欲しいじゃんね☆
明日(2024.12.25)の午前中にその集計見て、どうするか考えたいですじゃんね☆
1、一人では決められないぼけぼけなので皆様のお力添え、何卒よろしくお願いします……じゃんね☆
もしもこういう風にしたらどう?とかこういうのがいいなぁ、とかあったら感想じゃなくて活動報告の方へ!(確か感想に書くとダメだった気がするので……)
ハーメルンでアンケートするの初めてだからなにか不手際あったらごめんなさいじゃんね☆
クリスマスif?短編は
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①いらないじゃんね☆
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②最新話までの内容で再構成して投稿
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③本スレPart6までの内容込みで投稿
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④ヒフアズのクリスマスデート
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⑤そんな事よりヒフナギのクリスマス
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⑥どっかの陣営同士がいい感じにバトル
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⑦その他、お題は活動報告へ