ランサーさん……ありましたか?
うぅ……やっぱり見当たりませんよね……
こ、困りましたね……
あまり見られて気持ちの良い物じゃありませんし、ちゃんと回収しないと彼女に怒られてしまいますし……
昨日から探しているのに、何故……一体どこに落としてしまったのでしょう……
いえ、大丈夫です。
手早く探して次の狩場を……ふふっ、もうっ!
またそうやって笑わせようとして!
……そうですね、嘆いていても仕方ありません。
早く見つけて、次の霊地を抑えて。
それから───ヒフミさん達の腕を切り落とさないとですね!
「さっくせーんたーいむ!」
「この後の予定について、だね」
モモイちゃんとミドリちゃんの元気な声が、パーキングに響き渡ります。
小型ドローンのアイギスちゃんや霊体化しているお二人に周囲を警戒してもらいながら、私達は今後の予定を話し合おうと集まっていました。
「とりあえずミレニアムに帰る?」
「急ぐ必要がない、というのはある。ヘリは使えるからこのまま一泊して朝方に帰るというのも手だな」
コハルちゃんとアズサちゃんの言う通り、私達のここからの動きは基本的には二つになります。
ミレニアムに帰るか、このまま合宿所とかで一泊するかです。
「ミレニアムに帰ってできる事……なら、ヴェリタスにアイギス7号の映像を解析してもらう……とか。たぶん、情報の受け取りは『明日の朝』、になるかな?」
「それならアリスは解析を頼んだ後にゲーム大会をおすすめします!」
「ヴェリタスに頼むならカラオケ大会は?この前ウタハ先輩達がエンジニア部でカラオケしたって聞いてから気になってるんだ」
ミレニアムに帰ると情報の解析、その後はゲーム大会かカラオケ大会……楽しそうです!
「でも情報の解析だけなら、トリニティからデータ送るだけでもすまない?」
「そうですね、その事については急いで帰る必要はないかも……ですね」
「確か合宿所にはブルーレイがあったから、それを見たりして過ごして明日ゆっくり帰るのもいいかもしれないな」
情報解析については実のところ現物が手元にありませんから、お願いするのはマリーちゃんに手渡す前に録画した映像のみになります。
そのことだけを考えると確かにわざわざミレニアムへ戻る必要性、というのは少ないかもしれませんね。
何よりゆっくり、と言われると少し誘惑されちゃいますね……それにペロロ様シリーズもたくさん*1置いてありますし!
みなさんで鑑賞会なんてのも楽しいかもしれません!
私達はこのあと───。
あの後ハナコちゃんと合流して改めて話し合ってから、ミレニアムに戻ろうという事になりました。
ペロロ様アニメの鑑賞会(徹夜コース)のつもりでしたが……無念です。
これなら私もハナコちゃんと一緒に合宿所に行けばよかった、わけはありませんね。
「ひ、ヒフミちゃん……また明日とか、そのアプリとかで調べてこっちでぺ、ペロロ様シリーズ見れないか調べますっ……から落ち込まないで」
「ゆ、ユズちゃんっ!……ありがとうございますっ!」
「むぅぅっ!?……ぐ、ぐるじぃ……」
優しいユズちゃんからの言葉に思わず抱きしめてしまいます。
私もファンサイトに会員登録してますけど、自分からこんな風に見ようって誘ってくれるなんて……沼に引きず……いえ、一緒に楽しく見なきゃですね!*2
『連絡受けた……のはいいけど、あの二人何してるの?』
「仲良きことは美しきかなぁ……って感じかな?どう思う、ハナコ?」
「ええ、とっても素敵です♡お二人の未熟な⬛︎が服の下で⬛︎⬛︎あいながら⬛︎く昂り合う未知の感覚を確かめ合いながらの友情♡うふふっ夏なのに桜色染まっていて愛らしいですね♡」
「まっ、またそんな事言って!変態!どすけべ!」
と、いつの間にかユウカちゃんとそれからヴェリタスの音瀬コタマさん*3にも連絡が繋がったようでお二人の姿がホログラムに投射されています。
『とりあえず私からはまた物資関連のリストを用意してるからそれを確認して欲しい物言ってもらえる?』
「うん、ありがとうユウカ。やはりミレニアムの生徒会は優秀だ」
『別に私だけの力じゃないから……お礼はまた供給してくれた部活の子達とかトリニティの桐藤会長に言ってあげて』
ユウカちゃんの言う通り色んな方にお世話になりっぱなしです。
いずれしっかり、ご挨拶に行かなきゃですね。
「その時はアリスもお供します!色んな部活、見に行きましょう!アズサ!」
「ああ、楽しみだ。……そういえばこの後、ゲーム大会をするが、ユウカは来ないのか?」
『そうしたいのは山々だけど、誰かさん*4がそれこそ山ほど事務書類抱えてるからこの後夜勤番なの……本当にあの人ったら私がいないともうっ』
通信のホログラム越しの生暖かい私達の目線に気づかれたのでしょうか。
ユウカちゃんは咳払いをして話題を変えられました。
『んんっ、それはいいから……今表示しているリストから欲しい物選んで。明日の朝には準備して届けるようにしておくから』
ちなみに本人は今回の物資提供について承諾どころか、その事実すら知らない。はっちゃ。
『物資についてはドリンクバーにポケットドローンね。コタマ、ハレにまたお願いしてもらえる?……それからノアの詩集?まあいいけど』
『分かりました、ハレさんにまた伝えておきます。それから夜勤に行く時は今日は抹茶味の瓶ラムネを持っていかれるのをお勧めしますよ、ユウカさん』
『……ありがとう。それはそれとして後で聞く事できたから』
『はて……なんのことでしょうか?』
ユウカさんと、今回モニター越しになりますがヴェリタスの方だという音瀬コタマさんの会話を聞きつつ、気になった事を私は尋ねた。
「あのコタマさん、実は解析して頂きたい映像があるんです」
『えぇ、大丈夫です。こちらにデータを送ってもらえば明日の朝には解析結果を回します……どんな資料になりますか?』
「ハレ先輩のドローンに撮ったんですけど、アンプル剤と薬莢の映像があるからそれの流通ルートとかを調べてもらえますか?」
『その感じだとラベルとか刻印とかもない感じになるでしょうか……ある程度にはなりますが解析してみます』
ミドリちゃんの周りを漂うように浮いているアイギス7号さんに収まっている記録。
マリーちゃんが回収していた事から多分重要な物だと思います。
実物こそ手元にありませんが、それでもあの時映像だけでもしっかり残す事が出来たのは幸いでした。
そのおかげで今こうして映像を解析に回させて頂いて手掛かりを探る事ができます。
「そういえば今日ってハレ先輩一人な感じ?」
『今のところはそうですね、マキとハレは別業務ですし、副部長は仮眠を……あと二時間もすれば起きて一緒に作業する予定です』
「うひゃぁ大変だ」
『やっぱりヒマリ先輩やエイミとは?』
『依頼、というかよく分からない情報分析は頼まれますけどそれぐらいですね、足取りも恐らくエリドゥ……にいるのではぐらいしか』
「ヒマリ先輩……アリスは心配です」
ヴェリタスの部長さんである明星ヒマリさんと部活は異なりますがその方と行動を共にしておられる和泉元エイミさん。
彼女達をもう一週間近く姿を見ていないらしい。
アリスちゃんの心配そうな声で、どこかでトキさんのいるエリドゥに行って安否を確認できたらと思ってしまう。
『色々考える事はあるけれど、まずは今やれる事をしていきましょう。貴方達も夜遅くまでゲームをしすぎないで、早く寝ること!いい?』
「う、うん……ちゃんとしっかり休みます」
「そうだよユウカ!私たちこれから3時間ぐらいしか遊ばないから!」
「ユズの言う通りです!アリス達はこの後の予定として大乱闘スマッシュシスターズをしつつコハルのダークネススピリッツ初クリアまで鑑賞会しかするつもりはありません!」
『まあ……3時間ぐらいなら』
そうアリスちゃん達の熱意に折れてか、渋々といった様子でユウカさんはなるべく早く寝なさいよといいながら通信を切られました。
今から3時間となると今日は少し夜更かしになりますけど、ペロロ様関連と簡単なアプリ以外ではあまりゲームには触れてこなかった*5のでお友達とするのはとても楽しみです。
「ユウカに頼む物も頼んだし!ミドリ!ユズ!アリス!」
「うん、炭酸とポテチの準備出来たよ」
「ゲームガールの方も充電バッチリです!」
「クッションと手拭き用のアルコールティッシュも……持ってきたから」
「よぉしそれなら……!」
モモイちゃんがくるりと振り返って私達補習授業部へとにやりと笑いかける。
「今からがっつりゲーム大会だぁっ!」
その声をきっかけに、私達のゲーム大会は始まりました。
ちなみにコハルちゃんがアリスちゃんから勧められたゲームはどうやらかなり難易度が高かったようで半泣きになりつつなんとか犬と山羊を倒せたようです。*6
ゲーム大会は終わり、他のみんなからおやすみなさいという言葉を聞いてから、こっそりと。
私はキッチンに立つ。
準備するのは5人分。
水を注いだ鍋に火をかける。
沸くまでの時間、後ろから聞こえる話に耳を傾けていた。
「そうですか……私のいなかった時間にマリーちゃんとそんな事が……」
「うん、ハナコには簡単に色んなアイテムゲットしたよー!……みたいな話しか出来てなかったからあらためて、ね」
「ありがとうございます、モモイちゃん。ではマリーちゃんは『薬莢』と『アンプル』の回収に境界線に現れた……という考えで良かったですね?」
「うむ。あの反応であればほぼ間違いないだろう。ランサーも『矛を構える必要はない』と我らにマリーが話しかけてすぐに言っていた」
実際のところ、あの時のマリーちゃんは戦闘をするつもりはなかったのでしょう。
実際数だってこちらが有利でしたし、だからこそ前回のような『奇襲』という選択も取らなかったのだと思います。
反面、やはり気になるのは『何故取りに来たのか』。
「ハナコは、何か思うところはあるかい?」
「そうですね……やっぱり『薬莢』でしょうか?銀製、とアズサちゃんは推測したようですが確か随分昔のシスターフッドはそう言った純銀製の弾丸を儀礼の際に使用した……なんて記録を読んだ事があります」
「純銀の弾丸か。薬莢だけでなくやはり弾丸も銀だというのなら、教会が作る魔除けの類であろうか」
ハナコちゃんの話そのものは聞いた事はありませんでしたが、銀の弾丸と言われれば思い当たる節がないわけじゃなくて。それはモモイちゃんも一緒だった。
「うーん、よくRPGとかに出てくるアンデッドとか倒せるやつのこと?」
「恐らくそのモチーフとなった物ですね。今でも純銀製となると高いですけど、銀メッキをした弾丸のお守りは見かける事がありますから」
「でもそんなのフィクションじゃないの?普通ほら『この鉛玉をくれてやるー!げへへ!』とか言うし*7、銀にしたからって攻撃力上がるの?」
と、お湯が沸き始めたのでカモミールのパックを入れて弱火で煮出していく。
今時はパックでも十分美味しい物があって、無理に時間がない時は茶葉から入れなくてもいいのがありがたい。
「概念的な物でね、モモイ。銀は古くから魔除けとして非常に大事にされてきたんだ。そんな『信仰』と『歴史』は銀に魔に対して効果を発揮する『神秘』を与える……という風にも考えられるね」
「映像の分析をすすめれば流通元も分かり、それが手製か大量生産品かも分かるであろう」
「そんなの分かってどうするのさ?」
「『限りある切り札』か『気軽に使い切れる捨て札』かの判別が出来るだろう。何より手製の銀弾を教会に仕える少女達が作った……我らの知る世界であれば十分に警戒に値する」
常に銀弾で攻撃できるか、貴重な物だからここぞという時に使うのか。それが分かるとまた一つ……もしマリーちゃんと戦うことになったとしても、戦い方を考えられる。
「そういえば銃の弾の話で思い出したけど、マリーと話してた最後に、合図みたいに発砲音聞こえたよね?やっぱりアズサが言ってたみたいにあれって……」
「十中八九、マリーの仲間だろうね。惜しいのは僕もキャスターも現代の銃器に詳しいわけじゃない。あの音がどんな種類の銃から放たれたかまでは分からないかな……ヒフミ、アズサから何か聞いているかい?」
ぽこぽこと沸騰し始めた鍋に、火を止めてから円を描くように牛乳を注ぎつつ流れを作ってしまい、私はセイバーさんの問いに答えた。
「『散弾銃』。それも恐らくは12ゲージの物を500m以上離れた位置から撃った……そういう風にアズサちゃんは考えているそうです」
アズサちゃんの言っていた言葉を思い出しつつ、そのまま軽く蜂蜜を入れて混ぜ溶かしてから、火から降ろしてもう一つ、氷を入れた小鍋へ中身を移し替えて手早く混ぜる。空砲、に近い物だったのではというのがアズサちゃゆの推理だったはず。私達への攻撃の意図はない物だと。
「ただ、ショットガンと言っても使用される方はトリニティだけでもかなりの数ですから、そこから誰が、というのを絞るのは難しいですね」
「同定する事は厳しいであろう。伊落マリーには協力者がいる。まずはその事実が確認できただけでもよしとしよう」
「そうですね、あまり考えてあれもこれもと疑ってかかったと仕方ないんですから」
そう、誰彼構わず疑ったって仕方がないんです。
だってマリーちゃんに協力してるって事はきっと補習授業部やゲーム開発部と同じで、マリーちゃんの力になろうとしてくれた人の筈なんですから。
敵だとかそういう事考えるよりも、シスターフッドを離れたマリーちゃんに味方がちゃんといる、その事実を知れたのを良かったと私は思いつつ、がらがらと音を立てて鍋の中身を回しながら会話に参加していた。
「ひふみーできたー?」
「もうちょっと粗熱取れたらですかね?」
「あいあーい」
そろそろ出来上がりです。
お玉で掬い、綺麗なクリームベージュになったそれを氷に注げば冷えた音が軋んで聞こえてくる。
さて。
「準備できましたし、見ましょうか……アルさん達の映像」
4人にカモミールミルクティーと少しだけ御守りらしくなったゴルゴネイオンを取り出してみせた。
───私を召喚してしまった以上は、もう降りる事は不可能です。恐らくこの聖杯戦争でサーヴァントを自害させる事は貴女達に大したメリットを齎してくれない
───貴女が望むのなら、私は貴女達の剣となりましょう
───少しだけ……少しだけでいいの。時間を頂戴、ライダー
「……この品についてもいずれは調べた方がいいただろうな。大方の検討はつくとはいえ、だ」
「確か……以前ウイさんに調べてもらった時は情報を記録しておく媒体とかなんとか……」
「……分からん。だが、これとよく似た……いやあり得んな。うむ、とにかく害はないであろうから急務ではないが調べることを我は進める」
そう、記録を見終えたキャスターさんはしげしげとそれを手にとりながら言われました。
それを渡してもらいながら、私も持っている同じような物を見る。
古びたテルモピュライの熱砂、そしてこのゴルゴネイオンだと思われる青銅のお守り。
そしてこの前の戦いで手に入れた
きちんと調べてはいないけれど、なんとなく。
「(形は違いますけど……やっぱりどことなく似ている気がします)」
机の上に並べたそれはどれも本質的には同じ物のような気がするんです。
『(そういう直感は大事にした方がいいだろう。君は魔術師じゃない。だけど前にも言った通り、先入観がないからこそフラットな視点で見れるというのは間違いない強みだよ)』
『(もぉぉぉっ!だから一人言に念話で割り込んでこないでくださいって前も言ってるじゃないですか!)』
『(いやぁ、随分声が大きかった物でね)』
『(もうっ!)』
そんな風に念話でセイバーさんに文句を言っていると腕を組んでいたモモイちゃんの唸り声が聞こえてきて、私達は意識をそちらに戻しました。
「でもやっぱり気になるよね、降りる事はできないって。どういう意味なのかな?」
「通常、聖杯戦争で敗北したマスターは監督役によって保護される。それはこれ以上戦闘に巻き込まれなかったりする為だけど、同時にそのマスターの令呪は監督役によって剥奪されて、完全にマスターとしての権利を失う……から方法を問わなければ降りる事は可能な筈なんだ」
「なのに降りれない……アルさんが契約したライダーさんがそう言い切る理由があるのはどうしてなんでしょうか?」
「一つは単純に彼女達の個人的な事情、もう一つはライダーのサーヴァントとしての性質やスキル……かな?」
あくまでも推測だけどと前置きしてからセイバーさんは話始めた。
「前者に関してはどうしても降りられないというより降りた際のリスクの大きいパターン。例えば既に他の陣営から狙われているとかかな。そして後者ならサーヴァント自身のスキルや宝具の影響で、一度契約を結んでしまったら、それを反故するとマスターにも悪影響を与えてしまう……なんてのが考えられる」
「ただ、僕個人としては」
「第三のパターン。聖杯戦争のシステム自体に何かを
その言葉に口元から蒸気を出しつつキャスターさんが同意した。
「気分のいい話ではないがそういった聖杯戦争自体に絡繰があるというのは、何も珍しい話ではない。少なくとも我がかつて東洋の地で召喚された時の聖杯戦争は、そうだな、
「……何から何まで、なんて聞くと気になるね。例えばどんな風に異色だったか聞いても?」
「……召喚されたサーヴァントが全員キャスターだったのだ」*8
「それはまた……」
そんな風にお二人が話しているのを聞きつつ、今回の映像を初めて見た彼女へと私は話しかけた。
「ハナコちゃんはどうでしたか?何か気づく事とか」
私のその言葉に、少し考え事をするように下を向いていた彼女ははっと顔を上げて、微笑んでいました。
「……ええ、そうですね。まずはライダーさんとアルさんの繋がりがこの映像ではっきりした事。それは大きい事だと思います」
でもたった一瞬。
ほんのちょっとだけですけど。
「そういえば私、トリニティに荷物を取りに戻った時に偶然古関先輩とお会いして」
顔を上げた時に見せたハナコちゃんの表情は、強張って見えた、そんな気がしたんです。
「少しだけライダーさん、というよりそれにまつわる情報を聞いてこれたんです」
だから、後で資料をお渡ししますね、と言ってくれたハナコちゃんに少しだけ、なんだか不安を覚えた。
なんでしょう、上手く考えというか結びつかないというか。
ただ漠然と今見せてくれている笑顔が
だから何かあったのか、心配事があるのかって、それを聞こうとして。
「そういえば、さっきのアイテム見て思いだしたんだけどさ」
「ヒフミとかってさ、『魂の改竄』……だっけ?あれ、どうしてる?」
そうモモイちゃんから聞かれたのは、かなり唐突な問いでした。
「モモイ、モモイよ。お前はそれを今聞くのか……」
「し、仕方ないじゃん!アイテム見てたら急に努力値振りの事連想しちゃって、そしたら後は似てるから『魂の改竄』の事も思い出しちゃったしさぁ!」
手を振って抗議するモモイちゃんとキャスターのやり取りがまるで祖父と孫娘のようで微笑ましいものを感じつつ、私は確認を取った。
「あはは……『魂の改竄』についてですね。私もあんまりよく分かってないというか、なんとなく夢の中でぼんやりしたら翌朝から反映してるっていうか……」
「あれは恐らく、今回の聖杯戦争用の霊基に用意された拡張機能のような物なのだろう。夢の中や集中した際に、つまりは外界からの情報が少ない環境下の時にパスを通してサーヴァントの霊基にごく限定的に干渉し強化できる……といったところであろうか」
「僕も概ねそんな風に受け取っているかな、少なくともこの機能については『害はない』からね……それで、モモイは何をヒフミに聞きたいんだい?」
そのセイバーさんの問いにモモイちゃんは頭をかきつつ、困ったように悩みを口にした。
「実はさ、どこを強化するかの割り振りに困ってて……もしよかったらヒフミが一緒に考えてくれない!?」
どうやらモモイちゃんの気になる事というのは魂の改竄で、霊基の強化、もっと簡単に言うならステータスのどの部分を強化すればいいか悩んでいるという事らしい。
そういう事なので私達は、キャスターさんの強化案を一緒に考える事にしました───。
モモイちゃん、ハナコちゃんと一緒にキャスターさんのステータスと睨めっこしてから数分。
キャスターさんからの賛同も受けて、敏捷と幸運のステータスを強化する事になったモモイちゃんは今、じっと目を瞑って集中して、どうやら苦戦したようですが暫く黙ってしまってから、目を開けられました。
「うん、多分出来た!」
「馬鹿者、多分とはなんだ」
「いやぁ私、魔術師じゃないしさぁ!」
モモイちゃんの言ってるのも分かる気がします。
私なんかは寝てる時になんとなくこんな感じで強化しようかなぁ……っていうふわふわした感じでやって、朝起きたらセイバーさんが『ヒフミ!昨日の強化、いい感じだよ!』とか報告してくれますからそのまま今日まで来てしまいましたからね。
実際どういう理屈で強化しているのでしょうか。
「気になるかい、キャスター」
「いやなに、改めて考えても不思議な霊基だ、と……魔術師でもないモモイがこうして軽い瞑想だけで霊基に干渉できる、というのがな」
「そこはほらっ!私の才能っていうか!」
「どの口が言うか」
確かに不思議な話です。
セイバーさん達と関わるまで魔術なんてアニメか漫画の世界の事だった私達が、今はこうして『魂の改竄』なんて事をしている。
けれど別に魔術師になった覚えなんてないし、そういう技術を覚えたわけでもない。夢の中のぼんやりとした感覚だからわかりにくいけど。
例えばそれは。
「初心者でも簡単に出来るように常に補助してもらってる……みたいな?」
ふと口にした言葉になんの意味があったのか。
ただ、それを言った時、キャスターさんの赤く発光する瞳の輝きが明るさを増して。ハナコちゃんが何かを考えるように下を向いたのが印象的だった。
何かを、気付いたのではないか。ハナコちゃんは私よりずっと物事をしっかり考えれる人だから。
だから気になって聞こうとして。
「いい時間だし、そろそろ寝よぉ……」
ふにゃっとしたモモイちゃんの言葉を受けて、結局この日の作戦会議はこれでおしまいになって。
私達は自室に戻る事になった。
窓越しに見える明かりが少しずつ消えていく。
ミレニアム中心区画から遠くなるにつれ、その闇は深くなっていく。そして自治区の外れ、境界線を一歩踏み越えたその先にある立ち入り禁止区域『廃墟』。その一角にある地上部からは暗がりではそれこそ
少女は皮肉げに嗤った。
いつの間にかロングコートの少女の隣には3人分の影が立っている。
彼女達が選んだのは破壊。
潜んでいた影から姿を現したのは彼女達がいる地面の下にいる少女達が既に殆どの生徒が眠りにつき、偶然にもヒフミとモモイのみが起きている時間。
聖杯戦争開始から7日目。
このキヴォトスにおいて
1じゃんね☆
アンケートへのご協力ありがとうございましたじゃんね☆
結果は『③本スレPart6までの内容込みで投稿』という形でクリスマス特別IF?短編!……を書くじゃんね☆
……書き貯めてあるか?
そんなのぜーんぜんないじゃんね☆
昼休みと16時に帰ってから大急ぎで仕上げるじゃんね☆ミーカミカミカミカミカ
あとまたアンケートするじゃんね☆
内容は単純に読んでくれてるみなさんの層が知りたいっていう話じゃんね☆
次スレに突入して爆発四散したPart6スレの内容まであとちょっと!
今後、内容の盛り込み具合、どこまで情報を開示するかとかそこら辺の調整したいからじゃんね☆
よかったらまたポチったりしてもらえたら嬉しいです……じゃんね☆
それはそれとしてまた感想、評価等お待ちしてます!じゃんね☆
あ、クリスマス短編の後か前にはアルちゃん陣営と戦闘じゃんね☆
本作の内容は
-
①Part6スレまで読んでる
-
②あにまんの過去ログまで読んでる
-
③ハーメルン版のみ読んでる