……良い戦いでしたなぁ。
マスターへの報告も心踊るという物です。
むっ、いかん。
そういえば帰りに菓子屋に寄ってこいと言われていましたな。
なんでもミルフィーユケーキがどうのこうのと……。
っと考え事をしすぎたら菓子屋を通り越している……しまった!計算違いかぁっ!
申し訳ありませぬっ!マスター!!
おや?この魔力の揺らぎと音は……?
───激しい、戦いでした。
ですが、制したのは私達です。
期間限定モモフレンズクッキー。
一度は終売の憂き目にあったモモフレンズ*1ファン必見のアイテムにして貴重品。
ここで入手しないわけにはいきません。
だから女子トイレまで駆け込んで*2から、せ、いえルキ、違った謎のヒーローXさんに霊体化を解いてもらって*3そのまま、店内を練り歩いてもらう。
突然SNS上で騒がれている謎のヒーローXさんが店内に現れた事で、店内は逃げ惑う人、写真を撮ってモモスタにあげる人、サインを貰いにくる人の3種類に分かれて混迷を極める事になりました。
後は、謎のヒーローXさんに視線を集中させている間に、うまく導線を切り拓きながら私達3人は無事にアズサちゃん用と私の分の期間限定発売の『モモフレンズクッキー〜円卓の伝説編〜』*4を入手する事が出来ました。
尊い犠牲*5もありましたが、これで無事にアズサちゃんに言われた通り*6のお土産を用意する事が出来てほっと一安心する。
『き、騎士として……私は……なぜ……すまない、卿……もう私は、君のことを全裸ではしゃいだとか夜な夜な酒場で人妻に色目を使っていたとか揶揄う事はないんだ……』
お土産購入後にチェキ会場と化していたセイバーさんを呼び戻して、再び買い物を続ける。囲まれていたのに、突然消えた彼に一度店内は騒然としていたけれど、すぐにそれも落ち着いた。
キヴォトスではそんな事ぐらい日常茶飯事*7だからだ。
とはいえやはりセイバーさんには
まあ、それはともかく。
「あはは……それはともかく見て下さい!ルキウスさん!ハナコちゃん!コハルちゃん!このモモフレンズクッキーはアイシングがほんとに絶妙で!」
と、パッケージに描かれているイラストを見せつつ説明する。
思わずウキウキとしてしまうが、この気持ちはどうにも止められそうにない。
「特に今弾で発売されたクッキーにはこの騎士王ペロロ様とスカルマンスロット卿の共闘シーンが目玉として収録されてるんです!もうお二人は本当にかっこよくて!特にスカルマンスロット卿はこの『円卓の伝説編』アニメ放映時にすごい3D技術を使ってロボットアニメもかくやと言わんばかりにぬるぬる動いててですね!このシーンが放映された時はキヴォトス掲示板でも実況スレがすごい人気で!サーバーダウンするほどだったんですよ!」
『あぁ……うん……騎士王ぺろろ……その鳥が……いや、何も言うまい……後の世の人々にどんな形であれ残るのは……うん……はい……』
「しかもそれだけじゃなくて騎士王ペロロ様がアングリヴェインアデリー卿と鹿狩りに行った時のあの!山ごと猪のビームで薙ぎ払った禿山にした名シーン*8まで収録されてって!?もしかしてセイじゃないルキウスさん!騎士王ペロロ様にご興味が!?分かりました任せてくださいその説明をする為に今のモモフレンズの歴史を理解する必要があります!少し長くなr「はーいヒフミちゃん次のお買い物行きますよー」むぅぅぅぅぅ!!!」
「ほんともうっ……ヒフミったらペロロ様のことになると毎回これなんだから……」
「まぁまぁ♡そういところもヒフミちゃの魅力ですから♡そう言えばクッキーと言えば、ルキウスさんは甘い物とかは大丈夫でしょうか?」
ハナコちゃんの声で私もハッと我に返る。
冷静を取り戻して、ハナコちゃんの滑らかな手の感触と、体温で柔らかな膨らみを魅せるハンドクリームの上品な香り*9を堪能しつつ、彼女の手で塞がれているのを抜け出してから自分も少し考えてみる。
確かに言われてみれば、セイバーさんは健啖家だ。
だが、遥か昔は甘味はそれこそ果物ぐらいだったとも聞く。
食べ慣れない甘い物は苦手かもしれない。
実際、昨日もデザートとかはなかったから、あまりそういうところは具体的な食の好みはこれまで聞けていなかった。
『……気を遣ってくれてありがとう、ハナコ。確かに私の生きた時代はあまり甘い物、所謂砂糖を使った菓子は珍しかったけれど、問題なく頂けるよ』
「ふーん、甘い物とかなかったんだ……あ、あれ。この前、アズサから貰った菓子パンだ。あれ、美味しかったし……その退院祝いで買って皆んなで食べない?……その、ルキウス、さんもよかったらだけど」
コハルちゃんらしい優しさ。
あまり食べた事がないなら、美味しい物を色々食べて欲しいという彼女なりの気遣いが見え隠れする指が差すその先にあったのは……ってあれは!?
「まさか!?あれは!付録シールのUR封入率がやたら渋いのもあって度々高額転b「はーい、コハルちゃん申し訳ないですけど幾つか、そうそうアズサちゃんの好きなスカルマンさんのやつを買ってきてもらえますか?」むぅぅぅぅぅ……うっ!」
「わ、わかった……」
何故かハナコちゃんに止められてしまいましたが……!
あれは!今!巷で話題沸騰中!超人気の『愉しいモモフレンズパン』シリーズの一つ!スカルマンのチョコシフォンパンケーキ!!
『コハル……ありがとう。是非のパンを食べる時は、君と共に卓を囲ませて欲しいな』
ああ!!その横には先日発売されたばかりのトリニティ自治区の有名チョコブランド「Prestar」*10とのコラボ商品スカルマンチョコが!
「べ、別に!あんたの為に言ったとかそういうのじゃないんだから!……その、えと……どう、いたしましてっ」
お願いです、コハルちゃん!!
なんとか、なんとか!激レアのペロロ様シールが入ってるやつを引き当てて来てください!
私はまだ全種コンプリートが3周しか出来てないんですっ!*11
頼みましたよ!コハルちゃん!
あれから無事に買い物を済ませ、最後に3日分の食料とそれから飲み物、あとはせっかくなので少し奮発して高めのCastor社の林檎ジュースを買い、私たち補習授業部のクルセイダーちゃんが待つ店舗から少し駐車場へ向けて歩いていた。
モモフレンズパンはしっかりコハルちゃんが買ってきてくれた。
帰ってからシールを取り出すのが楽しみで仕方がない。
そういえば合宿所にビニール手袋*12は残っていただろうかなどと考えつつ、先を行く二人の背をゆっくり追いかけながら、セイバーさんとお喋りする。
「やっぱり結構買う事になりましたね」
『とはいえ、これだけあれば数日は持つだろうし……何よりアズサ、だったね。彼女への手土産としても十分だろう』
そんな風に言ってくれるセイバーさんに思わず私もアズサちゃんの喜ぶ顔を想像して、笑顔を浮かべてしまう。
「はいっ!きっと喜んでくれます!」
アズサちゃんとは、警護の関係もあって退院までは面会謝絶扱いで、昨日も結局、夕食の後にハナコちゃんと二人で*13一緒にビデオ通話しただけで、すっかり会えていない。
そんなアズサちゃんをこれから迎えに行く。
普段毎日会っているからだろう、数日振りに会えるのがなんだか不思議とワクワクする。
それに。
「───しっかり、お礼。言わなくちゃなんです」
まずはお礼を言わなくちゃと気持ちが逸る。
あの晩、私を守って傷ついた彼女に。
きちんとありがとうと、そう面と向かって伝えたかった。
『……そうだね、その身を張って君を守りたいと果敢に戦ったのなら……ヒフミ、君からの謝罪ではなくお礼はきっと。アズサにとって、今日彼女が貰うどんな物よりも嬉しい物になるだろう』
もっとも僕はまだ彼女の為人を知らないから推測になってしまうけどね、なんて少し照れたようにセイバーさんは言う。
その声は店舗内でモモフレンズクッキー奪取の為に霊体化を解いた際、『騎士の方ですよね!?ファンです!!サイン下さい!!』『あっ!ずりーぞ!!……あの私はそのヘルメットにサインお願いできますか?』『宇沢レイサ!挨拶して参りまぐえっ』『はいはいアンタはこっち。今日は特別展やってるショコラティエ見に行くって言ったでしょ』『ヒナっち見て見て。あれ有名人じゃない?』『危ないから関わっちゃダメよ。あとお忍びなんだからもう少し静かに……』『すみません!今緊急で動画回しているんですけどインタビューよろしいですか?!お茶の間の皆さん!聞こえますか!?クロノ───』と騒がれつつ女子生徒達に囲まれて、困りつつにこにこしてたセイバーさん*14の物とはとても思えません。
そう、その声はまるで年上のお兄さんのような。
例えば───。
「セイバーさんは……時々
彼の声は僅かに止まって。
遠くで蝉時雨だけがはっきりと聞こえる時間が、少しの間、私たちの間に流れて。
それから、ゆっくりと、昔を懐かしむように彼は語り出した。
『先生、なんて大それた物じゃないさ。彼らのように人を導く事は……私にはついぞ出来なかった』
アスファルトの蒸せるような温度、その中で、傍らから聞こえる声には冬空の寂しさがあった。
誰を責めるのでもなく、ただただ、枯れ葉すら落ちた冬の森。
そんな声だった。
けどその声には、凍てる寒さではなく、次の春を信じる真摯な祈りが籠っていると感じてしまうのは私の錯覚だろう。
『けれど、英霊となって、サーヴァントとなって、一度その生に折り合いをつけて』
『だから今の僕にも伝えられる事がある。一人の大人として、年長者として、先を生きた人間として』
『先生ではなく
『導けずとも、未だ幼く、そして瑞々しい若葉のような君達に伝えられる事はあると思うんだ』
先達、或いは先輩。
学校にだって上級生はいる。
けれど彼の言う先輩には、単純な歳の差を意味するのとは違う、それよりずっと先の大切な意味が込められているようだった。
「せんぱい、ですか」
『ああ───失敗もあった、苦々しい思い出もある。だけど、それでもと駆け抜けた僕の人生で』
『君に伝えられる事はきっとある。……聖杯戦争には関係ないことかもしれないけれど。
『ヒフミ達が駆ける日々の営みを共に歩める僅かな時間で、僕もそうやって、義父にしてもらってきたように』
『少しでも君たちの人生が良き道となるように、僕らの失敗や喜び、経験してきた事を伝えたいんだ』
『人生の先輩、としてね』
人生の先輩、その言葉を聞いて納得する。
遠い過去を生き抜いた先人たる彼らの言葉はきっと、今を、次の世代を生きる私達へのバトンなのだろう。
他の、先生も含めた大人の人達にもそういうところはあるけれど、本当に遠い、本来交わらない時間と場所にいる彼からのそれは、また違う重みを感じた。
『だからヒフミ。君は気にせず、自分の思うように軽やかに、のびのびと、友と共に歩いていくといい。僕は君の隣でそれを見守り、少しだけアドバイスをするから───安心してその青春を送ればいいんだ。少々やんちゃなところも、僕らの通った道で、そしてそれに目を瞑るのも先輩の役目みたいだからね』
『なんて……少し説教臭いかな?歳を取るというのはこれだから困ってしまうよ』
霊体化した彼の姿は決して見えない。
だけど、今彼が、とびきり優しい顔をしてくれているのが、私にはよく分かった。
私達の会話を日差しだけが聞いていて。
なんだか気恥ずかしいような、嬉しいような、暖かいような。
そんな気持ちを隠すように少しだけ早歩きをしながら、暑さもあって人の少ない道を進み、駐車場を目指して。
実包販売機*15の前を通り過ぎた時に、声がふいに耳に届いた。
「まぁた、ハズレだよ。ほっんと、このガチャ自販機渋いよなぁ」
「トリニティ自敬団監修!スヅミ印の曳光弾……いやパチモンくせぇ……」
どこかで聞き覚えのある声。
思わず振り返って、その動きで手に持つマイバックが揺れて。
それに気づいた彼女達二人も振り返った。
「げぇ……お前、こんなとこに買い物来てんのかよ……」
その言葉のわりにスポーツサングラス越しに見える眦は下がっている気がする二人組は、取り出し口前にしゃがんでいたのをやめて、私の方を向いてくれる。
「つぅか、お前何その包帯……?怪我したん?」
「おいおい、大丈夫かよ。あんたそそっかしいから心配だよ」
まだ湿布を抑えてるせいもあって肌が包帯で隠れてる私を心配して声をかけてくれたのは、いつかの海*16でお会いしたスケバンのお二人だった。
「あはは……お二人ともお元気そうで何よりです!それから心配して頂いてありがとうございます!」
ちょっと包帯で固定してるだけだから元気ですよー、と力瘤を作って見せるとサングラスとマスクに覆われて見えないけど、どこかホッとしたような雰囲気をしてくれる。
すると一人の方が思い出したと言わんばかりに手を打って、
「そうだ、ツルギの姐さんは?いねーの?」
「あ、はい……今日は一緒じゃないというか多分今お忙しいでしょうから……」
以前交流のあったツルギ先輩のことを聞かれますが、おそらくアズサちゃんの警護等や聖杯戦争についての処理でお忙しい様子なのは窺い知れた。
今度お礼も兼ねて、カフェだけじゃなく、この二人も誘って買い物なんてのも楽しいかもしれない。
「ああ、そっか……まあ一昨日の
そうするとお二人は、口々に私を置いて堰を切ったように話始める。
「シャーレの先生経由だから声かけられたらいくけどよぉ……やっぱバイト代安いんだよなぁ、先生は飯奢ってくれるからその分は浮くけど……まあ連邦生徒会の金払いが悪ぃのは昔からだからいいけど……」
「まあ今も昔も連邦生徒会っていうかお役所仕事なんてそんなもんだろ……最近防衛室も
「防衛室に
「あの人そういうところわりと緩かったし、私らにも目かけてくれたからなぁ……そりゃあの人いた頃にD.U.で列車にちょっかい出す馬鹿、今回みたいにいるわけないわな」
懐かしむようにどなたかの事を語る二人に少しついていけない。
けれど、貴重な情報を得られると。
なんとなく
「あれ?でも生徒会も
「そりゃ流石の連邦生徒会だって、
「それもそうだわな」
からからと笑う二人。
そう、やはり皆んな危険だって、感じている。
恐ろしいと、銃弾で傷つかない私達が、大人に直接暴力を、殺そうという剥き出しの意思を与えられることに危険を、感じている。
だから、私は───。
「大人といえば、お前知ってる?最近、夜出歩くと怪人に会うんだと」
そういえばと言わんばかりに、ふと一人の方が私に話を振ってくる。
『(ヒフミ)』
『(……はい、セイバーさん)』
「あはは……えと、それはどんな?」
もしかするとサーヴァント、に繋がる情報になるかもしれない。
そう心の中で意気込んで、でもできる限り普段の調子、まるで少し勢いに飲まれて仕方なく聞いているみたいな風に。
彼女達の話を聞いてみる。
「いやなんか、夜の街に全身タイツのごりっごりのマッチョな大人の怪人がいて……そいつがロボット軍団を指揮して練り歩いてるんだと。で、そいつを見たやつは、どれだけ逃げても四つん這いになったそいつに襲い掛かられて……捕まったら最後、脚から全身舐めつくされて、終いにゃ干からびて死んじまう……らしい」
「あ、あたしも聞いた事ある!しかもなんかそいつ、戦車も乗りこなすらしいぞ!!」
出てきたのは……なんというか、はい。
『(戦車は、僕かな?)』
『(す、すみません!セイバーさん!!)』
『(ああ、まあ盗んだ……いや無断で借りたのかな?……それに思う事はなくはないけれど)』
どう考えても一部は私達のせいだなぁ……という感じのお話。
「あ、あはは……すごい話ですね」
『(たまには、ああして血も流すことなく速さを競い合う───そういうのも楽しかったさ)』
『(それなら、ちょっと無理させちゃったかなって心配してたので……ホッとしました!)』
お二人とお話を続けながら、うまく念話同士でセイバーさんとのお話を脳内で続ける。
「まあ、噂だからなぁ……幽霊の正体見たりなんとやらってやつだろ」
『(全く……君は調子が良いんだから。まあそれに、戦車に乗るのも、まるで偉大なローマの君主達の真似事をしているようで面映ゆくも中々に痛快だったさ)』
そう言ってくれるセイバーさんの声を聞いていると、何処となく肩をすくめて苦笑してる姿がなんとなく見えた気がした。
「あ!そうそう!アンタのその包帯で思い出した!最近ヴァルキューレはまだしもゲヘナの風紀委員会の連中がさぁ、うるせぇんだよなぁ……」
「ああ最近流行ってるタトゥーシール狩り?」
「そうそう、行政官の奴が『委員長にこんなひ、卑猥*17なシールを見せるわけにはいけません!行きなさいイオリ!!見つけ次第、全て焼き尽くすんです!!』って」
「バカ似てるじゃん」
だから、包帯で手を隠してるやつが今ゲヘナで多いんだとよー、とチンピラさん達が教えてくれました。
そのゲヘナ、という単語にセイバーが反応されました。
『(ヒフミ、ちょっといいかい?───ゲヘナ、というのはトリニティのような土地で良いんだよね?)』
『(ええ、はい……同じように自治区の名前だったり学校の名前だったり……どうかしましたか?)』
『(ちょっとね、すまないがヒフミ。彼女達に詳しく話を聞いてみてもらえないかな?包帯、それにタトゥーシールとくると
その言葉を聞いて私は、チンピラさん達へ一つの疑問を投げかける。
「あはは……でも規則違反とかでもないでしょうに、たかがタトゥーシールに、どうしてそんなに
「あぁ?風紀委員会の連中がタトゥーシール探しにお熱な理由ぅ?」
「いやいや、どうせいつものやつでしょ。『風紀が乱れるー』とか」
「まあ、うちらも実際彫るのは痛いしキヴォトスにそういう店も表じゃまず見かけないからな……そんなんで、タトゥーシール、今ゲヘナ中で半月前ぐらいから流行りまくってるもんなぁ……」
私らは海入ったりするから剥がれやすかったりするし、ガキンチョの海水浴客をビビらせちゃうから着ける予定ないけどよ、と続けてチンピラさん達は話します。
「あ、でもゲヘナだけじゃないんだっけ?確か」
「あー、つけてる奴をD.U.でも見かけたとか……あ、そうそう。話変わるけど先週までにタトゥーシールつけてるやつだいぶ検挙されて牢屋にぶち込まれたところからの大脱走あったじゃん」
「あーね。昨日あたりの脱走劇。噂じゃミレニアム製の最新爆弾まで使ってとんずらしたらしいぞ、連中。そりゃ風紀委員もますます気に入らないんだろうよ」
「まあ正直タトゥーシールなんかよりその前に自分たちの服そ「おいバカやめとけ、聞かれたらコトだぞ」……っと危ない」
今この場にいる3人の頭の中でうっすらと誰か*18の姿がよぎった気がする。
……いえ、気がするだけなのでここは一旦無視して考えに集中します。
聞かなきゃいけないのは、セイバーさんが
「でも正直タトゥーシールぐらい今時ココデビルとかトリプルステップなんかも作ってるしなぁ。トリプルステップのはあれだろ?ミレニアムのなんとかっていう奴がデザインしたとか……なんだっけ大塗?……ビナマキ?……ちょっと名前忘れたけど、そんな感じの名前のやつ」
「そうそう、この前なんか、カゼヤマがノーズアート風出してたよな。そのうちサミュエラとかネフティスあたりも出すんじゃね?」
「お前んとこのベロニカはどうよ……まあトリニティ系列の店はあんま好きそうじゃないけどさ」
会話を振られて、少し考えてから私は答える。
「あはは……私もモモフレンズコラボとかしてくれたら買うんですけどね……」
「なんだそりゃ……まぁ、アンタらしいっちゃあらしいか」
夏を思わせるからりとした返答が返ってきたのを最後に、彼女達は「それじゃあ」と言って立ち去っていこうとする。
「アンタもゲヘナ行くなら気ぃつけな。アコっちのやつ、ピリついてっから」
「あ、あとそこのガチャ自販機、渋いからそれも気をつけな……当たりはなんか表でも中々手に入んない激レアもんらしいけど……」
「あ、これガチャチケット……やるよ、1回分だけど。あたしらもう腹減ったから行くし」
そう言って私に渡してくれたのは使い切りのICカード。
多分、あそこのガチャ自販機で使える専用の物。
並んで彼女達は帰っていく、その帰り際の声はよく聞こえました。
「飯どうする?イズミのやつ呼んでフウカさんのとこで食う?」
「あー、フウカさんなら昨日また美食の冤罪でムショにぶち込まれた挙句、温泉開発部の脱走にまで巻き込まれて今ちょー不機嫌だってさ」
「やば、そんなら適当なとこで済ますかぁ」
「ほんとタトゥーシール騒ぎめんとくせーな」
「まじでなぁ……風紀の連中、ゲヘナの店にもクレーム入れて入荷差し押さえてんのに……そういやどっからか仕入れてきて闇市まで始まったってよ、温泉の連中頑張るよな」
「マジかよ……活動費も稼がねぇとだもんな。どっかバックにいんのかな?」
「あーフウカさんじゃんね?」
「するはずがないだろうそんな事!!フウカたんを侮辱するなぁっ!!」
「デケェ声出さなくても聞こえてるよ」
残ったのは私と、私の手にあるICカードだけでした。
『(ありがとう、ヒフミ。この自治区以外での様子が聞けて良かったよ)』
『(いえ、セイバーさん……お役に立てましたか?)』
『(もちろんだとも。あ、そういえば)』
そう言って、セイバーさんはよかったらと続けました。
『(彼女達の言っていたがちゃ?だったかなそれをしてみてもいいんじゃないかな)』
『(そうですね……折角ですし)』
すぐそばの自販機に行ってICカードを触れさせる。
残高表示は……どうやらほんとに最後の1回みたいのようだ。
『(でもキヴォトスはすごいな)』
『(へ?何のことですか?)』
少し重たい、弾薬を売ってる自販機特有の鈍い音がして、私はその音を聞き届けてから取り出し口に手を伸ばします。
『(いやなに、キヴォトスだとテレフォンカードで自販機で物を購入できるんだね。驚いたよ)』
『(え……と、テレフォンカードってなんですか?)』
『え?』
「え?」
蝉が遠くで鳴いてる声が、聞こえました。
『えっ!?知らないのかい……?テレフォンカード』
『あはは……知りませんよ、テレフォンカード』
私の手には『新発売!キヴォトス製励振火薬』という文字が書かれたパッケージの箱があった。
1じゃんね☆
のんびりお買い物回じゃんね☆
なんか本スレで投稿した分消えてて書き直したから当時と若干違うじゃんね☆
それもまた味……だと思ってもらえたらありがたいじゃんね☆
本作の内容は
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①Part6スレまで読んでる
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②あにまんの過去ログまで読んでる
-
③ハーメルン版のみ読んでる