ふぅ……我ながら良い仕事をしたわね。
ふふっ、あの子達ったらあんなに楽しんでお菓子を……。
そうね、戦士にもゆっくり休む時間は必要よ。
だから阿慈谷さん、モモイ。
そして……アリス。
どうか貴女達が心休まる一時を。
……貴女達は、どうしているのかしらね?
ヒマリ、トキ……。
「……美味しい!」
「コハル、これすごいふわふわしてる!」
「ユズ!アズサ!コハル!こっちはサクサクです!サクサク!」*1
「す、すごく、おっ、美味しいよねっ。アリスちゃん、コハルちゃん、アズサちゃん……!」
アズサちゃん達の歓声が上がったところで私は睨めっこをしていた画面から目を離してそちらの方を見ました。
今日は風は少ない事もあって不安定に揺られる事も少ない
「本当に美味しいですね。ドーナツと聞くとどうしてもD.U.が思い浮かびます*2けど、流石はミレニアム。やはり本番というか……これはまた格別ですね」
「でしょでしょ!美味しいでしょー!ハナコ!『Funcy Fanny Doughnut』 *3のはうちでもほんっと人気でさー!見た目もいいのにボリュームあるしでめちゃめちゃ列並ばないと変えないんだよ!」
「もう……お姉ちゃんが買ってきたわけじゃないでしょ」
ユウカちゃんと調月会長からの差し入れという事で頂いたドーナツを囲みながら私達はヘリに揺られていました。
「プリンも勿論良いが、ドーナツというのも格別だな。今度是非、うちの部員達とも一緒に食べたいところだ」
「あはは……今日の帰りにみんなで寄ってお土産にしましょうか?」
「おお、ドーナツ。何故、汝は穴を穿たれたか!これもまた叛逆、否!汝が宿願への一歩、それこそがこの形状!おお!それもまた叛逆!」*4
「ぴぇっ!……は、叛逆って、なんだか色々あるんですね……」
肩を揺らすユズちゃんを宥めつつ、私はもう一度手元にあるスマートフォンの画面を見る。
一応機内モードにしてあるそれ。
そろそろ覚悟を決めて連絡を入れなくちゃいけません。
「さて、それじゃあそろそろ。電話してみますね。キャスターさん、お願いします」
「うむ、任された。我が開発したこの傍受対策済みスマートフォン通信用可搬基地局『どこでも快適通信くん』*5を起動させればこの回転翼機の中でも快適な通信を約束しよう」
「あはは……よろしくお願いします!」
分かりやすい名前というのは良い事だ、なんてセイバーさんが頷く様子を横目で見つつ。
「……もしもし?」
私は機内モードを解除して一週間以上声を聞いていなかったお友達へと連絡をいれました。
『はろはろ〜。こんな時間にだなんて珍しいねぇ』
久しぶりに聞こえてきたのんびり屋さんなお友達の声はいつもと変わらず、聞いているだけで肩の力も抜けてホッとする物。
「あはは……ご無沙汰してます。お元気でしたか?
『やぁやぁ久しぶりぃ。うんうん、おじさんは元気だよ。そっちはどう?』
以前、ブラックマーケットで知り合ってから
彼女が、そして彼女達がまた力になってくださったらと願わずにはいられない、そんな相手。
『───ヒフミちゃん?』
小鳥遊ホシノさんへと、私は連絡を入れました。
「うん、うん。それじゃあ、夜にね。じゃ、まったね〜」
人差し指で軽く画面を叩いた少女は小さな息を吐いた。
その小柄な外見にはやや大き過ぎるライオットシールドを担いだ彼女の背後から控えめな声がかかる。
「ヒフミさんからお電話ですか?ホシノ先輩」
「うん、アヤネちゃん。ちょっと例の件で話したい事と聞きたい事があるから話す時間ないかって……というわけだから、おじさんちょっと出掛けてくるね〜」
アビドス高等学校が誇る才女『奥空アヤネ』からの問いかけに、気の抜けたような緩やかなやり取りをしながら小鳥遊ホシノは、これまた気の抜けた「よっこらしょ」なんて黴の生えた言い回しをしながら椅子から立ち上がる。
そんな彼女へと、待ったの声が掛かった。
「いぇぇっ!?今から行くの!?っていうか直接!?」
少女の言うことはもっともだった。
時刻は既に15時過ぎ。
話をするから今から別の自治区に出掛けてくる、というのにはこの広大なキヴォトスでは少しばかり
何より話をするだけなら直接でなくてもいいのでは、そう思って彼女の後輩である黒見セリカ。
例の一件と彼女達が話すアビドスを揺るがした大事件で、良くも悪くもその発端となって
「そそっ。本当はのぉんびり、やりたいところなんだけどねぇ……ま、他ならぬってやつ?仕方ないよ」
欠伸一つ。
背伸びしてホシノは言葉通りゆったりと歩を進め部屋を出ていこうと歩き出す。
既にホシノの中では『阿慈谷ヒフミ』に会うことは覆しようもなく決定された事実。
それを感じ取ってか、ふわりと柔らかな声が宙に投げられ、それに静かな風が返した。
「例の件という事であれば小さな事でも話しておいた方が良いでしょうし、『例の女性』や『黒い影』についても共有すべきでしょうからねぇ」
「ノノミの言う通り、ちょうど良かった。まだ昨日の話がどうなったかトリニティとミレニアムから連絡を受けてない」
十六夜ノノミ、砂狼シロコ。
共に16歳、アビドス高等学校2年生。
ホシノとの付き合いだけならセリカよりも長く、だからこそこうなっては止まらないというのもなんとなく分かった。
今まさに歩き出した小柄で可憐な先輩が、どういう人間かを理解していて、そしてそれと同じ気持ちを自分達も抱いているのだから。
何のために聖杯戦争非常対策会議にアビドスが参加したのかの理由、全てはただ一つだけなのだから。
「ホシノ先輩に着いてきたい人……って話をすると全員で出掛ける事になりますからね。流石に昨日の今日ですから、私達もここを空にするわけに行きませんし」
奥空アヤネは自分達も出掛けたい、この場の人間の気持ちをよく分かった上で現状の問題を提示する。
アビドスで、否。
キヴォトスで少しずつ広がる
だが阿慈谷ヒフミ、そしてセミナーとの会談もまた重要な事項。
だからこそ、本来ならば歓迎し難い最高戦力の不在を見送ることを決意する。
所作からは想像できないほど冷静な戦略眼を持つホシノもまた、その意図を正確に汲み取り彼女達へと振り返る。
「まっ、おじさん一人で行ってくるよ。いざとなれば
「私もヒフミちゃんにお会いしたかったですけど、ここは我慢ですね!」
「ごめんよぉ、ノノミちゃん。帰ったらおじさん、いっぱいお土産話するからねぇ」
「あらあら☆はい、楽しみに待ってますね!」
小鳥遊ホシノは笑い、出立を宣言する。
「よぉし、それじゃあ行ってこようかな」
振り返った先にいる目に入れても痛くないかけがえのない大切な友であり後輩へと己が留守の後を託す。
それは信頼。
彼女達であれば『大丈夫』という絶大なそれ。
「留守の間、よろしくね。ノノミちゃん、アヤネちゃん、セリカちゃん。それから」
育て、見守り、共に過ごした時間の中で彼女達の強さを知っているからこそ自分がいなくても『大丈夫』だと考えて、そうして最後に青いマフラーの持ち主に告げる。
優しい言葉。
だが四人は気づいていた。
「みんなのこと、守ってあげてね。シロコちゃん」
だからこそシロコも力強く応える。
「ん。任せて。ホシノ先輩も気をつけて」
小鳥遊ホシノは、アビドス廃校対策委員会は、この自治区を瀬戸際で守り続ける少女達は決して己の縄張りを傷つけた人間を決して許さない。
だからこそ。
意志を同じくした少女達はホシノの笑みに感じ取っていた。
慈しむような暖かな木漏れ日の中には確かに。
隠しきれない憤怒が顔を覗かせていた事を。
『あれ?もしかしてヒフミ〜!ひっさしぶりー!なんか入院したんだって?聞いたよー!大変だったねー!』
「あはは……お久しぶりです、イズミさん」
ホシノさんと夜に拠点で会う約束を無事に取り付けられた私が次に電話をかけたのは、いつかの海で知り合った美食研究会のメンバーの一人。
ゲヘナ学園の獅子堂イズミさんでした。
『なになに?なんかあったー?』
「何かあったというか……いえ、単刀直入に言いますね。実はちょっとお願いがありまして……」
『えー!?なんかすっごい珍しいね!もしかしてまたモモフレグッズ買いに行くの付き合ってとか?』
「あはは……今回は違うんですよー」
それでも予定が会えば二人でやアズサちゃんとも一緒に買い物したりする他校のお友達は、先ほどのホシノさんとはまた違って元気いっぱいという様子な話し口です。
「それにトークはしても最近お話とかお会いしたりとか出来ませんでしたから」
『お互い忙しかったもんねー!私もこの頃、ちょくちょくバイトあったしさー』
「あはは……確かにもうここ最近は本当に忙しかったですよ……」
中々会えないというのを加味しても、とりわけこの一週間は怒涛のような毎日でしたから。
お友達とのお電話をする時間も結局出来ないまま、トークだけで済んでしまう日々です。
そう思い返しつつ彼女の話の中で気になる単語が出てきたのを、何の気なしに聞いてみる。
「そういえばイズミさん?美食以外でもなにかアルバイトを始められたんですか?」
『うんっ!もう色んなとこをヒフもがっ!?』
「……イズミさん?」
頭の中でクエスチョンマークを浮かべていると電話口から聞こえてくる声が変わりました。
『ごめんなさい。少しトラブルがありまして代わりにここからは私が……』
凛としつつも膨らんだ蕾のような甘さをとろりと載せた声の持ち主に私は思い当たる。
「えっと、もしかして貴女は……」
その予感は正しかったようで機嫌良さげに彼女は名前を告げた。
『えぇ。こんにちは、阿慈谷ヒフミさん。イズミさんはどうやらお腹の調子がよろしくないようですから……ここからは私、美食研究会部長』
美食研究会。
その名前を聞いて私が真っ先に思い浮かぶのはあの日の夜とお友達のイズミさんのこと。
ですが、このキヴォトスに暮らす多くの人がまず思い浮かぶのは、彼女達の出身校だけでなくキヴォトスでも名の知れたインフルエンサー兼美食家兼テロリストを率いる部長『黒舘ハルナ』さんの事でしょう。
そんな彼女は飾るように艶やかな声でさらりと謝罪から話を始められました。
『申し訳ございません。ご友人同士のお話に割って入るような形になってしまって』
「いえいえ、そんな事!あの……えと、イズミさん大丈夫ですか?」
後ろから明らかにイズミさんの呻き声とジュンコさんの「こらっ!なにしてんの!」という怒り声というか、どたばたと慌ただしくしているのが電話越しにも聞こえていました。
それが気になったのと電話口が急に変わったのもあって怪訝な声を出してしまいましたが、ハルナさんは軽やかに流してしまいました。
『ふふっ。問題ありませんわ。それよりも是非お話を聞かせて頂けませんか?』
「話、ですか?」
思わず聞き返す私に、彼女は心外そうに戯けて答える。
『あら?だってそうでしょう。何か話があったから、何か事情があったから私達に電話をしてくださったのでしょう?』
「ええっと……あのぉ、はい、そうなんです……」
『まぁ!やはり正解!でしたら尚の事、この私にお聞かせくださいな。さぁどうぞ─── 本日は我々』
忍ばせた笑いを堪えるようにしてから、彼女は芝居かかった風に尋ねられました。
『美食研究会にどういったご用件でしょうか?』
「……実はちょっとしたそのトラブルがありまして、その関係で便利屋68の方と交渉をしたいのですが……」
少し悩んでから、聖杯戦争のことは伏せて私は話を始めました。
『あら?カヨコさんのところと、ですか?』
「はい。でも最近あちらもお忙しかったり
嘘は言っていないが明らかに事情を伏せた伝え方。
けれど便利屋68のみなさんはゲヘナでも珍しく起業のされている方です。
業務上の話、という形でこんな風に伝えても意味深くは聞こえないと判断しましたが、ハルナさんからの声はどこか訝しむ色がありました。
『……それで私達には仲介を頼めないか、と?』
「あ、いえ、そういうわけとかじゃなくて……同じゲヘナ生の方ですし最近の便利屋の皆さんの様子とかお聞かせもらえなかなぁとかゲヘナで変わった話とかないかなぁとか……そういうお話をゆっくりできたら嬉しいって話なんですが……」
慌てて私も言い訳をしてしまいましたが、それが功をなしてかハルナさんも得心を得たというように私にとって魅力的な提案をしてくれました。
『……なるほど。そういう事情でしたか。えぇ、構いませんよ。それでしたら電話越しにというのも、もの寂しいお話。よければ
「いいんですか!ぜひ!」
「……ッ」
思わず弾んだ声を出してしまう私の横でセイバーさんとアズサちゃんが何か反応しているのが、横目でちらりと見えました。
でも間髪入れずに来た提案に私の思考はすぐ彼女との話に戻ってしまいます。
「ふふっ。ええ勿論。ただ残念な事に本日はこの後ディナーの先約が入ってまして……可能なら明日の午前中か午後にでも、と思いますの?如何でしょう?ヒフミさん」
「はいっ!なら明日のお昼頃に!素敵なお茶とお菓子を用意してお待ちしてますね!」
『あらあら、私達に素敵なお茶とお菓子だなんて。それはそれは……楽しみにしておりますわ』
「はいっ!」
「───えぇ、本当に。楽しみにしておりますわ」
ゲヘナ学園、某所。
黒舘ハルナは銀紗を揺らしながらほぉっと小さな息を吐いた。
それを得たのが何も今日でなければと何処ぞの誰かを恨めしく思っているとその背中に抗議が降ってきた。
「もぉぉ!部長ひどいょー!せっかくヒフミとお話するつもりだったのにー!」
振り返ってみると、頬を膨らませ両手を振っているイズミがいて、思わずハルナは笑みを溢す。
「あら、ごめんなさい。でもイズミさんもいけないんですよ。すこぉし、お口が緩みすぎですわ」
小さな子へと注意するようなそれにハッとした顔をしてイズミもまたその体を小さくしつつ謝罪した。
「あぅぅ……それは……ごめんね」
「ふふっ、大丈夫です。壁に耳あり障子に目あり……あの時と同じなんですから」
軽く背伸びをして暗い室内を彼女は見渡す。
やる事は決まっている。
「さて」
仕事の準備を確認するのだ。
「アカリさん。準備は?」
「バッチリ、ですよ部長」
「ありがとうございます。ジュンコさん、あちらから連絡は?」
「特に変わりなしだってさ。てか、いいの?最悪私ら徹夜明けになるよ」
「構いませんわ、それもまた依頼ですもの。それでは私は『彼女』に電話を掛けてきますわ」
矢継ぎ早に確認を終えたハルナはまたスマートフォンを取り出して慣れた手つきで、暫くぶりに話す相手先の画面を開く。
その様子にこの中で唯一その一件につきてある程度理解している鰐渕アカリは彼女へと声をかけた。
「用意万端ってところですか?けどいいんでしょうか?彼女、相当渋ってたと聞きましたけど」
「あの子だって今更でしょう。それに、最悪私達以外にも潰しを利かせておかなくてはどうなるかだなんて分かりませんから」
気にしていない、と言いつつもハルナもその言葉で呼び出しをタップする指を止めた。
立場が違う、居場所が違う。
とはいえ、同じ学園の誼である。
なるべくなら、ハルナはその少女に頼む自体にならない事を望んでいる。
相手からすればきっとそんな役はごめん被りたい筈だ。
おまけにそうなった時に、送られるのは恐らくもう一人の方。
これから電話を掛ける相手を気遣うと共に、そうなったらどちらにせよ
そんな空気をぶち破るように、一際小柄で細身な『赤司ジュンコ』はだれたように言う。
「ねぇえぇ!電話終わったら早くご飯食べにいこーよー!どうせ今の時間なら食堂仕込み中だから良い物出してくれるしさー!」
「まぁ、ジュンコさんったら。ですがそれは名案ですわ。一仕事の前にフウカさんには素敵な手料理を振る舞って頂くとしましょう」
彼女の思うままの言葉にふわりと微笑を浮かべてから、彼女はスマートフォンをしまった。
つまらない仕事は後で始末すればいい、そう思ったから。
なにより。
「嗚呼、しかしお会いするのが本当に待ち遠しいですわね。言うことかいて私達に
「ヒフミだからねー!きっとすっごいよー!」
「えぇ。期待に胸を膨らませて。さぁ、お手並み拝見と致しましょうか」
今はただ、彼女と会うこれからが楽しみだったのだから。
『それじゃ、モモイちゃん、ミノリさん。また検査終わったら連絡下さい』
『おっけー!まぁ私もミノリもぱぱっと検査終わらせて夜までに合流できるようにするから!』
『あはは……しっかり診てもらってくださいね?』
という会話をしてモモイちゃんとミノリさん、それから付き添いのアリスちゃんとミドリちゃん、キャスターさんの5人とお別れをしてから向かった先は。
「うん。相変わらず大きいな」
「ですね。普段から目にしてましたけど、私も来るのは久々で……なんだか感慨深いです」
トリニティの名所、『トリニティ時計台』に訪れました。
トリニティは勿論、キヴォトスでも最大の大時鐘が鳴らす荘厳な音色は私達トリニティ生にとっては生活の一部と言えるほど慣れ親しんだ物です。
とはいえ内部は中央ホールこそ見学できますけど、そのほかのエリアは観光客用の特別プログラムが組まれたツアーの開催時ぐらいしか見ることは叶いません。
そんな理由からトリニティに住んでいても、近くを通ることはあっても中にまで散策というのはこれまであまりありませんでした。
郷土史の講義で一回行った程度でしょうか。
「ていうか、いきなり来て良かったわけ?普通こういうのってナギサ様とかティーパーティの方にお伺い立ててから関係者って感じで行くんじゃないの?」
「そうだね。一応観光地ってわけだし、人目もあるから許可があると内部を動きやすいと思う。ただここに先に来たっていうことは、電話か何かでもう許可は降りてるんだよね?」
当然と私も胸を張ってそれに答える。
別に我が事、というわけではありませんが。
「はい、セイバーさん!実は調月会長が先に根回しして下さいました!」
調月会長のおかげで本校舎のティーパーティ事務局まで行かずにそのままこうして時計台まで来る事が出来たのはかなり時間短縮になりました。
『阿慈谷さんはアビドスとあの美食研究会に連絡するという話だったから、阿慈谷さんのアカウント経由で許可をもらっておいたわ。面識のない私から直接よりよっぽど分かりやすいでしょうし』
「あぇぇ!?そ、そうだったんですか?」
『えぇ。勝手にお借りしてしまって申し訳ないわ。でも緊急時ですもの、許してちょうだい』
「あぅ……はい……」
一体どの連絡用SNSのアカウントを使ったのか、そして一体いつ私のアカウントのパスワードを知ったのか、色々知りたい事がありましたが無理やり納得します。
なんて言ってもミレニアム、その生徒会長さんです。
ヴェリタスの方達もそうでしたが私よりもずっとそういう電子的な技術に長けておられるのでしょう。
そんな風に現代っ子な私達が戦慄しているとセイバーさんはそれ自体には特に気にした様子はなく、別のところを質問していました。
「ところでナギサは今回の調査の件、なんて言ってたんだい?彼女もまた得難いヒフミの友人であり協力者、そしてこの地を治める為政者だ。何か気づく事があれば知らせてくれるはずだけど」
確かに時計台なんてティーパーティのお膝元。
そこに明星さんからのメッセージが残されていたり異変なんて事があれば、何かしら知らせが彼女の元に届いていてもおかしくはありません。
ですがそれに対する回答は淡白な物でした。
『特に何も。二つ返事で彼女は承諾してくれたわ。あとはそうね、先にお茶の誘いもあったけどそんな時間はないと断っておいたわよ』
「あ、あはは……ありがとうございます、調月会長」
「……ちなみに、それ。どういう文面でした?」
時計台の散策が終わってからでも間に合うかなと考えているとハナコちゃんから疑問の声が上がります。
『そうね、確か……折角いらしたのですから、
ばっさり、言い切られた調月会長の言葉に思わず天を仰ぎます。
「(はっ……ふっ……いや、た、大変だね、ひっ、ヒフミ……)」
「(……今日のお夕飯のおかず一品減らしますから)」
今日もトリニティの空は抜けるように綺麗な青空です。
「……どうなのよ?ハナコ」
「……お労しや、ナギサ様」
とにもかくにも、まずは時計台を調べてみなくてはナギサ様への釈明も含めて次に進めません。
さて、どこから調べましょうか?
1じゃんね☆
どうもあとがきにはモモトーク入んないから修正したじゃんね☆
明日はまたお昼からじゃんね☆
ちなみに今回の時系列はモモトーク→前書き→本文頭からって感じじゃんね☆
1話ごとの文字数で望ましいのは?
-
3000文字〜4000文字
-
4000文字〜5000文字
-
6000文字〜7000文字
-
8000文字〜90000文字
-
9000文字〜10000文字
-
10000文字〜12000文字
-
12000文字〜15000文字
-
15000文字以上