長月幻想記   作:珠子玉

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いつも通りなんとなーく書いてるものです。
面白い話や戦闘はありませんがなんとなーくみていただけたらと。



霧の湖

人里の門を抜け、地図の方角を頼りに整理のされていない道の土を踏み進む。

道を進むとだんだんと木々が深くなり、本当に道があっているのか不安になってくる。

海のほうが目印もなくより広いというのに、不思議なものだ。

やがて木々に囲まれた道は新しい顔を出す。霧は出ていないが、汚染とは完全に無縁であろう、きれいな湖が日を照り返していた。

他に湖もない、これが霧の湖だろう。

五日もたっていないが、久々に水面を走る気がし、心が踊る。

 

しかし、しばらく水面を走るとおかしなことになっていた。湖の水が凍っていた。

「なんだこれは・・・」

気温を考えたら明らかにおかしな光景だった。

まさか、これは誰かの能力なのだろうか。半信半疑であったが目の前の私の常識を砕く光景は私の能力への信憑性を高めるに十分だった。

前の方にはすでに紅魔館らしき建物が見える。しかし氷の上も滑れるよう私はできていない。

「一体誰がこんなことを・・・こちらは余裕がないというのに・・・」

一人ごちて私は氷を渡ることにした。

「くっ・・・」

だが当然滑れるせいでうまく前に進まない。

「まずいな、日が暮れる前に着きたいというのに。」

私はどうすることもできないので転ばぬようそろりそろりと進む

しばらく進み舘が大きくなり始めた辺りまでくると氷の上で小さな子供が横に倒れていた。

「あれは大変だ・・・放っておくわけにはいかない。」

できるだけ頑張って子供へ向かう

「おい、こんなところで大丈夫か!」

「なによ、せっかく気持ちよく寝てたのに」

子供が起き上がる。

よく見れば見た目こそは子供だが背中に氷でできた羽がある。まさか、こいつが湖を凍らせたのか?

「すまない、いらない心配だったみたいだ。ところで、この氷はお前の仕業か?」

私の問いに胸をはって答える。

「そうよ!今回こそは湖を凍らせてあたいがさいきょーだって証明するのよ。」

「そうか。お前の強さにはみんな驚くだろう。しかし、このままでは紅魔館へ行けない。少しだけ氷を溶かしてくれないか?」

「え、そのうち溶けるんじゃないの?あたいは凍らせることはできても溶かせないよ。」

遊んだ後のことを考えてない子供のようなことを言う。

どうやら見た目相応の中身のようだ。

「ならば、慎重に渡るしかないか。起こして悪かったな、急いでいるからこれで失礼する。」

再び私は進み出す

するとさっきの子供がついてくる。

「あたいはチルノ。湖を凍らせるのも飽きたから一緒についてっていい?」「まあ、構わないが。あそこがどんな場所か知ってるのか?」

「有名じゃん。たまに色々誘ってパーティーやってたりするし、行ったことないの?」

「ああ、最近外の世界から来たんだ。名前は長月。」

「へえー」

目がキラキラしてる気がする。珍しいものに興味を持ったな。

「今は急いでる、私のことは後で頼む。」

相手をしてやりたいがのんびりできない

「ならなんで飛んでいかないの?」

不思議そうにか聞かれた、真面目に聞いているようだ。

「普通は飛べないんだ、残念だが」

「え?」

「ん?」

まさか・・・

「普通は飛べるのか?」

「あたいが知ってる中で飛べないのはいないよ?」「それは人間でもか?」

「そういえばみんな飛んでない。でも飛べる人間もちゃんといるんだから!」

・・・そろそろ私の中の常識を投げ捨てたくなってきた。いっそ私も飛べるようになって帰れないだろうか。もしそうなれば敵の魚雷の心配もなくなるな。案外いいかもしれない。

「どうしたの?」

急に黙って何かを考えた私に首をかしげながら聞いてくる。

「いや、少し考え事をな」

そういって誤魔化しておく。さすがに自分の考えたことが馬鹿馬鹿しくて恥ずかしかった。

「とりあえず紅魔館にいきたいんだよね?ならあたいに掴まって飛べば?」「いいのか?」

「あたいはさいきょーだからね、余裕よ」

「なら頼む」

とりあえず肩に掴まる。ひんやりしている、チルノ自身も氷みたいだ。

そう思った途端足が宙に浮く。

「あ・・・あんたなかなか重いわね・・・」

「大丈夫か?」

しかし、兵装は置いていくわけにはいかない。

「大丈夫!」

羽を動かして飛ぶわけでないみたいだ、よく原理がわからないが大丈夫だと言うなればならば大丈夫なんだろう。

辺りを見回してみる。

そろそろ空が夕焼けに染まってきている。危なかった。

夕焼けの陽を湖の水や氷が映し、きれいだ。夕焼けの海とはまた違った趣を感じる。帰れば北方で夕陽をみて比べてみてもいいかもしれない。

そんなことを思っていたら目的の舘が迫ってきていた。

「ほら、着いたわよ。」

わりと雑に落とされ衝撃が身体に響く。

「ぐっ・・・ありがとう、助かったよ」

何か文句を言おうとも思ったが、重い私を一生懸命運んだ頑張りを無為にしたくはなかった。

「どーいたしまして!」

雑じり気なしの笑顔で返される。息が上がっているあたりやはり簡単ではなかったのだろう。

少し先にある舘を見る。

私のこれからは魔女次第と思うと不安になる。魔女と言われればどうしても老獪なイメージがある。

何を対価にされるかはわからないが、覚悟はしておこう。

帰れれば多少何かを失っても軽いものだ。

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