餅も出たので万々歳
て言うか朱鳶のピックアップ来ちゃったよ…なんだそのケツ、本当に治安局か君
ではほんへどうぞ
斬る、突く、斬り払う…ただひたすらエーテリアスを斬り伏せる
この世界に来てからずっとこんな事してばっかな気がする…仕事柄そうしないといけないのもあるが
「デカいエーテリアスの反応があるから見て来いとは言うが…いくら何でも適当に飛ばしすぎだろ」
何処だよここ……まあ己の勘に従うのも悪くはないが
割と今までもそれで何とかなってるとこあるし…ホロウを勘で渡り歩くとか頭おかしいな
今は流石に我が社製のホロウガイド機能が付いたデバイスを使ってはいるが、こんな代物プロキシ達が知ったら何が何でも手に入れたいだろうな
でも俺自身、何でこれが不確定且つ不安定なホロウ内部で道案内が出来るのか知らないが…
まあこれも特異点の恩恵だと考えておこう、深く考えるのは彼女の仕事だし
『報告、20km先…そこが反応の観測された地点だ』
「ああ、そうか…お前場所わかってるなら最初からそこに飛ばせよ」
『上からの指令だ、悪く思うな』
「お前の上は一人しか居ねぇだろ……俺が遊べる様に適当にエーテリアスを狩らせとけとか言われたのか」
『御名答』
「お前も大概、大変だな」
目玉と肉塊の付いた大剣を振るい、エーテリアスを斬り飛ばす…やっぱ最強と言われてただけはあるよな
歩みを進めて行くと、確かに大きいエーテリアスは居たが……
「ただのデュラハンじゃねぇかよ、アレならウサギかサイでも良かったんじゃないのか」
『そうとも行かないのだよ、君』
「……何でお前が通信に割り込んでんだよ」
『其れの近くから面白い反応があってな…もしやすると、他にも客が来るかもしれない』
「あっそう…だから俺を回したと言いたいのか」
『そうとも、その反応源の確認と…序に其れを片してお呉よ』
「はいはい、そうしますよ」
デュラハンの近くで面白い反応か…何か既視感のある場面だな
……金庫?あっ、ふ~ん…成程ね
「なっ…!なななな!?何でアンタみたいなのが居るのよ!?」
「なんだ?ボスの知り合いか?」
「ちっがうわよおバカ!知らないの!?今ホロウ内で一番有名なヤツよ!」
「……『赤い霧』、まさか金庫が狙い…?」
「そんな事になったら…エーテリアスなんかより余っ程厄介よ!」
まあ、そうなるわな……あの野郎分かってて送ったな、帰ったら一発殴る
邪兎屋かぁ……別に相対する気は無いし、金庫の中身にも興味無いんだね…そんなの無くてもウチには特異点あるし
ここは穏便に、譲るとしましょうか
邪兎屋とパエトーンの前に立つ男…全身を黒い鎧で覆われ、顔は赤いラインの入った仮面を付けている
仮面からは赤い靄が長い髪の様に後ろへ靡き、黒い鎧の上からは更に黒いコートを着ている
近頃ホロウ内で騒がれている絶対的な強者……『赤い霧』
『ニコ、あの人の事知ってるの?』
「プロキシ!あんたまで知らないの!?」
『え、う、うん…そんなに有名なの?』
「有名なんでもんじゃないわよ……たった一人でホロウ内の環境を一変させた、化け物よ」
『一変…?』
一時期、ホロウ内を闊歩するエーテリアスの数が激減したと噂される様になった
誰しもがそんな眉唾物の噂を信じることはなかった…だがホロウによく出入りする存在、ホロウレイダー達が皆口を揃えて言い始める
「エーテリアスの姿が無いって」
『えぇ?そんなこと本当にあるの?』
「あったのよ実際に!それにエーテリアスどころか暴徒達までなりを潜めてたのよ!」
『でもあの人がそれをやったって言うのは、誰か見た事あるの?』
「……わたしが見た事あるのよ…暴徒は殴り、斬り飛ばされて…エーテリアスはみんな真っ二つにされて、尋常じゃなかったわよ」
「取り込み中悪いが、少しいいか」
いつの間にか、気配すら察知する間もなく…男が自分達の目の前に立っていた
手に持つ大剣は、生きているかの様に脈動し…何故か付いている目玉はグリグリと瞳孔を忙しなく動かしている
エーテリアスですらそんなグロテスクな武器は使わない…心の底からそう思う一行
「なっ…何よ赤い霧!あんたもあの金庫を狙ってるのね!」
「いや、それに興味は無い…俺の目的は反応源の確認だけだ、アレがお前らの獲物ならば勝手に持っていけ」
『そうだったんだ…ほら良かったじゃんニコ』
「よ、良かった…のかしら?まあ何でもいいわ」
「……それは君らのボンプか」
「え、ええそうよ!」
「ほう、そうか……それで、あのデュラハンはどうするつもりでいる…君らの獲物だと言うのならば、手出しはしないでおくが」
次の瞬間、後ろから飛びかかった小型のエーテリアスを振り返りもせず…大剣で突き刺し、前へ振り下ろしながら真っ二つに吹っ飛ばす
「邪魔だな、先に片しておくか」
「……いつの間にか囲まれてたみたい」
「お、おおい!こりゃ大ピンチってやつじゃねぇか!?」
「静かにしていろ、気が散る」
一瞬、取り囲んでいた一部のエーテリアスが斬り飛ばされ…また違う個体は身体に鎧の爪を突き刺されて、地面を抉りながら引き摺られる
引き摺られた後は別のエーテリアスへとブン投げられる
突き、縦斬り、薙ぎ払い……瞬く間に残骸が積まれた
「……何なのよ本当、こんな化け物見たことないわよ」
「なんだこりゃ……あっという間にエーテリアスが…」
「それで、デュラハンはどうする…お前らが狩るのならば俺は見ているが…」
先の戦闘でこちらに気が付いたのか、既に男の後ろにデュラハンが剣型の腕を振り上げている
腕の鎧で攻撃を弾き、叩き潰す様に上から大剣を振り下ろす…デュラハンも片腕の盾でそれを防ぐが、衝撃で後ろへ押し返される
「せっかちな野郎だな…仕方があるまい、さっさと片付けるか」
赤いオーラが男から溢れ始め……デュラハンの前にいつの間にか移動していた
大剣を頭上に振り上げ…上から真っ直ぐ振り下ろす、デュラハンもそれを盾で防ぐが……徐々に膝を着き、体勢を崩しそうになる
次の瞬間には一気に大剣が振り下ろされ、デュラハン諸共…背後の瓦礫が真っ二つに切り裂かれた
大・切・断……どっかの野性的なライダーみたいだな
デュラハン程度なら譲ろうかと思ったが、向こうから来ちゃったのならば仕方がない
足元に転がっていた金庫を掴み上げ、ニコの前に置く
「これが目的物だろ、さっさと持って帰れ」
「あ、あり……ありがとう…」
「……何を身構えてるんだ、別にお前らに興味は無い」
「ア、アンビー!大丈夫だから!」
そんなに警戒しなくてもよくない……まあでもフッと現れた不審者なのは間違いでは無いし、しょうがないか
さて、俺もさっさと帰ろ…マジでなんで俺が送られてきたんだ?ウサギかサイで良かっただろ本当に
「おや、帰還が遅いから迎えに来てみれば…道草かい?」
「ウサギじゃあるまい、草食みなんぞの趣味は無い」
「冗談で返す気力はあるんだねぇ……おや、其れはお客さんかい」
「こ、今度は『調律者』!?何なのよ本当に!!」
「おや、私を知っているのか…有名になった証か」
虚空に青い穴が開き、そこから黒いコートを着た女性が現れる……その外見はビナー様そっくり、いやビナー様そのものかな
「しかし覗き見とは品が無い…その玩具、壊してしまおうか」
『えっ…ええ!?なんでわかっ…!!』
「プロキシ下がって!」
「『調律者』か何だか知らねぇが!プロキシに手を出すなら話は別だぜ!」
「プロキシ先生を逃がす時間くらいは稼げるかな」
「……はぁ、ビナー…ややこしくなるから黙ってろ」
ボンプに向かって掌を翳したビナー様、腕を掴んで降ろさせる…物騒過ぎんだよ色々と
薄く笑っていた顔から少しむくれた様な、不満そうな顔を俺に向けてくる
「私の下した決定を退けるか…君も偉くなったものだな」
「この場を面倒に掻き乱す馬鹿が居るからな、『爪』はどうした」
「……既に呼んであるさ、君も早く帰りたいのだろう?」
「さっさと出て来い、この面倒な社長を連れて行け」
「了解…ビナー様、こうして健常な状態を確認出来ましたでしょう…さぁ、帰りますよ」
真っ黒なスーツを着た、片腕が異様に大きい鎧に覆われた男が現れ…ビナー様を連れて青い穴へと戻って行った
終始不満そうな表情を浮かべてたな、あの社長
「悪いな、刺激する積りはなかったんだ…その内、ちゃんと挨拶に行こう…お前達の噂は良く届いているぞ」
俺も青い穴へと入り、本社へと戻る
俺はこの世界…ゼンレスゾーンゼロへと転生した、元日本人
何故か『Library of ruina』、基『Lobotomy Corporation』の赤い霧装備を引っ提げて
……転生する前に図書館で遊んでたからかな?知らんけど
そんでもって試運転がてら、ホロウに潜ってエーテリアスを狩りまくっていた
プロキシ?面倒だから雇ってない、何となくの感覚で何故かホロウを渡り歩けたから…まあいいでしょ(適当)
そんな時、声を掛けられた…『私と共に、仕事を始めてみないか』、と
『君のその強さ、是非とも私と共に奮ってお呉よ』
『……俺に何か得があると?』
『勿論だとも、君に安定した安心を与えると約束しよう…其れが必要かはさておき、収入と住む場所は何方にせよ必要だろう?』
『まあそうだな……面白い、その話に乗ってやろう』
『これで交渉は成立だな』
そんな感じでホイホイとビナー様について行った結果、ゼンゼロの世界に『A社』が出来上がってしまった
何を言ってるか分からねぇと思うが、俺も正直この状況はどうかしてると思う
まあ流石に図書館やロボトミーみたいなディストピアテイストの世界じゃないし、A社だと言っても社長はビナー様だし
「……前から思っていたが、何故『A社』なんて意味不明な名前なんだ」
「覚えやすくて良いだろう?親しみを込めるならば短く分かりやすい方が善いのだよ」
「そう言うもんか……」
「話は変わるが、前に出会った玩具へ挨拶とやらに行かないのかい」
「……何だ、ついて来る積もりか」
「ああ勿論だとも、君の言い分が正しければ長い付き合いになりそうなのだろう?ならば私が挨拶に行かなくてどうする」
「ついてくるのは構わんが、変な事を口走るなよ」
ビナー様を連れて六分街へと訪れる…A社は六分街からそれなりに離れた場所にある、図書館で言うところの『外郭』だろうか…あそこまで無法地帯ではないが
『爪』に渡している特異点を使い、ゲートを渡って一瞬で着いた
やっぱ特異点って便利なんやなって、これでホロウも渡り歩けちゃうし
「……あれか?」
「そうだな、ビデオ屋と言うヤツだろう」
「ほう、ビデオか…見たことがないな」
「……折角ここまで出て来たんだ、一つ借りて帰るか」
「それは面白そうだ、君が選んでお呉よ」
「はいはい…」
店内へと入る…アキラとリンは表に出てないか、それとも今は別のお仕事中か
まあどちらでもいいか、今は他のお客も居ないし挨拶には丁度良いか
「ほう、君は其れが好みなのか」
「何となく目に留まっただけだ…俺もそこまで映画は見ないからな」
「それにするのかい?」
「……そうだな、適当に借りてみるのも面白いだろう」
ビデオを持ってカウンターへと進む…今はお手伝いどころかボンプも居ないのか、呼び鈴とか無いのかな…
「ああすいません!すぐに貸出しますね!今なら会員登録なんかも……」
「おや、思っていたよりも幼いな」
「そうか?俺はこのくらいだと思ってたがな」
「えっ、あ…え?お、お兄ちゃーん!!」
「……行ってしまったな、何か用事か?」
「さあな、まさか本当に来るとは思ってなかったんじゃないか」
アキラも来たみたいだな…めっちゃ警戒されてるのウケる、まあしょうがないよね
こっちはビナー様の顔が割れてるからスグに分かるだろうが、向こうは顔すら知られてないと思ってるだろうし
「そう気を張るな青年、我々とて争いをしに来た訳では無い」
「へぇ、じゃあどこで俺達の顔を知ったのかな」
「私達には『特異点』と云う技術がある…それは貴様達の理解を超えた技術、それらを扱うのが我社なのだよ」
「こちらも噂は聞いているよ…『A社』、表向きは色々な事業をしている…裏では『頭』と呼ばれ、汚れ仕事も行う」
「おや、そっちの名前も拡がっているのか…これは善い」
ホロウ内では『A社』ではなく、『頭』として通っている
一応、表向きは色んな事業に手を出してる一般企業となっているからね…裏はそれはもうグレーどころか真っ黒な仕事も請け負う
そもそもトナカイチームが居る時点でそっち系の仕事が無い方がおかしい
「今日はただの挨拶だよ……これは些細な気持ち、お気に入りの紅茶さ…是非とも飲んでお呉よ」
「……一応、ありがたく貰っておこうかな」
取り敢えず何事もなくパエトーンへの挨拶回りは出来たかな…どの道、ホロウに潜ってれば否が応でも会うだろうし
挨拶回りってのは大事だよね(適当)
ここに出てくるビナー様はもどきなので違和感あっても許し亭許して
正味、ビナー様とオズワルドのロールを出来る人はもう本人なんじゃないかと思ってます
別の小説書かないと(使命感)
3つ持ちとか私には荷が重すぎました、でも書きたくなったから書いた…後悔はしてない(2回目)
ではでは、またお会いしましょう