モブ黄金の一族に転生しました。   作:蜥蜴の隠者

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お待たせしました第7話です。
今回はエルデンリングではお馴染みの登場人物の登場回です。

それではどうぞ!


第7話 いやな奴、おぉいやな奴

 

トボトボと、非常に重い足取りで黄金一族の屋敷への帰路に就く。

 

これからの生活の指針が決まったものの、如何様にして毎朝屋敷から気付かれず抜け出せばよいのだろうか?そんな事を考えていた。

 

親戚連中は遅寝遅起きだし、使用人たちは俺に無関心なので寝床から抜け出すのは問題ないとして、問題は屋敷を警護するゴドリック兵士だ。

 

黄金一族は王家に連なる大貴族であるため、当然警備には金を掛けている。王都の精鋭中の精鋭であるローデイル兵やローデイル騎士たちにはやや劣るものの、ゴドリック兵並びにゴドリック騎士達は彼らと比べて遜色のない働きをするものだ。

 

彼らは昼夜問わず屋敷周りを警邏し、不審者を見つけ次第ラッパを吹き鳴らして駆けつけてくる。しかも破砕戦争前の狂っていないまともな兵士達なので、その動きはAIによってパターン化された単調な動きではなく、その全員が侵入してくる敵対プレイヤー並みにキビキビ動くし連携もしてくる。

 

特に大楯持ちはファランクス宜しく隊列を組み、文字通り壁となって立ちはだかる。お馴染みのクロスボウ持ちの射撃精度も侮れない。大楯持ちの後ろから狙撃してくるので基本隙がない。

 

そして最強はゴドリック騎士達。基本は屋敷の要人達の警護が任務だが剣持ち、弓持ち、槍持ちの3人はどいつもこいつも化け物揃いで、一撃一撃が俺にとっては致命の一撃に相当し、1発でも当たれば意識が飛ぶ。

 

さも実体験の様に話しているがそうとも、一度ならず幾度も奴ら親戚連中に兵士らを嗾けられ痛いほど彼らゴドリック兵達の強さを味わったことがある。

 

一般兵達は何回か繰り返してたった一度だけ包囲網を抜けたことがあるが、その後の騎士達の猛攻はトラウマレベルで、今ではゴドリック騎士の鎧を見ただけで身が竦む。

 

毎朝外出するくらいならと思われるかも知れないが、屋敷の出入りは許可制で許可証が必要となる。

 

そして俺は許可など与えられることは基本ないので、今回の外出は無許可の上、約2日間なんの連絡も無し

 

間違えなく帰ったら大目玉をくらうこと間違いなしの案件なのだ。

 

 

うーん、うーんと唸りながらも、王都ローデイルは見た目よりも狭い。あっという間に王都ローデイルの一等地、黄金一族の棲まう集合住宅地まで着いてしまった・・・。

 

「あぁ〜、その〜。・・お勤めご苦労様です。」

 

当然、すぐ見つかりますとも。黄昏時に彷徨う小姓一式の子供なんて、ここら辺では俺だけだもの・・・。

 

「ちっ!やっと帰って来やがったか。オイ、屋敷の奴らに連絡しろ!問題児様がお帰りだとな!お前はこっち来い!」

 

そうやって、怒鳴られた挙げ句首根っこを掴まれて連行されるのでした。

 

 

 

「・・・オイオイオイ、居候の分際で朝帰りたぁ随分な御身分になりやがったなぁ餓鬼んちょ?それとも人間以下のナメクジ野郎だから帰るのが遅くなりましたってかぁ?アァン?」

 

所変わりまして黄金一族の邸宅は客間のひとつ。執務机に足上げてふん反り返る色白薄毛な実年齢より老けて見える男がひとり、目の前で縮こまっております青少年相手に横柄な態度でメンチ切っております。

 

さてこの男、エルデンリングをやっておられるプレイヤーの皆様なら必ず会ったことがありまする超有名人でございまする。その名も・・・。

 

「聞いてんのかこのナメクジ野郎!!」

 

黄金一族の次期当主候補にございまするゴドリック様の御嫡男、ゴストーーーーク様でございます。

 

ゴストーク様は私の叔父にあたるお方で実父の双子の兄弟にあらせられます。どういう人物かと申しますと、虎の威を借る狐を絵に描いたような人物で魂はリアルスネ夫といったあり様です。

 

黄金一族の現当主ゴドリック様の嫡男であることを良いことに毎日毎日横暴三昧。暴力は当たり前、嫌がらせは常日頃。しかし目上の方々には腰低くゴマを擦る。全くもって度し難いほどスネちゃまな人物である。

 

「しかもテメェ、何ちゃっかり警邏の奴らに世話なってんだぁ?アァ?俺ら黄金の一族の顔に泥塗りやがって、どうやらまだまだ躾が足りてねぇのか?だったら望むところだぜ。オイ!」

 

ゴストークの声かけで奴の後ろに控えてたゴドリック兵たちが動き出し俺を取り押さえてくる。

 

・・はぁ、今日は暴力折檻コースかぁ。五体満足で明日迎えられるかなぁ。てか死ぬかも。

 

そんなことを思っていたら、唐突に客間の扉がガチャリと音を立てて開いた。

 

「・・ゴストーク、何をしている。」

 

「!・・へっ、今日は随分と早いお帰りじゃねぇか、"ゴドイーク"よ?」

 

そこに現れたのはいつも姿を見せず育児放棄してる実父であった。ってかゴドイークってんだ、初めて名前聞いた。何かルドウイークみたいな名前だな。

 

ゴストークは苦虫を噛み潰したような顔で実父ことゴドイークを睨みつける。ゴドリック兵たちは俺を押さえつけたまま動きを止めた。

 

調香師のフードとローブ(軽装)、血の滲んだ包帯に、あれは従軍医師のズボンかな?を纏った実父ゴドイークは俺とゴドリック兵を見据えたあとゴストークに尋ねる

 

「ゴストーク、その子供を引き渡して貰おう。父上のご命令だ。」

 

「ちっ、あの老耄が。俺の楽しみを奪おってのか?コレからがいい所だってのによ?」

 

「・・父上に逆らうのか?ゴストーク。その言葉、そのまま父上に報告しても良いのだぞ?」

 

「ちっ・・!!さっさと連れてけ!」

 

ゴストークが吐き捨てるようにいうと俺はゴドリック兵の拘束から解放される。実父は俺の腕を掴むとそのまま客間を後にした。

 

・・ってか、ゴストークの父上ってゴドリックだよな?何の用だ?そう考えた時、俺の脳裏に継ぎ木の貴公子の姿が過ぎった。・・・まさか!?

 

 

「・・祖父には会ったか?」

 

俺が最悪な予想をしたとき、唐突に実父が話しかけて来た。

 

「・・あ、うん」

 

咄嗟のことに嘘もつけず普通に返事をしてしまった。

 

「・・・そうか」

 

実父はそう呟くと、黙ってしまった。心なしか俺の手を握る力が強くなる。しばらく経ったのち、再び実父が口を開いた。

 

「・・父親として、お前には何もしてやれなかった。」

 

「・・?」

 

ん?何を今更そんなことを?

 

「・・だが、これを乗り越えれば、その先は自由だ」

 

乗り越えればって何?めっちゃ怖いんだけど!?

 

「・・終わったあと、お前に渡すものがある。・・義父殿に伝えてくれ。すまなかったと。だが、妻は、貴方の娘は生きている。だから必ず救ってくれと。」

 

救ってくれって何!?お前助けろよ!うわ!何をする!ヤメロっ!

 

実父は突然俺を押さえつけ、口元に布を押し付けられた。ツンとするアルコール臭と甘い香りが・・、

 

そのまま、俺は気を失ってしまった。

 




如何でしたでしょうか?

ゴストークは暫くお別れです。決め台詞はナメクジ野郎!

そしてオリジナルキャラクター、主人公の実父ゴドイークさんです。

名前の由来は勿論ブラボからなのですが、一応"ゴド"がつく名前を探して複数探した結果ゴドイークさんになりました。(他候補、ゴドフリー、ゴドイ、ゴドルーン、ゴドリング)

次回、ついに継ぎ木回!
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