モブ黄金の一族に転生しました。   作:蜥蜴の隠者

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お待たせしました、第8話です
今回はちょっと長めです。
それではどうぞ!


第8話 早速継ぎとはな・・・ところで貴重なアイテムはまだか?

 

「・・・うぅん・・何処だ此処?」

 

気がついたら、見知らぬ部屋の寝台に横たわっていた。香を焚いているのか、鼻を空くようなアロマな香りがする。寝台の前には衝立が置かれており部屋の様子は見えないが、どうやら此処は調香師の部屋のようだ。

 

調香師と言えば実父の野郎だ。あの野郎、俺に何かの薬を嗅がせやがったな。睡眠と言えばミケラかトリーナのスイレンか?そう言えば調香師の姿してたな。普段は調香師やってんのかアイツ。

 

・・・。しまった!知らない天井だ、って台詞言えるタイミングだったじゃん!惜しい…!

 

なんて余計な事を考えてると、ふと違和感に気付く。右腕の感覚がない。あれだ、正座してるときとかの鬱血してる時の感覚だ。痺れが少しあって血が通ってない様な冷たさがあって・・!?

 

その時、俺の目に驚愕の光景が映った。右腕の肘から先が見知らぬ黒い腕になっていたのだ。瞬時に状況を理解する。

 

・・あの野郎継ぎやがったなぁぁっ!!!

 

オイオイオイ!?あのクソ実父勝手に継ぎ木やりやがったよ!俺の右手何処いった!?マジかよ〜!!

 

俺は天を仰ぎ頭を抱えて悲嘆した。

 

継ぎはアレだよ、最終手段なんだよ!先ずは五体満足で能力UPしたかったんだよこちとら!!熊とかザリガニ継ぐのはギリギリまで頑張って踏ん張ってピンチのピンチの連続が来たときって決めてたのに!クッソォォォオオオッ!!!・・他にも継がれた所ないよな?え大丈夫だよな?

 

心配になった俺は寝台から起き上がり身体の隅々まで調べた。

 

・・・脱がされて裸にされていた以外にどうやら問題は無さそうだ。他に継がれた部位はない。一丁らの小姓シリーズも枕元に畳まれていた。犠牲になったのは右腕だけのようだ。一先ず安心したが、しかしこの右手は何の腕だろう?

 

左手よりも明らかに大きい。間違いなく成人の腕だ。亜人や混種ではなさそうだが、ゴツゴツとしたまるで岩のような肌を持つ種族なんて狭間の地に居ただろうか?

 

・・・暫く右腕を眺めていると、ふとある名を思い出す。そうだ、石掘りだ!

 

石掘りとは主に坑道などに出現する鉱夫のような敵キャラクターだ。主に鍛石という鉱物を採取するのが生業だが、何をどうなったかは知らないが全身石の肌に覆われ背中には結晶なんかを生やした異形の姿になってしまった人間だ。

 

全身石塗れになってしまった理由について、これは独自の推論なのだが鍛石は古竜の鱗らしいので、石掘り達は常日頃鍛石と触れていることで擬似的に竜体化してしまったのではなかろうか?と思っている。

 

狭間の地には竜餐の儀式というものがあり、飛竜の心臓を体内に取り込み竜の力を我が物にするというものだ。そして、竜の心臓を過度に摂取すると溶岩土竜や竜人などの竜もどきに変化してしまい、そいつらは岩の様なカチコチの甲殻や鱗を纏う様になる。・・・関係ないけど、エルデンリングの竜体化、ダクソ3のミイラ山羊にならなくてよかったよね。

 

そんな関係ないことを考えて現実逃避をしていると、ガチャリと部屋の扉を開ける音がして調香師(軽装)姿の男が現れた。クソ実父である。

 

「・・気がついたか。」

 

実父はそう声を掛けると、俺に近づいて来た。俺は咄嗟に身を竦ませ直ぐ逃げられる様に身構える。

 

「・・済まなかった。こうする他なかったんだ。お前を自由にする為には。」

 

そう言うと実父はその場で立ち止まった。・・しばらくの間、2人は無言を貫き、部屋に静寂が満ちる。

 

先に根負けしたのは実父だった。そのままでいいから話を聞いてくれと事の経緯を話し始めた。

 

 

 

 

 

それは実母が俺と忌子の妹を産んだ頃まで遡る。実父ゴドイークはゴドリックの息子として黄金一族に生まれた。双子の弟だというゴストークと同じく武の才能がなかった実父だが文の才能はあったらしく、そのまま調香師の道を志したという。黄金一族付きの医療者になれば切り捨てられる心配はなかろうとの打算を踏まえた選択であった。

 

そして調香師見習いの頃、実母と出会い恋に落ち、そのまま結婚をしたという。当然ながら何処の馬の骨ともしらぬ実母に黄金一族の親戚連中は良い顔をしなかったが、恋に盲目なこのクソ実父はそんなことに気づかず、気付かぬふりをして実母と行為に及び、俺と妹を孕ませた。そして出産当日となり、実母は忌子を産んだ。

 

実母は親戚一同に罵倒され産後の肥立も悪いというのに実母はまもなく屋敷に幽閉された。しばらくは実父のぼんぼん特権で使用人に世話させていたが、やがて使用人も実母の世話を放棄して今では実父が全ての面倒を見ているという。

 

昼は調香師、夜は実母の世話をして生活していた。何故俺の世話をできなかったかといえば、親戚連中やゴドリックから俺に対する面会謝絶が言い渡されていたからだ。要は俺を黄金一族に迎え入れてやる代わりに厄ネタである実父と実母とは全く無縁であるとしたかったのだろう。結果は親戚連中のいいサンドバッグになったがな。最近になって面会を許されたらしいが、条件として親として接することは硬く禁じられていたため、俺には素っ気なく接していたようだ。

 

それより母の容態だが、俺と妹を引き離された時に心を壊したらしく、さらに親戚連中が余計なことに傀儡の精薬もどきを飲ませかけたようで半分意識が戻らない状態なのだという。何そのとってつけた様な最悪な状況?

 

何でも実母は容姿が途轍もなく美人でナイスバディらしく、その容姿はこの狭間の地の頂点に君臨する女王マリカ様に似ているという。・・あぁ、アレね。ゲームで言う所のマリカMODだ。確かにあの爆乳と爆尻は狭間の地にはない異性の魅力だわ。で、実母の身体目当てに傀儡にしようとした奴が居たと。なるほど。黄金一族はやっぱりクズだわ。

 

で、何で俺に継ぎ木することが自由になる条件になるのか?それはゴドリックの兄弟であるゴドフロアとゴドフリーの要望で、継ぎ木の実験の被験体として俺を差し出せば何でも望みを叶えてくれるとか言ったらしい。そんで俺を引き渡す代わりに俺を自由にしてくれと。

 

十中八九絶対嘘だろ、それ。てかゴドフリーってだれよ?あれか?褪せ人ヴァイクが倒した本編に登場しないデミゴットってやつか?

 

で、俺を眠らせて継ぎの実験をしたと。何してくれとんじゃオマエ。

 

だが、何故俺が比較的無事に生還したかと言えば、他の黄金一族の餓鬼らを生贄にしたそうだからだ。

 

俺を常日頃虐めてた親戚連中の餓鬼ども。そいつらを贄にしたそうだ。

 

普通の感性なら可哀想と思うかもしれないが常日頃から人権否定して来た相手がそんな目にあっても、これっぽっちも同情心は湧かない。ザマァ見ろ。クソ餓鬼ども。

 

幸い実験は成功し、クソ餓鬼どもも生きているが異形の姿になっているのでもう屋敷には帰ってこないそうだ。どうやら継ぎ木の貴公子に加工されたようだな。ザマァないぜ。バッドエンドフラグは一つ回避されたようだ。

 

だが、黙ってないのはクソ餓鬼どもの親連中だろう。直ぐにでも報復が来るかもしれない。一応俺は実験中に死んだことになっていて、俺は秘密裏に屋敷から出され今は実父の勤め先である市民病院みたいな所に匿われているらしい。実父は実母を見捨てられないし、継ぎの作業は実父が主導で行われなければならないので、ずっと俺を匿うのは無理だと言う。なので、動けるのであれば早々に支度をして直ぐに逃げ出すようにと色々なものが入った荷袋を渡して来た。以下内容物。

 

・ツール鞄

・裁縫道具

・地図断片:アルター高原

・地図断片:王都ローデイル

・霊薬の聖杯瓶

・緋色の結晶雫

・青色の結晶雫

・ダガー

・雑兵シリーズ(リムグレイブ)一式

・ゴドイークの手紙(実母の居場所が記されている)

 

 

うっひょ〜!!回復アイテムに武器に新しい服だぁ!やべぇめちゃくちゃ嬉しいぞ!これだけでも何とか生き延びれそう!・・けど、これ、雑兵シリーズ丈が長い・・。俺12歳くらいだけど平均身長低いのよ?卑兵シリーズの方が良かったんじゃね?せめて市民シリーズくれよ。

 

その後実父に駄々を捏ね何とか市民シリーズ一式も手に入れた俺は畳んだ荷物を荷袋へ詰め込み俺は寝台から立ち上がった。服は結局市民シリーズを付けることにした。右腕には血の滲んだ包帯を巻いている。ちゃっかり腕装備もゲットだぜ。

 

脱出の手筈は知り合いの調香師に任せたと言う。俺は怪我人として調香師の乗る荷車に乗せられ、祖父の家の近くに降ろされるそうだ。

 

最後に実父は俺の肩に手を添え言った。

 

「・・義父殿に済まなかったと伝えてくれ。だが必ず妻は、貴方の娘は生きて貴方に返すと、伝えてくれ。・・・出来れば、親子3人で共に暮らしたかった。あの忌子の娘さえ生まれてこなければ・・!」

 

その一言にさっきまで沸きかけていた親への情が一気に失せた。やっぱりクズだな黄金一族。そもそもテメェが駆け落ちするなりなんなりして黄金一族から離れりゃすんだ話だろうが。てか忌子の遺伝は間違えなくオマエからだからな?DLCのマリカ考察見る限りだと。・・うわぁ萎えるわ、俺にもコイツと角人ファック遺伝子が血に流れてると思うと。死に別れた妹が今更ながら不憫だ。

 

俺は無言で頷くと無言で立ち上がり部屋を後にした。

 

出来れば、もうこの男とは会いたくないものである。

 

 





主人公獲得アイテム

・ツール鞄
・裁縫道具
・地図断片:アルター高原
・地図断片:王都ローデイル
・霊薬の聖杯瓶
・緋色の結晶雫
・青色の結晶雫
・ダガー
・ゴドイークの手紙

獲得装備
・市民シリーズ(市民の頭冠/市民の上服/市民の靴)
・雑兵シリーズ(雑兵の鉄帽子/鎖肩掛けの布鎧/雑兵の手甲/雑兵の足甲)
・血に滲んだ包帯(腕装備)


如何でしたか?第8話

本格的な継ぎはまだ先です。継ぎ候補として褪せ人の腕とか指巫女の腕とかも考えました(祝福が見えるようになったり、ルーンを力に変える力を付与するため)

しかしそれだと普通の褪せ人主人公と何ら変わらないかなぁと思い石掘り鉱夫の腕に変えました。(他候補は亜人の腕と混種の腕。亜人の腕は面白みがないし混種の腕は坩堝の諸相が嫌われているのに継ぐのはありえないかなと思い却下)

石掘りが石塗れになった考察はオリジナルです。上手いこと竜体化に繋げられたらなぁと思いました。DLCで出た竜餐の肉塊の様なアイテムを作って徐々に竜体化を目指す、とかの選択肢に繋げられたらいなぁと。

あとは、オリジナルデミゴッド・ゴドフリー
褪せ人ヴァイクは本編中に少なくとも2人デミゴッドを倒しているので、創作出来る余地はありました。

ゴドフリーは継ぎ木と竜餐を掛け合わせた強化を想定してます。竜餐は手っ取り早いですからね。石彫り達の身体を継いだ黒い身体に溶岩土竜の頭を継いだとかめちゃくちゃカッコいいかなぁと思っています。武器はトロルハンマー。降る星の成獣の顎を継いで重力攻撃も良さそう。姿はコピペリングですが。

長々とすみません。御愛読ありがとうございました。
次回もお楽しみに!



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