ウマ娘 バーニングフェスッ!! -アルストロメリア・チャレンジ-   作:稚拙

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5枠 イトシノシップサマッ!!

 『運命の赤い糸』。

 

 幼い頃にお母様からおとぎ話を聞いた時から、ずっと憧れておりましたの。

 

―――蓮華(レンカ)と運命の赤い糸でつながっている素敵な人が、この世界の何処かで貴女を待ってるわ

 

 そして―――

 あの日、あの時、あの瞬間。

 蓮華は貴女にすべてを奪われたのです。

 

 常識を破壊する走り。

 常識を破壊する言動。

 見ている者すべてを裏切る、荒々しき立ち居振る舞い。

 

 まるでギリシャ彫刻のように完成されたその姿が、()()()()()()()()()()()()その刻に。

 

 蓮華の“赤い糸”は、海の向こうの貴女に繋がっているのだと、蓮華は確信しましたの。

 今、逢いに行きますわ。

 

 この、ロータスランドが。

 

 

 

 愛しのゴールドシップ様〜~~!!!!!❤❤❤❤❤❤❤❤

 

 

―――――――――

 

 あの日あの時ほど、蓮華が『ウマ娘』としてこの世界に生まれ落ちたことに、神様とお父様とお母様に感謝したことはありませんわ❤

 蓮華が恋に落ちたシップ様❤もまた、蓮華と同じウマ娘!そして日本の『トレセン学園』にシップ様❤はお通いになっている!❤それなら、蓮華の行くべき場所は唯ひとつ!!❤❤

 そんなわけで、蓮華はその日のうちにすべての段取りを爆速で整えまして、シップ様❤がお待ちになっていらっしゃる日本へと飛び、トレセン学園に我が身をねじ込み転入して、そして―――❤❤

 

「シップ様❤〜〜!貴女の許嫁がはるばる海を越えてやってまいりましたわ〜!!❤❤❤さっそく入籍❤いたしましょぉ〜!!❤❤❤❤」

「な、なんだぁオメー!?初対面のゴルシちゃんにいきなり婚姻届(押印済)(カッコオウインズミ)突きつけるヤツがいるか〜〜!?」

「なんだぁ?いきなりスゴいのが来たなぁ」

 

 嗚呼……映像越しではなく、この両の目で確かに見るシップ様❤の御姿……その御名前通り、黄金のオーラを身に纏い、光り輝いておりましたわ……❤❤❤

 さらさらの芦毛の御髪(オグシ)と尻尾❤ 紫水晶(アメジスト)のように光り輝く高貴な瞳❤整った面長の御顔立ち❤すらりと伸びた長身の御身体、明朗で耳に沁み入る御声―――❤❤

 ま・さ・し・く……母なるガイアが創造し給うた至高の生ける芸術❤❤美の神ヴィーナスも足元に及ばぬ美の化身❤❤❤否、化身なんて言葉では全く足りません❤

 『』!!❤❤そう、あの御方は『』そのもの!!❤❤

 このガイアの遍在概念なのですわ〜〜❤❤❤

 もう……目の前に立っただけで、蓮華は失神寸前でしたわ……❤

 し、しかし蓮華は諦めませんわ❤

 そう、恋の路が決して平坦ではないことは、日本の少女マンガできっちりと予習しておりますわ❤

 シップ様❤を振り向かせて婚姻届にその聖なる御名前をお記しいただくその日その時まで、蓮華は絶対に諦めませんわっ!!❤❤❤

 

 

 バレンタインの時も―――❤

 

「シップ様❤!ありったけの愛を込めて作り上げました蓮華の等身大チョコ立像❤❤受け取ってくださいまし〜!!❤❤」

「うひ〜!?喰った日にゃ最後、鼻血ドバドバ、虫歯建設株式会社がブラック企業になるぜ!!」

「完成度高けーなオイ」

 

 シップ様❤の御誕生日にも―――❤

 

「本日はシップ様❤がこの世に御光臨なされた、永久に語り継がれるべき神聖なる記念日❤❤ご覧あそばせ!❤これぞ蓮華が腕によりをかけて作り上げました特盛フルコースとアルティメットファイナルオーバードライブバースデーケーキですわ〜❤❤❤」

「身長57メートル体重550トン!!マックちゃんがあっという間に大地を揺るがす超電磁ビッグマックになるぜ!!」

「オイオイオイ、アイツ胃が光になるわ」

 

 七夕にも―――❤

 

〈シップ様❤と結ばれますように❤❤〉

〈シップ様❤と結ばれますように❤❤❤〉

〈シップ様❤と結ばれますように❤❤❤❤❤〉

「オイ……この笹呪われてなくね?呪言まみれなんだけどよ……」

「『この世のウマ娘がみんな芦毛になりますように』……っと。」

「オメーも何書いてんだよ」

「あぁシップ違うんです以下略」

 

―――――――――

 

 ……ところで。

 

 シップ様❤の横にいつもくっついてる鹿毛のウマ娘、一体何者ですのッ!?

 あんなにも馴れ馴れしくシップ様❤のとなりにいつも立ってるあの()()()()、タダ者ではないことは確か……!死んだ魚みたいな目をしているあのウマ娘はなんなんですの〜!?!?

 

「何って、わたしはシップのマブダチのジャスタウェイだが」

 

 ある日、蓮華は不意にこう声を掛けられましたわ。

 振り返ればメジェド。

 

「そーゆーオメーは何処の何さんだ?ここ何年か、イベントごとにシップに熱烈アタックしてるようだけどよ」

「れ、蓮華はただ、シップ様❤に蓮華の想いの丈をお伝えして、結婚❤を前提としたお付き合いを―――❤」

「オメーは確かにおもしれー女だ。見る目があることも認める。だがな、シップと付き合うにはまだまだ覚悟が足りねーよ。まして結婚だぁ?いいか、シップはまず『縛られる』ってコトを一番嫌うんだよ。だいたい『結婚』がどう言われてるかオメー知ってっか?『人生の墓場』だぜ?わたしゃそんな墓場にシップを埋めたくねぇし、シップだって御免被って魔◯村のゾンビみたく這い出てくるだろうよ。だからまずは―――」

「…………『墓場』……………………?」

「あー……まぁ伝え聞きだがな。やりたいことが出来なくなるとかなんとかな」

「……………………………………それなら―――」

「……ん?」

「この蓮華が!『墓場』を『天国❤』へと塗り替えればよいのですわ!!❤❤❤」

「は!?」

 

 このメジェド、イイことを仰いましたわ❤

 『結婚❤』が『墓場』とか『地獄』とか『やべー』とか思われているんですの!?

 お母様は仰いましたわ。『結婚は人生の幸せの絶頂』と!それが『墓場』?世間はそんな認識でしたの!!??

 

 あ り え ま せ ん わ ! ! ❤ ❤ ❤ ❤

 

 そうだったのですね……シップ様❤は至高❤故に『無垢』❤だった……❤即ち『結婚❤』のことを()らなかったのですのね……❤❤

 で、あれば!!❤❤

 シップ様❤に『結婚❤』の素晴らしさを御教えしなくてはなりませんわ!!❤❤

 

「お、オイ……オメー……」

「感謝いたしますわ!貴女、ただのメジェドではありませんでしたのね!」

「何ヒトを死んだ魚みたいな目って言ってやがるオイ」

「蓮華はまだまだ精進が足りませんでしたわ❤蓮華はシップ様❤に相応しい『やべー女❤』になってみせねばなりませんわ❤❤シップ様❤に寄り添って生きていける今よりもっと『超やべー女❤❤』へと超進化(エヴォリューション)してみせますわ〜〜!!!❤❤❤」

「オイドコ行く!?オメーもう十分やべー女だぞ!?デ◯゛モンじゃあるまいし!?オーーーイ!!?」

 

 シップ様❤が好きな蓮華は!❤シップ様❤のためにすべてを捧げて盛り上がりますわ〜〜!!❤❤

 

 ……あ、メジェドにはあとで粗品でも送っておきますわ。何処の何方かは存じ上げませんけど。

 

―――――――――

 

 蓮華がシップ様❤に寄り添うに相応しい究極形態(アルティメットフォーム)『凄まじくやべー女❤❤❤』となるため、トレセン学園で花嫁修業に励んではや数年―――❤❤

 一向にシップ様❤は御振り向きになってくださいませんわ……❤

 しかし蓮華のシップ様❤への迸る情熱❤❤は、収まることを知りませんわッッ!!❤❤❤

 そんな時に舞い込んだのは―――

 

「『ハチャメチャGP』……勝利したウマ娘には……『ウマ娘・ザ・ウマ娘』の栄誉!?」

 

 こ、これはなんという福音……!❤

 このイベントにシップ様❤とふたりで挑み、数々の艱難辛苦を愛の力❤で突破して、ふたりで『ウマ娘❤ザ❤ウマ娘』の称号を得ることができれば―――!!❤❤

 

―――さぁ、アタシ達の門出だぜ、蓮華……

―――ええ❤希望の未来へレディ❤ゴーですわ〜〜❤❤❤うちゅ〜〜〜……❤❤❤❤❤

 

 薔薇色の人生!❤

 シップ様❤とともに過ごす人生の天国!!❤❤

 これはまたとない大チャンス!❤

 明鏡止水❤石破天驚❤東方不敗❤に風雲再起❤❤ですわ〜〜!!❤❤❤❤

 

「というわけですわシップ様❤さぁ、この蓮華とともにデビルガ◯ダムの頭部を破壊してハイパーモードですわ〜〜!!❤❤❤」

「パス」

「ろ゛ーーーーーーーーー!?!?!?!?❤❤❤❤❤❤❤❤」

 

 いくらなんでもアッサリ過ぎますわっ❤でもその判断の速さ❤鱗◯さんもお墨付き確実❤❤鬼◯隊にも余裕で入れますわ〜❤❤

 でもでも❤これでシップ様❤と一緒に『ウマ娘❤ザ❤ウマ娘』を目指すことはできなくなってしまいましたわ……❤

 ならば!❤シップ様❤とは別のチームを結成して、シップ様❤にチーム外から蓮華の活躍を御覧いただいて、その上で婚姻届に聖なる御名前❤を刻んでいただくことにいたしますわっ❤

 

「そういうわけでそこのメジェド―――」

「わたしもパース。他を当たってくれい」

「れ゜ーーーーーーーー!!!!????」

 

 ―――メぇジェドめェェェェェッェッッッ!!!!!!

 ちゃっかりシップ様❤のお隣に収まったままで芦毛を愛でようと……!!

 ……し、しかしまだ蓮華は諦めませんわ!❤

 不屈、それは蓮華の最たる特技!!❤❤

 シップ様❤に振り向いてもらえず幾星霜❤『諦める』なんて言葉は蓮華の辞書からはとうの昔に破り捨ててゴミ箱ぽいぽいですわ❤

 しかし蓮華は不覚にも、この学園での「人脈」というものをとんでもなく甘く見てしまっておりましたわ……

 親しいウマ娘がメイケイエールさんとディヴィーナさんのおふたりだけ、しかもおふたりとも別のチームに既にお呼びがかかっているという……

 完っっっ全に詰みましたわ……

 嗚呼……よもやこのようなところで、蓮華のシップ様❤への愛の叙事詩❤が終焉を迎えようとは…………❤

 シップ様❤へのこの迸る愛❤と情熱❤…………どのようにしてお届けすれば…………❤❤❤

 

「お、ようやく見つけやしたぜ。探しやしたよ、ロータスランド嬢」

 

 渡り廊下で黄昏ていた蓮華に声をかけてきたのは、見覚えのない切れ長の瞳、長い鹿毛のウマ娘でしたわ。

 その後ろには、前髪ぱっつんの鹿毛、ショートボブの栗毛。やはり面識はございませんが……

 

「ど、どちら様ですの?……お生憎、お隣は空いておりませんわっ。蓮華の隣はシップ様❤のものですから❤❤」

「いやいや、別に。そのままで聞いてくだせぇ。実はあっしら3人、今度の『ハチャメチャGP』に出ようと思ってるんでやすが、見ての通り3人しかいねぇもんでして。そこで、どうでやすかねぇ。あっしらと一緒のチームで出ていただくと助かるんでやすが……。」

 

 な、なんですって……?❤

 まさに運❤命❤!!絶望の底❤に射した一筋の光ですわ❤❤

 

「ロータスちゃん、お願い!」

「悪い話じゃないと思うけど……どう?御覧の通り、日陰者揃いでクセだけ強い連中だけどさ」

「あ!くまさんそれちょっとヒドいっす!あたしのどこがクセ強なんっすか!?」

 

 く、くま??何が何やらさっぱり……この方、ウマ娘ですわよね……??

 と、ともあれ、蓮華が『ハチャメチャGP』に参加できるのなら―――

 そして❤シップ様❤の御目に蓮華の活躍を御覧に入れることができるのなら―――

 

「承知いたしましたわっ!!❤❤この蓮華ことロータスランド、貴女がたのチームに入ろうではありませんか!❤❤」

「ホント!?ありがと~!!」

「これで4人、リーチかかったね」

「ふふ……」

「しかし!!❤❤この蓮華が入ったからには、必ずやトップを……『ウマ娘❤ザ❤ウマ娘』を目指しますわよ!!❤❤そして!!必ずやシップ様❤に蓮華の姿を焼き付けて見せますわ~~!!❤❤」

 

 そう―――すべては始まったばかりなのですわ❤❤

 蓮華とシップ様❤をつなぐ運命の赤い糸は、まだ無傷で残っておりますわ❤❤

 蓮華は敢えて、茨だらけのヴァージンロードを進みます❤❤

 たとえ火の中水の中、バスケの中ドッジの中大食いの中府中市の中!!!❤❤❤

 如何なる障害も叩き壊して灰燼に帰し、貴女様❤の元へ参ります❤❤❤

 最上級の『やべー女❤』たる、『ウマ娘❤ザ❤ウマ娘』となった蓮華が、この婚姻届と共に……❤❤

 

 シップ様❤…………

 貴女様❤と結ばれるその日まで、蓮華は決して、諦めませんわ~~!!❤❤

 

 

―――――――――

 

 

「いやぁ……やっぱり相も変わらず『やべー女』でしたなぁ」

「これまた濃すぎて胃もたれしそうなウマ娘だねぇ……胃薬買おうかしら」

「ねぇくまさん~!?あたしのどこがクセ強!?あたし聞いてない~!」




ざっくり未実装ウマ娘紹介

ロータスランド

 アメリカ・ケンタッキー州の名家出身のウマ娘。
 ゴールドシップのレースを見て一目惚れし、その日の内に日本へとやってきてトレセン学園に転入した行動力と思い込みの化身。
 ゴルシと結婚しようとありとあらゆる手を尽くすが、束縛を嫌って気楽でいたいゴルシには煙たがられている。しかしロータスはまったく気付いていない。それどころか恋の炎をますます燃え上がらせる。
 恋愛の知識ソースが日本の少女マンガであるため、恋愛知識が妙に偏っており、それがゴルシへの突飛なアプローチに現れている。
 一人称の『蓮華(レンカ)』は母が家で呼んでいたプライベートネームで、自分とごく親しい者にしか呼ばせてあげない「特別な名前」。
 つーか『❤』多すぎ。筆者はここまでやるつもりはなかったが彼女のシップ様❤への情熱にあてられてしまった。読者の皆さんごめんなさい。
 実は『スペ卒』改訂時に追加登場させようとしていた没キャラ。筆者の脳内からこんなやべー女が出力されてしまったことに驚いている次第である。

―――――――――

稚拙は疲れているのだろーか。
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