やはり俺が彼女をレンタルするのはまちがっている。   作:肌石友樹

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 はじめまして、肌石友樹です。
 初投稿なので、変なところがあっても温かい目で見てやってください。人間とは傷つきやすい生き物なのです。
それでは、どうぞ!


第1話 捻くれ者と彼女 -ヒネカノ-

― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

「え、比企谷くん、え…」 「ひ、ヒッキー…?」

 

 落ち着いて今の状況を整理しよう。現在目の前には俺と会った瞬間に固まった雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣がいて、

 

「あのー、もしかして八幡君のお友達?」

「い、いや。その、何というか…」

「は、八幡君って…」

「ね、ねぇヒッキー?その隣にいる人って、ヒッキーとどういう関係というか、もしかして…」

 

「はじめまして。私、八幡君の彼女の水原千鶴といいます」

 

 俺の隣には水原千鶴がいた。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 6月も終盤に差し掛かった今日、比企谷八幡という名を授かってから19年経った俺は、大学に入学してから引っ越したアパートにて、明日の起きる時間くらいしか考えることがないほどに暇を持て余していた。明日は大学の講義がないため、一日中だらけていられる。

 突然、俺の目覚まし時計兼スマホが震え始めた。どうやら小町から電話がかかってきたらしい。

 

「こんな夜中にどうしたんだ、小町。あんまり夜遅くまで起きてると肌荒れるぞ」

「それセクハラだから、ゴミぃちゃん。そんなことより、明日の12時に〇〇駅に白Tと黒のズボンを履いて集合ね!」

「…なるほど、つまりデートか」

「あ、あと⬜︎万円忘れないでね!それじゃ!」

 

 小町は通話を既に切ったようで、スマホからは声が聞こえなくなった。我が妹ながら、嵐のような奴だ。てか⬜︎万円持っていかなきゃいけないとか、小町から盗られたりするんじゃないかしら。妹から美人局に遭うという文章からは、何とも言えないものが込み上げてくるというものだ。

 さて、どうしようか。結局俺は小町に行くか行かないか答えていないわけで、明日は大事な休日でもある。つまり、明日俺が小町の言う通りに駅に行かなくても俺の責任じゃないわけだ。いくら俺がシスコンといえども、大切な休日に、デートなんて…

 

 

 

 よし、行くか。

 小町が行きたいって言うんだからしょうがなくだ。妹の望みを叶えるのも兄の勤めだしな、うん。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 

 次の日、俺は少し早めの昼食を済ませ、指定された場所に30分前からスマホをいじりながら立っていた。べ、別に小町とのデートが楽しみすぎて早く来たわけじゃないんだからねっ!

 

「上に白T、下に黒ズボンっと。」

 

 そろそろ12:00になる。小町が来てもおかしくないと思うんだが…。今のところ来ていないらしい。

 

「もしかして、君が八幡君?」

 

 俺の名前が呼ばれた気がするが、経験則に基づいて俺の名前が他人に呼ばれたことはない。言い切れちゃうのかよ…。兎にも角にも断じて俺に声をかけてるわけではない。結論、無視!

 

「あれ?お、おーい。君、八幡君じゃないの?」

 

 …。流石に二回も呼ばれたら俺なのかもしれないと思ってしまう。とりあえず顔だけでも見てやろう。これで通報されても、言い訳のしようがあるだろう。

 

「えっ」

「あ、やっとこっち見た。こんにちは、八幡くんですか?」

 

 顔を上げた先で、とてつもない美人がこちらを覗き込んでいた。や、やばい!視線が勝手に深い谷に吸い込まれていく!さてはスタンド攻撃か!?

 

「あのー、八幡君ですよね?」

「ひ、ひゃい」

「よかった。てっきり間違えちゃったのかと…。改めまして、こんにちは、水原千鶴です。」

「ひ、比企谷八幡でひゅ」

「とりあえず、そこの喫茶店にでも行かない?」

「は、はぁ」

 

 水原さんに言われるがまま、俺たちは近くの喫茶店に入ってしまった。水原さんと向かい合う形で席につき、流されるようにコーヒーを頼んだ。もしかしてこれが本当の美人局ってやつなのだろうか。だとしたら今断らなければヤバいだろう。出来の良い息子は親父と同じ轍を踏んだりはしないのだ。

 

「あ、あのー」

「分かってます。じゃあ」

 

 そう言って水原さんは俺に向かって両手を差し出してきた。何?お手?お手をしてほしいと言うことなのかワン?

 

「俺こう見えても犬じゃないんです…」

「?レンタル料をいただきたくて。最初にもらう決まりなんです」

「レンタル料?俺何かあなたから借りましたっけ?」

 

「はぁ?あなたが私を()()()()したんでしょう?()()として」

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