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「ぶっちゃけさ、おかしくね?」
「何が?」
「俺の手持ち」
此処はガラル地方。ハロンタウンにある一軒の家。
其処には二人のトレーナーがおり、片方はベッドの上に寝転び、片方はベッドに背を預けて漫画を読んでいた。
漫画を読むトレーナー―――ユウリという名の少女は、ベッドで寝転びながら喋り掛けてきた少年の言葉に首を傾げた。
「そう? 至って普通だと思うけど」
「お前、正気か?」
「酷い言い様だなぁ…」
本人としては本当にそう思っているだけなのだが、少年の返答はあまり宜しくない。正気を疑われる始末だ。
ユウリは苦笑しながら、なんでそう思うの? と質問を投げ帰すと、少年はベッドから体を起こして説明し出した。
「まず手持ちが二体だ。これトレーナーとしては結構致命的だろ?」
「まぁ…そうだね。ジム戦だとキツイだろうし」
ジム戦。その地域のジムリーダーとのポケモンバトル。
それに勝利する事でトレーナーはバッジを獲得し、トレーナーとして一歩先に進むことが出来ると言っても過言ではない。
そのジム戦において、手持ちがたった二匹というのは確かに致命的だ。いや、それ以前にトレーナーとして手持ちが二匹というだけで、敗北する確率を高めてしまうだろう。
「次にタイプが不揃いだ。『かくとう』・『はがね』と『ほのお』・『ゴースト』だ。普通手持ちが少ないなら、それを計算した上でタイプを考える筈だ」
「うーん…一理あるかも」
タイプ相性という概念は、ポケモンバトルにおいて最も重要な概念である。
例えば、炎は水に弱い、水は炎に強い、といった竦みだ。ポケモンバトルにおいて、このタイプ相性こそが勝利の鍵を握る重要な点だ。
「最後に―――特殊個体にも程がある」
「それはそう」
うんうん、とユウリが何度も頷いて肯定する。
少年の手持ち―――はどうポケモン「ルカリオ」と、ひのけんしポケモン「ソウブレイズ」。
彼が持つこの二匹のポケモンは、普通のルカリオとソウブレイズとは全く異なる個体なのだ。
「ルカリオは…あれだ、なんかオーラがある。銀色のオーラが。ついでに言えば目も銀色だし」
「だいたい萎縮しちゃうよね」
「ソウブレイズは…歴戦っぽさが凄い。つか歴戦だわ。ルカリオと同等に戦えたのアイツぐらいだもん」
「おじいちゃんだよね。でもすっごく強い」
「爺だからこそ、くっそ強いんだろうな。老齢の剣聖ってやつ。……やっぱおかしくね?」
「普通じゃない?」
「ばーか」
波動を極めたルカリオ。
無想の果てに至ったソウブレイズ。
この二匹を相棒とするトレーナーの日常だったりバトルだったり。