最後の一息   作:白灰✨

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死人が断罪者に語りかけるのは普通なのか?異常なのか?


ふむ… 別に と言っておこうか。


崩壊する世界

この世界は危機に瀕している。

度重なる破壊と再生成(本当のリセット)により、UNDERTALEという世界(ゲーム)が根底から崩壊しかけているのだ。

 

私は原初のニンゲンを甘く見ていた。

所詮リセット、能力としてはあの花と変わらない―――と。

肉体も持たず、セーブもできない…なんならあの花より弱いとさえ思っていた。

 

しかしだ。

結果的に奴はフリスクと融合し、その莫大なケツイと強いタマシイを得てしまった。

 

無限に湧き出てくるとさえ思えるケツイの力と奴自身が持つサツイの力が合わされば………

世界に影響を与えることもできるのかもしれない。

 

その影響なのか、毎周毎周少しずつ私が文字通り命を賭けて展開したバリアが弱まっているのだ。

それにより、少しずつ私に関連する人物や資料の隠蔽が解かれてきている。

 

どうだね?サンズくん。

本当はとっくに気付いているのだろう…?

この世界の法則(ゲームシステム)に。物理学などでは証明できない謎の力(ケツイ)に。

 

言っていることが理解できないかね?

つまり…世界の危機を救う力はキミにあるということだ。

 

どうだ?

私と共に作らないか?

 

誰も死ななくていい完璧な世界を。

 

想像してみたまえ…

遺跡の管理人が。王立騎士団団長が。後任の王室直属研究者が。この地底の世界の王が。その他数多のモンスターが。そしてなにより…キミと、キミの大切な弟が。平和に笑って暮らす世界を。

 

そしてそんな理想郷を創世するのに……ニンゲンは必要ない。

 

 

 

ははは。

キミならそう言うと思っていたよ。

 

「そうか、わかった。んで……あー、今更だがお前さんは何者なんだ?」

 

ん?

私は何者か、だって?

…もう忘れてしまったのかい?

 

実験の最中、突如消息を絶った前任研究者のことを………

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

その日は普通の日だった。

吹雪が舞う森林の中で、いつも通り仕事をしながら新しいジョークを考えるような普通の日。

まだ来るはずがないニンゲンをひたすら待つだけの簡単なお仕事。

 

延々と繰り返す日々に退屈していたその時、それは唐突に現れた。

 

ふと聞き馴染みのない声が聞こえ、咄嗟に背後を振り返ると、奴が立っていた。

ありえない。奴は死んだはずだ。

 

変質者には関わらないのが一番だと思い無言で立ち去ろうとしたが、奴が次に言い出した話に思わず反応してしまった。

 

――この世界は崩壊しかけている。

 

俺の反応に満足したのか、奴は色々と語り出した。

死者が復活した挙句わけがわからないことを言い出し、俺の脳は早くもキャパオーバーだった。

もっともスケルトンに脳はないがな。

 

言っていることの大半は小難しくて理解できなかったが、奴の言葉の中で1つ気にかかったことがあった。

 

「世界の危機を救う力はキミにある」

 

そんなはずがない。

世界を救うのは勇者の役目で、その勇者は無惨に死ぬ。そういう運命だ。

俺は何度も何度も何度も何度も見てきた。

どれだけ勇者が悪を追い詰めようとも、最後には必ず彼女は殺される。死骸は塵にすらならず、跡形もなく体が溶けて消える。

 

俺みたいな全てを諦めた怠惰な骨如きが勇者をも倒す化け物に勝てると?

そんなわけがない。そんなことができるならこうはなってない。

実際とっくに何度も試したしどうにかしようと努力し続けた。尽く無駄だったがな!

皆遅かれ早かれいつか殺される。

 

まずジョーク好きのおばさんが死に。

次いで最愛の弟の首と胴体が分離し。

そして勇者が滅多刺しにされ消滅し。

さらに地底のアイドルが爆発し大破。

最後に俺が体を一閃され、苦しんだ末死ぬ。

そしてよく知らないがおそらく王様も殺され、世界は終焉を迎え………ない。

終わることすらできず、また初めから繰り返す。

 

もう延々と繰り返してきたことだ。今更何も変わらない。

 

でも………今までにはなかった奴という存在がいれば………なんとかなるかもしれない、と思ってしまった。

ケツイを発見しコアを開発した奴ならば……

 

一筋の希望を見つけた俺に、更に言葉が重ねられる。

 

誰も死ななくていい完璧な世界。俺がずっと求めていたもの。

それを作らないか?と。

 

「そうか、わかった。」

 

今まで妄想でしかなかった理想郷の創世が、現実になるとしたら…

いいだろう。悪魔だろうが邪神だろうがその話に乗ってやる。

 

ま、どうやら奴はそう答えるのもお見通し、といった様子だ。

相変わらず本当にいちいち腹の立つ奴だぜ…

 

改めて本人の口から聞いておこうと思い、白々しく問いかける。

 

「んで……あー、今更だがお前さんは何者なんだ?」

 

帰ってきたのは予想通りの答えだった。




現在他の小説を書いてるので、これはもうほぼエタってると思ってください
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