ただし今回は様々な話が混ざり合ってカオスになっております
…実はオリジナルも混じってたり…
そ、それでは更正する生徒会①、始めていきます
「人生やり直すのに遅すぎるなんて事なんてないのよ!」
今日も会長が本の受け売りのような言葉を胸を張りながら偉そうに語る。
今日の言葉は人生をやり直す…か。人生をやり直す…生まれ変わる…転生…あ
「真冬ちゃん、ちょっとこのキャラ転生させて来ていい?ちょうどレベルも上がったから」
「あ、いいですよ…でも大丈夫ですか?折角レベルが上がっていい武器が使えるのに…」
「まぁ、大丈夫でしょ。俺と真冬ちゃんのコンビならそう簡単に負けることは無いだろうし。なにより…俺は真冬ちゃんを頼りにしてるからね」
「ふぇ!?///」
今日も俺は真冬ちゃんとゲームをしていた。ちなみにソフトはファンタ○ースターポータブルだ。
そのゲームの中でのシステムである転生を使いたいって言ったんだが、真冬ちゃんが顔を伏せたままこっちを見てくれない。
…もしかして俺、真冬ちゃんに信用されていない!?
「なぁ深夏!俺ってまだ真冬ちゃんに信用されてないのか!?それはそれで結構ショックなんだけど!」
「…真、心配しなくても良いぞ。鍵と違ってお前は真冬に信用されてるから」
「おい深夏!”鍵と違って”ってことは、俺は信用されてないって言うのか!?」
『鍵は逆にひかれてるだろ』
「まさかの一致!」
「そこ!私語をしないの!それにこれは杉崎に言っているのよ!」
会長がそう言いながら鍵に人差し指を突きつけていた。
俺と鍵が鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていると、深夏が適度に焼けた小麦色の腕を鍵の首に回し…絞めあげていた…あれ?デジャブ?
「確かに、鍵に関しては早急に人生やり直させる必要があるよな」
「まぁそれはそれで見てみたいよな、鍵のこう…腐る前の状態(まぁ俺はこうなる前を知ってるけど)」
「良いわね。今のキー君もいいけど、更生したキー君というのにも少し興味があるわ」
「真冬も見たいです…真面目な杉崎先輩…多分かっこいいと思います…よ?」
「ちょ!更生って!俺は元から真面目ですし!てか真冬ちゃん?それだと今の俺全否定されてない?」
鍵がメンバーからの言葉を捌きながら深夏のヘッドロックから逃れようとしている…あれ?目が虚ろになってないか?
真冬ちゃんもそのことに気づいたのかあわあわ言い始めていた。
「深夏~?流石にそろそろやめてやったら?目がやばげなんだが…」
「ま、真先輩の言うとおりだよ!そろそろ離して上げてよぅ」
まぁ、他ならぬ妹の頼みだし深夏といえどさすがにやめ―
「ごめん、真。そして真冬…生まれて初めて二人のお願いを…却下する!」
「なぜこんなところで!?」
ようとはしなかった…てか俺は良いが何故ここで真冬ちゃんの頼みを断った!
そして深夏はさらに力を強めていく…鍵の顔が青から紫になっていく。
すると深夏の腕を掴んでいた鍵の腕から力が抜ける。深夏も気づいたのか、自分の腕の力徐々に緩めていく。
すると鍵はそのまま立つことなく、生徒会室の床に突っ伏す…え?
「おい、深夏…お前まさか…」
「……お、おーい?鍵?あれ?殺っちゃった?」
「『やっちゃった』ってなに!?お姉ちゃん!?」
「ちょ!深夏!杉崎に人生やり直せとは言ったけど終わらせろとは言ってないわよ!?どうするのよ…この事がばれたら大変なことに…」
「生徒会初の死人ね…仕方ないわ、隠しましょう5人で…ニュー君、手伝ってくる?」
「唐突ですね…まぁ面白そうですからやりましょうか。ちょっとその辺の裏サイトいってそういうことしてるとこに連絡とってみます」
「ちょっと?あの…知弦に豹堂?なんでそんなに顔が活き活きとしているの?そんな顔今まで見たこと無いんだけど…」
「さ、ニュー君?キー君の体を抑えてからまずは四肢を切断―」
「されてたまるかああああああああああああああああああああ」
あ、目を覚ました。てか声大きくて一瞬ビリビリきたぞ。
そんな鍵を全員がボーっと見つめていたが深夏がポツリと呟く。
「あ、生き返ったのかよ…つまんねーの…」
「俺の生死の扱い軽くないか!?」
「隠し通す自信あったのに…」
「全く…鍵はほんとに駄目だな…」
そう言いながら知弦先輩は残念そうにのこぎりを棚に、俺は黒いビニール袋を片付ける。
ん?なんで生徒会室にそんなものがあって俺と知弦先輩がその位置を把握しているのかって?…知りたいのか?
「よ、良かったぁ…」
生徒会の唯一の良心である真冬ちゃんだけが目尻に涙を浮かべて安堵のため息を漏らしていた。
やっぱり真冬ちゃんは優しいな…
「お姉ちゃんが人殺し、紅葉先輩と真先輩も犯罪者にならなくて…」
「そっちかよ!」
姉や俺たち先輩の事を心配してくれるなんて…え~…さらっとひでぇな真冬ちゃん。
ま、まぁそういうところも真冬ちゃんらしいといえば真冬ちゃんらしい…のか?
鍵が静かになったのに気になって鍵の方を見てみると会長と鍵が向き合ってお互いの顔を見つめていた…え、何この状況。
「会長……」
「杉崎……」
「……ボクは死にません、あなたが好きだから…」
「…杉崎…」
会長がまじまじと鍵の顔を見つめているが、鍵は何を勘違いしたのか唇を突き出してくる。
そんな鍵を見て会長は大きくため息をつき、そのまま自分の席に深く腰を降ろし再び鍵を見て、ため息。
鍵は事態がうまく飲み込めていないのか目が点になっていた。
「…あ、やっぱりファーストキスは二人きりのほうが良かったですか?」
「はぁ…少しは期待したんだけどなぁ…」
「?キスですか?俺のほうは準備万端ですけど…」
「…ちなみにお前がキスしようとした瞬間俺は携帯を取り出して通報する準備していたがな」
「何しようとしてんの!?互いに了承していたら大丈夫だろ!」
「いや了承してないし。ちょっと期待したのよ…『馬鹿は死ななきゃ直らない』って言うでしょ?」
「はい?」
あー…会長がなにが言いたいのか分かってきた。
「一回臨死体験したらマトモな人間になるんじゃないかなって期待したのに!」
「…あぁ、なんだそんなことですか?大丈夫ですよ会長!」
「んー?なにが?」
「俺はとてもマトモです!」
「本当にマトモな人はそんな発言自分からは絶対にしないわよ!」
鍵が胸を張りながらそんな発言をしたが、速攻で会長に否定される。
しかしまだ不満があるのか今度は今まで喋っていなかった俺たちに同意を求めてきた。
「皆!俺はマトモだよな!?」
『………』
うん、予想は出来てはいたけど皆打ち合わせしたかのような沈黙だった。
その沈黙に耐え切れなかったのか鍵が滝のように涙を流していた。
「鍵…安心しろ…」
「ま、真…お前だけは俺を心配してくれるのか…やっぱ持つべきは親ゆ―」
「お前は…マトモとは逆方向のベクトルをたどるほどすでに手遅れだから」
あ、さらに悲しい顔をして文字の通り"orz"状態になってる…俺のせいじゃないよな?
そのテンションのまま鍵は自分の席にどんよりした状態で座る。
…さっきの絡みの時真冬ちゃんが小声で「杉崎先輩×真先輩…ありです!…でも逆もありかも…」って言っていた気がするけど…気のせいだろうな、気のせいであってほしい。
鍵が席にいたのを見て会長が「こほん」とその見た目に合わない仕切り直しをして話を戻す。
「とにかく杉崎は更生すべきだと思うのよ。仮にも生徒会副会長なんだから、それなりの威厳は必要だと思うのよ」
「…威厳ねぇ…」
鍵がそう言いながら会長のロリ容姿を眺めて…今度は鍵がため息。
分かるぞその気持ち。会長にだけは威厳とか言われたくないよな。
椎名姉妹も知弦先輩でさえ苦笑しているし。
みんなの視線となにを考えているか気づいたのか会長が再び咳払いをする。
「と!に!か!く!今日は杉崎の性格を改善しましょう!それがいいわ!うん!」
「ど、どうしたんですか急にそんなこと言い出すなんて」
確かにそうだよな~鍵の性格なんて前々から駄目だってわかっているのに、どうしてこのタイミングで鍵の性格を改善しようって話になるんだ?
会長は自分の鞄から何かを取り出し、俺たちに突き出す。
少し目を細めながら見てると、それはうちの新聞部が発行している校内新聞だった。
うちの新聞部の部長はゴシップ系の記事が好きなようでよく会長がそれを見つけてはこの生徒会でも問題にされる。
今日もその類かと思ってそれを眺めてみる…だが今回は性質がいつもと違った。
深夏も興味深そうに声に出しながらその記事に書かれているタイトルを読み上げる。
「なになに?『速報!生徒会副会長・杉崎鍵は昔二股をかけていた!』だぁ?」
「あらあら大変ねぇキー君」
深夏は胡散臭そうに記事をながめ、知弦先輩は心配をしているような口調で楽しんでいる。
そんな中、真冬ちゃんだけが鍵のフォローをしてくる。
「酷い記事です!抗議しないとっ!杉崎先輩はそんなことする人じゃあ……で、ですよね?真先輩」
途中で鍵が女性関係においては全く信用できない人物だということに気づいたみたいで俺に話を振ってきた。
俺に話を振られても完全にはフォローできないよ?
でも…まさかこの話がいまさらになって出てくるなんてな。
何にも反応しなかった俺や鍵を真冬ちゃんが不思議そうに見ているが会長は気づかなかったらしく、新聞を机において鍵を指差す。
「全く!生徒会役員ともあろう者がこんな記事かかれて!」
「…まぁあの新聞部はこういう記事好きですからね…」
鍵はそう言いながら問題の新聞に目を通し始める。俺も鍵の後ろから一緒にざっとだが目を通す。
見出しこそ派手ではあるが、内容はそこまで掘り下げられたものではなかった。
隅々読み返しても結局「杉崎鍵は過去に二股をかけていた」という事しか書かれていなかった。
さらにたちの悪いことに証言がかなりふわふわしていて、はっきりしていない情報源から引っ張ってきて書いている。
彼女自身見た目は良いのだが性格がアレなため鍵でさえ口説くのをためらうほどの人だ。
俺も悪い人とは思わないんだけど、テンションとか考え方が違うからなんか苦手なんだよな。
「杉崎!まずはその記事の内容が事実なのかハッキリして貰いましょうか!」
会長はとてもご立腹のようだが…鍵はそんな真面目な空気が嫌なのか、顔を少し掻いてから話をごまかそうとする。
「あ、会長もしかして嫉妬ですか?俺の過去の女が気になって―」
「そうやって逃げようとしても無駄よ!」
今日の会長は本気らしい。会長は一度言い出したら(子供っぽいから)止まらない。
鍵もその事を理解しているのか苦しい表情を浮かべてくる。
そんな状態の鍵に対して知弦先輩が追い討ちをかけて来た。
「キー君?アカちゃんがこうなったらもう事実確認が取れるまでずっと騒ぎ続けるわよ?だからもう諦めなさい」
「はぁ…分かってはいますけど…」
鍵がいつにも増して真面目な表情をする…どうやら話す覚悟が出来たようだ。
俺はその鍵の考えを尊重し、あえて何も言わない。する事といえば、鍵を見守るだけだ。
そして鍵は会長の目をきちんと見据え、ハッキリとした口調で語った。
「結論から言って、事実です。俺は昔、二股をかけていました」