というわけで反省する生徒会ラストです
う~ん…相変わらず文章乏しい&本編とほぼ同じ
知弦先輩の猛攻により泣き出してしまった会長の声だけが、生徒会室に響いている。
その状況に見かねた真冬ちゃんだけが立ち上がり、会長の傍に寄りその肩に手をおく。
「大丈夫ですよ、会長さん。反省点は多くても、会長さんにはそれに負けないくらい良いところも沢山あるのですから」
「ま、真冬ちゃん……」
会長が顔をぐしゃぐしゃにしながら顔をあげ、そこに真冬ちゃんが優しい笑顔を見せる。
「大丈夫です。真冬も会長さんの欠点は5236個ほど思い付いてしまいましたが、ずっとずっと必死で考えた結果なんと、会長さんには合計で二つも良いところがあると真冬は結論しましたから」
「う、うわああああああああああん」
零距離からのオーバーキル!?えげつねぇ!
真冬ちゃんが「あ、あれ?」と可愛らしく戸惑っている。
真冬ちゃんは時々爆弾投げ込むからなぁ……狙ってやってるのか、只の天然なのか……恐らく後者だろうけど。
会長が今にも近くの山で冷たくなりそうな勢いなのだが、先程までの負い目があって俺達も気まずくなっていく。
その空気を打破するためなのか真冬ちゃんのフォローするためなのか、はたまた半ばやけくそなのか深夏が会長を励ましにかかる。
「だ、大丈夫だ会長さん。鍵の反省点なんて2000個はあるし、真だって1500はあるぜ!」
「どちらにしたって私より少ないじゃないのよぉぉぉぉぉぉぉ!」
「い、いや、それはその……。そうなんだよなぁ。鍵はエロという点を除けば割と完璧人間だし、真は真でサブカルチャーを除かなくてもチートだからなぁ」
「うわぁぁぁぁん!私は、杉崎や豹堂にすら劣るんだぁ!」
「あ、いや……会長さんはその、単純にどこが凄く悪いというよりは、えと、総合的に能力低いというか、軒並み平均以下というか……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁん!」
会長がさっきの6割増位の勢いでさらに泣き叫ぶ。
その状況を作った深夏だが、ぽりぽりと頭をかきながら鍵と俺を見て「ごめん、やっぱタッチ」とか言ってきやがった。
さっきよりも何十倍も空気悪くなってんだけど、俺たちにどうしろと。
鍵も唸りながらフォローを考えているが、先日鍵が真冬ちゃんにフォローしたところ、やる気のベクトルを逆に持って行く程の効果だった事を思い出す。
流石にあの状況を再び作り出すのは不味いと考えた俺は鍵にアイコンタクトを送り、先に俺がフォローするのを伝えた。
気持ちを込め過ぎると威圧するような声になるので、ある程度穏やかな声にしつつ机の向かい側に座る会長に話しかけ始める。
「会長、良いですか?」
「ぐすっ……何よぉ……」
涙で顔がぐしゃぐしゃになりながら、会長がこちらを向いてくる。
「俺さっき言いましたよね?『あなたはあなたという個性を持っていますか』って」
「それが……どうしたのよ」
「その通りの意味ですよ。悔しいですけど、会長はいつも『自分』という個性を持って会議をしています、俺と違って、失敗を恐れずにね。まぁ、いつも寄り道しちゃったりしてますけど」
苦笑しながら、俺は俺の感じたことをただ素直に言葉にする。
「でもそれはある種の才能だと思いますよ。人間誰しも自分や自分の行動に対して疑問を持ちながら生きていますから」
「……」
「だから、えーと……反省点を補える位にそういう他人の持たない部分を伸ばしていけば良いとおもいますよ」
うわぁ、俺何言ってんだろ。自分でも何言ってるのか分かんなくなってきたし、こんなんじゃ会長納得しないだろ……。
案の定、泣き叫ぶのを少しは抑えてくれたが釈然としない表情のままだった。
何か言おう、何か言おうと頭の中を巡らせるが全く考えが纏まらない。
「会長は可愛い」
『……ふへ(は)?』
俺と会長がほぼ同時に声をあげながら驚く。
今の言葉は俺の口からではなく、俺の横にいる鍵からだった。
おそらく俺があまりに戸惑っていたから助け船を出してくれたようだ……助かるよ、ほんと。
「どんなに駄目人間でも、可愛ければ許されます。少なくとも俺、杉崎鍵にとっての会長の可愛らしさは、7951個の欠点なんて補ってあまりあるどころか、大幅にプラスに傾くって話です」
「……なによそれ。そんなの……結局、容姿だけってことじゃない……。私なんて……ただの嫌われ者なんじゃない……やっぱり」
鍵の言葉にも、会長は回復しない。
しかし、それでも鍵は言葉を続ける。
「何が不満だと言うんですか」
「え?」
「欠点が沢山あっても、それでも好きだと言って貰えることのどこが悪いと言うんですか」
「杉崎……」
「俺はたまたま容姿って観点で語ってますけど、他のメンバーだって同じですよ。それこそ会長の欠点なんて、何千個という単位で皆思い付いてしまいます。でも……誰かが一言でも、会長のことが嫌いだなんて言った人間がいますか?」
「そ、それは……」
「じゃあ、話を変えましょう。会長は……俺のこと、嫌いですか?」
「え?そ、そんなの――」
「悪いですけど、今回は真面目に答えて下さい。勘違いとかしませんから」
「…………」
鍵のいつもと違う眼差しに会長は少したじろぐが、顔を背けながらぽつりと言葉を返す。
「き、嫌いじゃないわよ……別に」
会長が頬を朱に染める。
いつもの鍵なら叫んで暴走するが、今回は自粛しているようで全く叫ばない。
「ありがとうございます。でも俺こんなだし……って自分で言うのもアレなんですけど。欠点とか反省点とかで見たら、会長からしたらボロボロ出てくるでしょう?」
「と、当然よ!杉崎の欠点なんて、挙げ始めたらそれだけで高校生活終わるわっ!」
会長が少しだけ元気になりながら胸を張る。
一瞬、鍵のこめかみに血管が浮かぶがそのまま話を続ける。
「でも、それでも会長は俺のことを好きと言ってくれる」
「す、す、す、好きなんて言ってないじゃない!き、嫌いじゃないって言っただけよ」
「ええとじゃあ、まあ、それでいいです。会長は俺のこと、嫌いじゃない。……たくさん悪口が思いつくのに」
「あ……」
「それと同じですよ。まあ、俺から会長への感情は、『嫌いじゃない』よりもっと強い、『大好き』ですよね。……そういう感情に欠点だのなんだのって、関係ないんですよ。それは皆同じです。俺と意味は違っても皆、会長のこと『大好き』なのは間違いないですよ」
「杉崎……皆……」
会長が周囲を見て確認する。知弦先輩も椎名姉妹に俺も温かい視線と笑顔を会長に向ける。
「まあ、色々と反省すべきことはあると思いますけどね。会長も俺も、それに皆も。だからと言って、欠点の数や得意なことの数だけが、その人間の全てじゃない。だから会長、会長は自信を持って良いと思いますよ?たくさん欠点あるのに、それでも皆に好かれるって、それは尋常じゃない才能ですよ。誇ってください」
鍵の言葉に会長は袖で涙を拭う。
皆の光景をしばし見守った後、会長が顔をあげ、満面の笑みを見せた。
「え、えへへ!やっぱりね!私は生粋の生徒会長なのよ!私ほど生徒会長に向いた人間は、そうはいないのよ」
会長が椅子の上に立ち上がり、高笑い。
復活、会長が高らかに復活。
ふぅ……何となったな。これでこの件は――
「あはははははは!そうよ!私が会長に相応しくないわけないよね!やー、何を血迷っていたんだかっ!だって人気投票よ、人気投票!私が一番人望あるってことじゃない!そうよ!知弦に杉崎、豹堂が私の欠点を何千個とか言うのも、全部妬みってことよね!そうよそうよ!」
ブッツン!
再び脳内の血管が切れるような音がする。
周りも再び怒りのオーラが漂っているが、俺の周辺だけ異常なオーラが漂う。
そうだ……この人の才能、他人の神経を逆撫でする絶対的な才能だけはどうにもならない。
慰めなんか甘っちょろい。落ち込ませたままにしておけば良かった。
周りが徐々に怒りのゲージを貯めていくが、俺のゲージはとっくに臨界点を突破する。
それに真っ先に気付いた真冬ちゃんが自分の怒りを抑えつつ、俺を止めにかかるが、俺は止まらない。
「カーイーチョー」
「え、何よ豹堂?」
そう言いつつ会長が俺の顔をみる。その瞬間、会長だけでなく他のメンバーまでもが顔を青ざめさせる。
「ちょっと話があるからこっち来ようね~……大丈夫、そんなに時間はかける気はナイカラ」
その後、暴走状態となった豹堂真は会長の反省会を深夜まで行い、最終的に桜野くりむに、
「私は生徒会長として間違っておりました。今後は誠心誠意、生徒の為に尽くさせていただく所存でございます」
と、号泣しながら言わせるまでに至った。
しかし翌日
「過去を振り返ってばかりじゃ駄目!だって、時は前にしか進まないのだからっ!」
と発言する会長を発見し、メンバーは呆れ、会長を公正させるのを諦めた。
また、その反省会を行なった後、生徒会メンバーに一つの密約が交わされた
『豹堂真を絶対に怒らせてはならない』
これが守られるかどうかは、神のみぞ知る
これで反省する生徒会終了
次回は番外編を予定しております