いやぁ、副業の提督業がいそがし(ry
今回で勉強する生徒会もラスト、二巻のラストも見えてきました
そして書いてて思ったのんですが、ここまでの小ネタ全部分かった方がはたしているのだろうか…
最悪ちょっと減らすのもありかな?と考え始めている今日この頃
では『勉強する生徒会③』、どうぞ~
会長をすっかり置き去りにしたまま、深夏が不満そうにふんぞり返っている。
まぁ勉強のコツを教えてくれって言われて張り切っていたのに、鍵のせいでヒロインはどういうものか説教されたわけだしな。
俺?俺はただ優姫先輩の話をしただけだぞ?……そう考えると、俺の方が何もしてないな。さっきの会話内では。
深夏からコツを教えてもらうのは無理だと判断したのか、会長はさきほどから鍵と知弦先輩を交互にちらちら見ている。
まぁこの二人に期待するのは同然だろう。知弦先輩は三年の学年一位、鍵は俺と同じく二年の成績トップ三人衆の一人だ。
さらに付け加えるとこの二人は才能とか関係なく、自分の努力一つでその順位まで上り詰めた実力者だから「勉強のコツ」を知っている、と判断したんだろう。
しかし、会長は目先のことしか考えず二人の性格と言うものを忘れている。
この二人が簡単に会長をいじる絶好のタイミングを逃すか?答えは、否
「杉崎は、得意科目なに?」
深く考えずに発した会長の言葉に対し、鍵が額に手を当てながら考えるポーズをとる。
すると会長の真後ろに鎮座しているホワイトボードに、選択肢のようなものが現れる。
・コツを教えてあげる
・「それじゃ力にならないよ」と、優しく諭す
・抱く
ちょっと待て、ここはフラ○シナスじゃないだろ。第一会長が精霊なわけないし……。
いや、逆に精霊だから十○みたいに知識が無いという可能性も…いや、ないか
うーん、この選択肢を真面目に考察すると一番下だとなんかバッドの匂いがするから、まず無し
二番目は一番無難そうに見えるけど、これだと別キャラのフラグが優先されそうだからこれは後に回す
となると、消去法で一番上になるわけだが…なんかつまんねぇな。もうちょっと違った選択肢があってもいいのに
鍵もそれが気になったのか、ずっと頭を抱えながらうなり続けている
よくよく考えたら、この選択肢って俺が言うべき台詞じゃないだろ
「むぅ…」
「す、杉崎?どうしたの?そんな柄にもなく悩みだして」
「ちょっと待っててください会長。俺は今、重要な岐路に立たされているんです」
「は、はぁ」
「ここの選択肢次第で、俺が会長を抱けるかどうかが決まるんです!」
「決まらないわよ!そんな雑談なんかでほいほい私の感情が変わるわけないでしょうが!」
「分かっていませんね、会長。ギャルゲーだと、たった一回軽いフラグを回収し忘れただけでまるで違うルートに行っちゃう事だってあるんですよ!」
「そうそう、俺もあったよそういう事。ポケ6で詩○エンド目指したら神社での特訓ルートになったり、ランダム女王こと○ヤさんはフラグの回収さえできないことだってありますからね」
「杉崎と豹堂は本気でこの世界をゲームと同一に捉えている節があるわよねぇ!」
「馬鹿な。そんなゲームと現実をごっちゃにしている勘違い少年を見るような目で見ないでください」
「そうですよ、俺だってちゃんと現実とゲームを区別しています。なんで、今プレイしている『人生』と言うクソゲーを終わらせてきます」
「完全に予備軍&手遅れでしょうがぁ!」
「失礼な。会長、ギャルゲ信者の俺や真が、実際に女の子を落としたこと、ありますか?」
「な、無いわね…」
「でしょう?ゲームと現実を混同していない証です」
「世の中にはそれでもリアルの女子を落とす、落と○神という人物がいてだな…」
「あれは元が端正な顔立ちだから元々モテるだろ!実際女○編のち―」
「おいやめろ!この前○神編のアニメやってたけど見てない人からはネタバレになるだろ!
「(端正な顔立ちとかはこの二人にも言えることなんだけどねぇ)でも単に現実が厳しいだけじゃないかしら、それ」
「ふ、何を言っているんですか会長。俺がちょっと本気を出せば美少女の一人や二人、簡単に落ちますよ」
「どぉせ、ゲームとかの二次元の話でしょ?」
「む。そこまで言うなら、見せてあげますよ会長。俺の真の実力を……主人公としての真の実力をね!」
杉崎鍵は桜野くりむを攻略したっ!
「ほうら、さすが一人称小説の主人公。地の文の改ざんぐらい朝飯前ですよ」
「完全に反則技じゃないの!事実無根だし!」
「事実無根?まぁ、そういうことにしておきましょうかね。読者の手前」
「やめてよそういう発言!っていうか、その『自分は主人公認識』が一番危ないわよ!確かにこの生徒会の活動を記した小説の執筆は杉崎と豹堂に任せているけど、それを混同するのはやめなさい」
「あぁ、そういえば俺も執筆担当でしたね。忘れてました」
「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
会長の校舎中に響き渡るような叫びが、本日も出ました。
実はこの碧陽学園生徒会の会議の内容は、小説として執筆され全国で発売されているんだ。
その小説の執筆は鍵と俺に一任されている。たった今思い出したけどな。
てぇことは、こんな事もできんのかな?ちょっと試してみよ。この前の真冬ちゃんのBL小説を参考にして……っと
杉崎鍵は中目黒を攻略したっ!
「おぉ、すげぇ。ほんとに出来た」
「おいいいいいいいいいい!?ちょっとまじでやめてくんない!?」
「何言ってんだ、見てみろよ!真冬ちゃんがキラキラと輝く瞳でお前を見ているぞ!」
「そういう目で見てくれるのはありがたいけど理由が理由だからなぁ!!」
「ワクワク、ワクワク!」
「ワクワクとかやめてくんない!?結構クル物があるんだけど!?」
「いい加減ふざけるのやめてコツ教えてよ!」
「そ、そうですね。このままいくと空想内の俺の貞操が危ない気がするんで」
顔色が黄土色になりながら鍵が会長に向き直るが、一瞬知弦先輩を見たのを、俺は見逃さなかった。
どうやら時間稼ぎのために若干ふざけていらしい。BLに関しては確実に本気で拒否してただろうけど。
「んじゃあ一番基本的なことでも。とりあえず教科書を読むよりはノートを見返したほうがいいですよ?板書しているのであればね」
「なんで?一応出題範囲は教科書が指定されるよ?」
「それはそうですけど、学校でのテストっていう物は授業で出た内容を再確認するものですから」
「あ、そうか。ノートって授業内容を纏めた物だから、そこを押さえておけば大丈夫ってことね!」
「当たり前のことですが、教科書を読むに越したことは無いです。でも優先順位としてはノートの方が上というのは頭に入れておいてください」
「うん!凄くためになった!」
天真爛漫、というよりは、幼児のような笑顔を見せながら鍵にお礼を言っている。
ここまで聞いていた感じだけど、会長は頭が悪いわけじゃなくてバカ正直なだけなんだろうなぁ、どっかのライ○ーゲームプレイヤーみたいな感じで。
出題範囲を言われたら、言われた範囲を全部目を通す姿が容易に想像できるし、そんな無茶な勉強法で数ヵ月の内容を捌くなんて、さすがに俺でも出来ないわ。
……それでも授業は気を抜いてしまう会長の性格にも問題はあるのだが。
その後も鍵によるごくごく一般的な勉強のアドバイスが続けられていく。
会長はご満悦の様子で先ほどから鍵に対して感謝の言葉を連呼しているが、数十分前までの『勉強できますキャラ』は何処へと行ってしまったのだろうか。
その全てを捨てきりながら、今度は満面の笑みで知弦先輩にも助力を乞い始める。
「知弦もコツとかある?」
「無いわね。日々の努力が一番よアカちゃん」
「あぁ!会長さんがバッサリ斬られたっ!」
知弦先輩が天使の様な笑みから、ハ○メンの『悪○』の様な切れ味抜群かつ強烈な対応が会長を襲う!
会長は会長で、背後に灰色の『ガーン!』というイメージ映像が出てきそうなほどショックを受けたご様子で、両目に涙を溜めていた。
「う、うぅ、知弦ぅ」
「そんな今にも泣きそうな声を出しても駄目よ。今回は私、アカちゃんに何も教えるつもりは無いから」
「な、なんでよぉ。私、今回は知弦のノートを一番あてにしてたのにぃ!」
ぽかぽかと知弦先輩のおなかの辺りを殴りかかる会長
なるほど、これが世に言う『逆ギレ』という奴か?
ところで会長、いま知弦先輩を一番あてにしてたって言いましたよね?つまりは俺たちにはあまり期待していなかったと、しみるわぁ~。
「アカちゃん?テストっていうのは、日々の勉強の成果を試す所謂イベントの様なものなの。今更あがくなんて、見苦しいわ」
「て、テスト勉強くらいは皆するじゃない!」
「確かに。私に迷惑かけないなら自由にして下さって結構よ?」
「う、うぅ…」
なんか、珍しく知弦先輩が会長に対してきつい対応するな。他のメンバーもその対応に驚いたのか、お互いに顔を見合わせている。
しかし当の本人はと言うと、こちらを見ながら口の端をニィッと吊り上げている。
うん、超怖い。お遊びモードに入って会長を弄るのが楽しいのは分かるんだけど、そんな邪悪な笑みをこっちに見せないで下さい、せっかくの美人が台無しです、はい。
そんな知弦先輩に対して会長は諦めずに制服の裾を引っ張りながらアプローチをしている。
「知弦ぅ。私達、親友だよね?」
「そうよ、アカちゃん。『対等な』、親友よね」
「うっ」
はい、案の定一瞬で身体をばっさりやられました
イメージ的にはスト○イクとイン○ルス辺りの対艦刀で両断された感じかな。意味が分からない?即死級だってこと。
「え、ええと、でも、ほら、ちょっとしたコツくらい」
「ない」
見せてやるよドSの真髄を!
「た、対等な友人でもアドバイスのしあいくらいはするでしょ
「アカちゃんは私になにかアドバイス出来るの?」
遊び心を教えてやる
「う、えーと……そうだ!知弦、こんなの―」
「知ってる」
「まだ何も言ってない上に若干被り気味で言わないでよ!」
「アカちゃん如きの知識、私のデータベースは全て網羅していると思うけど」
手加減はねぇよ
「じゃ、じゃあ、コツを教えてくれたらジュースを―」
「買収なんてサイテー」
あるのは弄るという欲望だけだ
「く……わ、分かったわよ!なによ!知弦なんて……知弦なんて、もう、絶交よ!」
「そう、アカちゃんはそういう子だったのね。自分のメリットになる人間としか友達になれない思想の持ち主だったのね……失望したわ」
「う、ウワアアアアアアアアアアアアン!」
これがSの力だ
ASTRAL FINISH!
先ほどまで選択肢が表示されていたホワイトボードにそんな文字が表示されつつ、会長が完膚なきまでに叩きのめされ(精神的に)死亡
一気に力が抜けたのか、ハムスターが伸びてるような格好で机に突っ伏す。
「きょ、今日の紅葉先輩はいつになく厳しかったですね……」
「うん、怖くて俺も若干手が震えてるよ、ほら」
「あ、ほんとですね。大丈夫ですか?」
気づけば真冬ちゃんが俺の真横に移動し、怯えながらそんなことを呟く。
でもそんな状態でも俺のことを心配してくれる真冬ちゃんはほんまにええ子やなぁ……。
そんな俺達に知弦先輩は怪しげな微笑みをこちらに見せながら、今度は自分の鞄からノートを取り出す。
ノートの色が黒だったから、一瞬あのDE○THなN○TEかと思ってしまった。いくら知弦先輩とはいえそれはないよな。
俺以外のメンバーが完全に面食らって静かに知弦先輩を見守っていると、知弦先輩はノートを持ったまま会長の背後に回る。
そして会長の肩を叩き、振り向いた会長に知弦先輩はそのノートを手渡す。
「こ、これって……知弦?」
「仕方ないわね。やっぱり私達、親友だものね。私に何のメリットも無いけど、ノート……貸してあげる。だから泣き止んで?」
そのまま、背後から会長を聖母のような微笑みで抱きしめる。
その行動に会長は安堵と嬉しさによって泣き出してしまう。が、これは……知弦先輩の策略なのだろう。
ほかの面子、特に鍵などは感心するかのような目で知弦先輩を見ている。
飴と鞭の使い方、あれだけ一度どん底に落としておけば感情の上がり幅は相当なものになる。
単純に好感度を上げるなら難しいことは無い。が、一度どん底を味わえば同じ出来事でもプラスが大きく感じる。
温かい物を食べたの後につめたい飲み物を飲むと歯に激痛が走るそれと同じだ。
それを知弦先輩は会長に実行し、自分の存在を大きくしたのだ。
なるほど……会長がいつも知弦先輩に依存的なのは、こんな行動の積み重ね、いや、刷り込みが効いていたということだったのか……いやぁ、やっぱり怖いわぁ。
俺と同じことを考えていたのか、鍵が知弦先輩に視線を向けているが、何を考えているのだか……。
鍵と知弦先輩が何か目と目で話し合っている蚊帳の外で、真冬ちゃんが再び話しかけてくる。
「凄いですね……知弦先輩」
「ん?あぁ、凄いって言うより怖いの一言だよね。あの人身掌握術、先輩のカリスマ性と相まって最強に見えるよ」
「そうですよね……真冬もあんな特技が欲しいです。そうしたら……きっと」
「え、真冬ちゃんにはそんなものは必要ないと思うけど?真冬ちゃんなら皆の人気は得られると思うけど」
「いえそうじゃなくて……良いです、真先輩は知らなくても」
「?なんだかなぁ」
真冬ちゃんは何を言いたかったのだろうか……今の俺には理解できない。
……あれ?鍵が知弦先輩からなんかメモみたいなの受け取ったぞ?何々…『アカちゃんを攻略するポイント』…え?
鍵が何の疑いもなくメモを眺めているが、確実に何かあるぞこれ。
鍵と会長が知弦先輩に渡されたものを熟読しているのを確認しながら、俺は知弦先輩の横に屈み込みながら移動する。
「(ち、知弦先輩?い、今、鍵に何渡しました?)」
「(あら?ニュー君は私に何か意見でもあるのかしら?)」
「(い、いや、そういうわけじゃなくてですね?)」
「(キー君の事は気にしないで。私が事後処理しておくから)」
「(あの、お願いですから穏便にしてくださいね?)」
「(あら、私が証拠を残すようなへまをするとでも?)」
「ですよね~」
なんだろう…今日は会長のテストに関する議題だったはずなのに、結局この人の怖さを認識するだけになってしまった気がする。
その毒牙にかかってしまった鍵と会長、この二人に何もなければ良いのだが。
数日後、会長は見事に赤点をとってしまった。
その小さな身体で教師に目一杯反論をしていたが、その反論が聞き入れられることはなく連行されていった。
その際「あのノートおかしいのよ!なんか人の名前が書いてあるだけだし!」と聞こえてきたのは気のせいだろう。気のせいだと信じたい。
また同時期、鍵が警察に補導されると言う自体が発生した。
なぜか女性用の下着を身に付け、町中を歩いていたところ、御用になったそうだ。
しかし補導の際、「これはおまじないなんだ!そうだろ!ちづー」というところまで喋った後、吹き矢が首元に刺さりその出来事の記憶が無くなってしまった事により、大事にはならなかったそうだ。
……ちなみにその事件が起きた場所の近くで、長い黒髪の美少女が目撃されたそうだがその真偽も定かではない。
もう一つ余談だが、噂によれば知弦さんの人心掌握術の講座が裏で密かに行われたそうだ。
そして、一人がその方法をマスターしたらしいのだが、その人物は俺の情報網をもってしても見つける事が出来なかった。
唯一分かったのは、性別が女性等ことだけ。これだけじゃ何も分からないがな。
うん、やっぱりこの碧陽って普通じゃないな。それも再認識できたわ。