はい、というわけで二巻のラストです、シリアスです
今回は原作準拠ではなく、アニメ版にアレンジを加えたようなものになります
そして今回をもって、執筆をしばしお休みさせていただきます
今年が終わるまでには復帰できてると良いなぁ……
では、『私の生徒会①』どうぞ
「先人の知恵を受け継いでこそ、明るい未来が拓けるのよ!」
今回も会長のどっかの本から引用したような言葉をえらっそうに語るところから会議がスタート
なんだか知らんが会長の目の前に大量の書籍が山積みになっているのが見えるのだが……まぁ、めんどくさいからスルー
……テンションが低いって?さっきまでゴッドイーター2やっててさ、まぁ、うん、ちょっと鬱になってるよね
安易な死亡フラグはやめようよ、まじで。戦闘の前に『この戦いが終わったら―』とか、定番中の定番だよ。どこの柿○だっての……あれはステーキか
「そんなわけで今日は、皆で本を読もー!おー!」
『……おー』
俺を含めた全員がバイ○ハザードとかに出て来るゾンビみたいな声を出しながら、それはもうぐったりと手を上げる。
うん、どんなわけで読書になるのかを小一時間くらい問い詰めたいわ。やらないけど
「やっぱり新しい活動のヒントって、本の中にこそあると思うのよ。ネットはもう古い!時代は本なのよ!
「一周回って新しい発想ね」
知弦先輩がそのきれいな黒髪を手で梳きながら感心したように呟いている。
いや、確実に調子に乗りますからあんましそういうの言わないほうが……。
「そうでしょう、そうでしょう!読書=インテリ!」
「どんだけ安直な発想だよ……それだったら、真がインテリって事になるぞ。ほとんどラノベだけど」
ほら、案の定会長が調子乗ったよ。それに対して深夏がボソッと反論してるよ。
つうか深夏、俺がラノベだけ読んでると思うなよ!?俺だって他にも漫画やら攻略本も読んでるからな!
「それ自慢することじゃねーよ。結局そっち方面じゃねーか」
「俺口に出してないよ?!」
「いや、普通に口に出てたし」
「まじかぁ……なぁ鍵、今日の深夏テンション低くねぇか?」
「ん?あぁ、あれだろ、運動できて勉強も出来る深夏でも興味の無いものには反応できないんだろ」
「なるほど、少年漫画でないとやる気が出ないってことか……」
チラッと会長のほうを見直す。
姉とは違い、読書好きな真冬ちゃんは目をキラキラさせている。まるで艦○れのキラキラ状態だ。
「やっぱり本は最高ですよね!」
「ああっ、真冬ちゃんなら分かってくれると思ってたわ!」
「もちろんです!ところで、BL本はどこにあるんですか?」
「うちの図書館にそんなものは無いわ!」
「ええー……がっかりです。……あっ、ありましたよ?」
「あったの!?」
……うん、どうしてこの姉妹はこうも真逆なのか。
いや、二人ともいい子なんだよ?でも、なんだろ、なんか情熱のベクトルを間違えてるというか。
まぁ残念ながらそれは俺自身にも言えることではあるんだけどな!
「あ、会長?俺は自分で本持ってきてるんでそれ読んでも良いです?」
「ん?いーよー」
本から視線を外しながらかなり間延びした返事が返ってくる。
会長の手にある本の表紙にでかでかと平仮名で『あかずきん』と書いてあるのは気のせいだと信じたい。
一応会長から許可をもらえたので、自分の鞄から小説を全部取り出す。
「……豹堂?」
「ん?なんですか?」
「『ん?なんですか?』じゃないわよ!なによそのライトノベルの山は!」
「やだなぁ~、これ布教用ですよ、全部。毎日いろんな小説の一巻を持って来てますからね」
「あんたの鞄は四次元ポケットかっ!?」
そんな大声出してつっこまなくて良いと思うんだけどなぁ。
……もしかして、本の量に驚いてる?その発想は無かった!
さって、会長は鍵あたりに任せておいて俺は読書に励むとするか。な~に読もっかな~。
うーん、アクセル・○ールドも良いし、イン○ックスも良いし……やっべ、マジで悩むぞ。
「あの、真先輩?」
「うん?どうしたの真冬ちゃん」
「いえ、特に用があるってわけじゃなくて。真先輩がいったいどんな本読んでるのか興味があって」
「なるほどね。俺の読んでる本ね~……正直なところ俺ってあんまり本読まないんだよね」
「え、でもかなりの本読んでますよね?」
「いやね、俺ってまずアニメを見てから原作読むタイプなんだよ」
「へ~、初めて知りました」
「そう?今手に持ってるア○セル・ワールドもインデッ○スもアニメを見てから原作読んだからね」
「へ~……ちなみに真先輩、一つ言いたいことがあります」
「ん?なにかな?」
「その二冊が出てる出版社、この生徒会の記録を書籍化してる富士見書房じゃないです」
冷たく、的確な真冬ちゃんのツッコミが俺の胸に刺さる。
後ろではなにやら鍵と深夏が読書を無視して雑談をしているようだが、話の内容は今の俺の耳には入ってこない。
「だ、だだだだだだだだ大丈夫だよ?!ま、まままままままだフ○メタとかデート・ア・○イブもあるし!」
「ちょ、真先輩落ち着いてください!真冬が悪かったです!」
「フル○タアナザーもよろしく!」
「ザ・ダイレクトマーケティング!真先輩、目を覚ましてください!」
「ひでぶ!」
真冬ちゃんの全く痛くもないビンタを受け、『おれは しょうきに もどった!』
「それ戻ってないです!」
「いや、もう大丈夫だよ。ありがと」
「いえ、真冬も急にへんなこと言ってスイマセン」
「(おい深夏、なんだあのピンク色な空気は。真冬ちゃんは俺のハーレムの一員だぞ!?」
「(あたしに聞かれてもなー。つうか、ハーレムじゃなくて生徒会な」
「ん?なんか二人言ったか?」
『いいや?何にも?』
この二人は息合ってるなぁ。夫婦漫才とか合いそう。
さて、読書に戻ろうかとも思ったのだが、よくよく考えたらこれ全部布教用で自分が読んでる最新刊がないんだよな。
じゃあ読書しなくていいじゃん!と、脳内で結論付けられたので先ほど声をかけてきた真冬ちゃんに声をかけ返す。
「今更だけど、真冬ちゃんはなんの本読んでるの?」
「BLです!」
「分かってたけどそんな可愛らしい笑顔で言われても反応しづらいよ!」
「そんな……可愛らしいなんて……」
「BLで顔隠すと普通に照れてるのか、BLで高揚してるのかわかんなから!」
「む、心外ですね。真冬だって普通に照れたりしますよ?」
「それは人間として普通だよ!」
「チャットの顔文字で頬を染めるなんて、テキストに保存してコピペするくらいです!」
「感情までバーチャルなの?!」
「さ、最近は恋愛小説なんかを自分に置き換えて読んだりしてます」
「それも一般的な女の子だと普通……だと思うよ?」
「ならそれで解決ですね!」
「何にも解決してないよ!?え、何その自己完結!?」
珍しく俺がツッコミ、真冬ちゃんがボケと言う構図での攻防。
俺がスタミナ切れでぜーぜー言ってるのに、真冬ちゃんは満足げといった表情でBL熟読に戻ってる。
なんか、真冬ちゃん変わったなぁ。いい意味で。当初俺の容姿だけでビクついてた子と同一人物とは思えないわ。
真冬ちゃんが完全に自分の世界に戻ってしまったので、その奥で優雅に読書をしている知弦先輩に申し訳なさそうに声をかけることにする。
「知弦先輩、何読んで―」
本の背表紙には丁寧に書かれた『目障りなアイツを消す十の方法』と書かれている。
「すいませんまずその本の内容を実行する相手を教えてくださいそれによって対応が変わってきますのでお願いします」
「あら?ニュー君、どうしてそんな調査○団の敬礼をとっているのかしら?」
淡々と言葉を返してくる知弦先輩に対して、敬礼を崩さずに言葉を返す。
「い、いや。その本を実践する相手が俺か鍵なのかでどうすれば良いのか変わって来ますので」
「ああ、この本のこと?やーねー、ニュー君ったら。別にニュー君やキー君をどうこうしようって訳じゃないのよ?」
「ほ、本当ですか?」
敬礼を崩しながら知弦先輩の女神のような笑みを真正面から見つめる。
「キー君に関しては、速やかに消しはしないから」
「やめてくださいほんとに、さすがに鍵が可愛そう過ぎます」
自分のことではないのに、脊髄反射で俺は綺麗な90度のお辞儀をする。
いや、鍵が知弦先輩に拷問的なことをされるのはいつものことだけどさ、さすがに死人が出るのはまずいだろ。
「冗談に決まってるでしょニュー君?私だってこの生徒会が好きなんだから、それを崩壊させるようにするわけないでしょう」
「で、ですよね~。さすがにこの空間が崩壊するのは嫌ですもんね!」
少し心を痛めつつ顔を上げ直すと、再び知弦先輩がとても綺麗な笑顔を見せていた。
あれ、この展開さっきも見たような―
「でもニュー君を私のものだけにするって言うのも、悪くはないかもしれないわね」
「お願いします許してください。せめて家のパソコンのハードディスクだけ消させてください」
床に頭をこすり付けるくらい深く深く土下座をする。
そしてその体勢から高速でじいちゃんにパソコンのハードディスクを初期化させるようメールをうつ。
「一時の感情で行動を起こすのは愚の骨頂よ、ニュー君」
「いや、完全に俺死ぬ流れじゃないですかこれ」
「あのね?私はこんな本が図書館にあるはどうかと思って内容を検閲してただけよ」
「ち、ちなみに中身のほうは……?」
「中身はギャグタッチのものだったから、安心していいわよ」
「よ、よかったぁ。第一そんな本が図書館にあるわけないですもんね」
「そうね。でも個人的には、『ゲーム脳の治し方』とか『パソコンのゲームデータのばれない消し方』が興味をそそられたわ」
「完全に俺対策じゃないですか!なんでそんなピンポイントな本が!?」
ちょっとその二冊を図書館に置いた奴名乗れ!
教師じゃなかったらOHANASHIするから!
「まぁまぁ、落ち着きなさい。他にも面白そうな本はあるわよ。例えば……『絶対成就!恋占い大百科』とか」
「どストレートな名前ですねそれ。にしても、知弦先輩って恋占いに興味あるんです?」
「私が好きなわけじゃないんだけど、優姫が占い好きだからなんとなくね」
「あぁ、七海先輩って占いとかジンクスとか大好きですからね」
「そうなのよ。あれはもう病気の域ね」
「それは言いすぎですよ。うーん、折角なので相性でも占ってみます?」
「ええ、いいわよ。えーっと……じゃあニュー君、ちょっと教えてほしいのだけど」
「あ、誕生日とかですかね?俺の誕生日は8月ー」
「いえ、ニュー君にはFPSで殺した相手兵の数を教えて」
「パッと出るわけないじゃないですか!」
「あら、ゲーム内とはいえ殺した人数をニュー君は覚えてないっていうの?」
「家ならすぐにリザルト画面確認出来るんですがねぇ!」
「そんなニュー君と、背後からのナイフキル六千人の私との相性は……」
「えげつねぇ!背後からってのが余計に怖さを醸し出してる!」
「あらびっくり!当たってるわ!」
「何が一体どう当たってるのか分からないんですが、それは」
「えぇっと、《『えげつねぇ!』と相手に怒鳴り、信頼関係がぐちゃぐちゃになるでしょう》ですって。ほんと、ニュー君酷いわ……」
「言っちゃあなんですけど、あなたそんな簡単に崩れ去るような心じゃないでしょ」
「ふふっ、分かっているじゃない。それじゃあ、次はどれにしましょうか」
「次は簡単なのにしてくださいよ……」
「じゃあニュー君の好きそうな『ガチャ占い』なんてどうかしら?」
「すっげー不安な響きなんですけど……一応、内容を聞いても良いですか?」
「ええとね、《今すぐにモバマ○にログインしてコンプガチャを回し続けて、Sレアが出れば運が良い》ですって」
「それ完全に手段が目的化してますよねぇ!ホントにその本って信頼出来るんですか?」
「個人の心の持ちようじゃないかしら」
「最早その本の存在意義は無いですよね!?」
「私ももう疲れたわ……最後に簡単なのやって終わりましょうか」
「ありがたい限りてす……で、今度の占いはなんですか?」
「じゃあ……これやりましょうか『握手占い』」
「なんか、簡単すぎて違和感バリバリなんですが」
「安心して、ただ私と握手するだけだから」
そう言いながら知弦先輩は俺の前に綺麗な手を差し伸べてくる。
改めて考えてみると、俺ってあまり女の子と手をつないだこと無いな。
え、会長とはつないだんだろって?あれはつないだっていうより、引っ張ってあげたって感じの方がしっくりくるし。
「ニュー君?」
「あっ、はいはい。じゃあ失礼して……」
ポケットからハンカチを取りだしちゃんと手を拭いてから、俺も左手をさしだし知弦先輩の手を、握る。
……知弦先輩の手、温かいな。ってそうじゃねぇ!これで一体何が分かるんだ?
当の本人はずっとニコニコと周りの様子を観察しているが……周り?
見れば、周りの四人は読書を中止し、向こうもこちらの様子を見ている。な、なんか特に悪いことをしたわけでもないのにすっごい気まずい雰囲気なんだが。
特に鍵と真冬ちゃんの視線が滅茶苦茶恐い。おそらく『視線で人を殺すってあんな感じなんだろう。見たことないけど。
「ち、知弦先輩?これ、いつまでしたら良いんですか?」
「期限は無いわ。ニュー君が嫌ならやめれば良いし、嫌じゃなければずっとしてても良いわよ?」
「嫌って訳じゃないんですが……」
「なら続けましょ」
「ぎ、御意」
あ、やべぇ。テンパり過ぎて変な言葉遣いになった、これはもう駄目かも分からんね。
そんな俺の考えをよそに、時間は刻一刻と進んでいく。
他のメンバーも落ち着きなく、そわそわし始めている。
しかし知弦先輩は他人事かの如く、ただ静かに優しい笑顔を見せ続ける。
時折握る手の強弱を変えたりして俺の鼓動はどんどん加速していく。
これ、もしかして俺は試されているんじゃなかろうか?『やり返してみなさい』みたいな感じで。
その時、俺(の脇腹)に電流走る―
「いたたたたっ!えっ、ちょっ、何!?」
「……手、いつまでつないでるんですか」
「ちょっ、真冬ちゃんやめて!痛い痛い!離す!離すから!」
真冬ちゃんが唐突に俺の脇腹にダイレクトアタックしてきため、即座に手を離す。
離すのを確認した真冬ちゃんは最後に思い切りつねって、何事もなかったかのように自分の席に戻り、姿勢を正す。
なんだったんだ、先のつねる強さは?あれが俗に言う『ゆ○たまご』理論なのだろうか。
「な、なんで俺がこんな目に……」
「ふふふ、ニュー君ありがとう。おかげで良い結果が出たわ」
「……その感じだと、俺には結果を教えてくれないんですね」
「ええ、真冬ちゃんにはまた今度じっくりと教えるわ」
「今度?今じゃないんですか?」
そう俺が聞くと知弦先輩は笑顔だけ見せ、無言で席を立つ。
会長も声をかけようとするが、それよりも早く知弦先輩生徒会室を出ていってしまう。
知弦先輩が出ていき、生徒会室には先程とは違った静寂が流れる。
しかし、すぐさまその静寂はぶち壊される。
「おー、青春してるか若人どもよ」
いきなり、ホントにいきなりうちの顧問・真儀瑠先生が教室に入ってくる。
他のメンバーが困惑している中、俺は即座にアイコンタクトを送る。
すると向こうもアイコンタクトの主旨を理解したのか、こちらに笑顔を送ってくる。
成る程、とりあえず今は『生徒』と『教師』を演じる訳か……
「なんですか真儀琉先生、滅多に顔出さないくせに」
「顔出さないのではない、出したくないのだ」
「顧問としてあるまじき発言ですね、それ」
俺と先生が話し出したのをきっかけに、他のメンバーも硬直から続々と抜け出す。
その中で鍵が真っ先にツッコミ、改めて質問を投げ掛ける。
「で、今日はどうして顔を出したんです?」
「ふむ、いい質問だ。実は生徒会宛にこんなものが届いてな」
そう言いながらその物を取り出す。
取り出されたものは、ピンク色をした封筒に『碧陽学園生徒会宛』と書かれたごくごく普通の―
『手紙?』
自分でも意外だった
あれからある程度の年月が経とうとしているとはいえ、自分からあの事を告白しようだなんて。
これも、ニュー君のおかげかしらね。
内心でそう思いながら、体は相手が指定した場所にほぼ無意識に向かっている。
私が終わり、また私が進むための後押しをしてくれた、あの場所へ―
待ち合わせ場所が視界に入り確認してみれば、先客がいるようだ。
しかしその姿を見た瞬間、二年以上会っていないにも関わらずすぐさまそれが彼女だと理解できた。
ある程度近づき、私は声をかけた
「久しぶりね、奏」
私の、元親友に―