それではどうぞ
知弦 side
「…で、杉崎はまた生徒会室に残ってるんだ。しかも今日は豹堂も一緒なのね」
アカちゃんが生徒会室を眺めながらそうつぶやく。
その言葉に対し深夏が首を鳴らしながら応答する。
「だから対応に困るんだよな。あたし達と話すために生徒会の雑務を全部引き受けてるんだもんな。真が手伝っているのもいまいち理解できないけど」
「ま、真冬は杉崎先輩のこと嫌いじゃないですよ?」
真冬ちゃんがゲーム画面から目を離して深夏の言葉に反応する。
「この学校であいつのこと嫌いなやつなんていないわよ。杉崎はハーレム言わなきゃ彼女くらいできるし、豹堂に関しては何もしなくても彼女できるわよ。…まぁ、顔はちょっと怖いけど」
「あれ?アカちゃんもしかしてキー君とニュー君のこと…」
「そ、そんなことないわよ!」
アカちゃんが顔を真っ赤にしながら反論する
ニュー君の話をした瞬間、真冬ちゃんが反応したのもちょっと気になるけど、それよりもアカちゃんよ!
あぁ…アカちゃんのあの顔もいいわぁ…。
「まぁ、あいつはなんだかんだ言ってうちの大黒柱なのかもね」
「でも会長さん、杉崎先輩と付き合ってあげないんですね」
「それとこれとは別よ。あんな甲斐性なしの上に浮気性のやつと…」
まぁ、そこもキー君のいいところと言えるわね。どこかの学生ライダーみたいに、すべてを受け入れるっていうところは。
…あら?真冬ちゃんがずっとゲームの画面を見つめているけど、どうしたのかしら?
「真冬ちゃん?さっきからずっと何を見つめてるの?」
「え?!い、いえ、なんでもないですよ?」
「これって…真のパートナーカード?」
「ちょっとお姉ちゃん!」
深夏が真冬ちゃんのゲーム画面を覗き見ながらそう発言する。
慌ててゲーム画面を隠す真冬ちゃんに、私は問いただす。
「真冬ちゃん、もしかして…ニュー君のことが気になってるの?」
「!?///そ、そんなわけないじゃないですか///」
見るからに動揺している真冬ちゃん。またニュー君は女の子をオトしたのかしら。
まだ完全にはオチていないようだけども、…これは時間の問題かしらね?
そう考えながら私達は学園から離れていった…。
side out
カリカリカリ…ペッタン。
俺と鍵が書類に目を通し必要事項を記載し、承認印を押す。
そんな音がさきほどから生徒会室に響いている。
「なぁ真」
「うん?どうした鍵」
今の今まで作業に集中していた鍵が俺に話しかける。
「別にお前も残って作業を手伝うことないんだぜ?道場の手伝いもあるんだろ?」
「ん?気にしてたのか。いいさ、俺が好きでやってるだけだし。それに…」
書類を机において笑みを浮かべながら口を開く。
「前にも言っただろ?一人で抱えるな、今のお前は一人じゃない。ってな」
一瞬鍵がポカンとした表情をする。
しかしすぐに顔を綻ばせ、こちらに笑いかけてくる。
「ああ そうだったな! 俺がミスしたらお前がフォローしてくれるもんな!」
「え? そこに関しては限度があるぜ?」
「な?! おいおい それは酷くないか?」
お互いに笑いあいながら、冗談を言いながら作業を再び開始する。
こんな日常が俺は大好きだ。こんな生活をこれからも続けていきたい。
碧陽学園生徒会。ここはつまらない人間達が毎日笑いあう幸せな空間である。