時は8月・・・、
「へぇー、今は夏休みか」
と高山は言った。
「えぇ、私も学生時代はよく友人と一緒に旅行に入ったわね」
「うん、僕なんか列車に乗ってよく言ったよ。春休みは飛騨高山、たまには南へ行ってみたいな」
「じゃあ、九州の方ね」
「ああ」
「でも、九州へ行くのはどうやって行くのか」
南は高山と小海に言った。
「やっぱり、九州に行くには列車だよ」
「そうかな」
「九州へ行くんだったら、鹿児島へは特急つばめに乗って西鹿児島から指宿温泉に行って次の日には特急きりしまと特急にちりんに乗り継いで別府温泉で地獄めぐりをして、地獄蒸しを食べて、別府温泉に泊って、次の日には別府から小倉に行って北九州を見物」
「ほう、それで高山は旅行に行こうと思うのか」
「うん」
「皆、ちょっといいか」
と高杉班長が言った。
「えっ、はい」
「君たちを呼んだのはほかでもない。実はお盆期間に列車痴漢とスリが多発している。そこでだ、君たちにその期間を利用して九州に行ってもらう。今回は南と高山と小海、菅原と三輪と梶山で捜査してもらう」
「日程はいつですか?」
高山は高杉に言った。
「期間はお盆ごろだ」
「わかりました。早速捜査してみます」
「うん、頼むよ」
と高杉は言った。
そして、彼ら鉄道公安隊特捜班はお盆を利用して九州周遊で列車痴漢とスリの追跡調査をするために九州に向かった。ところが鉄道捜査が九州で連続殺人事件が起きるとは誰も予想はしなかった。
一方、そのころ、千歌、曜、ルビィは博多駅に集まっていた。
「今日から九州で旅行だね」
「とても楽しみだよ」
「そうだね」
すると、そこに現れたのは、
「今回は誘って頂きありがとうございます」
ニジガクの歩夢と侑としずくとせつ菜であった。千歌たち3人は歩夢たち4人を連れて九州内を列車で旅行することになっていたのである。
そして、最初に乗る列車は・・・、
「特急つばめ!!」
そう、九州が誇る特急つばめであった。博多~西鹿児島間を4時間20分で結ぶ特急であった。千歌たちが乗るのは博多9時18分発のつばめ5号であった。
その列車の4号車にはグループ旅にはもってこいのコンパートメントがあった。それを千歌たち7人は2つ貸し切り西鹿児島まで楽しむことになっていたのである。
その途中、千歌と歩夢と侑はこんなことを言っていた。
「やっと九州にきたよ!!」
この千歌の言葉に歩夢と侑はこんなことを言った。
「やっぱり女子旅は九州だね!!」
「うん!!」
どうやら2人とも九州に来たことがあるようだ。これには、千歌、
「あれっ、歩夢ちゃんと侑ちゃんは九州に来たことがあるの?」
と尋ねると歩夢と侑はこう言った。
「うん、寝台列車富士に乗って宮崎に来たことがあるの」
「日南海岸、凄く素敵だったよ」
「へぇ~、寝台列車に乗って九州に来たんだ」
「そうだよ」
「夜に出発して次の日に九州に来ていたの」
「なんか楽しそうだね」
と千歌は2人の話にわくわくしながら答えていた。
その後、787系つばめの最大ポイントであるビュッフェに3人は移動した。なんと千歌たち7人がいるコンパートメントの隣にあったのである。そこで3人はこんな話しをした。
「歩夢、決まった?」
「うん、黒豚チャオにするね」
一方、千歌は、
「私はつばめ弁当!!」
と駅弁を買っていた。
その3人っはビュフォンから見える景色を眺めながら食事をした。
「こんな景色を見ながら食べれるなんて、やっぱり九州の旅は列車に限るよ!!」
その侑の言葉のあと、歩夢はこんなことを言った。
「今日は指宿まで行くから楽しみ!!」
そう、今日の目的地は指宿であった。そこで砂風呂を楽しむ予定なのである。そのためか、侑、こんなことを言った。
「指宿に行ったらワクワクしてくるよ」
これに呼応してか、千歌、こんなことを言った。
「じゃぁ、今日は指宿の温泉で一泊して楽しもう!!」
「「「オー!!!」」」
と3人は声を高々に上げた。
そんなときだった。突然、歩夢から声がした。
「いたっ!!」
「どうしたの」
「あの男にぶつかったの」
どうやら、歩夢、人にぶつかってしまったようである。そのためか、ぶつかった男の人から、
「あっ、ごめん」
という声がきこえてきてはそのビュッフェから去っていたのである。これには、千歌、
「・・・」
とその男の行く方向を見るしかできなかった。
その後、千歌たち7人は13時07分に西鹿児島に到着すると13時56分発の指宿のたまて箱5号に乗り替えることに。そこでルビィと曜がかなりはしゃいでいた。
「うわ~、桜島が見える!!とても大きい!!」
「私、桜島まで泳ぎたい!!」
「そういえば、今ごろにね、市内から桜島までの遠泳大会が行われるって聞いたことがある!!」
「私、それに参加してみたい!!」
そう、夏になると市内の小学校などで市内から桜島までの遠泳大会行われているのである。そこでは選ばれた学生たちが桜島まで遠泳するのである。それに曜は参加してみたいようである。
そんな曜をみてか、千歌がこんなことを言った。
「そのためにも今回砂風呂で綺麗になるぞ!!」
これには、ルビィ、曜、ともに、
「オー!!!」
と声をあげていた。
だが、まさかそこで事件に巻き込まれるとはこのときの千歌たちは知る由もなかった・・・。
そして、14時04分に指宿に到着した千歌たち7人は普通に乗り換え、日本最南端の駅である西大山まで来た。そこでは・・・、
「ここが日本で最南端の駅なんだね!!」
「南の端まで来たのですね」
「そうだね」
と千歌とルビィ、曜がはしゃいでいた。
そんなこともあったものの千歌たち7人は西大山から龍宮神社へと向かった。
「ここが龍宮神社だね」
「まるで絵本みたいだね。乙姫は出てこないのかな?」
「しずくちゃん、それは絵本のなかの世界だね」
「そうでしたか・・・」
龍宮神社
浦島太郎が竜宮城に旅だったとされる岬にある龍宮神社。乙姫を祀るこの神社では貝殻に願いを書いて奉納するとご利益があると言われている。
「たしかに竜宮城って最後に玉手箱もらうんだよね」
「でも、決して開けてはいけないって言うけどね」
「うん」
そして、歩夢と千歌たちは指宿に行って砂風呂に入ることにした。
砂風呂にて・・・。
「はぁ~、砂風呂は極楽だよ」
「そうだね」
「ピギャッ、まるでサツマイモを蒸しているみたいだよ」
とルビィは言った。
「うーっ、熱いーっ」
「ピギャーッ、熱い熱い!!」
侑とルビィは暑苦しくて起き上がってしまった。
だが、ここでルビィはある人の気づく。なんと、起き上がらない人を見つけたのだ。それに気づいたのだか、ルビィは声をあげた。
「んっ」
「どうしたの、ルビィちゃん」
「この女の人、様子がおかしいよ」
「えっ!!」
そして、行ってみるとなんとその女の人は殺されていたのである。
「はっ!!」
「この女の人、死んでいる!!」
「うゆっ!!」
キャー!!
とルビィと侑は悲鳴をあげた。
そこへ南と高山と小海がやってきた。
「おい、どうした」
「大変だよ。砂風呂で女性が死んでいたの」
「えっ!!」
「なんだって!!」
「早速警察に報告しよう」
「小海さんはすぐに警察に連絡を」
「わかったわ」
ほどなくして鹿児島県警のパトカーが到着した。
「で、あなたたちが事件の発見者ですね」
と安藤警部補が言った。
「ええ、発見したのはこの2人です」
歩夢は安藤警部補と神崎刑事に言った。
「はい、発見者は高見千歌と黒澤ルビィです」
「丁度、我々も砂風呂へ行ったらようすがおかしいと思って行ってみたらこの女性が死んでいたのです」
「ほう、なるほどね」
「ねぇ、この女性は薬を飲んで死んだんじゃないかな?」
「えっ!!」
とルビィは南と高山と安藤と神崎に言った。
「警部、被害者の身元がわかりました」
と小林刑事が六条警部に報告した。
「おう、本当か」
「被害者は東京在住の横島恭子さん、37歳です」
「ほう、それで死因は?」
「どうやら薬物による中毒死だと思われます」
「う~む、彼女は持病は持ていたのか?」
と六条警部が言った。
「あらっ、ルビィちゃんも来ていたのね」
「あっ、梶山さん」
「ルビィちゃんたちも砂風呂に入っていたのね」
と高山と梶山はルビィと千歌に言った。
「うん」
「私と曜ちゃんはここに寝込んでいたの」
「つまり、千歌ちゃんと曜ちゃんとルビィちゃんはここに寝ながら砂風呂に入っていたのね」
「うん」
「つまり、犯人は毒薬を飲んで殺害したってことね」
「ええ」
「ほう、なるほどすると毒薬を飲んだあとに死んだってことだね」
「はい」
「我々はこの線で捜査してみましょう」