そのころ、小海は小海なりにいろいろと考察してはそれを高杉に話していた。
「もしこの強盗殺人犯が別府と唐津に行っていたとしたら列車を使ったってことは考えられないんじゃないかな?」
と小海は言った。
「つまり、犯人は被害者ともみ合った末にナイフで被害者を殺害してかばんを奪って逃走した」
「ほう、なるほどね」
「それで被害者の服にははやぶさの切符を持っていたそうですね」
「調べたところ、被害者が買ったものだと判明しました」
「そうか。やはり被害者は診断特急はやぶさに乗って取引に行く途中で殺害されたと考えられますね」
「なるほど」
と高杉は言った。
「でも、どうして寝台特急に乗って九州に行くのでしょうか?」
「夜行に乗って九州へ行きたかったんだよ」
と菅原は言った。
「新幹線が満席だったことも考えれるよ」
「ああ、そうだな」
そこへ千歌と曜と善子とルビィがやってきた。
「ねぇ、犯人は九州ではなく別の方へと逃げたんじゃないのかな」
「えっ!!」
「もしかしたら上野駅から特急に乗って仙台へ行ってからそこから札幌へ行ったんじゃないのかな?」
「えっ!!」
「あっ!!」
「はっ!!」
と小海たちは驚いてしまった。
「ああ、それも考えれるな」
「ところで、例の殺人事件のことなんだけど何か気づいたことはあるかな?」
「あっ、そういえば彼女を私は見かけたよ」
「えっ、それって本当か!!」
「うん」
「すると、君たちは博多駅で彼女を見かけたんだね」
と菅原は曜とルビィに言った。
「たしかに彼女だったよ」
「千歌と曜ちゃんとルビィちゃんが博多駅で特急ソニックに乗った時に見かけたよ」
「それが何時か覚えている?」
「たしか特急ソニックにちりん19号だったよ」
「間違いないんだね」
「ええ、間違いないよ」
と千歌が言った。
「たしかその彼女をヨハネも見たことがあるわ」
と善子は南に言った。
「それ、どこで?」
「東京駅の東海道新幹線のホームでね。たしか7時のひかりを待っていたよ」
「なに、それは本当か!!」
と高杉は言った。
「そうか、犯人はのぞみではなくひかりに乗って別府へと向かったのか」
「ほう、なるほどね」
「ということは東京から新幹線に乗って別府に向かったことになるな」
「あと、問題はどうやって唐津へ向かったかですよ」
「それもそうだな」
「善子と私たちは久大本線に乗ってそれから唐津に行ったんだよ」
「あっ、そうだ!!」
「なに、南さん」
「ルビィちゃん、この女性は観光列車に乗っていたか?」
「彼女なら乗っていなかったよ」
「えっ、それって本当なの?」
「うん」
「もしかして、彼女が乗ったのは北海道の特急あおぞらと同じような列車だったかもよ」
と、千歌は南と梶山は言った。
「えっ、それって本当のことなのか?」
「だと思うよ」
「あっ、ルビィちゃんと千歌ちゃんが言っているのってこの列車のことかな?」
と高山はルビィと千歌に鉄道図鑑を見せた。すると・・・、
「あっ、これかも!!」
「間違いないと思うよ。彼女はこの列車に乗っていたと思うよ」
「ほう、これはキハ185系と言って九州と四国で走っている気動車特急なんだ」
「へぇ、なるほどね」
「鉄道マニアたちもびっくりするほどの人気だそうだ」
「この列車が走っている特急といえば豊肥本線の特急あそとみて間違いない。別府から熊本へ行くのに人気の特急なんだ」
と高山は言った。
「そうか、わかったぞ。犯人はこれを利用したんだ」
「えっ、わかったのか」
早速、時刻表で調べてみると、
東海道新幹線ひかり33号
東京 7時07分発
小倉 13時04分着
L特急にちりん25号
小倉 13時22分発
別府 14時50分着
海地獄で幸田を殺害
その後、別府で1泊
特急あそ2号
別府 8時27分発
熊本 11時18分着
特急つばめ8号
熊本 11時45分発
鳥栖 12時40分着
鳥栖から長崎本線・唐津線経由で虹の松原に移動
虹の松原で姫川を殺害
すぐに逆ルートで鳥栖に戻り鳥栖で1泊
特急有明10号
鳥栖 9時24分発
博多 9時46分着
東海道新幹線ひかり40号
博多 9時53分発
東京 16時14分着
東京から上野へ山手線か京浜東北線で移動
寝台特急北斗星1号
上野 16時50分発
札幌 8時53分着
「そうか、犯人はこれを利用して札幌へと行ったんだな」
「ええ」
「つまり、犯人は久大本線ではなく豊肥本線と鹿児島本線を利用したんだな」
「ほう、なるほどね」
「つまり、別府から熊本と鳥栖で特急を乗り継いでそこから新幹線に乗り、そこから札幌まで向かったのですね」
と松本が言った。
「その通りです」
「今、別府温泉と鳥栖の旅館に問い合わせてみたところ、たしかに彼女がチェックインしていたそうです」
「となると、犯人は彼女となるな」
と高山が言った。
「この方法で犯行ができるのは、彼女、速水優香しかいない!!」
「そうか、犯人はこれを利用して殺害したのか」
「はい」
「なるほどね。犯人、いや、彼女はこの方法を考えていたというわけか」
と高杉は言う。
「とはいえ、これで彼女のアリバイは崩れた」
「よし、彼女を逮捕するんだ!!」
と高杉は言った。
「あと、例の強盗殺人犯はどこへ逃げたんでしょうかね」
「ええと、目撃者の話だと上野駅でみかけたと情報がありました」
「えっ、それは本当か!!」
と高山は桜井と今泉に言った。
「午前8時ごろに上野駅で強盗殺人犯らしき男を見かけたそうです」
「ほう、ということはそこから特急に乗って逃げた可能性がありますね」
「ああ」
「とにかく、桜井と岩泉と梶山と松本で強盗殺人犯の行方を追ってくれ」
「わかりました」
「南と高山と小海と三輪と菅原は別府と唐津の事件の捜査を続けてくれ」
「了解」
そう言って南と高山たちは捜査へと行った。
「班長、どうやら犯人は別にいたってことですね」
「たしかにそうだな」
「はい・・・」
こうして、南たちはすぐに行動にうつした。
「よしっ、早速速水の逮捕へ向かうぞ!!」
と高山は言った。そんな高山を尻目に南たちはこんなことを言っていた。
「でも、今回の事件は千歌ちゃんと曜ちゃんとルビィちゃん、そして、善子ちゃんのお手柄だったと思いますよ」
「ええ」
「まるで少年探偵団みたいだったね」
「たしかに」
「これじゃまるで女子旅サスペンスだね」
そんなこんなことがあったが高山と菅原はすぐに速水のマンションへと向かった。
「あの~」
「なんでしょうか」
「速水さんなら出かけましたけど」
「えっ、どこへ?」
「さぁ、九州あたりへ行くって言って出かけましたけど」
そして、この情報をもとに南と小海と三輪は新幹線ホームへと向かった。
「速水だな。もう逃げられないぞ!!」
「お前を殺人容疑で逮捕する!!」
「なんのことかしら。いきなり失礼じゃありませんか?」
と速水は言った。
だが、速水の額から汗が流れていた。聞かれたくないことを聞かれた時に流れる汗だった。それを南は確認すると速水に手錠をかけた。
「はっ!!」
「観念しろ、速水」
「くそ~」
こうしてこの事件は・・・。
「これで事件は解決だな」
「ええ」
「班長、今、桜井から連絡があって、例の強盗殺人犯は札幌で逮捕したそうです」
「そうか、これで一連の事件も同時に解決したな」
「はい」
そして、次の日、
「えっ、犯人は上野から仙台へと逃げ込んでいたのですか」
「ああ、犯人の名は永沢行雄、借金による犯行だったそうだ」
「ほう、なるほどね」
「永沢は上野駅から午前8時発の特急スーパーひたち5号に乗って仙台で下車してなる鳴子峡を観光して夜の仙台駅で21時13分発の寝台特急北斗星1号に乗って札幌へと逃亡したんだそうだ」
と松本は言った。
「なるほどね。借金を返済するために強盗をするとはね」
「怖い世の中だな」
「はい・・・」
こうして、東京近郊の駅で起きた強盗殺人、および、別府・唐津で起きた殺人事件は解決を迎えることとなった。このうらでは千歌たちの働きもあった。だが、まだ事件が起きるかもしれない。そうならないためにもみなさんには誠実に生きていてほしいものである。その言葉を胸にこの物語を終わらせることにしよう。