この自信満々の3人に対し南はこう言った。
「一体犯人は誰なんね」
これには、千歌、こう答えた。
「犯人は風子さんの夫の幹夫さんだよ」
この言葉に南はこう答えた。
「一体どうしてそんなことが言えるのかね?」
これには、曜、こう答えた。
「だって、この嘉例川弁当は偽物だから。幹夫さんが偽物で毒を盛っていた嘉例川弁当を作って風子さんを殺そうとしていたんだよ」
これには、南、こう答えた。
「えっ、偽物だって!!」
これには南も驚いた。
すると、ルビィがこんなことを言ってきたのである。
「たしかに入れ物は同じだけど竹の子ご飯の内容が違うんだよ」
その証言を確認すべく南は2枚の嘉例川弁当の写真を見比べてみたところ、あることに気づいたのかこう言ったのである。
「たしかに竹の子ご飯の具材が違う・・・」
たしかに竹の子ご飯の具材が違っていたのである。本物の嘉例川弁当に入っている竹の子ご飯は、竹の子、しいたけ、さやえんどうが入っていたのだが、毒物が検出された駅弁の竹の子ご飯には、竹の子、油揚げ、木の芽が入っていたのである。これには、南、
「たしかに毒物が入っていた駅弁は偽物としかいえないな」
と感心していたのである。
そして、千歌はこんなことを言ってきたのである、確信ともいえることを。
「でね、この嘉例川弁当、土日と祝日にしか販売しないんだよ」
そう、この嘉例川弁当、販売する期日に限定があったのである。実は、この嘉例川弁当、土日祝日にしか販売されないのである。そのため、この嘉例川弁当は幻の弁当といわれていたのである。
で、これには、南、こう尋ねる。
「今日はたしか・・・」
これには、曜、こう答える。
「そう、金曜日!!平日だよ!!」
これには、南、
「たしかに平日に嘉例川弁当を販売するわけないよな」
と納得の表情だった。
この南の答えに、ルビィ、こう答える。
「今回の事件って幹夫さんの犯行といえるんじゃないかな」
これには、南、
「たしかにその線で間違いなさそうだな」
と答えるとすぐに梶山に電話をしこう命令した。
「梶山、すぐに緒方幹夫を重要参考人として連行しろ!!」
これには、梶山、
「はい、わかりました」
と言って南の電話を切ったのである。
その後、幹夫はすぐに重要参考人として梶山に連行されたあと、すべてを自供した。犯人は千歌たちが予想した通り、幹夫だった。幹夫は最近仲違いをしていた風子が邪魔になり殺そうとしていたのだという。ただ、普通の殺人ではすぐに自分が疑われることになる。そのため、弁当を使った毒殺、それも公共性の高い駅弁を使ったというわけである。ちなみに、風子を殺したかった理由は不倫だった。風子に不倫を疑われるようになった幹夫は不倫女性とともに風子を亡き者にしようとこの計画を思いついたという。そして、この駅弁のからの容器をゴミ箱から拾った後、不倫女性が嘉例川弁当にそっくりの弁当を作ってそれを幹夫に持たせたのである、嘉例川駅で。だが、幹夫は2つの失敗を犯していた。それは毒物の駅弁が本当の嘉例川弁当と少し違っていたこと、そして、本当の嘉例川弁当の販売日が土日祝であったことを。事件の日が金曜日だったこともあり、そこを千歌たちに見抜かれたのである。
こうして、嘉例川弁当に関する毒物事件は幹夫とその不倫相手である女性の逮捕によって幕を下した。
そして、次の日、南と千歌、曜、ルビィ、歩夢、侑ははやとの風に乗って吉松を目指していた。そんななか、嘉例川駅に到着すると駅弁屋の社長自ら南と千歌たちに対しお礼を言ってきたのである。
「南さん、千歌さん、曜さん、ルビィさん、あなたたちのおかげで嘉例川弁当の名誉は守られました。ありがとうございます」
これには、千歌、
「いやいや。だってあの幻の駅弁が食べたかったんだもん!!」
と元気よく答えると、社長、
「その答えでどれだけ嘉例川弁当が愛されるのかが分かった気がします」
と笑いながらそう答えたのである。
その後、南と千歌たちは嘉例川駅で買った嘉例川弁当を元気よく食べていたのである。これには、千歌、
「本当においしいね!!」
と元気よく答えると、曜、ルビィ、ともに、
「本当だね!!」
「ルビィもそうだと思うよ!!」
と答えた。むろん、歩夢、侑、ともに、
「これならいくつでも食べれるよ」
「特にがねがとてもおいしいよ!!」
とこちらもとても喜びながら食べていた。
そんな5人を見て南はこう思ったのである。
(まさか、ここで千歌たちCYaRonが活躍するなんて思ってもいなかった。でも、今、このときの千歌たち3人を見てこう思ったよ。3人こそ最高のパートナーであることを・・・)
だが、このとき、誰も気づいていなかった。霧島温泉で事件が起きることを・・・。