一方、そのころ、千歌と歩夢たちは南国の鹿児島へ向かっていた。
「え~と、鹿児島の霧島だったよね」
「えぇ、わくわくしてきたよ」
としずくは言った。
「おやっ、君たちも特急に乗るのかい?」
「あぁ、高山さんに南さん!!これから特急に乗るのですか?」
「あぁ、そうだとも」
「今から博多から特急に乗って西鹿児島へ行こうと思っていてね」
「なんだ。南さんも高山さんも鹿児島に行くんだね」
とルビィは南と高山と小海に言った。
そして、歩夢と千歌たちは長崎から特急かもめ4号に乗って博多に行き、博多から特急つばめ5号に乗って西鹿児島へと向かった。
「いいわね、鹿児島は!!」
「うん、本当だね!!」
そして、特急つばめ5号の車内では千歌と曜とルビィはサロンコンパートメントに乗っていた。
一方、歩夢と侑としずくは787系つばめが誇るつばめビュッフェに行った。
「歩夢、決まった?」
「うん、黒豚チャオにするね」
「私はつばめ弁当だね」
としずくは駅弁を買った。
その後、歩夢と侑はビュッフェ内の車窓を見ながら食事をした。
「う~ん、やっぱり九州の旅は列車に限るよ!!」
「霧島に行ったらわくわくし放題だね!!」
と歩夢は言った。
そして、西鹿児島に到着した千歌と歩夢たちは鹿児島に一泊したあと、西鹿児島駅のホームへと向かった。
「しずくちゃんとルビィちゃんもはやとの風に乗ろうよ!!」
「そうだね」
「これが九州の観光列車なんだね」
「ねぇ、はやく乗ろうよ!!」
そうこう言っているあいだにはやとの風2号が入線してきた。
「うん、いいね、いいね」
「本当だね」
「私もわくわくしてときめいちゃったよ!!」
「うん!!」
「乗ろう、乗ろう!!」
とルビィは言った。
西鹿児島と吉松を結ぶ特急はやとの風は黒色の起動者で日豊本線と肥薩線を経由して運転されている観光列車である。歩夢と千歌たちが乗った特急はやとの風2号は西鹿児島を9時25分に発車し、鹿児島、隼人、嘉例川、霧島温泉、大隅横川、栗野、終着吉松には11時08分である。
「うわ~、桜島が見えるよ!!」
「本当だね!!」
「ロマンチックだよ!!」
としずくは言った。
「ほらっ、見えてきたよ」
「うん」
「やっぱり九州は最高だよ!!」
「うん!!」
「見て、錦江湾だよ!!」
「本当だね!!」
と歩夢としずくは言った。
10時33分、歩夢と千歌たちは霧島温泉駅で下車した。
「やっぱり温泉だよ!!」
「うん!!」
「うわ~、温泉街だよ!!」
「今日はここで泊まって明日に備えよう!!」
「うん!!」
「霧島といえば霧島神宮だよね」
「よしっ、そこへ行って見てみよう!!」
そして、歩夢と千歌たちは霧島神宮を観光したあと、霧島温泉で1泊した。
「わっ、しずくちゃん!!」
「えっ、泥パック!!」
「そうだよ。この温泉は有名なんだよ」
「侑ちゃんもしずくちゃんも似合っているね!!」
と千歌と歩夢たちは霧島温泉をを堪能した。
だが、事件が起きてしまった。
「ん、この人、どうしたのかしら」
と歩夢が言った。
「行ってみようか」
「うん!!」
そう言って歩夢と侑は池平公園へと行ったのだった。
「はっ!!」
「どうしたの、侑ちゃん」
「歩夢、この人、死んでいる!!」
「えぇ!!」
と2人は悲鳴を上げた。
そして、ほどなくして鹿児島県警のパトカーが到着した。
「ほう、なるほど。すると、君たちはそこを観光していたら死体を発見したわけだね」
「はい。そこで人が死んでいたのです」
「警部、被害者の身元がわかりました」
「ほう、そうか」
「亡くなったのは東京在住の三谷孝弘さん、27歳と判明しました。また、亡くなってから数日は経過しているみたいです」
「ほう、それで死因は?」
「はい、これは多分おそらく絞殺と考えられますね」
そこへ千歌とルビィがやってきた。
「歩夢ちゃん、侑ちゃん、大変だったね」
「うん、2人で散歩していたら死体を発見したの」
そうこうしているうちに南と高山もやってきた。南と高山は高杉と連絡をとっている最中であった。そのため、高杉と連絡をとる形で確認をしていた。
「なに、吉松で男性の死体!?」
「はい、東京在住の三谷孝弘さん27歳です」
「南、それで死因は?」
と高杉は言った。
「死因はおそらく絞殺だと思われます」
「なるほど。南、実はな、一昨日、新幹線で殺人事件が起きてな、今回の事件に関係しているらしいんだ」
「えっ、新幹線で殺人ですか?」
「あぁ、そうだ」
「場所はどこですか?」
と南は言った。
「え~とな、ひかり214号の車内で起きたんだ」
「ほう」
「亡くなったのは東京在住の小林裕子さん23歳だ」
「班長、それで死因はわかりますか?」
「死因は毒殺だと思われる。ところで、今、南と高山はどこにいるんだ?」
「私と高山は、今、鹿児島吉松の池平公園にいます」
「吉松ってことは鹿児島県警か」
と高杉は言った。
「はい」
「そうか、わかった。じゃ、鹿児島県警と協力して捜査をしてくれ」
「はい、わかりました」
と南はそう言うと電話を切った。
「松本、梶山、私と一緒に九州に向かうぞ!!」
「えっ!!」
「高杉班長、どういうことなんですか?」
「今回新幹線で起きた事件と関係しているんだ!!」
「なるほど。わかりました」
と梶山が言った。
そんななか、桜井と菅原はある一人の男に会っていた。
「あの~、すみません」
「はい、なんでしょうか?」
「ちょっと話を聞きたくてね」
「あの~、あなたは?」
「私は東京中央鉄道公安室の桜井あおいといいます」
「私は鉄道公安隊特捜班の菅原といいます」
と2人は手帳を見せた。
「あの~、なにか」
「実はですね、一昨日、新幹線で殺人事件が起きましてそのことで話を聞きたいので」
「えぇ、私は事件当日に鹿児島に行き、次の日に長崎へ旅行していました」
「ほう、鹿児島と長崎ですか」
と菅原は言う。
「はい、私はそのときに長崎の先輩に会いにいっていたので」
「ほう、なるほど。ところで、鹿児島は霧島の方ですか」
「あっ、はい」
「私は休暇で鹿児島の霧島でのんびりとしようと思って夜行に乗って鹿児島に向かい、次の日に霧島に行きました」
「ほう、なるほどね」
「鹿児島へ行くときはどうやって行ったんですか?」
「私は九州に行くときはよく寝台特急に乗って鹿児島へ行きましたからね」
「ほう、寝台特急ですか?」
と菅原は言った。
「はい、わつぃは鹿児島へ行くときは寝台特急はやぶさに乗ってよく鹿児島へ行っていましたからね」
「へぇ~、はやぶさですか」
「はい」
彼の名は井川良治。彼は事件の前に霧島へ行っていたことがわかった。
そして、桜井と菅原は高杉と連絡をとった。
「ほう、そうか」
「えけ、彼は事件当日に霧島に行って次の日に長崎に行き、翌日は京都へ行って新幹線に乗って帰京したそうです」
と桜井は高杉に言った。
「鹿児島へ行くときはよく寝台特急に乗って九州に行くそうです」
「行くときは寝台特急はやぶさに乗って鹿児島に行っていたそうです」
「ほう、そして、次の日には長崎に行って寝台特急に乗ったってことか」
「はい」
そして、次の日、高杉は松本と梶山を連れて鹿児島へやってきた。
「そうか、やっぱり気になるな」
と高杉は言う。
「なにがですか、高杉班長?」
「実はな、一昨日、新幹線ひかりの車内での殺人、今回起きた霧島での殺人と関係がありそうなんだ」
「えっ、高杉班長もそう思うのですか?」
と高山は高杉に言った。
「つまり、犯人は鹿児島本線を経由して長崎に行き、次の日に京都で新幹線に乗り換えて帰京したといえるんだよな」
「あぁ、なるほどね」
「鹿児島から長崎へ行くには博多から特急かもめに乗った可能性があります」
「ほう、なるほどね」
「そして、帰りは長崎から夜行に乗って京都へ行く場合、寝台特急あかつきに乗り込んで翌朝の8時に到着、京都で新幹線に乗り換えて東京に向かう」
「ほう、なるほどね」
「行くときは西鹿児島から博多へ特急つばめに乗り博多から長崎へは特急かもめに乗っていった」
「あぁ、たしかに博多から特急かもめに乗って長崎に行くことができるんだけどね」
「鹿児島へ行ったあとに長崎に行き、そこから寝台特急あかつきに乗った。
「あぁ、それも考えられますしね」
「班員は前日に旅行したんじゃないのかな?」
と小海は言った。
「えっ!!」
「それってどういうことなんだ!!」
「この事件は新幹線の車内で毒殺、そして、第2の殺人・・・」
「ということは、犯人はそれに乗っていたでしょうか?」
と梶山は言った。
「う~む、それも考えれるな」
と高杉は言った。
「でも、彼は事件当日に京都へ行っているようですね」
と高山は言った。
「あぁ、そのことか。実はあおのあとは途中下車して京都へ行ったんです」
「それで京都から新幹線に乗って東京へ行っていたんですね」
「はい」
「そうか。犯行は不可能か?」
「えぇ」
前述の通り、井川良治は事件当日に九州へ行っていたことを話していた。
なお、井川が示した九州旅行の日程は次の通りであった。
1日目 鹿児島
前日18時16分発 寝台特急はやぶさに乗車
15時10分着 下車
市内を観光、ホテルで1泊
2日目
9時25分 特急はやとの風2号に乗車
11時08分 下車
池平公園を観光、霧島温泉で1泊
3日目
霧島温泉~博多~長崎で特急に乗り先輩の家で1泊
4日目
長崎から寝台特急に乗り京都で新幹線に乗り換えて帰京
「アリバイ成立ですか」
「えぇ」
「この人は犯人じゃないかもしれないな」
と高杉は言った。
だが、それでも疑問は残っていた。
「だが、それでも井川という男はちょっと疑問が残ってしまう」
「あぁ、岩泉の話だと彼は前日には鹿児島で観光して次の日に長崎で先輩に会いに行っていたことがわかっている」
「それで、次の日に京都で観光していたんですよね」
「あぁ、その通りだ」
「つまり、井川には犯行が不可能としかいえないのですよね」
と小海が言った。
だが、それでも井川が怪しかったのか特急つばめの車掌を中心に井川が特急つばめに乗っていなかったのか確認をした。だが、どの車掌も井川の姿をみたことがなかった。これにより井川が特急つばめに乗っているというアリバイを証明することができなくなってしまった。