【第六章 全ては箱の中まで完結!】弾丸より速く動ける高校生たちの切っ先~荒神と人のどちらが怖いのか?~ 作:初雪空
けれど、そこには世界を滅ぼす存在の召喚儀式があって……。
「異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件」の3巻目は、誰もが疑わしい!?
https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9J8CQV9
「やっぱり、
彼は、流水系のスキルだ。
けれど、
「抜刀して! たぶん、こいつ1人じゃない!!」
「は、はいっ!」
狐の大きな尻尾に見惚れていた「まどか」は、慌てて左手を腰の側面に当てた。
開いた右手を近づけ、見えない刀を抜く。
両手で実体化した
その間にも、覆面男と正面から斬り合う、ケモ耳の音々に叫ぶ。
「わ、私の刀剣解放は、ソーナーです! 今、周囲を探りますから!!」
まどかの持っている刀身が、音叉のようにキィイインンと共鳴していく。
言った通り、アクティブソーナーの要領で、周りの空間が立体的に――
「か、囲まれています!
甲高い音を立てて、ひたすらに切り結んでいた音々が、バックステップ。
地面に触れた両足で後ろへ滑りつつ、まどかの傍へ。
「背中を!」
「はいっ!」
音々とまどかは、背中を取られないために、くっついたままで構え直す。
彼女の警告を証明するかのように、大きく飛んだ男が4人。
ダンッと着地する。
覆面男とは違い、どいつも鮮やかな着物だ。
こちらは、和風の仮面をかぶったまま。
全員が刀を持っており、防人だと分かった。
くぐもった声で、喋る。
『今回は、当たりか……』
『殺すなよ?』
そのうちの1人が、スッと刀を下ろした。
『
頭の上のキツネ耳2つを動かしている音々は、刀を正眼にしたままで言い返す。
「そのへんの壁の穴に、突っ込んでろ!」
何かの能力を発動させる気配に、覆面男を含む5人が刀を握り直す。
音々の周りで、提灯のような火が増えていき――
「最初に防人の女を犠牲にしてから……。とんだ
まだ暗い空に、別の女子の声が響いた。
全員が見上げれば、夜に溶け込む和装をした女子が、右手に小太刀を下げたままで立っている。
何もない、空中に……。
初めて焦った男のリーダー格が、叫ぶ。
「き、貴様、何者だ!?」
「もちろん、ただの女子高生だよ?」
可愛らしい童顔だが、空から見下ろしていることも相まって、怖い。
無意識に後ずさる、地上の男たち。
いっぽう、睦実は淡々と話し続ける。
「この村は……水龍を倒してくれた防人の女を引き留めた。力づくでね? 水源という記述から、呪われていたか、そもそも水に悩まされていた場所……。その女が持っていた御刀が欲しかったんだろう。でも、女は孕まされて産もうが、村の一員になることを拒んだ」
――最終的に、子供が同じ力を継承していることで、女を殺した
「逃げようとして殺されたのか、高齢になって世話をするのが面倒になったのか……。いずれにせよ、あの沼に沈められたのは事実だろうね?」
怒り狂った覆面男が、初めて叫ぶ。
「黙れ! 我らの始祖たるお母様は、その身を犠牲にして村を救ったのだ!!」
声を聴いた女子3人は、その正体を悟った。
「水島君じゃない……」
「どうして?」
上空に立つ睦実は、冷たい目を向ける。
「いい加減に、その覆面を外しなよ?
切っ先を向けられ、観念した男が片手で覆面をはぎとり、捨てた。
現れたのは、彼女たちがよく知る顔だ。
けれど、別人と思えるほどに歪み、憤怒に満ちている。
それを見た男たちも、和風の仮面を投げ捨てた。
地面に当たり、カランと乾いた音。
もはや、正体を隠す意味がない、と判断したようだ。
視界を広くしたほうが、圧倒的に戦いやすい。
睦実は、殺気とは違う欲望をたぎらせた男たちを見下ろす。
「風鳴の女子3人にも、相手にされなかったでしょ? 今は、昔と違う……」
本性を現した東助は、忌々しそうに答える。
「あいつらは……。自分が選ばれた名誉を理解していなかった!」
釣られて、他の男たちも言い捨てる。
「俺が相手にした女は、目を離した隙に自分で首を切りやがった!」
「確実に孕むよう全員でやった女も、狂ったしな……」
キツネのコスプレをしているような音々は、まったく悪いと思っていない様子の男たちに怯えつつ、絶叫する。
「あ、あなた達! それでも、人間なの!?」
男たちは平然としたまま、音々を見た。
「天女の末裔である俺たちに相手をされるのは、自慢できることだ」
「数十年にわたり、新たな天女がいないまま」
「このままでは、村に災いが起きる」
「誰にも、邪魔はさせない」
音々の上から、睦実の声が響く。
「ムダだよ、相良先輩! こいつらの
夜空の睦実は、首謀者と思われる田村東助を見据えた。
「田村さん? 同じ防人として、ボクから提案しよう」
「……何だね? 君が1人で相手をするのは却下だ。警察に駆け込まれては困る」
目を細めた睦実は、端的に言う。
「西園寺睦実の名において、命じる」
――自害しろ
――お前たち、全員