【第六章 全ては箱の中まで完結!】弾丸より速く動ける高校生たちの切っ先~荒神と人のどちらが怖いのか?~ 作:初雪空
けれど、そこには世界を滅ぼす存在の召喚儀式があって……。
「異能者が普通にいる世界へ転生したら死亡フラグだらけの件」の3巻目は、誰もが疑わしい!?
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俺は、ロッジ
明るい光に満ちていて、静かだ。
動きやすい和装に変わった後で、ゆっくりと左腰から短い刀身を抜いた。
傍目には、脇差。
「終わりにしよう……。
その瞬間に俺の霊圧が跳ね上がり、背中に双翼が噴き出す。
右手に持つ脇差は、青い光となって長く伸びた。
両膝を軽く曲げ、大空へ飛翔する。
◇
沼の底から侵入する施設では、被弾した
リボルバーの銃口を向けている
けれど、東助が顔を上げたことで、立ち止まった。
「ここの出入口は、君たちが通ってきた水中だけ! ついでに言えば、流水系のスキルによる操作だ!! 同じスキルを持つ
それを聞いた
いっぽう、卓見はすぐに反論する。
「協力しておいたほうが、罪が軽くなりますけどねえ? 私1人だけと、お思いで?」
「出入口の鉄扉を閉めたかな? クク……。その度胸はないか! 他に出入口がなかったら、応援が来るまでに酸欠だからなあ!?」
東助は、相手にダイビングの装備もないと見て取り、ニヤニヤした。
「呼吸するためのタンクは置いていないよ? 地下で無線が通じるはずもないし、県警がダース単位で来ても、前と同じ話だ。開きっぱなしの鉄扉から沼の水が押し寄せてきたら、どうなると思う?」
焦りを覚えた卓見は、問いかける。
「あんた、死ぬつもりか!? 大事なカプセルも壊れるぞ?」
「機材なら、また集めればいい……。神事を途絶えさせるほうが禁忌だよ。そして時間切れ」
その瞬間に、果歩から妙な音。
『おうふぶぶぶっ!』
驚いた卓見が視線を向ければ、彼女の頭を覆った水の塊。
果歩は両手で外そうとするも、水をつかむことはできない。
東助は、ニタァッと笑う。
「時間稼ぎをしたかったのは、私も同じだ! このスキルで水中呼吸もできる。水の塊を操作することもね? 銃を捨てろ! 数分で、そいつが死ぬぞ?」
苦々しげに東助を見た卓見は、ガシャンと、拳銃を落とした。
「こっちに届くよう、蹴ってくれ! くれぐれも、妙な動きをするなよ?」
卓見がサッカーボールのように蹴れば、シャアアアッと、すれる音。
2人を見たまま、東助はリボルバーを拾った。
片手で銃口を向け、もう片方の手を添える。
「トリガーを引けば撃てることは、さすがに知ってますよ?」
「彼女は、もういいだろう!?」
「ああ、そうでしたな! いけない」
倒れていた果歩は、頭を解放され、ガハッと咳き込む。
「ゴホッ! ゲホゲホッ!!」
涙と鼻水、口から吐き出した水が混じり合い、ひどい状態。
意識はあるものの、精神的なショックも相まって、上体を起こすのがやっと。
荒い呼吸だ。
「大丈夫ですか?」
「……ハイ」
彼女の
そう思う卓見は、打つ手なし。
東助は、淡々と告げる。
「今みたいに溺れたくなかったら、もう余計なことはしないでくれ」
「ヒィッ!」
小さな悲鳴を上げた、果歩。
床に倒れたままで、戦う気力は微塵もない。
それを見た卓見は、水責めを受けた直後では無理だ、と判断する。
溺れさせる拷問は簡単で、最も効果的。
世界中の組織が採用している。
どこから水の塊が飛んでくるか不明となれば、果歩はもう立ち上がれない。
いわゆる、序列がついた状態。
今も、薄暗いホールに視線をさまよわせ、オドオドしている。
すると、東助は明るい声を出す。
「そうだ! 彼女に、そこの刑事を殺してもらおう! 共犯にすれば、今までみたいに反抗されないし、戻る場所もない」
決定的な事態になる前に動こうとした卓見は、パンッ! チュンッ! という音で固まった。
発砲と、それに伴う跳弾だ。
「動くなよ?」
東助は、銃口から小さな煙をたなびかせているリボルバーを向けたままで、言い切った。
しかし、上からドリルとも言えない音が続き、ホールのような空間の天井が全て消える。
3人が見上げれば、そこには青空と、空中で背中の双翼のような青い物体を放射している
右手に大刀のような、青いビームソードを持ちながら……。
「お前――」
その瞬間、残像を残すように駿矢が急降下する。
刀を構えた東助に対して、そのビームソードで横に
相手に触れる部分をズラし、体を回転させた勢いで蹴った。
落下によるスピードが合わさったベクトルは、東助を後ろの壁まで叩きつける。
「ぐはっ!」
ドサリと床に落ちた東助は、口から血を吐いた。
けれど、その目はまだ諦めていない。
「こ、こうなったら、お前らも道連れだ……」
どうやら、まだ切り札があるらしい。
スッと床に降り立った駿矢は、完全解放のままで