再び、決闘遊戯《デュエパーティー》の幕が開ける。
デュエパの小説が公式で出た……だと……(激遅)
─月光が照らす草原にて、今宵もまた決闘遊戯の幕が開く。
「イヤッハァァァァァ!!」
場所に不似合いなシャウトと相棒であるギターをかき鳴らす男。
彼の名はMASARU。世界的に有名なロックバンドのギターボーカルだ。
「ここが決闘場所ですカ……」
続いて草原に現れるのは高い背丈と豊かな2つの果実を持ち合わせる金髪の女性。僅かなカタコトが残る彼女の名はアイナ・ジューン。
可愛らしい見た目とスタイルの良さで男性に人気のグラビアアイドルだ。
「……」
そんなアイナの影と一体化し、潜んでいる一人の男がいた。
忍び装束に身を包み、沈黙を貫くのは忍者の末裔、服部 ヤイバ。
”忍とは影に隠れ、歴史の表に姿を出すことなかれ”
服部一族が貫いてきた戒律を破ってまで、この決闘遊戯に参加した彼の信念の刃と心とは如何程のものなのだろうか。
そんな時、月光よりも強い光で草原の闇を照らし、忍の潜む影すら晴らそうする輝きが舞い降りる。
「さぁ、今宵もボク達のステージにしてあげよう、マイハニー?」
煌びやかな宝石に彩られたアクセサリーを身につけ、舞う彼の姿はかつての貴族を思わせる。
大企業レドニカンパニーの御曹司、レドニ・アルーニだ。
出自・職業は違えど、ここに立つからには決闘者。そして
各々腰につけたデッキケースからデッキを取り出し、空に掲げる。
『
「ボクちゃんのマイハニー!ドンデンブタイちゃん、カモーン!」
開幕早々、G・ゼロ能力によって
「こんなに早く現れてくれるなんて、さすがはマイハニー!」
(マイハニー、風になびくキミの長髪はまるで海だ。黒いステッキがキミのファッションに素敵なアクセントを加えている!嗚呼……本当に美しいよ!)
感情の昂りと共にカードに深くキスをするレドル・アルーニ。
奇怪な姿したクリーチャーをマイハニーと呼ぶ彼を見て、他の3人はドン引きしていた。
彼らには知る由もないが、レドニ・アルーニとっては金が詰まった宝箱にも勝る絶世の美少女なのだ。
「ショーはまだ始まったばかりさ。ターンエンド」
1ターン目から動き出すレドル・アルーニとは対照的に他3名は動くことはなく、マナチャージに専念した。
「フフ!こっからパーリィタイム!彼女の微笑みはボクちゃんに力をくれる!」
再びレドル・アルーニにターンが回り、彼の
そんなレドルの姿を見て、他の決闘者達も負けじと動き始める。
「呪文、《エマージェンシー・タイフーン》!」
「……」
ヤイバはタガメのようなクリーチャーを爆散させ、マナを得る。
「マナチャージ。ターンエンドでス」
「ボクちゃんのターン!G・ゼロ!《ルナ・コスモビュー》、召喚!」
レドルの場に降り立つ一体の異形。
この超獣もまた彼の相棒同様にドローを加速させる能力を持つ。
彼は手札を利用した凄まじいコンボが狙いなのだろう。
しかし、それを不意に打ち砕く人物がいた。
「メテオ・チャージャー、《ドンデンブタイ》を破壊するぜぇ!」
MASARUが唱える呪文により、《ドンデンブタイ》は爆散する。
「……は?」
彼は一瞬、最愛の彼女が消えた事を理解出来ず、ただ言葉を漏らすだけだった。
「ふーっ、これでちったぁ差を埋めれんなぁ。アンタらそう思うだろォ?」
超獣の除去を得意げに語り、周囲に共感を求めるMASARU。
そんな様子を見た煌めく御曹司は怒りを覚える。
「よ、よ、よくもボクちゃんのマイハニーォォォォ!!お前達、許さないからなぁ!!」
恨みの対象はMASARUだけでなく、アイナやヤイバにも広がる。
しかし、戦場は非常。
恋人すらも容易く失われる場所だと言うことをレドルはまだ理解していなかった。
「《電磁 テンプロ-3》を召喚しまス!」
アイナの召喚した超獣は王来空間に眠りし、古の呪文がとある存在によって具現化したものだ。
彼女の
巡る第4ターン。最愛のクリーチャーを失った苛立ちからか、レドルは今まで溜め込んでいた手札を切り捨て、攻撃の準備を整える。
渋々ターンを明け渡すレドル・アルーニ。
一方、先程の呪文が布石となったのか、遂にMASARUが動き始める─。
「俺サマの相棒!《炎渦双奏タイダル&バーン》、召喚だぜぇ〜ッ!イェイェェェェェ!」
甲高い叫びとギターの音色がなんとも言えないハーモニーを奏でる。
それに共に現れるのはマイクを持つ呪文使いの竜とギターを構えた鎧の竜。
「Oh、《タイダル&バーン》。なかなか厄介ですネ……」
MASARUの相棒《パートナー》、《タイダル&バーン》はプレイヤーが呪文を詠唱した時、1ドローもしくはシールドブレイクを選べる能力を持っている。アイナが厄介と評するのも納得がいく。
「金髪デカパイ姉ちゃんのシールドをブレイクだぜぇぇぇぇ!!」
MASARUのシャウトとギター。
タイダル&バーンのシャウトとギター。
種族を超えたセッションは彼女を守る盾を破壊してゆく─。
「……!!」
「くッ……ですガ、私も負けてはいられませン!《電磁 テンプロ-3》をササゲールしテ、《闘魂混成エンペラー・アクターシャ》を召喚でス!」
アイナの言葉で自らの使命を理解した《テンプロ-3》は手を胸に当てる。
そして、
超獣世界において世界を滅ぼす最終兵器を生み出そうとした頭脳の持ち主、《エンペラー・アクア》
その世界滅亡計画を止めるべく復活させられ、暴走した竜を止めるメカ・デル・ソルの一つである《光器ナスターシャ》。
この2つの超獣がとある存在により、繋ぎ合わされて生み出された存在だ。
竜をも止める超頭脳の持ち主はMASARUを襲う。
その時、捨てられたはずの呪文が起動。
「へっ……やるねぇ!だが、アンタの盾は貰っていくぜェェェェェ!!」
アイナの呪文に反応した《タイダル&バーン》。
鳴り響くギターと空間を揺るがすシャウトが《アクターシャ》のEXライフを破壊した。
MASARUやアイナが相棒を召喚し、苛烈な戦いを繰り広げる中。
ヤイバは物静かにマナ加速に務めていた。
迫る5ターン。
思い通りにいかない試合展開と、御曹司としてのプライドが彼のイライラを最高潮にさせていた。
前ターン、手札を失ってまで攻撃の準備を整えていた彼の軍勢。
その標的は目の前の金髪女性へと向けられる。
「お前!その胸であの男を誘って、マイハニーを破壊させただろ!」
「そ、そんナ!逆恨みでス!」
「うるさいうるさいうるさい!ボクちゃんの手下よ!あの女を潰せぇぇぇぇぇ!!」
主の怒りを晴らすべく、指示を受けたクリーチャー達はアイナに迫り来る。
「ニンジャ・ストライク、
「なっ……!?」
それは助け舟か。横槍か。
異次元空間から突如現れたジャイアントは印を結ぶ。すると、その隣に青い龍が現れ、レドルの配下を1体手札に戻す。
「つ、追撃だッ!」
「ニンジャ・ストライク、バイナラドンデン」
佐助の超人に続き、異次元から現れたのはドアの形をした摩訶不思議なシノビ。扉が開くや否や、攻撃している超獣をデッキの奥底へと追いやる。
攻撃出来る配下を失ったレドルは歯を軋ませながら、ターン終了を宣言した。
「お前ッ……!!ボクちゃんのジャマをするのか!」
「あ、ありがとうございまス……」
「拙者は影より助ける者なり……」
アイナから感謝の言葉を告げられるヤイバ。もっとも助けたのには彼が彼女のファンであるということに他ならないが……。
戦いは激化し、混沌に満ちてゆく。
月の明かりが無くなり、日が昇ろうとも決闘遊戯は終わらない─。
シャンフロコラボ小説、ネタが散りばめられてて、作者様の愛を感じる。
また次の幕で会いましょう。