おい!この"選択肢"おかしいぞ!何とかしろ!   作:一般通過先生

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ギャグっていう……難しいなあ(遠い目)


血を流すことで止まる戦いもある

 

 

 

【和ませるために変顔を披露しよう】

【和ませるためにリンちゃんに変顔させよう】

 

 

 

終わってる……マジで終わってる。

何だこの二択、触らぬ神に祟りなしって言ってんぢゃんッ!

 

俺がいきなり変顔してみ?なんだコイツって目で見られるから。

リンちゃんさんに変顔させてみ?拳飛んでくるから。

 

どっち選んでもクソ。ああ胃が痛い胃が痛い。

 

……待てよ?リンちゃんさんに変顔ってどうやってさせんの?

リンちゃんさんー、変顔してー……みたいな?

 

そんなんだったらリンちゃんさんやるわけなくね?

これか…!最適解…!見つけちまったぜ正解をよォ…!

 

「リンちゃんさん」

「……なんですか先生」

 

「にらめっこしよう」

 

「……は?」

「はい、あっぷっぷ」

 

そうして俺は変顔をした。

おかしいだろ…!どっち選んでも俺が変顔することになるとか聞いてないわ…!

 

「…………」

 

あらヤダ、無言のリンちゃんさんの冷たい目。

俺じゃないよ?選択肢を選んだら勝手に体が動くの。変顔やめられないの。助けて。

 

「……ぷッ」

 

おや、藍色ツインテールちゃんが吹き出すように笑ってくれた。

ありがとう…!君のおかげで俺はまだ戦える。

 

「先生」

「………」

「ふざけるのも大概にしてください」

「……はい」

 

リンちゃんさんが冷たい。そりゃそうだ。拳が飛んでこないだけまだ優しい。俺なら拳にセットで足も出るね。

 

「それにしてもどうしま………あ」

 

顎に手を当て考えるリンちゃんさん。

彼女の視線はとあるところで止まった。

 

「な、何?どうして私たちを見つめてるの?」

 

藍色ツインテールちゃんがたじろぐように声を漏らす。

そんな様子にリンちゃんさんは不気味な程に満面の笑みを浮かべた。

 

「ちょうどここに各学園を代表する立派で暇そうな方々がいるので私は心強いです」

「「「「え?」」」」

「キヴォトスの正常化のために暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう」

 

そう言って俺の手を掴み歩き出すリンちゃんさん。

おいおい次はどこに連れてこうと言うのだねチミ。

 

「ち、ちょっと待って!どこに行くのよ!」

「まあ、だいたい察しはついてましたが……」

「戦闘行為は想定してなかったのですが」

「えーと、私たちも行った方がいいんでしょうか…?」

 

……なんかもう不安、誰かたしけて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ヘリが使えないとなったわけで目的地付近まで車を進める我々一同。

美少女達と同乗する車内。役得だね!……まあ外の景色を無視すればだけど。

 

いけどもいけども窓から見えるのは戦場。

銃声鳴り止まず戦車も走るまさに無法地帯。俺は今日死ぬのかもしれん。ペンと紙を誰かくれ。遺書を残させてもらいたい。

 

『──この辺りで車を止めます。ここからは徒歩で向かってください』

 

ついに降りるのか。自分このまま車に乗ってていいすかね?

 

 

 

【さあ一番乗りで降りるぞ!楽しいパーティーの始まりだ!】

【最後にコソコソ出よう。俺はチキン野郎だ】

 

 

 

あーはいはい分かりましたよ!出ればいんでしょ出れば!

……最後にコソコソ出させてもらいますけどね!チキンで結構です!

 

「では行きましょうか、ハスミさん」

「はい、参りましょう」

 

「ああもう、なんで私たちが戦わないといけないわけ…!」

「"サンクトゥムタワー"の制御権を取り戻すためですから」

 

各々が会話をしながら車外へ。

 

それに続いて俺もコソコソと出る。気配を消せ、標的になるな。俺は空気俺は空気……うぉい!今銃弾掠ったぞ!あっぶねぇな!

 

「先生、大丈夫でしょうか?」

「あ、どうも。えーと確か……」

「"ハスミ"です。羽川ハスミ、トリニティ総合学園で正義実現委員会に所属しています」

 

トリニティ……正義実現……なんかよくわからんがかっこいいね!

あとはあなた凄いね!なんて言うか……圧が!何とは言わないけど!何っていうか……なんかもう全部がすごいよ!

 

黒髪の美人な女生徒。

羽が生えて赤い天使の輪っか…、そして何より色々でかい。色々ね。色々。

 

「先生は伏せていてください」

「お言葉に甘えて…!」

 

地面に伏せて危険を回避。

そんな俺の前で戦うハスミちゃん。

 

……あんたスカートのスリット大丈夫!?調整ミスとかしてない!?見えてるよ!見えちゃってるよ!ガーターベルトとかなんだそれは!?最高です…!!

 

「痛っ!痛いってば!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」

 

あっちでもこっちでもドンパチ騒ぎ。俺この場にいなきゃダメ?ほんとに必要なの?

てか、なんで弾当たって平気なの?サイヤ人なの?ゴムの体してたりする?

 

「ホローポイント弾は違法指定されてはいませんよユウカ。とりあえず下がってください」

「うちの学校じゃこれから違法になるのよ!傷が残っちゃうじゃない!」

 

なに?これが普通なの?日常なの?銃持ってバンバンするのが?やべえなこの都市。俺1週間も生きてられない気がする。

 

「今は先生が一緒ですので守ることを優先に。建物の奪還はその次です」

「そうですね。先生はキヴォトスの外から来た方ですから銃弾1発でも致命傷になりかねません」

「分かってるわよ。先生は前に出ずに後ろで隠れててください」

 

「合点承知之助ッ!」

 

藍色ツインテールちゃんの言葉にすぐさま退避。

情けないって?そんなことより命だ!

 

物陰に隠れ、戦闘の成り行きを見守る。

 

圧倒的人数差。それでも戦況は変わることがなく、彼女ら4人の強さが伺えた。

だがしかし、やはり質より量。若干押され始める。

 

はわわわ……どうしよう。

 

 

 

【ここは己の身を犠牲にし敵の進軍を止める】

【ここは己の身を犠牲にし彼女らの戦闘を止め退散する】

 

 

 

馬鹿野郎…!前に出るなって言われたぢゃん…!

 

どっち選んでも俺が死ぬ運命が見える。俺の冒険はここで終わりを告げました。死んで次に目が覚めたらどんな世界が広がってるんでしょうね。楽しみです。

 

……ちくしょうめぇ…!

敵の前に出るか4人の前に出るか。ほぼ同じことやん。もはや選択肢じゃないってこれ。

 

でも選ばないと時は前に進んでくれないんだろ?

 

やってやるわこの野郎…!(ヤケクソ)

 

 

「双方そこまでッ!」

 

「「「「っ!?」」」」

「「「「「「「っ!」」」」」」」

 

走って飛び出して出てきた俺にその場の誰もが驚いた。

銃声は止み、一時とはいえ平和な時間が流れる。

 

そしてその戦場のど真ん中に俺。

そのまま引き金引くなよ…!死んじゃうからね…!今背中に変な汗すごいから…!

 

「ちょ!せ、先生!?何してるんですか!?」

「早く戻ってきてください!」

 

「なんだアイツ?」

「仲間か…?」

「撃っちまうか」

 

カチャリと音が鳴り銃口がこっちに向いた。

まずいこのままだと死ぬ。なにか手を考えろ…!何か突破口を…!

 

 

 

【銃弾くらい余裕だって、気合いで耐えれる】

【ここは威嚇して萎縮させよう】

 

 

 

余裕じゃないです。死にます。死んじゃいます。気合いで耐えれたら苦労はしません。

……ほな他のみんなはなんで耐えれるんや?そういう能力的な?俺もそういう力欲しかった。選択肢(こんなの)じゃなくて。

 

ならばもはや一択。にしても威嚇ってどうすんのよ。素手の俺と銃持った不良多数。もはや俺が萎縮してます。引っ込んでいいっすか?あ、ダメ?そっすか…。

 

……ええい!考えたって仕方ない!なるようにしかならぬのなら覚悟を決めて選べ!俺はやれる!やれるぞ!

 

そうして選んだ瞬間、体は動き出した。

 

膝を地面につけ、両手をつき、そのまま頭を振り上げ、そうして勢いよく地面へと………って待てや!

 

 

「ぬうおぉぉぉぉッ…!!」

 

「「「「「……え?なにやってんの…!?」」」」」

 

いや、ほんとになにやってんの俺ぇ…?

い、痛い…!痛すぎる…!血が出てるじゃん…!何してんのほんと…!

 

「な、なにしてんだあいつ…!?」

「てか血があんなに…!」

「え……てかそういやあいつ"ヘイロー"は…?」

 

こんな俺を見て何やら不安げになっている不良たち。

ヘイロー…?ってのはよく分からんないが、血を見て少しばかり萎縮している。

まあ中々にドクドク流れ出ちゃってますからね!おでこからね!すんげえいてぇもん!誰か包帯持ってきてー!

 

「見ろこらぁ!」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」ビクッ

 

「血がいっぱい出たぞ!お前らの持ってるそれが俺に当たったらこんなもんじゃないぞ!俺の事殺しちゃうんだぞ!学生のお前らがそんな覚悟があんのか!」

 

「「「「「「ひ、ひぇ…!」」」」」」

 

「どうなんだ!やれんのか!やれないのか!どっちだ!?」

 

「「「「「「ご、ごめんなさいぃぃぃ!」」」」」」

 

踵を返し、走り去っていこうとする不良たち。

ま、まあ何とかなったか。これで平和だ。いやぁにしても頭が痛い。直ぐに治療を──

 

 

 

【敵が逃げたぞ!追え追え!威嚇するならとことんまでだ!】

【敵が逃げたぞ!銃を借りて逃げる背中に弾をぶち込んでやれ!】

 

 

 

──なんでだよッ!

 

いいじゃん!みんな逃げたからいいじゃん!変に首をさらに突っ込もうとしないでよ!

 

くそぅ…!戦意無きものに弾を打ち込む?そんな非人道的なこと俺ができるわけが無い。ならばどうするか。もう追うしかないじゃない…!

 

「待てこの野郎ッ!」

 

「「「「「「「ひぃぃぃぃぃぃ!!」」」」」」」

 

そこから始まった鬼ごっこ。

体力も身体能力もお化けな彼女らに追いつく事は出来る訳もなく、30分後には俺は疲れからか地面に横たわっていた。

 

やっぱりこの世界の人達ってサイヤ人なんじゃない?

俺は訝しんだ。




いつまでモチベが続くだろうなあ。
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