《幻想郷:博麗神社》
「今日もいい天気ね……」
博麗霊夢は、博麗神社の縁側でお茶を飲んでいる。
「で、例にならい相も変わらずね貴方……」
と、そのタイミングでやって来たのは茨木華扇。
「華扇?また来るなんて、アンタもアンタで暇なのかしら?」
「そんなんじゃないわよ。異世界の捜索に向かったって聞いたけど、どうだったの?」
以前、銀魂世界に向かってみていた霊夢に対し、華扇はそう聞く。
「どうって……まあ、あそこは紫や菫子とか曰くの外の世界より大分勝手が違ったわね。
まあ、その時は大分滅茶苦茶な事になってたけど、あそこは治安とかは良い方じゃ無さそうよ。」
「そうらしいけど、聞きたいのはそっちじゃないのよ。阿求の事よ阿求。
分かってるわよね?大分前から別世界の人達に振り回されて、色々あの子の近況が変わってきてるじゃない。」
「ああ、そう言えば。何か病弱設定どこ行ったのかってくらいに元気出てるわよねぇ」
「いや、まあそうなんだけど。設定とか言うんじゃないわよ生々しい……」
少し複雑そうに顔に手をつける華扇。続いてこう言い出す。
「前も言ったと思うけど、まだウルトラワールドと幻想郷のわだかまり自体が解消されたわけじゃないのよ?にもかかわらず、阿求や一部の妖怪、しかも寺子屋の白沢までもがあまり躊躇いなくウルトラワールドに行くようになっちゃって……
紫も、幻想郷が時空融合沙汰に巻き込まれてから、何があったのかまだちょっとピリピリしてるし、何より異世界との繋がりを持った故に、幻想郷のバランスにも乱れが生じている。それは貴方も気づいているはずよ。」
「まあ、それはそうなのだけれど。……前者に関しては、貴方に関しても変な噂を聞いてるのだけど?時々甘いものが何だって」
霊夢に指摘されそうになったのを咳払いで思いっきり誤魔化す華扇。
「第一、そんなにアレコレ言わなくても良いんじゃないのかしら?
そもそも、それを言うのなら、閻魔かられっきとした許可を得て、旧都に住み着いたって言う黒須羽兄妹はどうなのか?みたいになるわよ。」
その後すぐにそう指摘した霊夢に対し、華扇は何も言えない。
「結局のところ、無理に独断で問題に対処するのは愚策って事でしょう?だから維持張るなって話よ。何だかんだで阿求もルーミアも慧音も順応してるし。
確かに私も色々調べる必要はありそうだけど、アンタも紫も……と言うか紫が気にし過ぎなのよ。作者にあっさり打ち負かされたのが悔しいのか。まあどうだっていいけど。」
そう言いながらお茶を飲む霊夢。
「まあ、今は様子見るしかないんじゃないの?まあ何か起こる前に調べる必要はあるだろうけれどもね。」
そんな会話がありながらも、それはそうとして。
*****
《旧都》
「最近、空き家が改築されているだの何だのと聞いていましたが……」
古明地さとりは、最近開かれたとある店を見つめていた。その看板には、『喫茶キャノン・ド』と書かれている。
「あ、さとりさん!来てくれたんだね!!ささ、中に入って!お客様第1号だ!!」
ドアが開き、そこから出て来るは鈴夜。さとりの姿を見るや否や、嬉しそうにさとりの手を引っ張る。
*****
「いやぁ、何気ない街角に喫茶店。やってみたかったんだよねぇこれが。」
「そ、そうなんですか……(街角って言っても温泉宿の隣ですがここ……)」
そんなこんなで強制入店させられたさとり。ウキウキな鈴夜の姿を見て、とりあえずメニュー表を見てコーヒーを頼む。
数分後。
「おまたせ。コーヒー1杯です。」
そしてコーヒーが1杯、さとりの座るカウンター席のテーブルに。
「では……」
さとりがコーヒーを飲む。
「どう?頑張って練習して、良い豆も仕入れてみたんだけど。」
「……!!……!!お、美味しいです……!!」
とてもおいしかったらしく、目をキラキラさせるくらいの表情で鈴夜の方を見る。
「おおっ、まさかの超高評価!嬉しいねぇ。」
その反応を見て、鈴夜も結構嬉しそう。
「しかし、良い豆を仕入れたとは言ってもここまで美味しく出来るとは……」
「加減とかタイミングとか結構大事だからねぇ。これに関しては能力の方に一切頼らず自力でやってみたけど、結構才能ある方なのかなぁ。センリツも結構称賛してたし。」
「そうなんですか?……ところでそう言われるとセンリツさんは?」
「多分、何処かの世界で女の子追っかけてるんじゃない?アイツたまに行方眩ませる事まちまちだから。しかもどさくさにゴルドダッシュ連れて行ってるし……」
センリツがどこ行ったのかと聞いたら、ちょっと苦笑いした鈴夜であった。
「それにしても、鈴夜さんの事は分からないことが結構多いですね……以前のような特殊能力だったり、意外なところで才能が開花したり……」
「あー、それ言う?
実の所、俺自身も自分の今の身体の事が良く分からない事多いんだ。前に見せた氷関連の能力とか触手とか以外にも色々あるんだけど、こんなのもあってさ。」
鈴夜がそう言うと、右肩部分から何か生えて来る(正確には出てくると言うべきか)。それは、金庫のような形をしていた。
「これは……金庫?どういう生物の何のソレなんですか」
「何かどこかで見たような記憶も無くはないんだけど良く分からないな。用途も良く分かんないし、今の所使おうとも思わないし。
……作者は何か知ってるようだけどあんまり良いものとは言えなそうで。とりあえず『想定が正しければ、命に関わるかもしれないから取らない方が良いかも』だって。」
「そ、そんな重要そうなものなんですか?」
右肩の金庫の話を聞いたさとりは、ちょっと困惑した。
「ま、さっきも言ったけど今の所は別に使う予定も無いし。用途とか機能はいつかわかるよ。きっと。
……ささ、一旦この話はストップ!コーヒー冷めるから飲みなよ。」
「あっ、それもそうですね。」
そう言って、コーヒーを飲むさとり。
結局、右肩に付けられた金庫に関しては良く分からなかったのだが、これが大分後の物語で用途が判明することを、彼らはまだ知らない。
かれこれまた数十分後……
「あ、いらっしゃーい。」
しばらくした後、どんどん客が来店してきて、次に来たのは勇儀とパルスィだ。
「ん?鈴夜?……ああ、お前の店だったのか。って事は今日開いたんだなー。」
「どさくさに紛れて、温泉宿の隣に割とおしゃれな店を開いてるなんて妬ましいわ……」
「勇儀とパルスィだ。2人も来てくれるなんてねぇ。どっか空いてるところに座って座って。」
「じゃあ早速酒を1杯(by勇儀」
「ゴメンまだ対応してない(by鈴夜」
また数分後。
「何だかんだで結構居座って、ケーキなど色々と食べてしまいましたね。ごちそうさまでした。美味しかったです。」
食事を済ませたわけで、そろそろ地霊殿に戻ろうとするさとり。
「うん、こっちこそ付き合ってくれてありがと。」
鈴夜はさとりに手を振って、それを確認したさとりは喫茶店を後にした。
「やっぱり何か変わったよな、アイツ。」
「変わったわね。」
さとりのその姿を見た勇儀とパルスィは、そんなことを呟いていた。
「さーてと、引き続き営業を……ん?
……ちょーいちょいちょい何やってんのかな君ィ!!!」
その後すぐ、鈴夜は、何か妙な行動を取っていた人物を見つけすぐさま捕まえると――
*****
翌日。
「あ、いらっしゃい。」
「折角なので、また来てあげましたよ。
・・・ん?」
喫茶キャノン・ドにまた訪れたさとり。……なのだが、店内に誰か思いっきり見覚えのある人物がいるのを見つける。
「いらっしゃいませー!!……って、あっ」
その姿。薄黄色のリボンが付いた鴉羽色の帽子を被る、薄い緑の髪色の少女。そして、2本の管が伸びる目玉っぽい球体……というか『サードアイ』がある。
彼女は、どう考えてもというかさとりの妹『古明地こいし』だ。
「こ、こいし!?何か既視感がある見た目だと思ったら!!何でここに!?」
「ああ、それなんだけど。昨日さとりさんが帰った後に色々あって、彼女をタダ働きさせてるんだよ」
と説明する鈴夜。
「タダ働き!?いやどういう事でそうなってるのよ!」
「食い逃げ未遂。」
「こいし、あとでお姉ちゃん話があるんだけど」
「(○v○;;)(byこいし」
ただ働きと聞いてちょっと怒りそうになったさとりだったが、理由を知ると怒りの感情はこいしに向くのであった。
そんなこんなで、『喫茶キャノン・ド』絶賛営業中である。
次回、何故か『江戸の街のアリス』の方とかで登場しました方々の小話。
……いつか某特撮の次回予告風みたいにやってみようかなぁ