ウルトラワールドの交叉譚   作:おろさん

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ちょっと諸事情で停滞していましたが、久々に更新です。


出会いはいつも電撃の如く

《幻想郷の人里:鈴奈庵》

 

 

「すー……すー……」

 

 

 

 人里にある貸本屋『鈴奈庵』。その店番を行っている『本居小鈴』。現在は時間的に夜遅く。彼女はぐっすり眠っていたが……

 

 

「じじじじじ……」

 

 

『バチッ!バチィッ!!』と、店の方から何やら音が聞こえる。段々音が大きくなって来たのか、小鈴の目が覚めてしまった。

 

「何……?こんな夜遅くに……」

 

 

 

「じじ じ、じじ……」

 

 

 そこに、何かがいた。少なくとも人ではない。

 

 

「じじじ じじじじ!!」

 

 

 と、その何かが、周囲に電撃を放って来た。

 

 

 

「って、ひゃあっ!?な、何!?ってやめてお店が荒れるじゃない!!」

 

 

「じじじじじ!!」

 

 

 その様子を見て慌てる小鈴だが、その何かは気にせず電撃を放ち続ける。

 

 

「やめてったら本が燃えるから――って、うわっ!!?」

 

 

 と、小鈴は地面に落ちてた丸い物を踏んで、転倒。その拍子で頭を打って失神した。

 

 

「じじじじ――じじっ!!?」

 

 

 暴れていた何かの真上にも、落ちて来た何冊かの本が直撃。そして、小鈴が踏んだ丸い物体が、その何かにヒットし――

 

 

*****

 

 

翌日

 

 

《ウルトラワールド:スマブラ屋敷》

 

 

「ドリームボール?見てねぇが……」

 

 

 スマブラ屋敷にて。大地が訪れ、この場に居合わせていたピカチュウに何か、探し物をしている趣旨の話をする。……曰く、姉のナリトに(どこで得たのか)特別なモンスターボールの一種『ドリームボール』を渡され(というか押し付けられ)、途中で紛失してしまったらしい。

 

 

「スマブラ屋敷にも無いか……どこで落としたっかなぁ。となると、昨日言った場所ってなると後は……」

 

 

*****

 

 

《幻想郷:鈴奈庵》

 

 

「……あう?」

 

 

 朝になり、目が覚めた小鈴。

 

 

「あれ、何で私こんな場所で……ああそうだ、確か変な音がして、それで……

 

 

……ってぇ!!お店が偉い事になってる!!早く戻さなきゃ!!じゃないと何かややこしくなる!!」

 

 

 昨日の事で、店の本が大量に落下し散乱していて、小鈴は急いで本を元の場所に戻そうとする。

 

 

「あれ、これって……?」

 

 

 すると、何やらボールを見つける。多分、小鈴が踏んだ物と同じだろう。

 

 

「この見た目……そう言えば、異世界に住んでいるって言う大地さんが来た時に……って事は、あとで届けないと。」

 

 

 そう言いながら、ポケットにそのボールを入れた。

 

 

「あっ、鍵付ける留め具が壊れてる!?これ専門の人に頼むしかないかなぁ……」

 

 

 そして、壊れた扉を見て、ちょっと肩を落とす小鈴だった。

 

 

 それはそれとして、彼女はまだ気づいていない。そのボールに入っているのは……

 

 

 

*****

 

 

「アイツの忘れ物を届けたいのは分かったけど……」

 

 

 数分後。偶然にも鈴奈庵を訪れた阿求にウルトラワールドに行きたい趣旨の話をする。

 

 

「(訳:別に良くない?良い経験になるぞ)」

 

「悪いヤツは喰えば良い」

 

「面白いよ」

 

 

 前々回からついてきている幻想体3名(規制済み&罰鳥&レティシア)は小鈴の異世界への移動に肯定的な発言をしているがまあ部外者故に、阿求に「アンタ達は割り込むんじゃないわよ」と言われたものの。

 

「まあ確かに、どの道良いんじゃないの?そう言えばあんた、異世界の書物に興味持ってたし良い機会かしらね。」

 

 

 と、すぐにそう発言。何だかんだで阿求に送られて(阿求本人は用事があったため同伴せず)、小鈴はウルトラワールドに向かう事となった。

 

 

*****

 

 

《ウルトラワールド:バトリオシティ》

 

 

「これがウルトラワールド……外界のものと同じっぽい建物や人工物だけじゃなくて、本で読んだことのあるファンタジーも沢山あるわね。」

 

 数分もすれば到着。その風景を見て小鈴は興味津々。

 

 

「それにしても、コレもコレでどういう仕組みなのかしら。何か入ってるかな――」

 

 そのボールを見て、スイッチ部分に触れてみようとしたその時。

 

 

「危ないっ!!!」

 

 

 と、突然通行人の声が。すると突然、信号無視のトラックが大脱線。

 

 

「えっ!?」

 

『カチッ』

 

 

 驚いた拍子で、ボールのスイッチが押される。そして――

 

 

「じじ じじじ」

 

 

*****

 

 

《スマブラ屋敷》

 

 

「で、ボールのスイッチを押した結果、ソイツが入っていたわけか。」

 

「はい……」

 

 

 

「じじじ」

 

 そのドリームボールから出てきたのは、伝説のポケモン『レジエレキ』。

 

 あの後、出てきた瞬間に結構な電撃を放ち、トラックにソレを当てて横転させた(運転手は一応無事だが、ながらスマホしてたために連行はされた)。

 

 そして、電撃を見た大地が駆けつけ、小鈴はスマブラ屋敷に連れられ今に至る。

 

 

「あのボール、まさか鈴奈庵で落としてたなんてな……」

 

「とりあえず、これはお返しします。」

 

 小鈴がドリームボールを大地に返そうとしたが、

 

「いや、ポケモンが中に入った以上、返されても意味がない。」

 

 と断る。

 

「じじじ」

 

 

 

「それで……あのレジエレキというポケモンは何なんですか?どうして鈴奈庵に……」

 

 小鈴がそう聞いてみると、大地は両腕を組みながら少し難しい顔をした後、こう推測。

 

「コイツ伝説のポケモンだし色々と不透明だが……多分、どっかの密猟集団が捕まえてたのが逃げたんだろう。次元の穴に入った結果、たまたま人里の鈴奈庵に迷い込んだってところか……」

 

 

「じじじじじ」

 

 そんな話を気にせず、小鈴の周りを跳ねるレジエレキ。

 

 

「まあ、ソイツすんなりとお前に付き従ってるし、細かい事は別にいいだろ。」

 

 

「それでいいのなら……そうね、そうしよう。」

 

 ボールに入った時点で野生である以上、どの道気にする必要は無いだろうなので、大地にそう言われた小鈴は『どうせなら』という事で……

 

 

*****

 

《幻想郷:鈴奈庵》

 

 

「それで、そのままパートナーになったわけ?」

 

「うん。流石に親や里の人達には黙ってるけど。」

 

「じじじ」

 

 後日。何だかんだあって、レジエレキをゲットした小鈴。再び鈴奈庵にやって来た阿求に、案外健気に本の整理を手伝うレジエレキの姿を見せる。

 

 

「けど、不可抗力とは言えそんなあっさり引き受けちゃっていいの?どう考えても妖怪扱いされるし……」

 

 とはいえ、見た目の事もあるので少し鈍い顔をする阿求。対し小鈴は……

 

「阿求……

 

 

 

 

 

 

現在進行形で大層なものに憑かれてるあんたがそれ言う?」

 

 

「(訳:しつこく出てやるよ)(by規制済み」

 

「カッ、カッ、カッ(by罰鳥」←つついてる

 

「あなたもどう?(byレティシア」←ハートのギフト提供

 

 

「・・・言うんじゃないわよぉ!!」

 

 やんわりとマジレスされて半泣きされる阿求だった。

 

 

***

 

 数分後。

 

「じじじ じじ」

 

 

 レジエレキに、ポケモンの食べ物『ポケモンフーズ』を渡す小鈴。レジエレキは、受け取った後にがつがつ食べていく。

 

 

「あら、確かポケモンフーズだったかしら?」

 

「うん。ナリトさんって人に貰ってね。」

 

「え、ナリトさん?大地の姉じゃない随分と都合よくまあ……

 

 

……まあそれはそれとしてだけど……ポケモンと言えば、『ポケモンバトル』なんてものが世間ではあるって聞くわね。」

 

「ポケモンバトル?」

 

「ポケモン同士で戦わせて競う事ね。スポーツの一種に近いかしら?」

 

「へぇ、そんなものもあるのね。絆が試されるっていうやつ?……アンタの背後の奴等も出来るかしら?」

 

「いやポケモンじゃないから幻想体は」

 

 

 そんな感じの会話をする小鈴と阿求。すると……

 

 

 

「ドダイトス、すなあらしだ」

 

 

 突如、店内に砂嵐が。

 

 

「ひゃっ!?何、砂嵐、何で店の中で――」

 

 

 

「よぉよぉお嬢ちゃん達。随分と呑気に話しちゃってぇ。」

 

 

 何が何だかで慌てる小鈴。そのタイミングで、明らかに怪しい男が店内に。

 

 

「じ……!」

 

 その姿を見たレジエレキが、警戒している。

 

「この感じ、貴方まさか……!!」

 

 

 阿求は、その人物が誰なのか察する。そう、その男は俗に言う『ポケモンハンター』だ。

 

 

「察しが良いようだな。ああ、そうさ。その電気ポケモンを回収しに来たんだよ。……って言うわけで。おしゃべりはそこら辺にしてもらおう。やれ、ドダイトス!!まずは『ウッドハンマー』だ!!」

 

 

 ポケモンハンターのドダイトスが、技を放つと、大きな木槌が此方に振り下げられる。

 

 

***

 

 

「(訳:あぶっ、あっ、いや、あっぶな!!!)」

 

 

 鈴奈庵の外、及び人里。すぐさま規制済み達が、阿求達を避難させて攻撃を受けずに済んだようだ。だが、里内にも砂嵐が吹き荒れている。

 

 

「中々やるが、それだけだ!!ドダイトスゥ!!『じしん』で一掃しちまえ!!」

 

 

 すぐさま追って来るポケモンハンター。ドダイトスに指示を出して、また技を繰り出そうとする。

 

 

「じじじっ!!!」

 

 

 それを見て、そうはさせまいというようにレジエレキが『10まんボルト』を放つ。だが……

 

 

「どうした?」

 

 

 ポケモンハンターはニヤニヤしている。ドダイトスに攻撃が全く効いていないのだ。

 

 

「あれっ、全然効いてない!?」

 

 

 

「馬鹿め!じめんタイプに電気技が効くわけないだろう!!さぁ!!これで終いだ!!」

 

 

 慌てる小鈴を他所に、ポケモンハンターは今度こそ『じしん』を放たせようとする。

 

 

「『待った』だぜええええええええええええええ?」

 

 

「ん?どおおっ!!?」

 

 

 突然、横方向から機関車のような何かが突っ込んで来る。ドダイトスにギリギリ当たらない距離でだ。

 

 

「だ、誰だ!!妙ちくりんな方法で邪魔しやがって!!」

 

 

 そうポケモンハンターが言ったタイミングで、その物体の上から誰か飛び降りて来る。そしたら、その物体が、その誰かが持つ本の中に入り込む。

 

 

「誰って、通りすがりのお姉さんだけど?」

 

 

 降りてきた人物は、ナリトだ。

 

 

「な、ナリトさん!?」

 

 

「やあやあ、数日ぶりだね小鈴ちゃん。……よっと」

 

 ナリトは、小鈴の方に球体を投げる。それを小鈴は見事キャッチしたが、その物体は何だか水晶のようなものだった。

 

 

「これは……?」

 

 

「『テラスタルオーブ』さ。どうやらこの世界でも使えるから使ってみて!」

 

 

「え、あの、使うって具体的にどうやって!?」

 

 

 ナリトにとりあえず使ってみてと言われたが、どうしろというのか分からない小鈴。

 

 

「貴様ぁ!!!余計な邪魔をするな!!ドダイトス、『タネマシンガン』撃て!!」

 

 しびれを切らしたポケモンハンターは、ドダイトスに指示してタネマシンガンを放とうとする。

 

 

「おっと、そうは行かないよ。出番だよ『ハギーワギー』!!」

 

 対しナリトが、本の中からまた何かを召喚。少し独特な外見の大きな人形が、タネマシンガンを弾いた。

 

 

「小鈴……これ、確か使い方は――」

 

 一方、阿求が小鈴に、テラスタルオーブの使い方を教える。大地も持っているようで、使用してるのを見た事があったらしい。

 

「え、ああ、そう言う使い方?……私……やってみる!」

 

 使い方を聞いた後、小鈴は覚悟を決めるように、テラスタルオーブを掲げる。

 

「じじじ……!!」

 

「行くよ……レジエレキ!!!『テラスタル』っ!!」

 

 すると、オーブが輝く。そして、それをレジエレキの元に投げた。

 

 そうすることで、レジエレキが結晶に包まれる。……レジエレキの頭部には、氷の結晶に扮した結晶が付いていた。これが『テラスタル』。ポケモンに、別のタイプを与える事も出来る力だ。

 

 

「こおりテラスタルだと!?馬鹿な、調べた時のテラスタイプはでんきタイプだったはず……」

 

 

 レジエレキのこおりテラスタルを見て、動揺するポケモンハンター。

 

 

「フフ、驚いてる驚いてる……」

 

 

 その様子を見て、ニヤニヤするナリト。どうやら、渡したポケモンフーズに、テラスタイプを変える『テラピース』を混ぜていたらしい。

 

 

「派手に決めるよ!!『テラバースト』!!!」

 

「じじじじっ!!」

 

 早速、小鈴がレジエレキに指示。こおりタイプのテラバーストが、ドダイトスに命中する。

 

 

「グアッ……!!」

 

 

 4倍弱点により、くさ・じめんタイプのドダイトスは一発で倒された。

 

 

「お、俺のドダイトスが……ええい!!ならばアーマーガァ!!やっちまえ!!」

 

 

 ポケモンハンターは、はがねタイプのアーマーガァで弱点を突こうとする。

 

 

「明確に弱点を突こうとしてきたようね……ん?」

 

 阿求は警戒を怠らないようにしていたが、そう言えばとこう口にする。

 

「アーマーガァってひこうタイプ(でんきタイプが弱点)だったような……」

 

 

「あっ」

 

 

 それを聞いて、思い出したかのように硬直。

 

 

「じじじ……」

 

「……うん、何考えてるかわかるよ。」

 

 レジエレキが何をするつもりか、小鈴は察して、ポケモンハンターに迫る。

 

 

「え、あの、何で笑顔で近づいて……」

 

 

「トドメの……『10まんボルト』ォォォォォォ!!」

 

「じじじー!!!」

 

 

「えっ、ちょっ、何で俺の方に待てちょっと待ってあびゃああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 そのまま、電撃でアーマーガァもろともポケモンハンターは倒されたのだった。

 

 

 

「いいね、小鈴ちゃんとレジエレキ。とっても面白いよ。」

 

 その様子を見て、ナリトは笑っていた。

 

 

***

 

 

 その後、ポケモンハンターはタイムパトロールに連行されていった。事情を阿求に聞き、大地が駆けつけて来た。

 

 

 

「他の里の人間には記憶操作をしておくが……まあ、大変だったな、お前ら。」

 

 

「いえいえ、何とかなったので結果オーライです!」

 

「じじ」

 

 

「(……何だかんだ心配だったけど……良いコンビかもね。)

 

ナリトさんもありがとうございました。お陰で……って、あれ?」

 

 

 阿求が振り向くと、ナリトの姿は、いつの間にかなかった。

 

 

「い、いつの間に帰って行ったのあの人……」

 

 

「多分またどこかで会うと思うけど?」

 

「確かに」

 

「(訳:罰鳥が喋ったよ)」

 

 

「アンタ達は早く帰ってアブノーマリティ一行……」

 

 

 

 

「ポケモンバトルかぁ……経緯はともかくちょっと楽しかったし、もっとやってみたいかも!」

 

 少しして、レジエレキとさっきのバトル関連の会話をする小鈴。

 

「じじじ!」

 

「レジエレキもそう思う?……そう来なくっちゃ!」

 

 

 

 そんな感じで、1人のポケモントレーナーが、今ここに誕生したようです。

 

 

 

*****

 

 

また数日後。

 

 

 

 

《スマブラ屋敷》

 

 

 この日。これまた変わったナリの、青い髪の少女が此処に訪れていた。

 

 

 

「……スマブラ屋敷……ここには強者もかなりいると聞く……

 

 

 

……だが、今の私の目当ては『祷大地』……噂に聞く男が、どれ程なのか楽しみだ……

 

 

 

 

 

 

 

ええっと、まずは呼び出さなければならないが……確かこのインターホンとやらを押せばいいんだったな……あれ、鳴らないな。……ん?待て、よく見たらこもう少し下にボタンがあるな。多分これか……」




次回、『人間の弟子にされた天人』。また新規登場キャラですね(他人事)。
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