ウルトラワールドの交叉譚   作:おろさん

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お久しぶりです。盛大に停滞した結果、色々閃いて予定変更とことんやっている人が私ですハイ。とりあえずホントスイマセン()


前回は大地の過去がちょっと明かされ、今回は如何にして異世界と関わるようになったか、そのきっかけが語られる感じです。


出会いとは、月夜を跳ねるうさぎのごとく? 02

 数時間後。ポップンワールドにある技術で、その『ラビットハウス』及び『木組みの街』がある世界へ辿り着く。

 

 

「へぇ、中々洒落てんな。」

 

 

 木組みの街。多くの喫茶店が立ち並ぶ、ヨーロッパやフランスのような洋風の街並み。大地が辺りを見渡してみれば、そう言った風景が視界に映る。

 

 

「で、ラビットハウスは確かこの辺りで――」

 

「・・・。」

 

 

 大地は、(ほんのりと無理に)笑顔を浮かべながらうたの方に視線を向けたが、肝心のうたは、暗い感じの表情を変えずに突っ立っている。

 

 

「ん、んあ、あー、まあとりあえず行くぞ?いや、ホントに行くぞうた。姉ちゃん待たせるわけにも行かないし」

 

 

 と、大地はそう言いながらうたを引っ張りつつラビットハウスへ。

 

 

 

「一応、来てくれたか。」

 

 

 通り過ぎた位置にいた、青パーカーの青年に気づかないまま。

 

 

 

***

 

 

「道順に手間取ったが何とか着いたか……」

 

 

 そんなこんなで数分経ち、ウサギとコーヒーカップを象った看板のある喫茶店……及び、『ラビットハウス』に問題なく辿り着いた。

 

 

 

「いらっしゃいませー!」

 

 

 大地はラビットハウスの扉を開けて入り、そして早速元気の良い声が聞こえてくる。高校生くらい(うたと同い年辺り)の少女。ここの従業員のようだ。

 

 

 そして店内を見てみると、同じく従業員と思しき少女2人。そしてその内の1人(コーヒー作ってる方)の頭に乗っかるアンゴラウサギが1匹。

 

 

「2名で。」

 

 

 大地はそう言った後、ココアに案内された席へ。(『改めて見るとそこそこ様変わりしてるんだな』と思いつつ)うたと反対側の席に座る。

 

 

 とりあえず適当に何か頼み、後は呼び出した張本人である姉ナリトを待つだけだったが――

 

 

――数分後

 

 

「・・・。」

 

 無言の大地。

 

「・・・。」

 

 無言のうた。

 

 

 

――数十分後

 

 

「・・・。」

 

 無言の大地。

 

「・・・。」

 

 無言のうた。

 

 

――約1時間後

 

 

「な、なあ、うた――」

 

 

「・・・。」

 

 

 声をかけようとした大地だが、イヤホンをして音楽を聴いていて無反応のうた。

 

 

―――約1時間+数十分後

 

 

「(気 ま ず いッッッ!!!)」

 

 

 結構な時間が経ったが、これでもかと言うほど娘との会話が成り立たない(というか静寂が続いていた)ことに対し、盛大に冷や汗をかきながら頭を抱える大地。

 

 

「(アカン……久々に遠出すればワンチャン行けるかななんて考えてた俺の見通しが甘かったわ普ッ通に……いや、ここまで娘と会話すら出来ないのはヤバいって!!職場先(346)の人達とは普通に話せて娘と会話しようとするとこの始末って何!!?)」

 

 

 すっごい表情をしながら頭を抱える大地。それを一定の秒間で見るも無言のままのうた。

 

 

「(うう……有亜が死んでからと言うもの、うたと会話する事が盛大に少なくなってはいたが……知らぬ間に距離が離れまくってるって事だよなぁコレ……

 

……つーか、姉ちゃんは姉ちゃんで遅くねぇかこれ、約束の時間とっくに過ぎて――)」

 

 

「あ、あのー……」

 

 

 この様子になるまで気を使ってくれていたらしいラビットハウスの従業員たちだが、そこでその内の1人の、赤めブロンド髪の少女が大地に声をかける。

 

「んあ?」

 

 

「人を待ってるって話でしたけど、それってお客さんと同じ髪色の、メガネかけてた人で合ってますか?」

 

 

「え?……え、それって一人称が『ボク』だったりしないか?」

 

 

 それを聞いて、もしやと聞く大地。

 

 

「ああー……やっぱりそうなんだ。」

 

 

 対し、従業員はこくりと頷き、後ろの従業員2人にそう言う。その後、大地に対してこう言った。

 

 

「実はその人、3時間くらい前にうちに来てたんです。……それで、『弟を待ってる』って聞いてたんですけど、ちょっとしたら店を出てっちゃって……弟を待ってるんじゃないかって聞いたら『わざとだから☆』って。」

 

 

「(・ー・)」

 

 

 それを聞いて、大地は固まる。……その瞬間、大地の忘れていた記憶がかなり呼び覚まされる。

 

 

 

 

 

 向こうから約束を取り付けておいて、待ち合わせ場所に来てみれば堂々とすっぽかすような人。それが『祷ナリト』だったと。

 

 

 

「・・・。

 

 

 

あんの馬鹿姉エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!」

 

 

 理解した大地は、(頼んだドリンクとスイーツ代(お釣り込み)を置いた後に)ラビットハウスを出て全速力でナリトを探しに行ったのだった。

 

 

「や、やっぱりあの人が、さっきの女の人の弟だったんだな……」

 

 後ろの方にいた紫ツインテの従業員少女が、今の大地の全速力などに対し目を丸くしつつそう呟く。

 

 

 

「はぁ……」

 

 

 と。うたはそれに対してため息を呟きながら、アイスココアを飲んでいる。

 

 

「あの、いいんですか?」

 

「ん?」

 

 

 すると、同じく後ろにいた淡い青色長髪の従業員少女がうたに声をかける。

 

「あの人、貴方の父……なんですよね?大分気にかけている様子でしたが。」

 

「……ああ、いいよ。あの感じ見るとちょっと無理してるみたいだったし。……お母さんが死んでから、長い事まともな会話出来てなかったとはいえだけど。」

 

「母を、ですか……」

 

 それを聞いた青髪の従業員少女は少し複雑そうな表情を浮かべる。その様子を見て、恐らくこの子も母を失っているのだろうと察しつつ、

 

「5年くらい前につまらない事故でね。……お互い、立ち直るのに長い時間かかっちゃったせいで、溝?ってものが出来てあの始末って事。」

 

 うたはそう言って、頬杖をつく。

 

「とは言え、お父さんはお父さんだよ。昨年転職して就いたって言う仕事が充実してるらしいんだから、別に私の事を気にかけなくてもいいのに。」

 

 

「そうもいかんじゃろ。親って言うのはそういうもんじゃ」

 

 

「ん?」

 

 

 すると、急にアンゴラウサギからおじいさんのような声が聞こえた気がして振り向いたうたたが、青髪の従業員少女に「腹話術です」とごまかされた。疑問は残りつつもそうする事にした。

 

 

「けど、確かにそうじゃないかな?一回でも話した方がい良いよ。そうしたらちょっとはスッキリするよ!」

 

 

 と、赤めブロンド髪の従業員少女が。

 

 

 それを聞いて、うたは少し黙った後に立ち上がる。

 

 

「まあ、それもそうかもしれないのかな。確かに、さっきの時も流石に何か話くらいはって思ってはいたのはそうだったし。

 

 

……仕方ないし、とりあえずお父さん探しに行く。」

 

 

 と言って、大地が置いて行ったお金を払ってそのままラビットハウスを後にした。

 

 

「ありがとうございましたー!……って、あれ?」

 

 

 すると、赤めブロンド髪の従業員少女が、テーブルの下に何か転がっているのを見つける。

 

 

「どうしたんですか、ココアさん?」

 

「これ。」

 

 

 赤めブロンド髪の従業員少女……及び『保登心愛』がテーブル下にある物体を拾う。それは、半分が赤で半分が白と言うカラーリングの球体だ。

 

 

「これは……ええと、なんだこれ」

 

 

 普通にこれが何なのかは分からないので紫ツインテの少女及び『天々座理世』は首を傾げる。

 

 

「もしかして、あの子のお父さんが全速力で走った時に落としたのかな?だったら届けに行かなきゃ!」

 

 

 ココアがそう推測して、ラビットハウスを出る。

 

 

「こ、ココアさん!?どこ行ったか分からないんですからまず戻って来るのを待った方が――」

 

 

 青髪の従業員少女及び『香風智乃』がココアを止めようとする。……のだが、ココアはラビットハウスの入り口で立ち止まっていた。

 

 

「こ、ココアさん?」

 

 チノは何がどうしたのかと首を傾げたが、ココアは、『所々にコンクリート状の建物が見える』木組みの街を見渡し、口を開く。

 

「ねえ、チノちゃん……

 

 

 

この街って、あんな感じだったっけ?」

 

「え、どういう事ですか?いつもとそこまで変わらない――」

 

 チノもまた、周囲を見てみる。

 

「・・・あれ?」

 

 

 そして、また首を傾げた。

 

 

 

***

 

 

 

「うーん……そう言う人は見かけてませんね。」

 

 

 木組みの街を探し回る大地。『甘兎庵』と言う店に辿り着き、そこの看板娘の『宇治松千夜』にナリトがいるか聞いてみたが知らないようだ。

 

 

「そうか……すまない。」

 

 

 それを聞いて大地はすぐにこの場を去ろうとする。

 

 

「あっ」

 

 

 と、千夜が声を出す。すると。

 

 

 

「おうっと!?」

 

 

「ふぎゅっ!!?」

 

 

 大地は若干よそ見をしていたせいで誰かにぶつかって転倒。

 

 

「っててて……わ、悪い、大丈夫か……」

 

 

 と目を開けてみたが誰もいない。

 

 

「下だ下!」

 

 

「え?あ、そうか。すまねぇ……」

 

 

 と、視線を少し下に向けると、金髪ツインテの小柄な少女がいた。

 

 

「まったく……」

 

 

 互いに立ち上がり、砂埃を払う。

 

 

 

「あらあら大丈夫?迷子かしら……?」

 

 

「って、子ども扱いするな!というか誰が迷子だ!ただ思ったよりも道が入り組んでいて行先に辿り着くのに時間かかってるだけだ!!」

 

 

「じゃあ迷子じゃねぇか(by大地」

 

 

 千夜が少女の方に近づくと、少女は意地を張っているのか、(それによく見るとほんのりと涙を流してるし)そんな事を言っている。それに対し大地は続けて、

 

 

「それはそうと君、見た感じ観光客ってわけじゃなさそうだが。……あ、もしやあれか、視察?」

 

 

 と聞いてみる。

 

 

「視察?何のだ。私はただワタルのレンタルビデオ店に――」

 

 

「ナギお嬢様ー!!」

 

 

 少女の方が首を傾げていると、少女の後ろの方から声が。そこにやって来たのは、黒い執事服を着た水色っぽい髪色の青年だ。

 

 

「ハヤテ!」

 

 

『ナギお嬢様』と呼ばれた少女は、ほんのりと出ていた涙を拭って、青年の元へ駆け寄る。

 

 

 

「(どっかの金持ちの子だったのか……)(by大地」

 

「(初めて見たかも執事って)(by千夜」

 

 

 

「よ、ようやく見つけましたよ……割と珍しい事に一緒にワタルくんのレンタルビデオ店に行こうと言われたと思えば急激に逸れてしまったのですから……;」

 

「ま、まあそこのところは……というか、こんなに入り組んだ場所にあるところだったか?アイツの店……」

 

 

 執事の青年と、金髪の少女が合流(甘兎庵で)。

 

 

「早々に悪いがちょっと良いか。」

 

 

 と、そこで大地が2人に話しかける。

 

 

「あれ、ああ、何ですか?」

 

 

 それに対して執事の青年が。

 

 

「ちょっと人を探してるんだが、こんな感じの顔のやつ」

 

 

 聞いてくれるのを確認し、大地は写真(ただし約30年以上前の)を見せる。

 

 

「ええと……ええと、相当昔の写真みたいですが……」

 

「良いんだよ。どーせ姉ちゃん、トンデモ奇々怪々な何かで若さ保ったりしてるだろうし」

 

「(何でさりげなくふわっとしてるようなスケールの大きいような事言ってるんですかこの人……)」

 

 

 大地がしれっと凄い事言っているのに執事の青年が困惑していると、

 

 

「ん?ちょっとよく見せてくれないか」

 

 

 金髪の少女が写真をよく見る。

 

 

「ん?……む、見たことあるぞ。それもさっき。」

 

 

「え、マジか、どこでだ?」

 

 

 見たことあるという事で、何処で見たのかと聞く大地。

 

 

「さっき見かけた、あっちにあるハーブティーのと思しき店だが。ラパンとかそんな名前の。」

 

 

「ラパン?……とりあえずあっちの方向か。ありがとな!」

 

 

 金髪の少女が指さした方向に、大地は走っていった。

 

 

 

「い、行っちゃいましたね……」

 

「何か色んな意味で妙な感じだったが……」

 

 

 執事の青年『綾崎ハヤテ』と、金髪の少女『三千院ナギ』は、その姿を見て少し困惑気味だった。

 

 

「ねえ、折角ならうちで何か食べて言ってみないかしら?」

 

 

 と、そのタイミングで唐突に千夜が2人にそう提案。

 

 

「い、いきなりだな……悪いが、一応私は元々予定があって――」

 

 

 ナギは断ろうとした時、『ぐぅ』とナギの腹が鳴る。そしてほんのりと赤面。

 

 

「・・・何か、食べて行きましょうか。」

 

「・・・そうだな」

 

 

 ハヤテの言葉に、そう頷いた。

 

 

 

「しかし、東京にこんな店があったなんて初めて知ったな……」

 

 

 と、そう言葉を口にした時。

 

 

「・・・東京?……街の事を言ってるなら、この街は東京って名前じゃないわよ?」

 

 

 千夜がそう言った。

 

 

「え?」

 

「東京じゃない……?……ん?」

 

 

 2人は首を傾げる。そしてハヤテは……

 

 

「そう言えばナギお嬢様……僕たち、いつからこう言う喫茶店が多い街にいるんでしたっけ?」

 

 

 

***

 

 

 一方、甘兎庵内にて

 

 

「ん……鈴にぃ、分かる?外にいる3人の『気』みたいなのが段々変化している感じが。」

 

「うん、俺にも何となくわかるよ。」

 

 

 片方は何か背中から黒い腕のようなものが生えているように見えるメガネ少女、もう片方は猫耳と尻尾が生えているように見える女装青年。そんな黄色い髪色の2人組が、甘兎庵のスイーツを食べながらそんな事を話している。

 

 

「作者の言う通りなんだね。異世界の人達と関わる事で、『ナラティブ』っていう思念エネルギーが強い人ほど今回みたいな認識改変とやらが効きづらくなる……後は、俺たち含めて皆ここからどうするかだけど。」

 

 

 と、そう言う女装青年。

 

 

「そろそろ異変の元凶またはその関係者が動いてもおかしくない頃だし、あまり気を抜いてられないかな。」

 

 

 メガネ少女の言葉に、女装青年は頷いている。 

 

 

「確かになぁ。俺達にとって初めての異世界関係のミッション……緊張するというかなんというか。

 

・・・まあとりあえず、そろそろ良いタイミングでピカチュウさん達と合流しよう。」

 

「ま、そうだねぇ。可愛い女の子の姿を沢山目に焼き付けられたわけだし☆」

 

「センリツお前絶対やってると思った()」

 

 

 

 

 

 

 

 

 様々な場所で、それぞれ動く者達、または異変に気付いて行く者達が増えていく。そして……

 

 

 

「んー……とうとうウルトラワールドの関係者達が段々この世界に現れているようだね……」

 

 

 街の何処かの建物の上で。ピエロのような風貌の男が、街の様子を眺めている。

 

 

「仕方がない、本当ならもうちょっと準備が必要だったけど、そろそろ本格的に始めないとね。

 

 

……そう言うわけだから、君も頼むよ。少なくとも前払いした報酬分はキッチリ働いてもらうから。」

 

 

 と、ピエロのような男は、後ろにいる人物にそう話しかける。

 

 

 その人物は、緑色のブレザーとスカートを着た、アンテナ付きの長い黒髪、右目が黒眼帯の赤目の少女のような姿をしている。

 

「・・・承知しました。」

 

 

 眼帯の少女は、手入れをしていた刀を鞘に納めながら、そう言った。

 

 

 

 

 

 




一旦区切りがいいのでここで区切ります。まだ割と続きます。

ちなみに過去編終えた後の話のほとんどがリメイク前と大分乖離していくのでお楽しみに(と言えばええかわからんが())
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