ウルトラワールドの交叉譚   作:おろさん

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また盛大に停滞してました(お陰でまた色々思いついたハイ)


前回、姉『祷ナリト』を探しに行った大地。そしてそれを追う娘のうた。

そして、次第に自分たちの棲む場所に違和感を覚え始める者達も出たり、何か探ってたり暗躍してたりする者達が現れたり。ここからどうなるのか。


出会いとは、月夜を跳ねるうさぎのごとく? 03

 その頃。

 

 

 

「・・・。」

 

 

 大地を探そうとラビットハウスを出たうた。

 

 

「読み違えた……」

 

 

 ただでさえ道が入り組んでいる街である故にシンプルに迷ったらしく、頭を抱えるうた。現在いる場所は、『フルール・ド・ラパン』と言うハーブティーの店のようだ。

 

 

「(仕方ないし、来た道を戻ろ――)」

 

 

「腐☆腐」

 

 

「?」

 

 

 とりあえず道を戻ろうとしたようだが、その時。妙な声が聞こえたので振り向く。その姿は、恐らく褐色肌のおっさんのようだ。

 

 

「お待ちしておりましたぞ、祷大地のせがれ。」

 

 

「・・・。」

 

 

「待て待て待てぇ!!!?」

 

 

 その男を思いっきりスルーして来た道を戻ろうとするうた。男はせめて話を聞いてほしいのだろうか全力で止める。

 

 

「・・・。」

 

 

 うたはそれを流れるように避ける。

 

 

「おおおおおお待ちください!!!お前、話に聞く祷大地のせがれだろォ!!?」

 

 

「・・・。

 

 

 

……お父さんの知り合い?」

 

 

「エ”エ”!!?」

 

 

 自身の父親の名前を聞いて(さっきも言ってはいたが)、その男の元にムーンウォークのノリで戻るうた。

 

 

「ま、まあいい、確かに私は、わけあってお前の父親の仲間のようなものである『パラガス』でございます。」

 

「・・・パラグアイ?」

 

「サイヤ人の『パラガス』でございます。ちなみにサイヤ人はサイヤ人でも本編も映画も何もかも関係ございません。」

 

「?」

 

「さ、詳しい話はあちらで。……あれ?」

 

 

『パラガス』と名乗った男はラパンの方で話をしようと言って来るが、そう言えばとこう言い出す。

 

 

「そう言えば祷大地のせがれよ、肝心の祷大地はどうしたというのだね?」

 

 

「向こうから約束取り付けてわざとすっぽかした姉を探しに行ったけど?……あと、私は『うた』だから。」

 

 

「エ”エ”!?」

 

 と、ナリトを探しに行ったと聞くと驚くパラガス。

 

「い、一応聞くがその姉は『ナリト』と言う名前かね?」

 

「そうだけど」

 

「あ、ああ……アイツ一体どういう手順で彼をこの世界に来させたというのかね……」

 

「そのナリトさんの事も知ってるの?」

 

 

 困惑しているパラガスだったが、あまり気にせずうたがそう聞く。

 

 

「もちろんでございます。3年くらい前から、ウルトラワールドの方で面識があるというわけダァ!」

 

「ウルトラワールド……それって、お母さんの……」

 

「……ああ、そう言えばそうか。」

 

 

 パラガスが色々察してそう言う。ちょっと複雑な心境になるうただったが、引き続き事情を聞きだす。

 

 

「それで?そもそもこれどういう目的で私やお父さんを此処に呼び込んだっていうの?」

 

「それに関して、パパッとお前達親子に事情を説明するつもりでございました。可能なら協力して貰おうとも思っていた。

 

だがそう言う事になるとその計画は何もかもお終い……と言うわけでは無いが。最も、そんな単純に物事を進められるとは思ってはなかったんだがな。」

 

「協力って何のこと?……何か変な事起きてるの?」

 

「え?ま、まあ確かにそうだが……言った俺も俺だが、てっきり有亜の件で大分落ち込んでると思ってましたぞ。何しろ、お前達親子は有亜が死んだ瞬間を目の当たりにしたらしいからな……」

 

 

 また困惑気味なパラガス。うたは、ちょっと顔を下に向けたが、すぐにパラガスの方を見る。

 

 

「……それは、その事が悲しいかと言えばまあ、そうだけどさ。流石にそこまで塞ぎ込むまで単純じゃないわよ私達だって。

 

まあ、お父さんもお父さんなりにちょっとは立ち直ってはいるけど、協力とか言うならどの道今のお父さんじゃ厳しいんじゃない?あの時から今になるまで、異世界の事に極力触れないようにしてたから……」

 

「そ、そうか……だが、まずは大地を見つけない事には越したことは無い。少々お待ちください!」

 

 

 と、パラガスは(変な動き方で)ラパンの方に入っていく。どうやら仲間が店内にいるようだ。

 

 

「・・・ん。」

 

 

 一方のうたは、何かを感じ取る。パラガスに待ってとは言われたがソレを気にせず、すぐさまその方向……来た道を戻りそこに向かって行った。

 

 

 

「腐☆腐、では、参りま……あれ?」

 

 

 5分も経たずに店からまた出てきたパラガスだったが、うたがいないことにすぐ気づく。

 

 

「親父ィ……話が違うじゃないか!!」

 

「そのような事があろうはずがございません!確かに、祷大地のせがれにお待ちくださいと言ったハズです!!」

 

 

 パラガスよりガタイの良さそうな男に迫られ、何か焦るパラガス。

 

 

「ま、まさか、祷大地の気を感じてその方向に向かって行ったというのか……!」

 

「確かに、あの方向にそれっぽい気配を感じるYO」

 

「こ、こうなったら!ブロリー!俺達も祷大地と祷大地のせがれを探すしかない!ない!ない!この店に待機させてる奴等とは、後でまた合流するんだァ!!」

 

「イェイ!!」

 

 

 とんとん拍子でそんな会話が進み、パラガスと、『ブロリー』と言う大分筋肉質の男は、うたが走っていった方向に向かって行った。

 

 

***

 

 一方、フルール・ド・ラパン内にて。

 

 

「(な、何か大分変わった人達がやっとどこかに行ったけど……)」

 

 

 ラパンでアルバイトをしてる少女『切間紗路』。色々大変だったのだろうか、パラガスとブロリーがどこかに行った事に対してちょっぴり安心感を覚えてるっぽいと同時に、窓から離れたテーブルに視線を向ける。

 

 

「・・・なあ、この場に俺達が残って大丈夫だったのか?いくら『認識操作』とかで、大体の奴等に俺達の姿を人間と同じに見えるようにしてもらってるとはいえだぞ。」

 

「いいんじゃない?そもそもロボットやニットたちと合流するために待ってたのもあるし。」

 

 

 シャロの視界には、黄色い電気ネズミと、ピンク色の球体生物が会話しているのが見える。ピンク色球体の方は、ハーブクッキーやスコーンをどんどん頼んで頬張り続けている。

 

「(何か街の風景にも凄い違和感を覚えて来たし、なにがどうなってるのよー!?)」

 

 そして結構困惑してる。

 

 

 

「いや、そうだけどそっちの事言ってるわけじゃねーよ。つか、俺達をさっきからじっと見てるやつだよな?強力な『ナラティブ』を持ってるやつの内1人って。この世界に介入してからアイツも段々気づき始めてきてないか?

 

……って色々言いたいところだが、この感じじゃあどっちにしろ追々事情話すべきだったからなぁ。頃合いを見て説明するか。」

 

 

 電気ネズミの方がそう言っていると。

 

 

「あ、いらっしゃいま――おおおわひゃああああっ!!?」

 

 

 店のドアが開く音が。シャロが出迎えの言葉を言おうとしたのだが。

 

 

「貴様が切間紗路ですか。」

 

 

 突如店にやって来た何者が、取り出した銃で銃声を上部に響かせる。シャロをはじめ、店内や周囲にいた者達がかなり驚く。

 

 

「……!!」

 

 電気ネズミとピンク色球体の2名は、その何者かの方に視線を向けた。

 

 

*****

 

 

 一方、ハーブティーの店にナリトがいると聞いて走っていった大地は。

 

 

「で、ハーブティーの店よな?よく考えてみればここは喫茶店だらけの街……ハーブティーの店って道中にそこそこあるなオイ。名前は分かってはいるんだがそれだけだもんな……」

 

 

 具体的にどういう店かまでは言っても聞いてもなかったので、何気に道に迷う事になっていた。

 

 

「あの子供の言う通りの方向に行ってみたはいいが、何だ?段々街の風景も随分妙な事になってきた気がするんだよな……急に東京チックな風景になって来た感じが――」

 

「お父さん」

 

「l、kmじふgれd!!?」

 

 

 考え事及び独り言をブツブツ喋っていた途中で、声をかけられる。大地はそれに驚いたのだろうか、何故か明らかに人間が発するようなやつじゃない砂嵐みたいな音を立てながら一瞬だけ硬直。そしてすぐ戻る。

 

 

「・・・って、あ、うた、か……いつの間に背後に……」

 

「ついさっき目の前にお父さんを見つけたと思ったら、全く気付いてなかったし……」

 

「あ、そういう……って、ってか、もしかして俺が歩いてた方向から来たのか?あの方向にある、ラパンって言う名前のハーブティーの店に姉ちゃんがいるって聞いたんだが」

 

「それっぽい人は一切いなかったけど」

 

「まあだよな……」

 

 

 ナリトがラパンにいなかった(もしくは、いたとしてもおそらく既にいなかった)事を聞いて、大地はため息を吐く。

 

 

「・・・。」

 

 

 そして、うたの方を見ようとするが、気まずく感じて視線を逸らす。

 

 

「あー、その、何だろ……」

 

 

 そんな姿を見て、うたは大地の服の袖をつかむ。

 

 

「ちょっと来て。」

 

「え、ああ……そうか……」

 

 

 

 

 

 

 

 落ち着く場所で話そうということで、偶然ながら結構近くにあった広場のベンチに座る2人。

 

 

 

「・・・。」

 

 

 広場には、ウサギなどの生き物が元気に走り回っている。大地は、近づいて来た何匹かのウサギたちの顎を撫でながらちょっとだけ微笑む。

 

 

「前々から思ってたけど、動物とか、それっぽい感じの雰囲気のとか割と好きだよね、お父さんって。」

 

 

 と、うたが話しかけてきた。

 

 

「えっ?……言われてみりゃぁ、まぁ、そうかもな……」

 

 

 対し、何か思い返しているようでそう呟く。

 

 

「そう言えばお父さん、『ポケモン』っていうの持ってるんだっけ?」

 

「あ……ああ。有亜にポケモン関係の世界に何度か連れてかれたことあってな、そんで……あれっ」

 

 大地は、うたの発言と大体同タイミングで、ポケットの中から紅白のものを含んだ球体、及び『モンスターボール』を取り出す。6つあったはずなのだが1つ足りない。

 

 

「おかしいな……『ドドゲザン』のモンスターボールどこ行ったんだ?」

 

「足りないの?……そう言えば、ラビットハウスから全力で走って出た時に落としたんじゃない?」

 

「うえ、マジか?地味にあり得るな……ハァ……」

 

 

 と、モンスターボールをラビットハウスで落とした事に何となく気づき、ため息をつく大地。

 

 

「仕方ない、後で戻って聞くとしてだが……しかし、何気懐かしいもんだな……」

 

「……懐かしいって?」

 

「ああ、結婚する前、似たような事があったんだよ。色々あって、勢いで突っ走った時、ヤンヤンマのボールを落としたことがあって……で、有亜に言われて落とした場所気づいて……」

 

「そうなの?……初めて聞いた。」

 

「そうだったか?……いや、そうだったな。そもそも、うたにはポケモンとかみたいな、ポップンワールドやラピストリアとは別口の特殊要素が多い世界の事をあんまり関わらせたことは無かったんだっけな……」

 

「……さっき出くわした、パラガスとかそう言う名前の人とかまさにそうね。」

 

「えっ」

 

 

 と、大地は驚いた表情でうたの方を向く。

 

 

「え、パラガス!?アイツこの世界に来てんの!?」

 

「らしいよ。それも、ナリトさんが何かの目的で合流させようとしてた感じで。……やっぱり知り合いなの?」

 

「あ、ああ。色々複雑な存在と言えばそうなんだが……まあ、『ドウガトピア』って世界の住人で、前々から有亜と知り合いだった関係で紹介された感じだよ。つか、いつ姉ちゃんと知り合ったんだだし……」

 

 

 それを聞いて、大地はかなり反応に困ってるような表情をする。

 

 

「・・・なんだかんだ言って、久しぶりに見たよ、そんな反応してるお父さん。」

 

「んえ?……あ、ああ、そうだったかな……」

 

 

 そして、さりげなくまともに会話で来てる事を含め、また少し驚くような感じになる大地。

 

 

「・・・。前々から思ってたけどさ、お父さん。」

 

 

 と、うたが話し出す。

 

 

「私の事自体は、あんまり気にかけなくて良いよ。」

 

「・・・えっ?」

 

 

 そう言われて、大地はもう一度うたの方を振り向く。うたは続けてこう話す。

 

 

「お父さんさ、お母さんが死んでから、私の事気にかけ続けて。それで異世界がどうかとかを変に色々避けてたでしょ。」

 

「そ、そりゃ違……

 

 

……いや、違くは無いし合ってるよな……」

 

 

 うたの問いかけに対し、大地は何とも言えなくなる。……そして、こう言い出す。

 

 

「そう、だな。かなり遠ざけてた。……有亜が死んで間もない時、ショックが強すぎた反動で思いっきり避けて……ある程度持ち直しても、気まずさが残りっぱなしだった。だから余計避け続けてた。……お前もそうなんだろうと思って、変に気にかけて……」

 

「……そっか。」

 

 

 うたは少し沈黙した後、大地の方を見てまた話しだす。

 

 

「正直さ、別に良いと思う。悲しいままでも。乗り越えなくても良いから、お父さんはお父さんなりに前に進めばいいよ。今までみたいに時間かけて。転職して就いたっていう仕事だって、楽しいんでしょ?」

 

「お前は……それでいいのか?」

 

「あんまり分からない。……私は、歌う事を止めなかっただけだから。お母さんが死んでも、私は歌い続けた。ただ歌う事が好き、それだけたったから。」

 

「……そう、か。

 

そう言えば、そう言う部分は元からそんな感じだったな、お前は。……俺も何やってんだか。変に気を使って、空回りしちまってたかなぁ。」

 

 

 うたの言葉を聞いて、大地はそう言った後、両手で自らの頬を叩いた。そして、ベンチから立ち上がる。

 

 

「そーだな、いつまでも避けてらんねぇ。異世界とまた関わるかもなんてこと自体も薄々分かってた事だ。……となりゃ、パラガスがいた場所に戻――」

 

 

 そして決心した時だったが。

 

 

「――ん……何だ?」

 

 

 大地は突如として何かを感じ取る。そうして、地面の方を一瞬見た。うたは大地の今の行動に一瞬首を傾げたものの、同じくして何かを感じ取り下を見る。

 

 

 妙に地中に違和感を感じてきた2人。

 

 

 

「な、なんだ貴様等!どっから現れた!!?」

 

 

 

 とその時、離れからパラガスの声が聞こえてくる。

 

 

 

「パラガスの声か?……何かあったっぽいし、行ってみた方が良さそうだな。……行こう、うた。久々に、体をとことん使いそうだ。」

 

 

 と言って、声がした方向へ向かう大地は、ちょっとだけ笑っていた。

 

 

「……おっけ。」

 

 

 うたも、その表情を見て、少しだけ微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「とうとう敵も本腰を入れて来たとして……ちょっとでも持ち直してくれてよかったよ。」

 

 

 走っていく祷親子を見て、ある女性もまた微笑んでいた。

 

 

 

 




また区切ります。次回へ続く(大地過去編完結まで、あと1,2話くらい)
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