ドン!ホロックスみーてぃんぐ!   作:ぴりもに

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ドン14話「けんかバチバチ」

 

ガツガツ……ズゾゾゾゾ……ムッシャムッシャ……モグモグ……

 

喫茶どんぶらに2人の客が来店した。ソウゴとクロヱが連れてきた、グリムという男とかなたという女の子だった。

腹ペコだったグリムはどんぶらで大量の料理を注文し、食べまくっていた。かなたがオムライスだけを食べているのに対し、グリムは焼きそばと特製ピザ5枚、エビピラフ、サンドイッチ……と大量の料理を食べまくった。料理は全て特盛だ。

 

「……どうなってるの、この人の胃袋。」

「わからん……」

 

グリムの食べっぷりを見て、ソウゴとクロヱは軽く引いていた。

 

「あぁ、気にしないで。グリ兄はいつもこんな感じだから。」

 

かなたは慣れているのか、何も気にしていないようだった。

するとその時、店のドアが開き、ベルが鳴った。

 

「雑用のこと知ってる奴がいたって!?」

 

店に入ってきたのは、ラプラス達だった。

クロヱから連絡を貰い、店に来たのだ。

その時、料理を完食したグリムはカチャリと皿をテーブルに置いた。

 

「ふーっ……マスター!デザートにパンケーキちょうだい!特盛ね!」

『まだ食うの!?』

「……あいよ。」

 

皆がツッコむ中、マスターはただ一言呟いて店の奥に引っ込んだ。

 

「さて、デザート待ってる間に……もっかい自己紹介するか。俺はグリム・ハワード。好きな女のタイプはおっぱいボインボインでロングヘアの人妻!」

「それは聞いてない。」

「ボクは天音かなただよ!いろいろあってグリ兄の付き添いしてんだ〜!」

 

2人が自己紹介を終えると、ソウゴ達も軽く自己紹介をした。

そして…ソウゴはグリムをにらみつけた。

 

「……で、お前は一体何者だ?俺の何を知ってる?」

「……まぁ、まず言っちまうと、俺は別の世界からきたんだ。ある筋から聞いた話だと、世界にはいろんな世界があって、それを“マルチバース“っていうんだってさ。」

「つまり……“ワールドA“があったら、“ワールドB“とかCがあるってことだよね?」

 

グリムが説明したことを、こよりは端的に現した。それに対しグリムは「そうそう!」と頷いた。

 

「あの変身アイテムは?」

「これは『スピリットチェンジャー』っていってな、俺の師匠のネコジジイからもらったんだよ。簡単じゃなかったけどな。」

「じゃあ、こっちの世界に来たのはなんで?」

 

ルイからの質問が来たのと同時に、マスターがパンケーキを運んできた。

 

「おっ、きたきた。いただきまーす♪あ、こっちにきた理由だっけ?」

 

グリムはパンケーキを食べながら、質問に答え始めた。

 

「そこの……ソウゴだっけ?そいつを……俺の世界に連れ戻しにきた。妹さんと俺のダチのためにな。」

「妹だと……?おい、まさかその妹の名前は……『ノエル』か!?」

「……そうだ。」

 

グリムの一言に、ソウゴは黙り込んだ。自分の考えは間違えてなかった。やはり、自分には妹がいた……そう確信したソウゴは、続けてグリムに問いかけた。

 

「俺の名前……本当の名前はなんだ?」

「………」

 

グリムは何も言わずにパンケーキを食べ続け、そして完食した。

 

「ごちそうさん!さーて……かなたそ、帰ろうぜ。」

 

そう言って立ち上がり、グリムはかなたと一緒に店を出ていこうとした。

 

「ま、待て!」

 

ソウゴは慌てて肩をつかんで止めようとしたが、グリムはその手を振り払った。

 

「なんだよ……知ってどうすんだよ。」

「どうするって……俺は自分のことを知りたいんだ!自分のことを知って、何が悪いんだ!?」

「……真実を知ることがいいこととは限らないけどな……」

 

ソウゴの手を振り払ったグリムは、再び店を出ようと足を進めた。

しかし次の瞬間、グリムはまた肩を掴まれた。

 

「なんだよ……しつこ……!」

 

振り向くと同時に「しつこい」と言おうとしたグリムだったが、そこにいたのはマスターだった。

 

「支払い。」

 

そう言ったマスターの手には、伝票がつままれていた。それはグリムとかなたが食べた料理の伝票だった。一番下に、なんと3万円と書いてあった。

 

「さ、3万!!?」

「カフェで3万って……」

 

グリムとかなたは自分の財布を確認した……が、ほとんど金は残っていなかった……

そんな2人を見て、マスターは2人の肩を叩いた。

 

「しばらく働いてもらうよ。」

『はい……すいませーん……』

 

─────────────────────────

 

それからというもの……グリムも喫茶どんぶらで働くことになった。

 

「はーい、おまちどうさん!」

「はぁ……♡こういうベイビーフェイスもいい……♡」

「褐色肌っていうのも良き……♡」

 

元気よく返事とともに、客席に料理を運ぶグリム。客の女性は新しい店員を見て見惚れていた。

 

「ゆっくり……召し上がれ。おねーさん♪」

『キャーーーー♡』

 

グリムが片目を閉じて笑ってみせると、女性客は黄色い声を上げた。

グリムはそのまま客席から離れ、店の奥へ引っ込んでいった。

 

「はぁ……なんでこっちまで喫茶店なんて……まぁ、働いたことあるから別にいいけど。というか、かなたそはなんで許されてんだよ!?」

 

どんぶらにかなたの姿はなく、働かされているのはグリムだけだった。

 

「彼女は君と違って暴飲暴食していないからね。」

「チッ……しかたねぇか。休憩入りまーす。」

 

グリムはため息を吐きながら店の奥にある休憩室に入った。

 

「あ……」

 

そこでグリムは声を上げた。休憩室には、休憩中だったソウゴの姿があった。ソウゴはイスに足を組んで座り、入ってきたグリムを睨みつけてきた。

 

「……なに睨んでんだよ。こわっ!」

「お前の知ってることを話せ。」

 

ソウゴはまだ諦めていなかった。グリムに自分の過去を聞こうとしていた。

しかし、グリムはそっぽを向き……

 

「……まかない頼むの忘れた。マスターとこ行こっと」

 

そう言って逃げようとした。しかし、ソウゴは逃がすまいと腕を掴んだ。すると、グリムは舌打ちを打ってきた。

 

「しつけぇな……黙れよ。」

「話すまで黙らんぞ。」

「そんなに過去のこと知りたいもんかねぇ?今が楽しければそれでいいだろ。かわい子ちゃん5人に囲まれて生活してんだろ?それの何が不満なんだよ。」

 

グリムはその腕を振り払おうとした。しかし、次の瞬間ソウゴは叫んだ。

 

「お前には分からないだろっ!!記憶を失った奴の気持ちは!!」

 

叫んだソウゴは、グリムの胸ぐらを掴み、思い切り睨みつけた。

 

「お前は全部持ってるから分からないんだ!!親のことも、兄弟も、仲間も全部持ってるから……失ったことがないから分からないんだっ!!!」

「……あ?」

 

ソウゴが叫んだ次の瞬間、今度はグリムが胸ぐらを掴み返し、壁に叩きつけた。

 

「もういっぺん言ってみろ……ゴラァッ!!」

 

グリムは怒鳴り声を上げ、そのままソウゴを床に投げ捨てる。ソウゴは負けじと睨みつけるが、グリムは右手の親指を立て、ドアの方を指差した。

 

「オモテ出なっ!そんなに聞きてぇなら、俺をぶっ殺してみなっ!!」

「望むところだ……!!」

 

────────────────────────

 

その後、2人は人気のない採掘場へ移動した。

2人は互いに相手から目を離すことなく、睨み合っていた。

その様子を遠くからかなたが見守っていた。

 

「あーあ、ドンパチしないとか言ってたのに……結局こうなるんだ……」

 

かなたがぼやいていると、マスターから騒ぎを聞きつけたホロックスの5人がやってきた。

 

「かなたさん!」

「あっ、みんな来たんだ。」

「来たんだって……何故にそんなに落ち着いてるでござるか!?」

「だってグリ兄が喧嘩っ早いのはいつものことだし……」

 

クロヱ達とかなたが話している中、ソウゴとグリムの方は臨戦態勢が整った。

 

《ニンジャークソード!》

「アバターチェンジ!!」

「迸れ!獣の魂!スピリット・オン!!」

 

ソウゴはニンジャークソードについているギアを、グリムはスピリットチェンジャーのギアをそれぞれ回転させた。

ドンムラサメとバットレンジャーへと変身し、それぞれ構えた。

 

「受け継ぐ誇りと気高き魂!トリニティ……!」

「ハァッ!」

 

バットレンジャーが名乗りを上げようとする途中、ムラサメは剣を振り下ろした。

 

「うおっ!?」

 

バットレンジャーはとっさによけ、ゲキファンを取り出した。

 

「てめぇ、名乗りの最中だろうが!空気読めねぇのかコラッ!!」

「知るかッ!!」

 

ムラサメは必死だった。やっと、自分の記憶を取り戻せるかもしれない……その気持ちがムラサメを焦らせた。

 

「ソウゴ殿の剣……荒いでござる……」

「え?」

 

いろははいち早くムラサメの様子がおかしいことに気づいた。

 

「ソウちゃん……焦ってるのかな……」

「やっと自分の記憶が取り戻せるかもしれないもんね……」

 

ムラサメの気持ちは仲間達にも伝わっていた。ムラサメが、ソウゴが自分の記憶を求めていたのは分かっていた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「スピリットチェンジ!!」

 

ムラサメが剣を振ろうとした瞬間、バットレンジャーはシャークレンジャーに姿を変え、ゲキセイバーで迎え撃った。

 

「てめぇ……!俺のこと、失ったことがないとかぬかしやがったな……!!」

 

シャークレンジャーは怒りがまじった声でムラサメの剣を受け止め、ムラサメを腹を思い切り蹴り飛ばした。

 

「失ってこなかったとでも思ってんのか……!?俺の人生……失ってばっかなんだよ!!」

 

剣を2本に分け、シャークレンジャーは素早い剣撃を繰り出す。

 

「ガキの頃にクソ親父に捨てられて……母親は病んで死んだ!!」

 

素早い剣撃に、ムラサメは防ぎ、受け流していく。すると、シャークレンジャーは今度はエレファントレンジャーへと姿を変える。

 

「育ててくれた養父も、俺の腹違いのクソ兄貴に殺されて死んだ!!」

 

エレファントレンジャーはゲキハンマーをまるで鞭のように振るい、ムラサメを攻撃する。

 

二鮫(にシャーク)暴鮫(ハヤサメ)!!》

 

ムラサメも剣の先から光のアンカーを発射し、それを鞭のように振るってエレファントレンジャーのハンマーとぶつけ合った。

 

「おまけに……腐れ縁だったクソ野郎の昔馴染みも……俺が殺した!!」

 

エレファントレンジャーはハンマーの鉄球を思い切り地面に叩きつけて砂煙を起こした。

 

「目眩ましか……!」

「スピリットチェンジ!」

 

砂煙の中からグリムの一声とともに、砂煙の中からバットレンジャーが飛び出し、飛翔しながらムラサメに突進した。

 

「ハイィィィッ!!」

「チィィィィッ!!」

 

ムラサメはよけるどころか逆に、突っ込んできたバットレンジャーに掴みかかった。

そのまま2人は上空へ舞い上がった。

 

「これでも俺は、失ってこなかったとでもいうのかよ!!?」

「この……!黙れ、小僧っ!!」

 

何も言えなかったムラサメはただ罵倒することしかできなかった。

2人の実力は拮抗していた……が、焦りがある分、ムラサメの方が不利だった。

 

四鮫(よんシャーク)流鏑鮫(ヤブサメ)!!》

 

このままでは不利だと判断したムラサメは、ここで一気に畳み掛けようとギアを4回転させた。

 

「やる気かよ……!激獣バット拳……ゲキワザ!!」

 

技を決めようとするムラサメを見て、バットレンジャーも必殺技を使おうと力を溜め始めた。

 

「技を使うつもりだぞアイツラ!?」

「本当に殺し合うつもり!?」

鮫牙大刀(こうがだいとう)……!!」

昇々(しょうしょう)……!!」

 

互いに渾身の必殺技を繰り出そうとした、まさにその瞬間……赤い閃光が2人の間に走り、2人を吹き飛ばした。

 

「ぐあっ!?」

「うおっ!?」

 

吹き飛ばされた2人は地面に転がった。2人はすぐさま何があったのか、顔を上げた。

2人の目の前には、赤い戦士がいた。頭に桃のレリーフをつけ、白いハチマキのような模様、巨大なサングラスのようなバイザー、それはまるで……桃太郎。

 

「フッフッフッフッ……ハーッハッハッハッ!!」

 

桃太郎のような戦士は扇子を広げると同時に高笑いを上げた。

 

「やあやあやあ、祭りだ祭りだ〜!袖振り合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ!共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!みなんざ吹っ飛ばせ!笑え笑え!ハーハッハッハッハ!!」

『………はい?』

 

皆の頭に「?」が浮かんだ。それも無理もない話だった。目の前に赤い桃太郎のような謎の戦士が現れ、謎の口上を叫んで笑っているのだ。

その時、バットレンジャーは赤い戦士を見て叫んだ。

 

「あーっ!?ア、アンタ……!!ドンモモタロウ!?」

「喧嘩両成敗……!そこまでだ。」

 

ドンモモタロウという戦士は剣を抜くと、2人に向けて剣先を向けた。

 

「何者だ、貴様……」

「ドンムラサメ……俺が知ってるムラサメとは、違うようだな。」

「貴様も俺のことを知ってるのか……?ならば答えてもらう!!」

「笑止!!」

 

次の瞬間、両者の剣がぶつかり合った。

 

(くっ……なんて重い剣撃だ……!)

 

たった一撃……それだけで格の違いがわかった。このドンモモタロウという男はでたらめな強さを持っている。

しかし、それでもムラサメはくじけず剣を振るい続けた……しかし、ドンモモタロウはその尽くを防いでいく。

 

「貴様、なにを焦っている。」

 

攻撃を防ぎながら、ドンモモタロウはムラサメに問いかけた。

しかし、ムラサメは手を止めずに攻撃を続けた。

 

「焦ってなど……いないっ!俺は、過去を知りたいだけだ!!」

「……不安なのか?」

 

その一言に、ムラサメの手は止まった。図星だった。

「過去を知りたい」という願いと同時に、「知るのが怖い」という行き場のない恐怖が、ソウゴの胸中にあった。

だが、自分でもこの二つの感情をどうコントロールしていいか分からず、混乱していた。

 

「愚か者がっ!!」

 

その気持ちを理解したのか、ドンモモタロウは叫び、剣の鍔についているギアを回転させた。

 

《アーバタロ斬♪アバタロ斬♪アーバタロ斬♪アバタロ斬♪》

 

そして、一瞬の隙をついてムラサメの懐にもぐり込み、刀身を腹に押しつけた。

 

「!?」

「ザングラソード・快桃乱麻!」

《必殺奥義!アバ・タロ・斬!!》

 

ドンモモタロウは虹色のオーラとともに剣を横一閃に薙ぎ払う。

 

「ぐっ、ぬあぁぁぁぁぁ!!」

 

必殺の一撃を喰らったムラサメは爆発とともに吹き飛び、地面に倒れた。それと同時に変身が解除され、ソウゴは元の姿に戻った。

 

「ソウくん!!」

「今の貴様では、俺のオトモにすらならん!自分を見失わないようになったら、また相手をしてやる。」

(オトモって……なるつもりもないんだが……)

「さらばだ、もう1人のドンムラサメ……」

 

ドンモモタロウは捨て台詞だけ言い残すと、どこからともなく現れたバイクのようなマシン「エンヤライドン」に乗って、どこかへ行ってしまった。

 

「……いったいなんだったんだ……」

「相変わらずめちゃくちゃな奴だな……」

 

ドンモモタロウが去ったのを見て、バットレンジャーはギアを取り外し、変身を解除した。

やっと冷静さを取り戻したグリムは、キレたことを反省しているのか頭をかいて俯いた。

 

「あー……鮫山。俺、さっき失ってばかりって言ったよな。」

 

グリムはソウゴに向かって語り始めた。

 

「確かに俺はずっと何かを失ってきたけど……でも……得たものだってあったんだ。」

「得たもの……?」

「バケモンだった俺を人間にしてくれた人、受け入れてくれた仲間……そいつらがいたから、今の俺がある。おかげで嫁さんと子どもができた。」

 

グリムの脳裏に、スタイルが良く美しい女性と、その女性に抱かれている小さい赤子の姿が浮かんできた。思い出した瞬間、グリムは嬉しそうに微笑んだ。

 

「だからさ……アンタも、過去よりも今得たものを大事にした方がいいんじゃないか?」

「得たもの……」

 

ソウゴはチラリと後ろにいるクロヱ達の方を見た。

過去はなくしたが、そのかわり、クロヱ達と出会い……受け入れてもらった。グリムの言う通り、過去よりも今を選んだ方がいいのだろうか……と思い始めた時、

 

「ん?嫁さん?」

 

グリムが会話の途中で言ったことを思い出した。

 

「今、嫁さんと子どもがいるって言ったか?」

「えっ、言ったけど。」

「……今、何歳だ?」

20歳(ハタチ)。」

 

ソウゴからの質問にグリムは返答した。

 

『…………早っ!!?』

 

その場が一瞬静まり返ったかと思いきや、皆一斉に大声を上げた。

 

「結婚&子作り早すぎでしょ!」

「どんだけお盛んだったの!?」

「そんだけ騒ぐことかよ!?別にいいだろうが!ほぼ毎日ヤッてても!!」

「毎日なんでござるか……」

「とにかく、俺たちはもう帰るからな!」

 

グリムはそう言うと不機嫌そうに口を尖らせながら去っていった。その後を追ってかなたも去っていく。

そしてその場に残ったソウゴ達もまた……去っていった。

 

───────────────────────

 

「はぁ〜あ……」

 

グリムは住んでいるアパートに戻ると、床へ寝転がって深いため息を吐いた。

 

「ため息つくと幸せ逃げるよー、どうしたのー?」

 

かなたもソファに寝転がってスマホを操作していた。

2人はアパートの同じ部屋で一緒に住んでいる。理由は「同じ部屋で暮らした方が色々安上がり」だからだ。

 

「いや……今日の俺、ちょっと大人気なかったと思ってな……」

「いつもじゃん。」

「うるせぇ。」

 

軽口を叩いていると、かなたはグリムに問いかけた。

 

「でもさ、別に言っても良かったんじゃないの?あの人の過去……」

「……言えねぇよ。仲良さそうなアイツら見てたら……」

 

ソウゴとクロヱ達の仲が良いことに気づいていたグリムは、それが足枷になって言えなかったのだ。

考えただけでため息がこぼれる。そんなグリムを見て、かなたはソファで寝転ぶのをやめて、普通に腰掛けた。

 

「グリ兄、かなたそのここ……空いてるよ?」

 

かなたはそう言いながら、自分の脚をポンと軽く叩いた。

対し、グリムはしばしキョトンと目を丸くし、口を開いた。

 

「……いいのか?」

「特別だよ。」

「じゃあ失礼して……」

 

グリムは恐る恐るかなたの膝を枕にして、ソファに横になった。

すると、かなたはグリムの頭を優しく撫で始めた。

 

「な、なんだよ……」

「恩返し。初めて会った時、僕のこと助けてくれたでしょ?まぁ、これぐらいで恩を返せるなんて思わないけど。」

「かなたそ……お前、もしかしてスゲェいい女?」

 

グリムのその一言に、かなたはプッとふきだした。

 

「え〜?今さら気づいたの〜?かなたそ、こう見えてセクシーなんだよ?」

「嘘つけ、このまな板のどこがセクシーだよ。」

「あ?」

 

グリムは嘲り笑い、手の甲でかなたの小さく平たい胸をペチペチと叩いた。

すると、かなたはいつもより低い声を出して唸った。

 

「おめぇの目節穴かー!?こちとらGカップやぞ!」

「どのへんがGカップだよ!どう見てもAカップ……いや、AAAカップだろっ!!」

「あぁっ!?殺されてぇか人妻フェチ!!」

 

煽られ、怒ったかなたはグリムの首に腕を回して絞めようとした。

 

「あがががが!?殺す気かてめぇ!?」

「一回死ねぇ!!」

「ふざけんなまな板!!」

 

2人はそのまま揉みくちゃになり、痴話喧嘩の様なことをしていると、「ピンポーン」とインターホンが鳴り響いた。

 

「あ、はいはい!」

 

グリムはかなたの腕を振り払い、玄関に向かってドアを開けた。

 

「はーい、どちら様……」

「よっ、久しぶりだな。」

「アンタ……大也!」

 

 

 

 





ルイ「じかーいじかい。この前のうたバトの件で私達のバッシング記事が新聞に載っちゃった!!納得できないけど、悪いイメージは払拭しなきゃ!ソウちゃんを元気づけるためにも、みんなで生ライブするよー!!……って、なんか変なタイヤ人間出てきた!?ドン15話『バクアゲライブ!』というお話!」
???「次回も爆上げるぜ!!」

───────────────────────

おまけ「プロフィール(グリム・ハワード)」

グリム・ハワード
CV.内田雄馬

職業:喫茶店の店員(アルバイト)
能力:スピリットレンジャーへの変身、激獣拳の使い手(修行中)、人外じみた頑丈さと戦闘能力
年齢:20歳
身長:173cm
体重:61kg
趣味・特技:料理、大食い
好きなもの:肉料理、チョコレート
嫌いなもの:スジを通さない奴、汚い大人
特徴:前作からのゲストキャラ、褐色肌に黒髪の若い青年、黒いコートをいつも身に着けている、大食いで尋常でない量の料理を食べる

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