ドン!ホロックスみーてぃんぐ!   作:ぴりもに

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グリム(20歳の姿)のキャラデザを載せました。よかったら見てください。




ドン19話「まっしろニンジャ」

 

都内にある女子高「私立すめらぎ学園」。そこの音楽室でクロヱはピアノを引いていた。

クロヱが引く演奏に続き、生徒達が歌を合唱する。

 

「……であるからして、織田信長は明智光秀に討たれたが……これが何年か分かる者は?」

『はーいっ♡』

(臨時の先生、すっごいイケメン……)

 

とあるクラスではソウゴが生徒達に歴史の授業を受け持ち、

 

「みんなー!後2周でござるよー!」

 

外のグラウンドではジャージ姿のいろはが体育の授業を受け持っていた。

ふと、いろはは目を細めて空を仰いだ。

 

(……この作品、いつから学園物になったでござるか……?)

 

それから少ししてチャイムが鳴り響き、中休みに入った。3人は音楽室に集まった。

 

「沙花叉……」

「目的、忘れてないでござるよな?」

「わかってるって〜!『潜入調査』でしょ?」

 

────────────────────────

 

話は1週間前に遡る。

 

「うーーーん……」

 

ラプラスは椅子に座って唸り声を上げていた。

 

「どうしたのラプラス。成長痛?」

「ちげーよ!次のターゲットは若者にすっかって考えてたんだけど、我輩って地球とタメ年じゃん?だから今の若者ってのが分かんなくてどうすっかなぁって……」

「じゃあさ、高校に潜入調査でもしてみる?」

 

それはまさに鶴の一声だった。クロヱのその意見に、ラプラスは「その手があったか」とすぐさま同意した。

 

「おもしろそーじゃん!まさに秘密結社ってかんじで!」

 

─────────────────────────

 

……ということで、3人は学校に潜入調査することになったのだ。

 

「……とはいえ、なんで先生になって潜入するでござるか?」

「それがさぁ……」

 

説明を始めるとともに、クロヱはクッキーをパリッと一口食べ始めた。

 

「ルイ姉の知り合いに学校関係者がいてね、音楽と体育と歴史の先生がちょうど1週間の休みをとるタイミングだったらしいの。で、沙花叉がピアノと歌。いろはちゃんは運動ができるじゃん?それにソウくんも教養ありそうだし……ほな3人に臨時講師をやってもらうかって話になったらしいよ。」

「……ルイ姉、万能でござるなぁ……」

 

いろはのその言葉に、ソウゴはウンウンと頷いた。すると3人が話しているその時、音楽室のドアがガチャッと開かれた。

 

「あれ!?お前ら!」

「グリムくん!?」

 

なんとドアを開けたのはグリムだった。グリムはいつもの黒コート姿ではなく、用務員の制服を着ていた。

 

「なんでお前がここに……」

「バイトだよ。喫茶どんぶらのバイトだけじゃ、食費がな……だからなんでも屋のバイトも掛け持ちしてんの。」

「……食べる量を減らそうとは思わんのか。」

 

遠回しに「食べる量少なくすれば節約になるだろ」と言うソウゴだったが、伝わってないのかクロヱからクッキーを貰っていた。

 

「で、お前らはなんでここに?」

 

今度はグリムがソウゴ達に尋ねた。ソウゴ達はここに来た目的を全て話すことにした。

 

「……ふーん、なるほどね。あのチビも色々やってんだなぁ……それにしても、女教師かぁ……ムフフ……」

 

すると、何故かグリムは嬉しそうな顔でクロヱの方を見始めた。

 

「いつもの服もいいけど、こっちの服装もいいねぇ……」

 

今日のクロヱはいつもと違う服装をしていた。黒のロングスカートに長袖の縦セーターを着用していた。

 

「な、なに……?」

「俺こういうニット製の服って好きなんだよ。初恋の先輩がよく着ててさ……エロくてたまんねぇんだよなぁ……」

 

グリムはクロヱの服装……というよりは胸元を見て鼻の下を伸ばしていた。その視線にクロヱは寒気を感じて思わず後ずさり、ソウゴは守るようにクロヱの前に立つ。

 

「グ、グリムくん、人妻フェチじゃなかったっけ……?」

「おう。人妻で、年上で、ボインボインの女が好きだ。クロヱちゃんがもうちょい年上だったらなぁ……」

 

グリムのその態度と言い分に軽く引く3人。その時、またドアがガチャッと開かれた。

 

「あら、お邪魔だった?」

 

そこに現れたのは見覚えのない女性だった。少し年を食ったように見えるが、歳を感じさせない美しい女性だった。

 

「あっ、いえ……」

「ごめんね、楽しそうな声が聞こえたからつい……」

「じゃ、俺は行くわ。お前ら頑張れよ。」

 

人が来たのを見て、グリムは帽子を深く被ってその場を立ち去る。軽く女性にペコリと一礼し、部屋から出た。

 

(……あの姉さんどっかで見たような気がすんだよな……誰だ?)

 

グリムはその女性に見覚えがあったが、どこで会ったのか思い出せず、最終的に思い出すのを諦めた。

 

「あなた……さっき音楽の授業でピアノ引いてた子よね?」

「は、はい。」

「とてもキレイな音色ね!思わず聞き入っちゃったわ!」

「そ、そうですか……?えへへ……私のなんて大したことないっていうか……」

 

自分の演奏を褒められ、口では否定しながらもクロヱは満更でもなさそうに笑っていた。

すると、女性はいろはの方に顔を向けた。

 

「あなたはさっきグラウンドで短距離走教えてた子でしょ!あなた足速いのね!ビックリしちゃった!」

「いや〜、そんな……」

 

いろはもクロヱ同様、満更でもなさそうに笑い頬を赤らめた。

 

「みんな得意なことを活かしてイキイキしてる!楽しそうだったわよ、あなた達!楽しそうな若い人達を見ると……私まで嬉しくなるわ。戦う甲斐があったっていうか……」

「戦う……?」

 

その時、女性はハッと慌てて自分の口を塞ぎ、コホンと咳払いをした。

すると女性は3人に手を差し出してきた。

 

「私、鶴姫っていうの。手芸部の外部指導員してるの!手芸に興味あったらいつでも来てね。」

「へぇ、手芸部……私、沙花叉クロヱです!」

「風真いろはでござる!」

「鮫山ソウゴだ。」

 

3人は軽く挨拶をすると、鶴姫と握手を交わした。するとその時、学校のチャイムが鳴り響いた。

 

「やばっ、次の授業行かなきゃ!」

「鶴姫殿、さよならでござる!」

 

クロヱといろははすぐさま鶴姫に別れを告げ、次の教室へ向かった。ソウゴは鶴姫のことを凝視していた。鶴姫がこぼした「戦ってきた甲斐があった」という一言が引っかかっていた。

 

「何してるの!早く行きなさい!」

「あ、ああ……」

 

鶴姫に言われてソウゴも渋々教室へ戻った。

それから何事もなく授業は進み、昼休みに入った。

 

「もー、ござ先面白すぎ!」

「お昼に生ナスとか見たことないって!」

「でも、生の方がラクでござるよ。」

 

いろはと生徒達はいつの間にか仲良くなり、一緒に屋上で昼食を取っていた。

 

「あれ、いろはちゃんもこっちに来たんだ。」

「沙花叉にソウゴ殿!」

「邪魔するぞ。」

 

ソウゴとクロヱも屋上を訪れ、いろは達と同じくその場に座り込む。

 

「はい、ソウくん。お弁当!」

「ああ……すまないな。」

 

ソウゴはクロヱから弁当を受け取り、その場において広げた。中に入っていたのは、1段目は俵型おにぎりがびっしり詰まっており、2段目には卵焼きや焼いたウィンナーといったオカズが入っている。

ソウゴは手を合わせて一礼し、おにぎりと卵焼きを食べ始める。

 

「どうかな?卵焼き甘めにしちゃったけど……」

「お前の作ったものにケチをつけたことなんてあったか?美味いよ。」

「えへへ、よかった♪」

 

弁当を食べながら2人は会話を交わし、クロヱは美味しそうに食べてくれるソウゴを嬉しく思いながら笑い、そんなクロヱを見てソウゴも微笑んだ。

すると、そんな2人のやり取りを生徒2人はまじまじと見ていた。

 

「なんだ?」

「あのー……ソウゴ先生とクロヱ先生って……」

「もしかして付き合ってます!?」

 

その言葉に、クロヱは一瞬キョトンと目を丸くした。しかしその直後に顔を真っ赤にして叫ぶ。

 

「は、はあぁぁぁぁぁぁぁ!!?な、な、な、何言ってるの!?」

「だって距離近いし〜」

「お弁当まで作ってきてるもんね〜」

 

キャッキャッと女生徒達は2人の仲を創造し笑っていた。

 

「ソ、ソウくんも何か言ってよぉ!」

「ああ……俺と沙花叉はそんな関係じゃない。」

『へー♪』

 

否定する2人を見て、女生徒はさらにニヤニヤと笑っていた。

その時、

 

「あら、みんな集合してるのね。」

「鶴姫先生!」

 

先ほど会った鶴姫も屋上にやってきた。鶴姫も混ざって食事を始めた。

ソウゴ達は和気藹々と雑談をしながら食事を進めた。すると、女生徒の1人が声を上げた。

 

「そうだ!ござ先、ダンス動画に興味ない?」

「ダンス動画?」

 

女生徒はスマホを取り出すと、ある動画を見せた。その動画は、近年ネットで話題になったダンス動画だった。

 

「最近流行ってるんだよ!」

「ござ先もクロたん先生もカワイイし、ダンス踊ったら絶対映えるよ!」

「じゃあ、その時は手芸部で作ったアクセサリーも使う?」

「それいいね!さらに映えるじゃん!」

 

鶴姫の意見に女生徒2人は賛同し、このままいくといろははダンスを踊ることになりそうになっていた。

 

「そ、それはちょっと恥ずかしいでござる……あっ、そうだ!」

 

と、その時いろははあることを思いつき声を上げた。だがそれと同時にどこからか悲鳴が聞こえてきた。

悲鳴は屋上の下……校門の方から聞こえてきた。

 

「グフフフッ!!ワイはドロタボウや!!くらえー!」

 

ピエロのような、カカシのような怪人が校門前で暴れていた。

ドロタボウは片手に泥団子をもう片方の手にスマホを持って、泥団子を投げつけた。

泥団子は地面に着弾すると同時に爆発し、生徒達は悲鳴を上げた。

ドロタボウはその様子をスマホで撮影していた。

 

「ぐへへ……『女子高に突撃して大暴れしてみた』!これはバズるで〜」

 

なんと、ドロタボウはネットに上げるために動画を撮っているようだった。

そこにソウゴ達がたどり着いた。

 

「貴様、何者だ!」

「なんだお前らは!?ワイはドロタボウ!動画サイトの新星となる(予定)の妖怪や!!」

「妖怪……?知らんな。」

《ニンジャークソード!》

 

ソウゴはドロタボウを睨みつけながら、飛んできた剣を掴んだ。そしてギターのように構え、ギアを回転させた。

 

「アバターチェンジ!」

《ドンムラサメ!切り捨てソーリー!!》

「ドンムラサメ、参る!」

 

ソウゴはドンムラサメに変身し、剣を構えた。

 

「えっ!?ソウゴ先生が……」

「変身した!?」

 

生徒達はソウゴが変身したのを見て驚いていた。するとその時、

 

「オラァッ!!」

「げぶっ!?」

 

グリムがいきなり現れてドロタボウをドロップキックで蹴り飛ばした。

 

「グリム……!」

「俺も混ぜろや!」

「イテテ……クソッ!ん?」

 

蹴り飛ばされたドロタボウは、自分の視線の先に女子高生がいた。どうやら腰を抜かしてしまい、逃げられないようだ。

ドロタボウはそこに目をつけ、起き上がって彼女に飛びかかった。

 

「動くんやない!」

「ヒィッ!」

「しまった!」

 

ドロタボウは女生徒を捕まえ、取り出したナイフを首元に近づけた。

 

「へへへっ、形勢逆転やで。」

「てめぇ……クソだな。」

「うるさいわ!お前も大人しくしとけや!」

「ひっ!」

 

ドロタボウはもう一度女生徒の眼前にナイフをちらつかせた。女生徒は恐怖から身動ぎした。すると、その女生徒のポケットから手作りだと思われるビーズアクセサリーが落ちた。

 

「うん?なんやコレ……ヘタクソなアクセサリーやのぉ……こんなもん!!」

 

ドロタボウはそのアクセサリーを見るなり、鼻で笑って踏み潰してしまった。

 

「そんな……!」

 

きっと一生懸命作ったのだろう。女生徒はアクセサリーが壊されたのを見て、泣き出してしまった。

 

「みんなで一生懸命作ったのに……!」

「泣くなや面倒くさい!お前はもう用済みや!」

 

ドロタボウはナイフを振り上げた。

それを見たドンムラサメとグリムは咄嗟に駆け出した。

 

「ダメだ……間に合わない!」

 

今駆け出したとしても、距離的に間に合わない……そう思った次の瞬間、どこからか飛んできた手裏剣がドロタボウのナイフを持つ手に突き刺さった。

 

「うっ!?」

 

手裏剣が刺さった痛みに、ドロタボウは思わずナイフを落とした。その隙に捕まっていた女生徒は脱出した。

 

「つ、鶴姫先生!?」

 

手裏剣を投げたのは、なんと鶴姫だった。いきなり手裏剣を見て、皆驚いた。

 

「ま、待てよ……鶴姫って……鶴姫姐さん!?」

「ねえさん?」

 

皆と驚いていたグリムが声を上げた。すると、鶴姫は自分が着ている服を掴み、一気に脱ぎ捨てた。

 

『!?』

 

皆はまたも驚いた。服を脱ぐという鶴姫の行動だけでなく、鶴姫は脱ぐと同時にいつの間にか白い忍び装束へと着替えていたのだ。

 

「に、忍者!?」

「妖怪ドロタボウ!学校のみんなを怖がらせるだけでなく、手芸部のみんなが作ったアクセサリーを……!!許さないっ!!」

 

怒りの叫びを上げた鶴姫は、どこからか印籠の形をした道具を取り出した。

 

「グリムッ!いくわよ!!」

「は、はいっ!」

 

珍しく敬語で返事をしながら、グリムは鶴姫の横に並んだ。

 

「スピリットチェンジ!!」

 

グリムは左腕につけたブレスにギアを装着し、高速回転させる。グリムの身体に黒と白のスーツが装着され、頭部にコウモリのマスクが装着された。

 

「スーパー変化!ドロンチェンジャー!!」

 

鶴姫は発声とともに印を結び、印籠の横にあるスイッチを押した。すると印籠からエネルギーが放出され、鶴姫は忍び装束と同じ白いスーツとマスクを装着した。

 

「ニンジャホワイト!鶴姫っ!!」

「スピリットレンジャー!グリムッ!!」

「えーっと、ドンムラサメ!ソウゴ!!」

 

ニンジャホワイトの両隣にバットレンジャーとムラサメが立ち、名乗りを上げるとニンジャホワイトは印を結ぶ。

 

「人に隠れて悪を斬る!」

『忍者戦隊!カクレンジャー見参ッ!!』

 

3人は同時に叫び、それぞれ武器を構えてポーズを決めた。

 

(……俺、忍者じゃないんだけどな……)

(つ、つい乗せられてしまった……)

「カ、カクレンジャーか……!ドロドロッ!!」

 

ドロタボウが叫ぶと、どこからともなく青いスーツに身を包んだムンクの「叫び」のような白い顔をした戦闘員が現れた。

 

「成敗っ!!」

 

ニンジャホワイトは立てた親指を下に向けると、背中に背負った忍者刀「カクレマル」を抜き、ドロタボウとドロドロに向かっていく。

ムラサメとバットレンジャーもその後に続いていく。

 

「ハッ!ハッ!ヤッ!!」

 

ニンジャホワイトは剣道のような剣さばきで次々とドロドロを蹴散らしていく。さらに後ろからくるドロドロには手裏剣で撃退し、さらに向かってくるドロドロにはマキビシで足を止めさせてから忍者刀で切り裂く。

 

「オラッ!」

 

バットレンジャーは右手に持った鉄扇を思い切り振るって風を起こし、ドロドロ達を空に打ち上げる。

 

「ハイッ!」

 

左手にも持った鉄扇でさらに風を起こし、上空にドロドロを打ち上げる。

 

「ゲキワザ・昇昇舞ッ!!」

 

起こした風とともにバットレンジャーも舞い上がり、打ち上げたドロドロ達を空中で切り裂いた。

 

二鮫(にシャーク)暴鮫(ハヤサメ)!!》

「ハッ!」

 

剣の先から光のアンカーを発射し、ドロドロに巻き付ける。さらにムラサメはそのまま円を描くように周囲を高速で駆け回り、他のドロドロ達も纏めて巻きつける。

 

「入れ食い……だな。」

三鮫(さんシャーク)群鮫(ムラサメ)!》

 

数体まとまったところに、剣を振るって三日月の刃を飛ばし一網打尽にした。

 

「お、おのれ!」

「ドロタボウ、覚悟!」

 

ドロドロが全て倒されたところで、ニンジャホワイトはドロタボウに斬りかかった。しかし、ドロタボウはその攻撃をよけ、泥団子を食らわせ、ニンジャホワイトを倒した。

だが、ドロタボウが倒したのは、ニンジャホワイトが丸太……用意した身代わりだった。

 

「なにっ!?」

 

本物は後ろにいた。

 

「隠流忍法・折り鶴の舞!」

 

ニンジャホワイトが印を結ぶと、大量の折鶴がドロタボウに向かって飛んでいき、爆発を食らわせた。

 

「ぐあぁぁぁぁっ!!」

「2人とも、とどめよ!」

「おうっ!」

「了解した。」

 

先手を切ったのはバットレンジャーだった。バットレンジャーは両手に持った鉄扇を構えて突進した。

 

「ゲキワザ・宙宙斬!!」

 

舞を踊るような動きで突進しながら、ドロタボウを滅多斬りにする。

続けて出てきたのは、ムラサメだった。

 

四鮫(よんシャーク)流鏑鮫(ヤブサメ)!》

 

ムラサメは剣を握りしめ、ギアを4回転させた。するとニンジャークソードとムラサメが鮫のような紫色のオーラを纏っていく。

 

鮫牙大刀(こうがだいとう)……鳴噛(なるかみ)ッ!!!」

 

鮫型のオーラとともに突進し、鮫のひと噛みとともに刀で一刀両断。

そして最後はニンジャホワイト。

 

「隠流・くの字斬り!!」

 

飛びかかると同時に忍者刀を振るい、右斜め、左斜めとひらがなの「く」を描くようにドロタボウを斬り裂いた。

 

「ぐ……ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ドロタボウは断末魔を上げ、その場に倒れた。これで倒された……かと思いきや、またドロタボウは起き上がった。

 

「こ、ここで終わってたまるか……!巨大化エキス!」

 

ドロタボウはビンに入った赤い液体を頭にかぶった。するとドロタボウの身体はみるみる巨大化していった。

 

「やはり巨大化したか……」

「ソウちゃーん!みんなー!」

 

するとそこに、ラプラス、ルイ、こよりが走ってやってきた。

 

「クロたんから連絡来たから来たの!」

「よし……みんないくぞ!」

『アバターチェンジ!ロボタロウ!!』

 

ムラサメ達は集まると同時に、ギアを高速回転させてロボットモードへと変身。さらにそのまま巨大化して合体を始めた。

 

『完成っ!ドンホロマジン!!』

 

ドンホロマジンに変わり、両手に剣を持ってドロタボウに向かっていく。

 

「くらえ、泥団子!!」

 

ドロタボウは泥団子を投げてきた。それも1発や2発だけでなく、何発も投げてきた。しかし、ドンホロマジンは剣で全て切り落とす。

 

「たかが泥団子……他愛もない……」

 

泥団子を全て切り裂き、ドンホロマジンは意気揚々とドロタボウに攻撃しようとした。しかし次の瞬間、剣が重くなった。

 

「なんだ!?」

 

見ると、剣に泥が纏わりついており、その重みによって剣が重くなっていたのだ。

 

「ダ、ダメだ……持ち上げられん……」

「な、なんて泥でござるか……!」

「隙あり〜〜〜!!」

 

泥にもたついているうちに、ドロタボウは殴りかかってきた。

 

「キエェェェェ!!」

 

その時、どこからか猛禽類のような甲高い声が聞こえてきた。

空を見上げると、そこには太陽を背にして飛んでくる巨大な鳥がいた。

 

「あれは……!」

「あれはツバサマルよ!」

 

その時、ニンジャホワイトが叫んだ。

 

「みんな!ツバサマルと一緒に戦って!!」

 

ニンジャホワイトが叫ぶと、ツバサマルは翼を前に倒し、翼の先にあるキャノン砲を発射してドロタボウを吹き飛ばした。

さらにツバサマルは、ドンホロマジンの背中に合体した。

 

「これは……巨大な翼か!」

「この野郎っ!!」

 

ドロタボウはドンホロマジンに殴りかかった。しかし、翼を得た今、そんな攻撃は当たらない。ドンホロマジンは大空に飛翔する。

 

「今よ!必殺技を!!」

『了解!!』

 

大空に飛翔したドンホロマジンは右拳に赤いオーラを、左拳には青いオーラを纏い、ドロタボウに向かって拳を突き出して高速落下していく。

 

『鉄拳!フライングフィニッシュ!!』

 

右拳に猛々しい猿、左拳に凶暴な狼のような幻影が見え、ドロタボウに拳を叩きつけた。

殴り飛ばされたドロタボウは吹き飛び、そのまま断末魔を上げる間もなく爆散していった。

 

「刮目せよ!」

『Yes.My Dark!!』

 

──────────────────────────

 

「……鶴姫先生が変身するなんて、ビックリだよ。」

「ごめんなさい……」

 

戦いは終わり、鶴姫は生徒達の前に立っていた。

 

「本当のことを言ったら、みんなのこと巻き込んじゃうから……ごめんね……」

 

鶴姫が自分がニンジャホワイトだと言わなかったのは、何かあった時、巻き込んでしまう恐れがあるため言えなかったのだ。

申し訳なく思った鶴姫は、生徒達に頭を下げた。

しかし、

 

「……先生がヒーローなんて、超カッコいい!」

「え?」

「また手芸教えてください、鶴姫先生!」

 

生徒達はすでに鶴姫のことを受け入れていた。鶴姫達の周りに集まり、抱きついたり握手したりと鶴姫に懐いていた。

 

「みんな……ありがとう!」

「よかったでござるなぁ……あれ?グリム殿?」

 

その時、いろはがグリムの姿がないことに気づいた。

グリムは、何故か逃げるように校門へ向かっていた。

すると、

 

「グーリームー?」

 

鶴姫に低い声で呼ばれ、グリムは恐る恐る振り返った。見ると、グリムは額に汗をかいていた。

 

「な、なんだ?鶴姫姐さん……」

「なんだじゃないわよ!!」

 

鶴姫は怒った顔をしてグリムの頭を叩いた。

 

「イデッ!?」

「人を別の世界に呼んでおいて、アンタはブラブラブラブラ……いったい何をしてたの!?」

「い、いや、俺も忙しいからさ……」

「それと……あなたさっき、クロヱちゃんにセクハラしてたわよね?」

 

その時グリムはギクリと肩を竦めた。

 

「いやいやいや!お、俺は率直な感想を言ったまでで……」

「どうやら、私の特別訓練が足りなかったみたいねぇ?」

 

その言葉を聞いて瞬間、グリムの顔が青冷めた。

 

「か、か……!勘弁してくれェェェェェェェェ!!!」

「コラッ!待ちなさーーい!!」

 

グリムは青冷めた顔のまま、雄叫びを上げてそのまま逃げてしまった。鶴姫はその後を走って追いかけていった。

それを見て、生徒達とラプラス達は笑い声を上げた。

 

「グリムくんにも苦手なタイプがいたんだね。」

「そうだな……プフッ」

 

可笑しかったのか、ソウゴも思わず吹き出した。そんなソウゴを見て、クロヱは嬉しそうに笑っていた。

数日後………

 

「おおっ、よく撮れてるでござるな!」

 

ラプラス達はダンス動画を撮影し、それをネットに投稿した。その内容が、かなり話題になった。

ドンムラサメと、ニンジャホワイトの剣の上を、ラプラス達が踊る……というものだ。

遠近法を利用した撮影で、あたかも剣の上で動いているように見えているのだ。

 

「スゴイスゴイ!めちゃくちゃ話題になってる!」

 

苦労した甲斐あって、動画には「いいね」の数が一万を越えていた。同時に、スーパー戦隊の戦士達とホロックスも注目を浴びることになった。

これで、この世界に集まったスーパー戦隊はソウゴも含めて7人……どんな敵でも負ける気はしないと誰もが思うだろう。

 

だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイダス様……これで7人です……!スーパー戦隊どもがこうも集まってくるとは……!!」

 

真っ暗な暗闇の中、ザイガンはダイダスに報告をしていた。ザイガンはスーパー戦隊の登場を歯痒く思っているのか拳を握っていた。

しかし、ダイダスの方は……

 

「……あの男はどうしてる?」

「は……?」

「その男は、私の知り合いだ……今から会うのが楽しみだ……私を……“2度も“殺したアイツに……!!」

 

嵐が吹き荒れるのは、そう遠くはない……

 

 

 

 

 

 

 





ソウゴ「じかーいじかい。俺がホロックスに入ってからけっこう経つ……記憶は失ったままだが、それはそれでいいのかもしれない……って誰だ!?このじいさんは!?ドン20話『マッドなサイエンス』というお話し。」


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