ドン!ホロックスみーてぃんぐ!   作:ぴりもに

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これで年内の更新は最後になります。今年の内に話に一区切りできてよかった……




ドン23話「とこよにリペイント」

 

違法に改造された工場地帯……改造を施したのは他でもない帝王ダイダスことクリスだ。

 

「くっ……!」

 

その工場地帯から少し離れた採掘地帯の丘の上……そこにグレイは拘束されていた。

 

「無様だな、グレイ……」

 

あの戦いの中、グレイは大量の敵を相手に激闘を繰り広げていたが多勢に無勢で、結局捕まってしまった。

 

「さて、奴らは来るかな?」

「フッ……貴様は分かっていない。俺は奴らスーパー戦隊にとって俺は敵だ……敵を助けにくるはずがない……」

 

グレイは死を覚悟していた。凱やその仲間達が、自分を助けにくる理由はないと思っていたのだ。

しかし……

 

「そいつはどうかな?」

 

その一声とともに現れたのは、結城凱。そして他の戦隊達とholoxの合計10人だった。

 

「貴様ら……!なぜ来たのだ……!」

「へッ、スーパー戦隊ってのはお人好しの集まりなんだよ。」

 

そう言って凱はフッと笑い、クリスの方を睨みつける。

それに対し、クリスはパチン!と指を鳴らした。すると、どこからかザイガンをはじめとして、大量の怪人と戦闘員がどこからともなく現れた。

 

「小娘5人を引き連れた状態で勝てると思ってるのか?」

「……と思うぜ。」

「みんな、いくわよっ!!」

『おうっ!!』

 

鶴姫の一声に答え、皆は掛け声を上げるとともに変身ブレスを構えた。

しかし、その時……

 

「ん?この音……」

 

ルイが異変に気がついた。どこからかバイクのエンジン音が聞こえてきたのだ。

音が聞こえた方に顔を向けると、そこには……

 

『ソウゴ!!』

 

バイク•シャークチェイサーに跨って向かってくるソウゴの姿があった。その後ろから、グリムもバイクに乗っていた。

 

「待ったか、holoxのみんな。帰ってきたぜ!お前らのソウゴが!!」

「待たせたな……」

 

ソウゴはholoxの5人の顔を見ながら、フッとにこやかに笑ってみせた。すると、5人はわっとソウゴに集まってきた。

 

「雑用ー!早く我輩の部屋掃除しろー!」

「ラプラス」

 

「終わったらみんなでパーティするからね!さっさと終わらせよ!」

「ルイ」

 

「戻ってきたってことは、黒いムラサメを抑えられたんでしょ!?研究捗りそうで、こよ嬉しい〜♪」

「こより」

 

「越えたでござるな……見ただけで分かるでござる!」

「いろは」

 

ラプラス達の言葉を聞くとともに、それぞれに顔を向けるソウゴ。そして最後に、クロヱの方に顔を向けた。

 

「クロヱ……ただいま。」

 

その言葉に、クロヱは思わず目から涙をこぼした。しかし、すぐさまその涙を拭い、笑顔をみせた。

 

「うんっ!おかえり、ソウくん!」

 

ようやく再会できたソウゴとholox……そんな彼らを嘲笑うように、クリスは大声で笑い始めた。

 

「クハハハ!!性懲りもなく来たか、ウォルター!また醜態を……あの暴走した姿を晒すか!!」

 

温かい空気を壊すようなクリスの発言に、皆は敵意を向けた。しかし、ただソウゴだけはフッと笑って見ていた。

その顔はまるでクリスを嘲笑っているような、煽っているような冷たい笑みだった。

 

「なんだ貴様……その顔は……!」

 

その顔が面白くないクリスは、睨みながらソウゴに尋ねた。

 

「いや……なんでだろうな……今のお前が滑稽に見えて仕方ないんだ。」

「なんだと……!?」

「薄っぺらい男……力と虚栄心でしか自分を表現できない弱い男……それがお前だ。」

「き……き、貴様ァァァァァァァァァ!!!」

 

顔を真っ赤にして怒りの叫びを上げるクリス。それを見てグリムは笑った。

 

「へっ、図星突かれて怒ってやんの!」

「ソウきゅん、これ使って!」

「これは……」

 

こよりはある物をソウゴに手渡した。それは鮫の頭部を模したブレスレットと、鮫の絵が入ったギアだった。ブレスレットにはレバーのようなものがついている。

 

「俺とこより、ブンドリオの3人で作ったお前の新しい変身ブレスだ!」

「名付けて『ガブリチェンジャー』だよ!試してみて!」

「そうか……よし、みんな変身だ!!」

『おうっ!!』

 

皆はもう一度変身ブレスを構えた。

 

「ブンブンチェンジ!」

「王鎧武装!」

「キョウリュウチェンジ!」

「クロス!チェンジャー!」

「スーパー変化!ドロンチェンジャー!」

「迸れ!獣の魂!スピリットオン!!」

 

5人はそれぞれ変身アイテムを操作し、変身し姿を変えた。

そしてソウゴもガブリチェンジャーの操作を始めた。

鮫の開いた口の部分にギアを装着し、後部のレバーを引いた。

 

《ガブッ!》

 

レバーを操作すると音声とともに鮫の顎が開閉する。

 

《ガブガブッ!》

 

もう一回、

 

《ガブガブガブッ!!》

 

さらにもう一回レバーを引いた。するとチェンジャーからロックと和楽器の演奏を合わせたような待機音が流れ始めた。

その音楽に合わせ、ソウゴはゆっくり剣を振り下ろすような動作を取り……

 

「アバターチェンジ!!」

 

その一声とともに鮫の頭にあるボタンを押した。

するとソウゴの身体が光に包まれ、ドンムラサメへと変身した。しかし、その姿はいつものムラサメとは違った。全身が黒いスーツに変わり、腰には西洋甲冑についているような腰布が装備され、両手の爪も暴走時のような長く鋭いものに変わっていた。マスクも暴走時と同じく真っ黒に変わっていたが、バイザーは青から燃えるような赤に変わっていた。

 

《ドンクロサメ!!いざ、真剣勝負(バトル)!!》

「ドンクロサメ……これが新しいムラサメか……!」

《フカヒレイザー!》

 

自分の新しい姿をまじまじと見つめていると、チェンジャーの鮫の目が光り、その中から日本刀と鮫のヒレを合わせたような武器「フカヒレイザー」が出現した。

 

「刀か……俺好みだ。」

 

自分好みの武器が現れたことにクロサメはフッと笑った。すると、クロサメはチラリと皆の方を見た。

 

「みんな……アレはやらないのか?」

「アレ?」

「お前達スーパー戦隊がやるものといったら……アレしかないだろう。」

 

その言葉に、ソウゴがなにをしたいのか、皆はすぐに理解した。

そして、ブンレッドから順番にソレ(••)を始めた。

 

「ブーンレッド!!」

「叡智の王……トンボオージャー、ヤンマ•ガスト!!」

「斬撃の勇者!キョウリュウグリーン!!」

「ブラックコンドル!!」

「ニンジャホワイト!鶴姫!!」

「受け継ぐ誇りと気高き魂!トリニティプライド!スピリットレンジャー!!」

 

それぞれ名乗り終えると、ブンレッドとスピリットレンジャーをセンターに横一列に並んだ。

 

「我ら!」

『スーパー戦隊!!』

 

6人が叫ぶと同時に背後でドカーン!!と爆発が起こり、その爆炎を背にした。

それを見てラプラスは……

 

「我輩達もやるぞ!こっそり練習した奴だ!」

 

ゴホンと咳払いをし、ラプラスは叫んだ。

 

「そこに跪け!」

 

ラプラスが叫ぶと、続けてクロヱが、

 

「吐いて捨てるような現実を!」

 

続けていろは、

 

「一刀両断叩き斬る!!」

 

さらにこより、

 

「終わりなき輪廻に迷いし子らよ!」

 

さらにルイも、

 

「漆黒の翼で誘おう!」

 

そして、最後にクロサメが剣を鞘から抜いて、剣先を天に向けた。

 

「我ら、エデンの星を統べる者ッ!!」

 

クロサメが言い終えると、今度はラプラスとクロサメがセンターとなって6人は横並びになる。

 

「ラプラス•ダークネス!!」

「沙花叉クロヱ!!」

「風真いろは!!」

「博衣こより!!」

「鷹嶺ルイ!!」

「ドンクロサメ!!」

『秘密結社……ホロックス!!!』

 

6人は同時にポーズを決めながら雄叫びを上げた。同時に背後で爆発が起き、6人はその爆炎を背にした。

 

「さぁ……(フカ)い闇に、ひれ(ヒレ)伏せ!!」

「ええい……!!いけ、貴様ら!!」

 

剣先を向けて言ってくるクロサメに対し、クリスは怪人達に命令を出した。

怪人達はその命令に従ってクロサメ達に向かっていく。

クロサメ達も怪人達に向かって突進していった。

 

「ハッ!」

 

先手を切ったのはブンレッド。ロッドと銃を使い分けながら向かってくる敵を次々と倒し、

 

《ブブブブーーン!!》

「ハァッ!!」

 

ブンブンチェンジャーのレバーを押し込み、ブンレッドは高速で動き回りながら周囲の怪人達を薙ぎ払った。

 

「フッ!オラッ!」

 

その隣でトンボオージャーはヤンキーのような乱暴な蹴りとパンチ、さらには剣戟で敵を倒す。

 

「纏めて消えなっ!!」

《オージャフィニーーッシュ!!》

 

剣についたトンボの尻尾型のレバーを3回連続で倒し、剣に青い光をチャージ。そのまま剣を振って一直線上にいる怪人達を纏めて斬り裂いた。

 

「斬撃無双剣!」

 

剣を逆手に持ち、もう片方の手を獣のように尖らせる独特の剣技を披露し、キョウリュウグリーンは次々と敵を斬る。

 

「獣電ブレイブフィニッシュ!!」

《バモラ!ムーチョ!!》

 

剣に緑色の光を溜め、そのまま回転とともに周りの怪人達を斬り裂いた。

 

「ウィングガントレッド!」

 

腕に篭手型の武器を装着し、ブラックコンドルは強烈なパンチを繰り出して怪人を吹き飛ばす。さらに、ホルスターに携帯した剣を抜いた。

 

「ブリンガーソード!」

 

剣を抜いたブラックコンドルは翼を広げて空中へ飛び上がった。

 

「コンドルフィニッシュ!!」

 

空を飛翔しながら、すれ違い様に次々と怪人を斬り裂いた。

 

「隠流忍法•花吹雪!」

 

ニンジャホワイトが印を結ぶと、無数の花びらが出現し、戦闘員達を取り囲んだ。戦闘員達は戸惑いながらも花びらの中を突破しようとするが、花びらに触れた途端、花びらが爆発した。

 

「隠流•くの字斬り!!」

 

爆発で怯んだところで、ニンジャホワイトは刀をひらがなの「く」の字を描くように振るい、戦闘員達を斬り裂いた。

 

「オラッ!!」

 

バットレンジャーは鉄扇で起こす風で敵を吹き飛ばしつつ、さらに斬り裂く。

 

「スピリットチェンジ!」

 

ギアを変えてエレファントレンジャーに変わり、ハンマーの鎖で敵を巻き取りつつ地面に叩きつける。さらにシャークレンジャーへと姿を変え、二本の剣で地面を波乗りしながら敵を斬り裂く。

 

「ドンクロサメ……参る!」

 

フカヒレイザーを腰に携帯し、居合の構えをとるクロサメ。戦闘員と怪人達が迫ってきた瞬間、クロサメは目にも止まらぬ速さで刀を抜き敵の間を全て通り過ぎた。

 

「フゥ……」

 

刀を鞘に収めると、次の瞬間、襲いかかってきた敵は全て細切れになった。

しかし、敵はまだまだ現れる。

 

「キリがないな……」

「鮫山!雑魚は俺らに任せて、アンタはクリスと決着つけろ!」

「分かった!」

 

グリムのその意見に賛同し、クロサメは向かってくる敵を倒しながら、クリスの方へ向かっていく。すると、目の前にザイガンが立ちはだかった。

 

「ダイダス様の元へは行かせん!」

「どけ……貴様では相手にならん。」

「ぬかせっ!!」

 

ザイガンはサーベルを振るってきたが、クロサメはその攻撃をかわして後ろに下がる。そこで、クロサメは武器と銃の絵が入ったギアを取り出し、チェンジャーに装填し、レバーを引いた。

 

《レジェンドギア!》

《ブンバイオレット!》

 

レバーを引いてスイッチを押すと、鮫の目が光り、その光りの中からゲームのコントローラーの形をしたボウガンが出現した。

 

「アレは、サキトの……!」

 

その武器を見て、ブンレッドは声を上げた。

するとクロサメはコントローラーの赤いボタンを押し、方向キーを上、下と順番に押す。

 

《ガトリングモード起動!トリガーを引いて発射!》

「くらえ!」

 

ボウガンの先端に紫色に輝くガトリング砲の砲身が出現し、大量の光の矢を発射した。

 

「くっ!?ぬうぅ……!!」

「あの武器……もしかして他の戦隊の……」

「そういうこった!」

 

クロサメの戦いを見て、チェンジャーを作った1人であるヤンマが声を上げた。

 

「ドンクロサメのチェンジャーには、これまでの追加戦士達の武器を使えるんだ!そんでスーツにはその武器を使うために、戦士達の戦闘データが入ってんだ!」

 

ヤンマの解説が繰り広げられる中、クロサメはさらにレバーを引き、スイッチを押した。

 

《キョウリュウゴールド!》

 

今度はキョウリュウジャー6人目の戦士、キョウリュウゴールドの武器「ザンダーサンダー」が出現した。

 

「獣電池……3本装填!」

 

武器とともに現れた獣電池を剣に装填した。

 

《ガブリンチョ!》

「雷電……残光!!」

 

刀身に雷のエネルギーを纏い、そのまま雷の斬撃を放った。

ザイガンはなんとか防ごうとしたが耐えられず、ザイガンはそのまま真っ二つに斬られてしまった。

 

「ダ……ダイダス様ァァァァァァ!!」

 

断末魔を上げながら、ザイガンはその場に倒れ爆散していった。

その光景を見てクリスは歯ぎしりを立てた。そんなクリスをクロサメは睨みつける。

 

「こ、こっちには人質がいるんだぞ!こいつを殺されたくなかったら……」

 

クリスは慌てて人質のグレイを利用しようとした……が、その視線の先に拘束されているはずのグレイの姿がなかった。

 

「……アレ?」

「残念だったな!」

「グレイは私達で助けちゃったよ!」

 

少し離れたところで声が響いてきた。顔を向けると、そこにはグレイと一緒にいるホロックスの姿があった。

 

「な、なにっ!?」

「こよ達がちょちょいのちょいでやっちゃいました〜♪」

「鎖でぐるぐる巻にしただけだったから、助けるの簡単だったでござる。」

「この……小娘どもがァァァァァァ!!」

 

人質を解放されてあんぐりと口を開くクリスだったが、すぐさま烈火の如く怒った。しかし、ホロックスの5人はそんなものに怖がったりはしない。

 

「ププッ、思い通りにいかないからってキレてやんの!」

「そんな小物野郎が粋がってんじゃないぞ!!」

「言わせておけば……!!」

 

その時、怒るクリスの肩がトントンと叩かれた。

振り向くと、そこにはクロサメの姿が……と思った次の瞬間、クロサメはクリスの顔面を思い切り殴り飛ばした。

 

「ぶへぇぇぇぇ!!?」

「決着をつけるぞ……クリス!」

「き、貴様ぁ……!!」

 

殴り飛ばされたクリスは怒りのままにダイダスの鎧と兜を装着し、大剣を片手にクロサメに向かっていった。

 

《ドンドラゴクウ!》

「ハイヤッ!!」

 

新たに出現したドンドラゴクウの武器「龍虎之戟」を手にしたクロサメは、さながらカンフーアクションのように戟を振るい、そのリーチを生かして中距離からの連続攻撃を繰り出した。

 

「くっ……さすがの強さだな……!だが、内面の方はどうかな?」

 

その時、攻撃を防ぎながらクリスはニヤリと笑った。するとラプラス達に向かって声を張り上げた。

 

「おい、小娘ども!この男は元はテロリストだ!自分の正義の為に何人もの人間を殺した殺人鬼だ!」

 

してやったりとばかりに叫ぶクリス。対し、ラプラス達の目は冷ややかだった。まるでクリスのことを汚物でも見るような目で見ていた。

 

「……それが、どうしたの?」

「な、なに?」

 

口を開いたのはクロヱだった。クロヱはぎゅっと拳を握って語り始めた。

 

「昔何があったとか、本当は何者かなんて……どうだっていい!タコ焼きが大好きで、キレイ好きで、プラモ作りが好きで、真面目に毎日バイトして、仏頂面でもたまに笑顔を見せてくれる人……私達が出会ったのは、鮫山ソウゴっていう一人の人間なんだからっ!!!」

 

そのクロヱの言葉に、他の皆は力強くうんと頷いた。正体なんて関係ない……自分達は彼を…鮫山ソウゴを一人の人間として受け入れると決めたのだ。

それが気に入らないクリスは憤り、唸り声を上げた。

 

「この、アバズレどもが……!!」

「クリス!俺は今までの俺とは違う!俺はこいつらに……ホロックスのみんなに、仲間にしてもらったからな!!」

 

クロサメは戟を斧に変形させ、強力な一撃でクリスを吹き飛ばした。

 

《タイムファイヤー!》

 

レバーを操作し、今度は恐竜の頭部を模した銃剣「DVディフェンダー」を呼び出し、剣に変形させて一閃する。

 

「DVリフレイザー!!」

 

刀身に青いオーラを纏い、必殺の一撃を繰り出すクロサメ。しかし、クリスは同じく剣に赤黒いオーラを纏い、それで攻撃を防いだ。

 

「フッ!」

 

クリスが手を突き出すと、その手から赤い稲妻が放たれた。

 

《ホウオウソルジャー!》

 

その瞬間、クロサメはチェンジャーから新たに剣と盾が一体になった「ホウオウブレード」を呼び出し、盾で稲妻を防いだ。

 

「貴様がどれだけ前を向こうと!!」

 

次の瞬間、クロサメが攻撃を防いだ瞬間を狙ってクリスが突進して剣を振り下ろしてきた。

 

「貴様の過去が消えることは決してない!!」

 

クリスは盾を弾き飛ばし、続けて攻撃しようとした。

 

「そんなことは……わかってる!!」

《スパイダークモノス!》

 

クリスの言葉に応えながら、クロサメは剣で攻撃を防ぎつつ新たに蜘蛛と短剣を合わせた武器「クモノスレイヤー」をもう片方の手に持ち、クリスの脇腹に一撃を食らわせた。

 

「うぐっ!?」

「俺は過去を背負い続ける!そして今度は胸を張って……」

 

さらにクロサメは一撃二撃と剣と短剣の連続攻撃をクリスに浴びせ、短剣のクモノスレイヤーを宙に放り投げた。

 

「ノエルに会いに行くッ!!」

 

回し蹴りを繰り出し、クモノスレイヤーの柄の部分を蹴りつけクリスが装着するダイダスの鎧の胸に刃を突き刺した。

その時、ダイダスの鎧にヒビが入った。

 

「バ、バカな!ダイダスの鎧が……!!」

「トドメだ!!」

 

クロサメはチェンジャーにつけたギアを取り外し、フカヒレイザーの鞘のジョイントにギアを装填した。

 

《レジェンドギア!!》

 

さらに鞘の側面についたレバーを引き、ギアを高速回転させる。

 

《群雄割拠!天下無双!!》

「先輩方、力を借りるぞ!!」

 

音声が鳴り響くとともにクロサメを刀を鞘から抜いた。

すると次の瞬間、多数の光がクロサメの周囲に散らばった……かと思いきや光は人の形を形成し、クロサメと共に並び立った。

 

「な……なんだアレは!?」

 

その光景にクリスのみならず、ホロックスと他の戦隊達も驚いていた。

クロサメと共に並び立ったのは、5人の戦士とともに戦った6人目の戦士達。

それは錚々たる面々だった。30人以上にも及ぶ戦士達の並びは圧巻だった。

 

「森羅万象……!!」

 

刀の持ち手についたトリガーを引きながら、クロサメは刀を振り上げた。

同時に、歴代の追加戦士達もそれぞれの武器を構えた。銃を持つ者は銃口を、剣を持つ者は剣を振り上げる。

 

「レジェンダリーストライク!!」

《一撃必殺!!》

 

雄叫びとともに剣を振り下ろし黒と紫色の斬撃を飛ばし、他の戦士達もクロサメとともに必殺の一撃を繰り出してクリスに一斉に攻撃を浴びせていった。

 

「なぜ……なぜだァァァ……!!」

 

クロサメの追加戦士達の必殺の一撃を食らったクリスは、鎧が砕け、身体がボロボロになり、その場に倒れた。

それと同時に、クリスが呼び出した怪人と戦闘員達がフッと姿を消した。

 

「か、勝った!鮫山が勝ったぞ!!」

 

クロサメの勝利に仲間達が湧いた。それと同時に皆は一斉にクロサメの元に集まった。

そんな中、ソウゴは変身を解き、刀を片手に倒れるクリスを睨みながらジリジリと近づいていく。

 

「く…来るな!来るなぁ!!」

 

クリスは恐怖しながら腰を抜かした状態で後ろに下がり、石を投げた。

 

「こ、殺すのか!?仲間達の目の前でこの私を殺す気か!?」

 

「人殺し」とでも言いたいのか、クリスはソウゴを罵倒する。しかし、ソウゴはただ静かに呟いた。

 

「安心しろ……俺はもう誰も殺さない。それに、お前など……殺す価値もない。」

 

ソウゴはただそれだけ言って、クリスに背中を向けた。クリスはただただ俯いていた。言い返すこともできず、武器も何もないため一矢報いることもできなかった。

 

「みんな……帰ろう!」

 

皆の方へ顔を向け、笑顔を見せた。皆はコクリと頷き、一緒にその場から立ち去っていった。

 

───────────────────────

 

「じゃあ、せーの!」

『鮫山ソウゴくん!おかえりなさーーい!!』

「ありがとう、みんな!」

 

その後、ホロックスのアジトにてソウゴの帰還パーティが行われた。テーブルにはソウゴの好きなタコ焼きを始め、出前で取ったピザや寿司、ルイが作ったご馳走が並んでいた。

みんなグラスを片手に乾杯をした。

 

「はーい!俺とルイ姉が作った特製カレー!名付けてブンルイカレー!お待ちどうさん!」

「この美味しさは分類できないよ〜!ブンルイだけに!」

 

キッチンでブンドリオとルイがカレーを器によそい、みんなに振る舞った。

 

「おい、なんだこの寿司!アボカドが入ってんじゃねぇか!どこの寿司屋だよ!?」

「グリ兄がそれ食べなきゃいい話でしょ?ぼくアボカドいけるから。」

「じゃあ、代わりにかなたそのウニとイクラを差し出せ!」

 

グリムとかなたは一緒に寿司を楽しみ、

 

「うーん、こより結構強いじゃねぇか……」

「フフフ〜♪降参しちゃう?」

「バカ言え!こっからだぜ!」

 

ヤンマとこよりはトランプで遊び、

 

「おっ、『みんなから1万円ずつ貰う』か。」

「風真、結婚して子どもできたでござる!」

「ぼくの方は借金作っちゃった……」

 

ラプラス、大也、いろは、ソウジはボードゲームで遊んでいた。

楽しそうな皆をよそに、凱とグレイはソファに座って酒を楽しんでいた。

 

「ったく、みんなガキだな……騒がしいったらねぇぜ。」

「だが、悪くはない……」

「……だな。」

 

グレイの言葉に凱はフッと笑った。すると、キッチンから鶴姫がやってきた。

 

「はい、熱燗。」

「サンキュー。グレイ、この酒は初めてだよな?」

 

鶴姫が出してくれた熱燗を受け取り、凱はお猪口をグレイに差し出し、酒を注いだ。

2人はお猪口を持つと、一気にキュッと一飲みした。

 

「……美味い。」

「だろ?」

 

みんながそれぞれ楽しんでいる中、クロヱは辺りを見回し、この場にソウゴの姿がないことに気がついた。

 

「アレ?ソウくんは?」

「ああ、外の空気吸うって屋上に行ったぞ。」

 

グリムの一言を聞き、クロヱは屋上に向かった。屋上へ行くとそこには空を見上げて星を見ているソウゴの姿があった。

 

「ソウくん。」

「クロヱ……今、星を見ていたんだ。昔は、こうして星を眺める暇なんてなかったな……と思ってな。」

「ふーん……」

 

クロヱはソウゴと隣に並び、一緒に星を眺めた。空には曇り空一つなく、星々が輝いていた。

 

「キレイだね。」

「ああ……本当に綺麗だ。」

 

その時、ふとクロヱは視線を感じ、横を向いた。そこには星を見ずにクロヱの方をじっと見ているソウゴがいた。

その瞬間、クロヱは頬が赤くなるのを感じた。

 

「へっ、ソ、ソウくん……?」

「クロヱ……お前が傍にいてくれたから、俺は今こうしていられる。改めてお礼を言わせてくれ……ありがとう。」

 

ソウゴは微笑みながらお礼を言い、頭を下げた。それを見て、クロヱは赤くなった頬が元に戻るのを感じ、同じくニコッと笑った。

 

「こっちこそ……守ってくれてありがとう、ソウくん。これからもよろしくね!」

「ああ……よろしくな。」

 

その時、カツンカツンと階段を登ってくる音が聞こえてきた。そこにブンドリオが屋上にやってきた。

 

「おーい!カレーなくなっちゃうぞー!!タコ焼きも残り二つしかないぞー!?」

「なにっ!?急がねば!!」

「あっ、待ってよソウくん〜!」

 

ソウゴは生まれ変わった。過去も罪も背負いながら、それでも前を向き、堂々と妹に会うと決意を固め、これからも生きていく……

 

 

──────────────────────

 

「クソッ……ウォルターめ……!!何故勝てなかった……ダイダスの力を手に入れたというのに……!!」

 

夜の街の中……ボロボロになったクリスは裏路地を一人、這いずるように歩いていた。

ウォルター……ソウゴに勝つことができず惨敗したことに悔しさを覚えていた。

その時、どこからか声が聞こえてきた。

 

「勝てぬのも無理はない……ドンムラサメのシステムは最強だ。それを基盤として作られたクロサメもまた強い……」

 

後ろを向くと、そこには黒いローブに身を包んだ男がいた。

 

「なんだ貴様は……?」

「クリス……私とともに歩まないか?そうすれば、ドンムラサメを越える力が手に入る。」

「信用できるか!貴様のような、見ず知らずの男を……!」

 

いきなり現れた怪しい男の言い分など信じられるわけもなく、クリスはその申し出を一蹴した。

すると、男はフッとため息を吐いた。

 

「……しかたあるまい。」

 

その言葉の直後、男のローブの下から電気コードのような触手が現れ、目にも止まらぬ速さでクリスに巻き付いた。

 

「!?な、なんだこれは……!?貴様何者だ!?」

「私は、私の名は…………“鮫山ソウゴ“……」

「っ!?バカな……その名前は……!?う、うわぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

裏路地から悲鳴が響いた……しかし、その悲鳴は誰にも届くことはなかった……

 

 

 





ソウゴ「じかーいじかい。なに?正月に怪しい宗教の男が他所の家族を騙して詐欺行為をしている?ならば、俺達が家族に成りすまして成敗してやる!お祖母ちゃん役が俺で、お祖父ちゃんも俺で、息子も俺だ!この嘘……君はどこまで見破れる?ドン24話『ニセモノかぞく』というお話し。」

──────────────────────

ドンクロサメの見た目はムラサメのスーツとマスクが紫から黒に変更され、バイザーの色もピンクから赤に、腰には仮面ライダーウィザードみたいなローブが装備されています。

ガブリチェンジャーはダイノブレスのリデコで、恐竜の頭の部分が鮫になっていて、レバーとスイッチが増設されています。

本当はゴールドンモモタロウのリデコを出そうと思いましたが、ソウゴがムラサメとは違う力を手にしたという証を分かりやすい形にしたいと思い、クロサメに変更になりました。
詳しいスペックは次回以降に……

サブタイはホロックスの楽曲から。
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