ドン!ホロックスみーてぃんぐ!   作:ぴりもに

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更新遅くなりまして申し訳ありません……住んでいる地域が吹雪いた影響で風邪気味になったのと仕事疲れが重なった影響で遅れました……
次はこうならないよう努力します。





ドン28話「エデンのゆめ」

 

この日……ホロックス5人(••)はとあるビルの前に立っていた。ホロライブを運営している「カバー株式会社」だ。

 

「き…気持ちが追いつかないでござるよ……」

「ここまで来たら腹括るしかないわ〜」

「大丈夫……大丈夫……」

「まるで被験体になった気分!ワクワクするねぇ〜」

 

緊張する者、腹を括る者、自分を落ち着かせる者、期待を膨らませる者がいる中で、ラプラスはスーッと息を整え、叫んだ。

 

「討ち入りだーっ!!」

「いやいや、面接だって……」

 

5人は意気揚々と中へ入っていった。

何故、こんなことになったのかといえば……

 

────────────────────────

 

遡ること一ヶ月前……

 

「ホロライブか……世界征服を前に強力なライバル登場じゃねぇか!!」

 

ホロライブというライバルの出現にラプラスはテンションが上がっていた。

それに対し、こよりは落ち着いた様子でポテチを食べていた。

 

「ライバルどころか、相手はすでに世界レベルだけどね〜」

「かわいくて歌もスゴいいいんだよね〜〜」

「風真もよく見てるでござるよ!」

 

クロヱといろははホロライブの話題で盛り上がっている。それを諭す様にラプラスは声を上げる。

 

「おい、こいつらはライバルだぞ!すでに先を越されてんだ!倒す方法考えろよ!」

「いやぁ〜、そんなこと言っても相手は相当のビッグだよ?」

「……あのさ……」

 

その時、ルイが静かに声を上げた。

 

「私達がホロライブに入ってみる……というのはどうかな?」

 

ルイが提案したアイディアに皆は目を見開いき、ラプラスはニヤリと笑った。

 

「なるほど……正攻法が無理なら、内側から征服しちまおうってことか?おもしれーじゃねぇか!」

「いや、そこまで言ってな……」

「さすが幹部だぜ!」

 

「そこまで言ってない」と言おうとしたルイだったが、ラプラスは聞かずに声を上げる。

 

「よっしゃ!入るかホロライブ!!善は急げ、今から突撃だー!!」

 

すっかりやる気になったラプラスは声を高らかに上げた……が、

 

「いや、入るとしても書類選考とかあるんじゃね?」

「……そうなの?」

 

クロヱの一言にラプラスは一気に真顔に戻った。

こうして5人は面接を受けるため、履歴書や自己PR動画を作りカバー株式会社へと送りつけた。

そして現在に至る……

 

「みんな書類選考通過できて本当よかったよね〜」

「全員で受かってこそでござるからな!」

 

皆、書類選考を突破し面接へと漕ぎ着けた。皆、エレベーターの中でその苦労話をし始める。

 

「私エントリーシート見やすいように何回も書き直したよ。」

「マジで!?沙花叉バイト感覚で普通に書いただけなんだけど!」

「その素直さが逆に良かったんじゃない?」

「素直?我輩、めっちゃキャラ作って動画送ったんだけど。わかんねーもんだな。」

 

……読者の皆はお気づきだろうか。今この場に、ソウゴの姿がいないことに……

 

「結局ソウくん来なかったね。」

「やっぱり、女の子ばっかりのところじゃ働けないのかな。」

「でも、カバーにはホロスターズって男のアイドルグループもあるでござるが……」

 

───────────────────────

 

場所は変わり、喫茶どんぶら……

そこにソウゴはいた。今度はバイトとしてではなく、客として来ていた。

 

「来てもらって悪いな、運び屋。」

 

その隣にはブンレッド•範道大也の姿があった。

 

「どうしたんだ?話しがあるって聞いたぞ。」

「話……というか、愚痴みたいもんだ。飯は奢ろう。」

 

申し訳なさそうにしながら、ソウゴはメニューを手に取った。

しかし、大也はそのメニューを取り上げ、元の場所に戻した。

 

「その必要はない。ブンブン!」

「はいよっ!」

 

威勢のよい一声とともに店の奥からブンドリオが現れた。ブンドリオは手に持った皿をソウゴの前に差し出した。

 

「ブンブンカレー•クロサメバージョンだ!」

 

ブンドリオが出してきたのはカレーだった。皿一面のルーの上にイカスミで黒くなった黒い飯を鮫の形に整え盛られている。

 

「黒い……米?」

「イカスミパスタってあるじゃん?それのご飯バージョンだ!」

「まぁ、いいか……いただきます。」

 

ソウゴは両手を合わせ、スプーンを手にとってカレーを食べ始めた。

イカスミパスタならぬイカスミライスの味はなんとも珍妙だったが、カレールーのおかげで食べ進めることは可能だった。

 

「……それで、話ってなんだ?」

「実は……この前、ラプラス達がホロライブっていうところの関係者と会ってな……」

 

ソウゴは一ヶ月前、ホロライブのスタッフである友人Aと出会った時のことを大也に話した。

 

「その後、俺はホロライブというものを調べた。それで……俺は知った。あそこに所属している女達はみんなそれぞれ目標を……夢を持ってる。」

 

「夢」……その単語を聞くたび、自分の口から言うたびに、ソウゴはなんともいえない寂しさと焦りを感じた。

 

「ホロライブに所属しているアイドル達は、いわば松明だ。下手すればすぐに消えてしまいそうな火を必死に守って、大きな火にしようとしてる。……その中に、ホロックスも飛び込もうとしている。」

「……それで?」

 

ソウゴの言わんとすることがなんとなく理解できた大也。しかし、それは敢えて口に出さずに話を聞き続ける。

 

「今までの人生を振り返ってみて、思ったんだ。俺は……自分の夢を持ったことがなかったとな。秘密警察には親が望んでいたからなったし、『ブラックサレナ』という組織だって、元をたどればクリスが俺をリーダーとして担ぎ上げたからだ。」

「……自分も夢を持ちたくなったか?」

 

その言葉にソウゴはコクリと頷いた。

 

「……自分のために生きてみてもいいかもしれない……そう思ったんだ。」

「そうか……悪くないんじゃないか?」

「だが……夢というのは、どうやって見つければいいんだろうな……」

 

カチャリとスプーンを置き、自身なさげにソウゴは俯き始めた。すると、いつの間にか後ろに回っていたブンドリオがソウゴの背中を叩いた。

 

「あんまり気にすんなよ!夢ってのはさ、ちょっとしたことから見つかるもんだぜ!気長に地道に見つけていこうぜ!」

「ああ……その通りだ。」

 

ブンドリオの意見に同意するように大也もソウゴに言葉を贈る。

 

「どんなに小さい夢でも、いずれ大きな夢になる……お前の言う“大きな火“に……」

 

大也の言葉に、ソウゴはフッと笑った。

こんなことを言えるのは、夢を持っている者だからこそ……大也自身にも夢がある。ソウゴはそう思ったのだ。

しかし、すぐに真面目な顔つきに戻り、カレーを平らげた。

 

「だが、夢を見つける前に……まだやることがある。」

「なんだ?」

「ドンムラサメとは何なのか……それに関係しているであろう『レプリカ計画』……それを解き明かす必要がある。」

 

ソウゴは自分の過去を取り戻した。そして残るはドンムラサメの謎……それを解き明かしてこそ、自分の未来に繋がる……ソウゴはそう思っていた……

 

「それと……これは関係ないんだが……」

 

その時、今まで真面目な顔つきだったソウゴの顔がしどろもどろになった。

 

「最近、クロヱを見てると……その、胸の辺りが苦しくなる……」

「えっ、なんで?」

 

ソウゴの一言に思わずブンドリオは尋ねた。しかし、ソウゴは上手く答えられない。

 

「お、俺にもわからない……だが、クロヱが『ホロライブに面接に行く』と言った時……遠くに行ってしまう気がして……怖かった……」

「フーン……なるほどな……」

 

大也はフッと笑った。ソウゴがクロヱに抱いた感情がいったい何なのか、分かっていたからだ。

ブンドリオは分からないのか、ずっと首を傾げていた。

そしてソウゴ自身がその感情がなんなのかに気づくのが、いつになるかは誰も知らない……

 

 

─────────────────────

 

そのころ、ラプラス達は社内で会った友人Aに社内の休憩室に案内されていた。

5人ともソワソワしながらソファに座っていたが、ルイは周りで休んでいるスタッフ達を見て、目を輝かせている。

 

「これだけ多くのスタッフさんがホロメンを支えているんですね!」

「いえいえ、ここにいるのはほんの一部ですよ。ありがたいことに人が増えて、3年と少しで百人規模まで成長しました。」

「ひ、百人!?」

 

スタッフの数が百人ほどいると聞き、いろはは驚きで声を上げた。

 

「プロダクションの立ち上げ当初はタレント含めて10人もいなかったんですが……こうして見ると感慨深いものですね。」

 

友人Aはしみじみとしながら周りのスタッフ達を見渡した。人が少なかった時を懐かしく思っているようだ。

 

「えーちゃんさんが『昔は床で寝てた』って配信で言ってるの観てたんで、なんかイメージと違うなぁって感じです〜!」

 

と、こよりの何気ない一言に友人Aはギクリと肩を震わせた。しかし、すぐにどこからか取り出したエナジードリンクを飲み干す。

 

「まぁ……はい。そういう時期もあったというかなんというか……」

「どっからエナドリ出した?」

「でも、私達ががんばった分、大好きなアイドル達が輝くんですから……こんなやりがいのあることはないですよ!!」

 

そう言って友人Aは目をキラキラと輝かせた。その目はどこか熱意がこもっており、アイドルのことが本当に好きなのだと感じさせた。

それから友人Aは自分とスタッフ達の仕事を説明やホロメン達のことを話していると、いつの間にか面接の時間が迫っていた。

それに気づいたのは……

 

「おい、お前達。そろそろ時間ではないのか。」

 

低い声とともに現れたのは、グレイだった。

 

「グレイさん!?」

 

アイドル事務所に似つかわしくない黒いロボのグレイがいるのを見て、ラプラス達は思わず驚いた。

 

「みなさん、グレイさんとお知り合い?」

「え、ええ……でも、なんでグレイさんが……」

「グレイさんは姫森ルーナさんのボディガードで、カバーの雑用係でもあるんです。」

『嘘っ!!?』

 

ラプラス達はまたも声を上げた。グレイがアイドルのボディガードをしているとは思わなかったからだ。

すると、グレイは呆れ気味にラプラスに向かって一言言い放つ。

 

「そろそろ面接があるのではないのか?」

「あっ、そうでしたね!面接がんばってください!みなさんならきっと大丈夫です!」

 

グレイとともに友人Aはラプラス達を送り出し、手を振って別れを告げた。

それを横目にラプラスは面接試験を行う部屋へと向かった。

 

「ホロライブ……人も熱量もスゴイ場所だね!」

「ますます入りたくなっちゃったね!」

「推しの仲間になれるかもしれないってことでござるよなぁ……」

「それってすげぇよね!」

「征服のしがいがあるってもんだ……お前ら、絶対受かるぞ!!」

 

ラプラスは他の四人の肩を叩き、気合を入れ直した。それを受けた四人はウンと力強く頷き、

 

『おーーーっ!!』

 

全員声を上げ、拳を上に突き上げた。

 

────────────────────────

 

そのころ……

 

「ようやく見つけたぞ、ソノイ……」

「貴様は……」

 

以前、クロヱとともに訪れたおでんの屋台……そこでおでんを食べていたソノイは、ある男に声をかけられた。その男はソウゴだった。

 

「鮫山ソウゴだ。お前に聞きたいことがある。あの老人……ソノセンはどこにいる。」

「……ソノセン様に何をする気だ?」

 

ソノイは席を立ち、ソウゴを睨みつける。しかし、ソウゴは動じることなく返答する。

 

「何もしない……聞きたいことがあるだけだ。ドンムラサメとは何なのか、本物の鮫山ソウゴとは何者で、『レプリカ計画』とは何なのか……全て問いただす。」

「そんなことを知って、どうするつもりだ?」

「さぁな……聞いてから考える。」

 

ソウゴはギアを取り出し、ガブリチェンジャーを構えた。ソノイからは殺気が感じられた。まるで、「聞きたければ俺を倒せ」と言わんばかりだ。

ソウゴはギアをブレスに装填し、後部のレバーを

 

《ガブッ!ガブガブッ!ガブガブガブッ!》

 

……と3回引く。

 

「アバターチェンジ!!」

 

待機音が流れる中、ソウゴは叫びボタンを押した。それと同時に、ソノイも腕につけたブレスを軽く叩いた。

2人の身体は光に包まれ、それぞれドンクロサメと青い仮面の騎士に変身する。

するとそこに……

 

『ソノイッ!』

 

ソノイの仲間であるソノニとソノザがソノイの名を叫びながら駆け寄ってきた。しかし次の瞬間、

 

《ブブブブブーン!!》

 

けたたましい音声とともに赤い閃光が2人の前に走った。

 

『!!』

「ここから先は通行止めだ。」

 

2人の前に現れたのは変身した大也……ブンレッドだった。

 

「ソウゴは自分のハンドルを掴んだ。それを邪魔する権利は誰にもない!」

 

ブンレッドはハンドル型の銃を取り出し、銃口を2人に向けた。

 

「邪魔したいなら俺を倒してからだ!」

「チッ……いくぞ、ソノザ!」

「ああっ!」

 

2人はソノイ同様に腕につけたブレスを軽く叩き、騎士の姿に変身し、武器を持ってブンレッドに戦いを挑んだ。

そして、クロサメとソノイの方も戦いが始まろうとしていた。

 

『いざ……』

 

2人は互いに剣を構え、

 

『参る!!』

 

雄叫びとともに駆け出し、剣を交えた。

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈あなたと同じ力を感じます……すぐに向かいなさい、“ムラサメ“!〉

「はい……マザー。」

 

 

 

 

 

 




おまけ「愛読書」

ある日の昼頃、ソウゴはソファに座って本を読んでいた。

「ソウくん、何読んでるの?」
「これか。これは……クッキングパパだ。」
「クッキングパパ」
「タコ焼きのアレンジレシピ目当てで読んだんだが……どこで止めればいいか分からなくなってな……今、100巻越えたところだ。」
「そっかー」

鮫山ソウゴの愛読本
•クッキングパパ……たくさんの人間の人生を見ている気がして好き
•ミステリと言う勿れ……主人公の洞察力に感心しながら読んでいる
•ちいかわ……「読んでいる」と言ったらラプラスに笑われた

──────────────────────

ソノイ「じかーいじかい。鮫山ソウゴ……貴様が何者だろうが、私は貴様との決着をつける……って、なんだと!?ムラサメが2人!?ドン29話……」
「クロサメと、」
「ムラサメ」
「……というお話し。」


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