ドン!ホロックスみーてぃんぐ!   作:ぴりもに

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また遅くなってしもうた……次こそは……!




ドン30話「まっくろなけいかく」

 

「……これで全員か?」

 

ソウゴの招集により、喫茶どんぶらに仲間達が集まった。ホロックスの5人とグリム、大也を始めとしたスーパー戦隊の5人に加えブンドリオ、グレイの2人、そしてソノイ、ソノニ、ソノザの脳人三人衆……

集まった面々にマスターはお冷やを出していく。

 

「後は……ソノセン様だけだ。」

 

ソノイが呟いたその時、店のドアが開きベルが鳴った。

目をやるとそこにはソノセンの姿があった。

 

「ちゃお♪」

「お待ちしておりました……ソノセン様。」

 

ソノセンが来たのを見て、ソノイ達は深く頭を下げて出迎えた。

 

「お呼びして申し訳ありません。お呼びしたのは他でもありません……レプリカ計画の全貌を……」

「分かっておる。」

 

ソノセンは椅子に座り、差し出された水を一口飲み……静かに口を開いた。

 

「どこから話せばいいかのぉ……まず、ムラサメを作ったのは本物の鮫山ソウゴ……そこまでは知っとるか?」

 

その言葉を聞き、皆はコクリと頷いた。それを見てソノセンは話を続けた。

 

───────────────────────

 

元々ドンムラサメの開発を頼んだのは、脳人の元老院達じゃ。獣人という化け物を退治するためにな。鮫山は命令通りドンムラサメのプロトタイプを作り……見事開発を成功させた。

続けて元老院は、あることを提案した。それは、ニンジャークソードに変身機能をつけて量産することじゃった。その目的は……

 

「ムラサメを量産すれば、あのドン王家を滅ぼすこともできる!」

 

脳人とドン王家は当時対立しておった。元老院はニンジャークソードを量産し、脳人に変身させムラサメ軍団を作るつもりじゃった。それでドン王家を滅ぼすためにな。

鮫山は命令を受けて早速量産にかかった……が、そう簡単にはいかんかった。

 

「なんだと……量産できんだと!?なぜだ!?」

「……ムラサメは強すぎるのです。」

 

それが鮫山が言うムラサメが量産に向かない原因じゃった。

 

「ムラサメの力は普通の脳人には耐えられません…、無理に変身しようとすればスペックが下がり、弱体化してしまい……最悪消滅してしまいます。そうすればドン王家を潰すことは難しくなります。」

 

元老院の老人達は頭を抱えた。じゃが、鮫山は笑った。

 

「実は……私に妙案がございます。」

「妙案?」

「はい……何も“素体“に脳人を使う必要はありません。人間を使うのです。それも戦闘力が高い人間を……」

 

脳人の代わりに人間を変身者として使う……鮫山はそう提案した。じゃが、元老院は首を横に振った。

 

「バカな……そんな人間が大量にいるわけないだろう!」

 

元老院が目指しているのはあくまでも量産……最強クラスの人間を揃えたところでその数はたかがしれておる……元老院はそれを分かっておった。じゃが、鮫山は笑ってばかり……

 

「何も“一つの世界“から集めるとは言ってません。“より多くの世界“から集めればいいのです……」

 

……この世界から数多くの並行世界が存在する。鮫山は、ありとあらゆる世界から最強の人間を集めるつもりじゃったのじゃ!

 

「だ、だがこっちの言うことを聞いてくれるとは限らんだろう!」

「心配いりません。その時は……脳をいじってしまえばよろしい。」

 

そう言った鮫山は不気味に笑っておった……まるで化け物のように見えたそうじゃ。

 

「前頭前野をご存じですか?脳部位の一つで、記憶や思考、感情を制御し行動を抑制してくれる部位……そこを少しでも細工すれば……」

 

そう楽しげに語る鮫山を見て、元老院は恐怖を感じたそうじゃ……じゃが、計画のために鮫山には好きなようにさせるしかなかった。元老院は鮫山の行動を黙認した。

そして、長い月日を経て……鮫山の元には数多くの強者が集まった。

集められた強者は色々じゃった。世界最強の格闘家、戦国時代の腕の立つ剣豪、超腕利きのガンマン、超能力者……そして、何らかの理由で瀕死になった者もな……

 

────────────────────────

 

「……その中に、俺がいたってことか。」

 

ソウゴがこぼした言葉に、ソノセンはコクリと頷いた。

本物の鮫山ソウゴが集めた最強クラスの強者……その中にソウゴがいた……

 

「アンタはレプリカ計画に加担しなかったのか?」

 

その時、グリムはソノセンに尋ねた。するとソノセンはフンと鼻息を鳴らす。

 

「ワシはあんな悪趣味な計画なんぞ興味ないわ!ワシはただ、自分が作った兵器で醜くくたばりたいだけじゃ!!」

(……それも悪趣味だと思うけどなぁ……)

 

……と、皆思ったが言わなかった。するとクロヱがソノセンに尋ねた。

 

「それで?そのレプリカ計画は結局どうなったの?」

「それを今、言おうと思ってたところじゃ。」

 

────────────────────────

 

それから鮫山は徐々に狂っていった……いや、元々狂っておったのかもしれん。被験者であるその強者たちを、鮫山は道具のように扱った。

ワシはそれを何度も止めようとしたが……聞かんかった。

 

「鮫山!何度言わせるつもりだ!!被験者になんてことしとる!!」

「……あなたにとやかく言われたくありませんね。大量破壊兵器を作るあなたにはね。」

「言ったはずじゃ!ワシは自分の作った兵器で醜く死にたいだけじゃとな!!兵器は使う人間がいなければ意味がないっ!!貴様はそれをないがしろにしとるんじゃ!!」

 

ワシは力説して説得しようとしたが、鮫山は無視し続けた。

ワシも次第に放っておいてしまった……そして奴は、ある事件を起こした。

 

「私の開発したドンムラサメこそ、最強の戦士なのだ!!それを計画打ち切りなど……許さんっ!!」

 

元老院は何年も成果が出ないレプリカ計画に、ついに計画打ち切りを命じた。じゃが、研究に時間を費やしてきた鮫山は納得せず……ムラサメを使ってクーデターを起こした。

ムラサメを元老院がいる本部に向かわせたのじゃ。

本部に向かったムラサメは2人……ワシの知る限り量産されたのは2本だけじゃ。後はプロトタイプのみじゃ。

事態を重く感じた元老院は事態の解決を……こともあろうにドン王家に頼んだ。なんとも情けないことじゃ。

ドン王家はその絶対な力であっという間にムラサメを倒し、首謀者である鮫山を殺害した。

その後、2本のニンジャークソードは両陣営に渡ることになった。ドン王家はムラサメの変身者の記憶を消してニンジャークソードとともに他の世界に永久追放……

元老院は追放はせずにムラサメを自分達の傘下に置いた。

 

──────────────────────

 

「その記憶を消された奴というのが……」

 

ソノセンの話を聞き、皆一様にソウゴの方を見た。ソノセンはコクリと頷いた。

 

「俺の記憶を消したのは、ドン王家……だが、何故俺の記憶を消したんだ?」

「おそらく……報復に出れないようにするためだろう。」

 

疑問を抱くソウゴに、ソノイは推理を語り始めた。

 

「別の世界に飛ばしたとはいえ、自分達に復讐にくる可能性を危惧したのだろう。念には念を入れ……といったところか。」

「そう考えれば納得だな。」

「……あれ?」

 

その時、こよりが声を上げた。

 

「今の話聞いたら……もう一本のムラサメにも変身者がいるってことだよね?それって……誰なんだろ?」

 

本物の鮫山ソウゴによって作られたニンジャークソードは2本……その内の一本はソウゴが使っていた。ならば、もう一本は誰が使っているのか……

ソノセンはフムと唸り、ゆっくり口を開いた。

 

「……話せば長いことになるが……鮫山には1人息子がいた。」

「息子?」

「うむ……その息子というのが……」

 

ソノセンは鮫山の息子のことを話そうとした、その時だった。

 

「た、大変だよぉ!!」

 

突然、老婆が大声を上げて店の中に入ってきた。その老婆はどこか見覚えがあった。

 

「あれ……?魚屋のおばあちゃん!?」

 

その老婆は前にホロックスで助けた魚屋の主人の妻だった。

老婆は慌てた様子でルイの腕を掴んだ。

 

「街でサメみたいなヤツが暴れてるのよっ!」

「サ、サメ?」

 

その言葉にもしやと思ったソウゴは一番に駆け出し、街へ向かった。仲間達もその後を追って街へと向かう。

 

────────────────────────

 

街につくと、そこには街で暴れるドンムラサメの姿があった。ムラサメは街の建物を次々と襲っていた。

 

「ムラサメ……!」

「見つけた……!」

 

ムラサメはソウゴの姿を見るなり、街の破壊行為をやめ、剣先をソウゴに向けた。

 

「狙いは俺か……!」

「うあぁぁぁぁぁ!!」

「アバターチェンジ!!」

 

ムラサメが襲いかかってくるのと同時に、ソウゴはクロサメへと変身し、刀で攻撃を防いだ。

 

「ソウゴ!」

 

それを見てグリム達も変身しようと変身アイテムに手をかける……しかし、

 

「来るな!」

 

クロサメが叫んだ。

 

「こいつは俺1人で相手をする!」

「しかし……」

「こいつと話をしてみたい!それに、尋問なら得意でな!」

 

そう叫んだクロサメは刀でムラサメを押し出し、さらに腹を蹴り飛ばした。

 

「わかった……任せた!」

 

グリム達はムラサメの相手をクロサメに任せ、自分達は見守ることに決めた。

 

「来い……!!」

 

クロサメは霞の構えで刀を構え、ムラサメは逆手に剣を持って構え、互いに睨みつける……そして次の瞬間、両者は互いに駆け出した。

 

「ダァッ!!」

「ハァッ!!」

 

刀と剣がぶつかり合い、火花が散る。互いに一歩も譲らない剣戟……割って入ることなどできない。たとえ助力を求められたとしても、入ることなど不可能。

 

「ならばこいつだ!」

 

クロサメは満月が描かれた紫色のギアを取り出し、刀の鞘に装填、回転させた。

 

《フルムーンギア!》

「円月剣……御鏡!!」

 

クロサメは刀を抜き、上に放り投げた。すると刀は1人でに回転しまるで月のようになる。クロサメが手を前に突き出すと回転する刀はブーメランのように飛んでいく。

対し、ムラサメは剣のギアを2回回転させ、トリガーを引いた。

 

二鮫(にシャーク)暴鮫(ハヤサメ)!!》

 

剣の刀身にエネルギーをチャージし、そこから紫色に光るアンカーを発射し、電柱に巻きつけ空中へ飛び上がってよけた。

さらにムラサメは3回ギアを回転させる。

 

三鮫(さんシャーク)群鮫(ムラサメ)!》

 

剣から紫色の斬撃をクロサメに向かって3発飛ばす。

クロサメの方は三日月が描かれた青いギアを装填し、回転させた。

 

《クレッセントムーンギア!》

「円月剣……」

 

戻ってきた刀を掴み、刀身に青いオーラを纏い構える。

 

「孤月!!」

 

雄叫びとともに刀を振るう。すると刀の青いオーラが大量の三日月の刃に変化し、ムラサメが飛ばした斬撃を打ち消し、そのまま飛んでいく。

 

「!!」

二鮫(にシャーク)暴鮫(ハヤサメ)!!》

 

ムラサメは再度剣から光のアンカーを発射し、それをムチのように操って三日月の刃を打ち消した。

 

「今だ!」

《ハーフムーンギア!》

 

クロサメは半月が描かれた黒いギアを装填し、回転させる。

刀を鞘に収め、居合の構えをとった。

空中へ飛んだムラサメが落下するタイミングを見計らい、瞬間刀を抜いて半月を描くように刀を横に一閃する。

 

一鮫(いちシャーク)斬鮫(キリサメ)!》

 

ムラサメはギアを一回転させてトリガーを押し、落下と同時に剣を地面に突き立てて地面に潜り込んで攻撃を避けた。

 

「2人の実力はほぼ互角だ……」

 

両者の戦いを見て、ソウジが静かに呟いた。

 

「ああ……武器の性能も、ぶっちゃけ大差ねぇ……」

 

続けてヤンマも冷静に2人の戦いを分析し、さらにはグリムも口を開く。

 

「こうなると、どっちかの体力切れが勝敗を分けるかもな……」

 

2人の勝敗を分けるのはおそらくは体力や精神力……その2つは無尽蔵ではない。些細なことから綻びが生じるもの……狙うならばそれのみだ。

 

「お前……鮫山の息子だと聞いた。」

「!!」

 

その瞬間、ムラサメの動きが一瞬だけ止まった。その隙を突き、クロサメはムラサメの懐に入り込んだ。ムラサメは慌てて攻撃を防ぎ、鍔迫り合いの状態となる。

 

「くっ!」

「今……動揺したな。俄然お前に興味が湧いてきたぞ!お前がどんな奴なのか、本物の鮫山ソウゴがどんな人間だったのか……レプリカ計画の被験者を最終的にどうしたのか……答えてもらうぞ!!」

 

単純な好奇心と探究心、純粋な興味がクロサメを……ソウゴを駆り立てた。

対し、ムラサメはわなわなと震えていた。

 

「知らない…!!ぼくは父さんのことなんか知らない……!!あんな奴……!!」

「いや、知ってるはずだ!!なぜならお前は、鮫山ソウゴの息子だからだ!!」

「う……うあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

その瞬間、ムラサメは取り乱しデタラメに剣を振り上げた。それが隙になった。

クロサメはその一瞬の隙をついて脇腹に刀の一撃を食らわせた。

 

「うっ……!」

 

一撃を食らい、ムラサメはその場に膝をついた。それを見てソウゴは変身を解き、刀を鞘に収めた。

 

(これで変身を解くはず……その顔拝んでやる。)

 

ムラサメが膝をついたのを見て、ソウゴはムラサメが変身を解除すると見た。しかし……一向に変身を解く気配がない。

 

(いったいどうなってる……?)

 

不審に思ったソウゴは少しムラサメに近づいた……だが次の瞬間、ムラサメは立ち上がって剣を振りかざした。

 

「!!」

「あぶないっ!!」

 

鋭い刃がソウゴに差し向けられた……だが、

 

「やめんかっ!!ソウイチ(・・・・)!!」

 

ソノセンの一声が響き、ムラサメはその手を止めた。

 

「ソノセン……博士……」

「まったく……情けないのぉ……」

 

ソノセンは顎に手を当て、あきれたようにため息を吐いた。すると、ムラサメのニンジャークソードから光の玉が一つ、静かに出てきた。

 

「ソノセン博士……お久しぶりです……まさか貴方がこちらにいるとは……」

「その声……まさか、園子!!」

 

光の玉は落ち着いた女性の声を出し、ソノセンはその声を聞いて思わず声を上げて驚いた。

 

「ソノコ……?誰?」

「鮫山園子……鮫山ソウゴの妻で、ソウイチの母親じゃ。」

『お……お母さん!!?』

 

ソノセンの言った一言に、皆揃って大声を出して驚いていた。

その後、ソウゴ達は知ることになる。ソウイチと園子が、どんな思いでいたのかを……

 

 

 




おまけ「愛読書2」

「うーん……たまには読書もいいもんだなぁ……」
(グリ兄、何読んでんだろう……)

グリムは本を読んでいるようだったが、カバーをつけているため何を読んでいるか分からなかった。
かなたは後ろからコッソリと覗き込んだ。グリムが読んでいたのは、「ToLOVEる」というお色気要素の強いラブコメ漫画だった……

「うわっ……」
「なに勝手に覗いてんだよ!?」
「どうせおっぱい目当てでしょ……」
「悪いかよっ!!」

グリムの愛読書
・からくりサーカス……主人公の境遇が他人事とは思えなくて泣きながら読んでる
・ケンガンアシュラ……男の生き様を見ているようで大好き。喧嘩の参考にもしている
・ToLOVEる……御門先生とティアーユ先生目当てに読んでいる(好みのタイプだから)

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ソウゴ「じかーいじかい。ムラサメ……ソウイチは俺に似ている。記憶を求めていた時の俺と似ている……そんなアイツに俺ができることは……ドン31話『ソウイチとソウゴ』というお話し。」



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シリアスが続くので、おまけでギャグ•コメディ成分補給。
グリムは奥さんに隠れてエロ本とか読んでそう。

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