ドン!ホロックスみーてぃんぐ!   作:ぴりもに

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こより「前回までのあらすじ!新入りの二人、すっごく面白い!クロたんは咄嗟の判断力スゴイし、ソウたんは単純に強いし!もっと二人を研究したいなぁ〜……あわよくば脳細胞見たい……」




ドン5話「いろはにゴザル」

 

ソウゴとクロヱがホロックスに入社してから早1週間……皆と打ち解けてきた二人だったが……

 

(うーん……)

 

クロヱはある人物をチラチラと見ていた。

床に直に正座し、刀の手入れをしているクリーム色のポニーテールが特徴の少女…、彼女こそ風真いろはだった。

 

(ホロックスの用心棒、風真いろはちゃん……めっちゃ強いらしいんだよなぁ……)

 

いろはは鬼気迫る表情で刀を手入れしている。まるで戦闘に入る前のような……

すると、いろはは刀を鞘に納めた。

 

「……よしっ!」

(こ、こわい……)

 

クロヱはいろはに対して恐怖……というより近寄りがたい様子だった。

 

「……よし、それじゃ夕飯の買い出しに行ってくるね。」

「今日はこよとルイルイが腕を振るうよ〜!」

 

そう言って、ルイとこよりは立ち上がった。

 

「あ、コーラ買ってきて!缶のやつだぞ!」

「はいはい。」

「ラプちゃんはコーラ好きだねぇ〜〜」

 

ラプラスの頼みを聞きながら、外へ出ていく二人。

アジトに残るのはクロヱ、いろは、ラプラスの3人となった。

 

「あれ?そういえばソウくんは?」

「ああ、雑用ならバイトの面接に行ったぞ。」

 

───────────────────────

 

そのころ、ソウゴの方は……

 

「………面接、落ちた……」

 

ソウゴはバイトの面接に落ちてしまい、軽く落胆していた。

何故面接に落ちてしまったのか、ソウゴはトボトボと街を歩きながら思い返した。

 

時は数時間前に遡る……

 

『では、我が社への志望動機をお願いします。』

『はい、御社の企業理念に共感したからです。』

 

最初はごく普通に面接をしていた……しかし、どこからか部屋にハエが入ってきたことに気がついた。

 

『っ!シャッ!!』

 

気がついた瞬間、ソウゴは懐に隠し持っていた小刀を抜き、面接官の目の前にハエが来た所で抜刀した。

ハエは真っ二つに切り裂かれ、そのまま床に落ちた。

 

『失礼……ハエがいたもので……』

『こ…今回はご縁がなかったということで……お帰りください。』

『えっ?』

 

それで面接は終了したのだった……

 

「……………何が悪かったのかさっぱり分からん。」

 

明らかにソウゴの行動が原因なのだが、ソウゴはそのことが分からず、ただただ首を傾げた。

するとその時、

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「ん?」

 

ふと公園の方を見てみると、忍者装束を着た髭面の男が叫びながら木登りをしていた。

 

「心頭滅却すれば火もまた涼しぃぃぃ!!」

 

忍者男はそのまま枝に足をかけ、そのまま腹筋を鍛え始めた。しかし、すぐに枝はバキッと折れ、忍者男はそのまま真っ逆さまに落ちた。

 

「あああああっ!!?」

「はっ!」

 

次の瞬間、ソウゴは真っ逆さまに落ちる忍者男を受け止め、そのまますぐに地面に放り投げた。

 

「あだっ!あたたた……」

「忍者ごっこなら余所でやれ。こっちは面接に落ちてイライラしてるんだ……」

 

ソウゴは眉間にシワをよせ、イライラした様子でその場を立ち去った。しかし、忍者男はソウゴ以上に怒っていた。

 

「に、忍者ごっこだと……!?俺の崇高なる修行をバカにするとは……許せぇぇぇん!!」

 

その時、忍者男の叫びとともに黒い靄が男を包み、”鬼”に変ってしまった。

巨大な手裏剣を陣笠のように被った忍者のような鬼、手裏剣鬼へと姿を変えたのだ。

 

「また鬼か……」

《ニンジャークソード!》

「俺を苛立たせるな……!アバターチェンジ!!」

 

──────────────────────

 

そのころ、ホロックスでは……

 

(……気まずい!)

 

ルイとこよりが買い物に出てからというもの、全く会話がなく静かな空気が流れていた。

 

(どうしよう……いつもならもっとノリノリでいけるのに、サムライが相手なんて……”ござる”をいじってみる?いやいや、怖すぎるって!)

 

一向にいろはに声をかけられず、クロヱは心のなかで戸惑っていた。

 

(なにかきっかけを……そうだ、とりあえずラプラスをいじれば……)

「……よし。」

 

すると、いろはは小さく呟くと立ち上がってソファに座り、そのまま体育座りをしたまま……寝てしまった。

 

(寝た!?え、なんで!?どういうこと!?なんで突然……しかもその体勢で寝られるの……てか、タイミング逃した〜〜〜!!)

 

クロヱはいろはと話すことが出来ず、心のなかで叫んだ。

しかし、

 

(どどどどどど、どうすればいいでござるか!!)

 

風真いろは……彼女もまた人見知り中で、クロヱに話しかけることができなかった。

 

(新人が来るとは聞いていたでござるが……二人ともけっこう打ち解けていたでござる!)

 

いろはは寝るフリをしながらチラリとクロヱの方を見た。

 

(間違いない……あの者、いわゆる”陽キャ”でござる!)

 

いろはの目からはクロヱはかなりの陽キャに見えていたのだった。

 

(そして、今はいないでござるが……あのソウゴという男……あやつは”修羅”!すでに何人もの人間を殺してきたような目をしていたでござる!!……ある意味では”陰キャ”!)

 

逆に、ソウゴのことは陰キャのように見えていた。

 

(しかし……風真も立派なサムライ!後輩相手に遅れをとっていては、サムライの名折れ!せめてこちらから声をかけねば……考えろ、風真いろは……!!)

 

いろはは脳内で様々なパターンでクロヱに話しかける光景を想像した。

 

『どんな任務につきたいでござるか?』

『好きな食べ物はなんでござるか?風真はナス!』

『喉渇かない?風真、タンクで水を持ってきたでござるよ!』

『ね、猫吸いって……興味あるでござるか?』

『好きなお菓子は?風真はタマネギ!』

『ゲームとかやるでござるか?』

 

様々なシチュエーションに様々な一言……そして、それに対するクロヱ(風真目線)の返答は……

 

『んー……なに言ってるのかよくわかんなーい♪』

 

 

(全滅だあぁぁぁぁぁぁ!!!無理無理無理無理無理!!無理でござる〜〜〜〜!!)

 

脳内シュミレーションの結果、どれも対して効果はないと悟ったいろはだった……

 

──────────────────────

 

そのころ、

 

「手裏剣!手裏剣!!手裏剣〜〜〜!!」

 

手裏剣鬼は頭に被った手裏剣の陣笠の他に無数の手裏剣を投げ、ムラサメをよせつけない。

ムラサメも、無数に投げられる手裏剣のせいで攻めあぐねていた。

 

「チッ、しつこい奴だ……!」

「ムラサメ、アバターチェンジだ。」

 

その時、どこからか男の声が聞こえてきた。辺りを見回すが、誰も見当たらない。しかし、その声はまた聞こえてきた。

 

「トリガーを押しながら、ギアをさらに回転させろ!」

「ギア……これか。」

 

その声の言う通り、ムラサメは剣のトリガーを押しながらギアを高速回転させた。

すると、

 

《What's up!?》

《ブルブラック!!》

 

ムラサメの身体が光りに包まれ、牛のような黒い鎧を纏った騎士のような戦士”ブルブラック”へと姿が変わった。

 

「これは……」

 

ムラサメは自分の姿が変わったのをまじまじと見ていた。その時、ムラサメは腰に下げた武器に目が行った。

鞘に収まったブルブラック専用の長剣「ブルライアット」だ。

すると、手裏剣鬼は再び手裏剣を投げてきた。

 

「!!」

 

ムラサメは咄嗟に鞘からブルライアットを抜き、手裏剣を弾いた。

 

「なるほど……居合ができるな。さらには……」

 

ムラサメは剣を鞘に収め、そのまま鞘ごと剣を持った。そして持ち手を斜めに曲げて銃の形に変形させた。

そのまま手裏剣鬼に向けて銃弾を放ち、手裏剣鬼を怯ませた。

 

「今だ!」

 

怯んだ隙に、ムラサメは突進し、剣を抜いて一回転しながら跳躍する。

 

「黒の一撃ッ!!!」

 

回転しながら剣に黒い稲妻を纏い、そのまま手裏剣鬼を縦に真っ二つに切り裂いた。

 

「フーッ……」

 

ムラサメは深く息を吐きながら、ゆっくりと剣を鞘に納めた。同時に手裏剣鬼は爆発し、元の忍者男に戻った。

 

「……あれ?俺は何を……」

 

忍者男が元に戻ったのを見て、ソウゴは人気のないところで変身を解いた。

そして、もう一度辺りを見回した。自分に助言をしてくれた男がいたはずだと思ったのだ。

 

「!!」

 

その時、ソウゴはある男を見つけた。100人中100人が見れば「イケメン」と答えそうなほど、目が冴えるイケメンだった。

ウェイターのような服を着たその男は、ソウゴの姿を見るなり、背を向けて行ってしまった。

 

「ま、待て!」

 

ソウゴは慌てて後を追いかけた。男はどんどん人気のないところへ進んでいき、ある店の中に入っていった。

 

「……喫茶店……?」

 

男が入ったのは喫茶店だった。恐らく、あの男はここの店員なのだ。

そして、その喫茶店の名は「喫茶どんぶら」。

 

──────────────────────

 

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ラ、ラプラス……?」

 

場所は変わり、ホロックスの方では、ラプラスが叫んでいた。

 

「我輩の!メールフォームは!!ゴミ箱じゃねぇんだよ!!!」

「ちょっとなになに?どうしたの?」

「ラプ殿、どうしたでござるか?」

 

ただならぬ様子に、クロヱといろははラプラスに駆け寄った。

すると、ラプラスはムッとした顔でパソコンの画面を指差した。

 

「ネットでアイデアを募ったのに、ゴミばかりだ!!」

 

そう言ったラプラスのパソコンの画面に書かれていたのは、

 

『見参!お笑い集団』

『ツノで世界に穴を開けるぞホロックス!!』

『そうだ、ラプラトンへ行こう』

 

……と、珍妙な掛け声のような物が乱立していた。

 

「……いったいなんなのコレ?」

「我がホロックスもメンバーが増えてきたからな。組織の決めゼリフを考えてんだよ!」

「……そんなの……」

 

ラプラスが考えていることに異論を唱えようとするクロヱ。しかし次の瞬間、

 

「おー、それはいいでござるな!!」

「……え?」

 

突然、いろは楽しそうな声を上げた。するといろははラプラスの両腕を掴み、そのままブンブンと振り回し始めた。

 

「確かに秘密結社にはそういうのあった方がカッコいい!!そういうアイデアを思いつくところ、ラプ殿はすごいでござる!!」

「や、やめろ……目が回る……」

 

楽しそうにラプラスを振り回すいろはに対し、ラプラスは吐き気を催したのか、気持ち悪そうにしていた。

その様子に、クロヱはキョトンと目を丸くしていた。

 

「……えっ、いろはさんって、意外とそっち側?」

 

思い描いていたイメージと違い、困惑するクロヱは少し考えて、いろはに問いかけた。

 

「……っていうか、いろはさんはラプラスのこと尊敬してたりする?」

「いや全然!」

(即答……)

「でもまぁ、このホロックスの創設者でござるし、このアジトもラプ殿のセンスでなかなかカッコいいでござる!」

 

いろははラプラスのことを褒め始め、それを聞いたラプラスは鼻を高々と伸ばし、有頂天になっていた。

 

「あと風真、ラプ殿のアイデアには毎回目からウロコでござる!その辺りはスゴイと思ってるでござるよ。それに、こう見えてみんなに優しいんでござるよ。」

「がはは、もっと褒めろ!」

「そうやってすぐ調子に乗るから尊敬されないでござるよ。」

「我輩は総帥だぞ!褒められて当然だろ!」

「総帥の威厳がないでござるよ〜」

「はぁ〜〜!?」

 

その時、二人のやりとりを見ていたクロヱはプッと吹き出し、笑い始めた。

 

「なーんだ、いろはさんって面白い人だったんだ!沙花叉、てっきり怖い人だと思ってた!」

「えー、なんでぇ……」

「だって前にラプラスが……」

 

クロヱは以前、いろはがどんな任務についているのかを尋ねたことがある。その時ラプラスは……

 

『サムライは今、とても危険な任務に出ている……あいつは今、クマを相手に激戦を繰り広げていることだろう……』

 

「……って言ってたから……」

 

その話を聞き、いろははムッとした表情でラプラスの方を見た。ラプラスはといえば、クスクスと笑っていた。

 

「やりやがったなラプラスーーー!!」

「がはははははは!!」

 

いろははラプラスを叱りながら、慌ててクロヱに本当のところを説明し始めた。

 

「実際はただのおつかいでござるよ!ちょっと山の中で迷子になったけど。」

「それ遭難っていいません?」

「あと、クマも出たけどぶっ飛ばしたでござる!」

「ぶっ飛ばしたんだ……」

 

戸惑いを見せたクロヱだったが、いろはが本当は話しやすい人物だと知ることができたクロヱは、ホッと胸を撫で下ろした。

 

「でも、なんか仲良くできそうな気がしてきた。それに共通のおもちゃもいるし……ねぇ?」

「あ?」

 

クロヱはニヤニヤと笑いながらラプラスの方を見た。そのクロヱの反応に、ラプラスは喧嘩を売られたと思い、逆に睨んでやった。

その二人の様子に、いろははクスクスと笑った。

 

(沙花叉も悪い子じゃなさそうで、なによりなにより……)

 

と、その時、玄関ドアがガチャッと開いた。

 

「今帰ったぞ。」

「ソウくん、おかえりなさーい!」

「おかえりでござるー!」

 

現れたのはソウゴだった。帰ってきたソウゴの姿を見て、クロヱといろはは笑って出迎えた。

すると、二人を見てソウゴは首を傾げた。

 

「ん……?お前ら、いつの間に仲良くなった?」

『えへへ……』

 

出かける前はまだ打ち解けていなかったため、すでに打ち解けている様子を見て、ソウゴは不思議に思ったのだ。

 

─────────────────────

 

「刮目せよ!」

「Yes My Dark!!」

『………』

 

その後、ついに掛け声が決まったのかラプラスといろはは意気揚々と掛け声を上げた。逆に、クロヱとソウゴは掛け声を言わなかった。

 

「二人ともー!なんでYes My Darkって言わないでござるかー!?」

「えー……」

「……興味はない。」

 

しどろもどろになるクロヱに対し、ソウゴは興味なさげにプイッとそっぽを向いた。

 

「ああ!バカにしてるでござるなー!!Yes My Dark言うでござるよー!!」

「ふんっ……断る。」

 

四人で和気あいあいとしていると、ソウゴの時と同じく玄関ドアが開いた。

 

「ただいまー♪」

「あれ?なんか楽しそうだね?」

「なんかの実験?こよも混ぜて〜♪」

『な、なんでもないでーす!』

「かんぶーっ!コーラ買ってきたかー!?」

「全く……また騒がしくなりそうだ……」

 

こうして、なんとなーく6人が揃ったホロックス。

いよいよ世界征服に向けて、前途多難な作戦会議が幕を開ける。

 

「そういえばさ、ソウちゃん面接どうだったの?」

「……落ちた。だが、次の候補は見つけた。……そこにいる男は、俺が使う剣のことを……もしかすれば、俺のことも知ってるかもしれない。」

『えっ!!?』

 

ソウゴの言葉に、他の5人が一斉に声を上げた。

 

「ほんとうでござるか!?」

「それ、どこなの!?お店!?会社!?」

「……喫茶店だ。喫茶どんぶらという……名前のな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まさか、『レプリカ計画』の残滓がこんなところまで迷い込んでいたとは……それに、鮫山ソウゴ……何故その名前を彼が……」

 

 

 

 

 





ソウゴ「じかーいじかい。ようやく俺の過去を探る時が来た……答えてもらうぞ、どんぶらのマスター!俺の事、剣の事、あの怪物のこと……は?まずは働け?いいだろう……ならばやってやろう。バイトマイスターに俺はなる!!ドン6話『ナゾナゾどんぶら』というお話し。」


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