〈Chemy Ride! Go-Go-Go-Gorgeous! Kuuga!〉
〈Kamen Ride MetalBuild〉
〈Uncontrol switch! Black Hazard!〉
赤いボディを黄金と宝石で彩るレジェンドのクウガと、黒いビルドに扮したダークディケイドとが、互いに飛び上がって空中にて激突する。落ちながら肉弾戦を展開し、クウガの足裏を叩きつけられたディケイドの胸板に、紋様が刻まれる。だが反撃とばかりに先んじて着地したダークディケイドは脚部を旋回。そこから放たれた
〈Chemy Ride! Go-Go-Go-Gorgeous! OOO!〉
オーズにその装いを換えたレジェンドは、同じく手の内に再現された宝剣、メダジャリバーでそれを切り裂く。追撃とばかりに、槍を傾けたカッシーンたちが殺到する。
〈トリプル! スキャニングチャージ!〉
そこに装填した銀貨をスキャナで読み取り、一閃。
空間ごと、敵たちは両断される。そして空間が復元された反動がそのまま爆発力となり、その集団を焼き尽くす。
〈Kamen Ride DarkDrive〉
〈Drive! Type Next!〉
また別のダークライダーへと姿を乗り換えたトーカは、背を低めて高軌道でその斬撃を回避していた。
〈Attack Ride Blade Gunner〉
破滅の未来から現れた仮面ライダー、ダークドライブ。それが用いたとされる未来的な武器を携え、低く跳躍して、飛び膝蹴りを繰り出す。その初撃を身体をスライドさせて躱し、次いで迫る青い刃をオーズの剣で受け止める。
「ガキめが……チャンバラで遊んでやるよっ」
〈Kamen Ride Gaim・Yami〉
〈ミックス! ジンバーレモン! ハハーッ〉
「チャンバラ? ゴージャスな剣舞と言ってもらおうか」
〈Chemy Ride! Go-Go-Go-Gorgeous! Saber!〉
カードに宿された力をドライバーへ映すことで、またしても両者の姿は別の姿に。
黒き毒果が、ジッパー越しに異空間から現れた、ダークディケイドの頭を包む。それが四方に割れると同時に現れたのは、黒き武人、鎧武・闇。
彼の籠手の内に転送された複合武器、無双セイバー。その刀身を直接叩きつけるかのような、粗削りかつ直線的な猛攻をくり返す。
それを前に炎の剣士セイバーと化したレジェンドはその自負の通り、火炎剣烈火を流麗に舞わしめていなす。ゴージャス一閃。宝石の煌めきを伴う斬光が、闇を切り払う。
〈Chemy Ride! Go-Go-Go-Gorgeous! Vice!〉
恐竜の着ぐるみを頭から被ったかのようなポップなライダー、バイスへとチェンジしたカグヤは、本人もとい本悪魔が絶対にしないであろうシャンとした直立姿で、同じくポップな色相のオストデルハンマー50を握る。そして、その表面を自らに押し当てた。
「カグヤ様の輝き、直接その身で味わうが良い」
〈ゴージャス頂き! オストデルクラッシュ!〉
そして上から下へと振りかざすと、巨大な宝石がトーカの頭上に現れ、彼を圧し潰した。
〈Kamen Ride Ryuga〉
「しゃらくさい!」
怒号とともにそれを突き破った彼は、黒竜の騎士、仮面ライダーリュウガへと成っている。
〈Chemy Ride! Go-Go-Go-Gorgeous! Ryuki!〉
相手が偽りの影で挑むならば、真なる輝きで対するのみ。カグヤもまた、仮面ライダー龍騎へ。
〈Final Attack Ride Ry-Ry-Ry-Ryuga!〉
荒く吐き捨てる息が、黒龍を何処からともなく招き寄せる。トーカを中心にとぐろを巻き、嵐を起こしてその身を浮き上がらせる。カグヤの足下を凍り固めて動きを封じる。
「もはや貴様の流儀には付き合わん……このまま消えろ、レジェンドォ!」
「主役を忘れないでもらいたいね」
と、そこに否を唱える影一つ。
そこまでカッシーンの部隊相手に立ち回っていた、ディエンド――海東大樹の声だった。
〈Kamen Ride Ryuki〉
さらに乱入してきたもう一体が、手にした曲刀でもって、レジェンドの拘束を打ち砕く。
それはまさしく今この状態のレジェンドと瓜二つ。ディエンドが召喚した龍騎である。
「痛みは一瞬だ」
〈Final Form Ride Ry-Ry-Ry-Ryuki!〉
その龍騎は、召喚者たるディエンドに背より銃口にて力を注がれ、その姿を赤いドラゴン――ドラグレッダーへと組み換えられる。
「なるほど、面白い」
〈Gorgeous Attack Ride! Ry-Ry-Ry-Ryuki!〉
そう独りごちたカグヤは、自らもバックルの向きを切り替えて、秘められた龍騎の力を解放して飛び上がった。
双つの竜は、大口を開けて、龍騎とリュウガの背を互いに炎でもって推した。
黒焔と紅蓮。衝突と共に爆発を引き起こした。
我が身を発射させてのぶつかり合いを制したのは、相手の
「ぐっ……!? 何故だ! 数多のダークライダーの力を結集させた、このダークディケイドが何故負ける!?」
「当然だ」
当惑するトーカの嘆きを、切り捨てるような口調で、レジェンドに戻ったカグヤは言った。
「闇は深いがためにその中で瞬く輝きも一層に際立つ……たとえそれが悪しきものであったとしても、彼らの意志や信念を無視した貴様らは、その力の十分の一も揮うことができない」
「ふん……だったら、他を圧倒するライダーの力を使うまでッ!」
苦し紛れの嘲笑と共に気を吐き、ダークディケイドは新たなるカードをバックルに装填した。
〈Form Ride Zi-O! Ohma-ZiO!〉
トーカの足下に、マグマで文字と紋章が刻まれる。時計の針が傾く。同時にそれらは逆流。灼熱はダークディケイドの総身に呑まれていく。雄叫びとともに打ち震える彼のボディを漆黒に、黄金に、染め上げて、作り替えていく。
〈最高! 最善! 最大! 最強王! オーマジオウ!〉
平成ライダーを知る者であれば、その威容がなんたるかを弁えない者はいない。
オーマジオウ。すべての平成ライダーを統べる、未来の魔王。
なるほど、先の大言どおり。
その力量が本物に遠く及ばない模造品だとしても、元が元であるがために、さしものレジェンドも苦戦は免れまい。
「なるほど――おあつらえ向きの相手、といったところかな」
だがディエンドは、何事もなさげに、取り戻した飄々とした態度を崩さず、一歩前に出た。
「だったら、僕も一層輝こうか……誰かにとってのお宝としてね」
そう嘯く彼は、小脇にノートパッドのようなものを抱え込んでいる。
その造形は彼の持ち物とは思えず、おそらくは誰かしらから盗み出したらしいそこにタッチペンらしきもので、書き込んだ。
『今ここに、仮面ライダーディエンドは究極の力を手に入れる――』
などという、何者も恐れない文言を。
そしてその文字は画面から浮き上がり立体化し、やがて形と色を変化させて、ディエンドの掌上に収まったのだった。