ピッカピカ帝丹高校新1年生にして、世界中の名だたる大富豪に負けず劣らず。…日本屈指の、超巨大マルチ財閥直系第2子でもあったりする多方面___いや、っていうかむしろ全方位ほぼほぼ___死角なし最強アルティメットガール【鈴木園子】はその日。…………父昔からの
「………ハァァァァ……」
………うぅん。100を語るより遥か雄弁な、彼女のふかーくながーい溜息から察してどうぞ。以下省略。
(………ったく!…一体絶対どこの世界線。無駄加齢臭むっんむんおっさん達の、心底どーでもいい自慢話トリビア。折角の休日延々聞かされる羽目になって喜ぶJKが居ると思ってんの!?)
まったくもぅ!信じらんない!………兎にも角にも、上記現役女子高生は非常にご立腹なのであった。
…これは、そんな激おこぷんぷんよいちょまるわっしょいな鈴木園子15歳が訪れた先のマンションで偶然目することとなった___上から下まで。たった1つの漏れもなくその総てが黒ずくめで明らか怪しい___とある挙動不審居住者の姿を、詳細に記したものである…。
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多分恐らく選ばれし、居住者だけが使うことを許されているのだろう設置場所最奥エレベーター。その2つ割れ扉からマンションエントランスに
(…………なんだぁ?何あのちんまい真っ黒クロスケ…)
……他の全てを差し置いて取り敢えず。この一言に圧縮帰結出来うる筈だと庶民派デコッパチ令嬢は分析を開始する。
小さな肩・細い腰・覚束ない足取り。異常目深く被られたキャスケットにぶっかぶかオーバーサイズパーカー。カーゴパンツ。…ぱっと見た全身コーディネート的には、全くもって非の打ち所ない高水準。きちんと纏められているようなので、ここまではまぁ許せなくもない。……が。やや視線の不安定さ目立つ、その身の振り方自体に問題ありまくりだったのだ。
(……だってエレベーターの、その扉開いた瞬間からキョロッキョロキョロッキョロ。ビクッビクビクッビク。…テメェイジメ被害者の流れから泣く泣く手ェ染めざるを得なかった、超遅咲き万引きルーキーか何かかよ!?…って心底疑いたくなるような挙動不審レベルだったんだもん…)
適当目についたマンションコンシェルジュひっ捕まえ、あの歩く傲岸不遜メタボ。五反田
(…………なぁんだ…。目ぇ凝らしてよぉく見てみりゃ随分整った、良い顔立ちしてんじゃない…。歳は……。わたしより気持ちちょっと上ぐらいかな…?)
片やこれから中に用事。___嫌々ながらも父名代。その一角を担う者として___突貫開催立食パーティーたるものに出席せねばならぬ女子高生と、今まさに如何様な意味を持ってして外出せんとしている___背格好から推測するに多分恐らく若い女な___挙動不審居住者A。
……結果として。この2人の視線が交わることは後にも先にも一切なかったがすれ違いざま。蝶をも羨む華の女子高生鈴木園子は仄かな、クチナシの残り香をその場に感じたんだとか。
…それがあの挙動不審居住者から醸し出されていたものだったのかは、未だ深い闇の中である…。