異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十一話 コウモリだけが知っている

 船に戻り、作戦会議。辺りは既に暗くなっている。

 

「で、あいつらしばらく洞窟に入って、日暮れになってから戻っていったんです」

「そりゃ戻って正解だ。罠の匂いがぷんぷんするよ。いなくなった隙に洞窟の中を調べよう・・・なんてことになったら、多分ひどい目に遭ってたね」

 

 やっぱりそうかな?

 

「まあはっきりした根拠はないけどね。それでも話からして気付かれてると思った方がいいし、そうなると相手の動きがあからさますぎる。

 周囲に兵隊伏せてるとか、中に罠を張ってるとか。最悪お宝とは何の関係もないただの罠でも驚かないね」

 

 うーむ。

 ミストヴォルグのセンサーなら、周囲に誰かいても大概わかるとは思うが、それこそ魔法もあればサソリキングみたいな規格外もいる世界だ。過信は出来ない。

 

「しかしそうなると手詰まりだな・・・地面を掘って行くにしても、罠の中に飛び込むのは大差ないし」

「一回でいいから何とか中の様子を探りたいところだねえ。

 ハヤト、あんた手を飛ばせるだろ? 目玉だけ飛ばして中を探るとかできないかい?」

 

 できねーよ! 何その怖い発想! オイ奇太郎!

 まあ特撮だと頭がぱかっと割れて偵察用のヘリ、今風に言えばドローンが出てくるロボもあるけど・・・背中から偵察用の無人機が出てくる奴もあったな。

 

「何だ、出来るんじゃないかい」

「できませんよ! 人の心を読まないで頂きたい!」

 

 というか、出せたとしてもあからさまに怪しい代物が洞窟に出入りしてるわけで、間違いなく撃墜、最低でも警戒されるのは間違いない。

 

「確かにね。相手が化け物だって事を考えると、もう一ひねり欲しいところか。

 あ・・・そういやリタ、あんた動物と話が出来るんだよね?」

「え? は、はい」

 

 そうか、つまり・・・

 

「チュー達の出番と言う事でチュー!」

「ちげぇよ!」

 

 思わず突っ込んだのだが、畜生どもは意にも介さない。

 

「連中がチュー意してるのはハヤト、透明になった人間でチュー」

「我らのように目立たず小さな、どこにでもいるような生き物なら奴らも気にしないでチュー」

 

 目立つわ! でかいわ! むさくるしいわ!

 それ以上にお前らみたいな変態生物が他にいたら怖いわ!

 

「ふむ、確かにチューたちのような愛くるしく美しい生物はそうそういないでチュね」

 

 無敵かよ。

 というかお前ら、未だに自分たちを小さいハムリスと認識してるのか?

 

「そういえば前から聞きたかったんだけど、何でこいつらこんなカラフルなの?」

「ええとね、元は私の友達のハムリスがアカフク達のおかあさんなの」

 

 兄弟だったのか。

 

「お母さんが死んじゃって、私が面倒を見てたの。それで私たちが芸を見せることになったとき、ペトロワお婆ちゃんが目立つようにって魔法で色をつけてくれたんだよ。

 この子たちも気に入ったみたいで、それからずっとこのままなんだ」

 

 なるほどなあ。

 

「この色はチュー達の『あいでんててー』なのでチュ」

「一人一色、他のハムリスが決して持てない、チュー達だけのものなのでチュ」

 

 ああ・・・ちょっとわかったかも知れない。ハムリスのアカフク達からすれば、「自分だけのもの」というのはとても大事なものなんだろうな。

 気に入ってるとかそう言うレベルを通り越して、アイデンティティにまでなってるわけか。

 

 まあ地球人の俺からするとカラーひよこの亜種にしか見えないが。

 実際に見た事ないけどね、カラーひよこ! こ●亀で読んだだけだけどね!

 閑話休題(それはさておき)

 

「まあそいつらは論外として。ほら、洞窟だろう? コウモリとかいるんじゃないかい?」

 

 そう、リタがそいつらの話を聞けば・・・コウモリさん、コウモリさん、助けて! ってやつだな。多分違うけど。

 でもリタを危険なところにつれていくのはなあ。俺の光学迷彩はリタには効果が及ばないし。

 俺がそう言うと船長が困った様に頭をかいた。まあ躊躇するよな。

 でもリタ本人はそうではなかったようで、じっと俺と船長の顔を見る。

 

「大丈夫、私は行くよ。確かに危険かも知れないけど、おにいちゃんがそのまま洞窟に行くよりは危険じゃないよ」

 

 それはまあ・・・そうなんだけど。

 

「それに心配はいらないのでチュー」

「リタはチュー達が必ず守り抜くのでチュー」

「場合によってはハヤトを盾にすればいいのでチュー」

「無能ハヤトバリアーでチュ」

 

 うるせえ死ね。

 今まじめな話をしてるんだ。

 

 

 

 結局俺がリタを連れて、コウモリを探して島を探索する事になった。もちろん低空飛行で、連中に見つからないようにだ。何なら歩き回ってもいいわけだし。

 当然変態モリモリマッチョハムリスどもは留守番である。目立つし。目立つし。

 

「洞窟の中にコウモリがいるなら、もう外を飛び回ってるころだろう。森の中によくいるから、探してみな」

「わかりました」

 

 徘徊するのは島の中央にある山のこちら側。リタにはボロ布をかぶって貰い、低空飛行で森に向かう。そうしてしばらくすると、捜し人・・・捜しコウモリはあっさり見つかった。

 超音波までキャッチできるミストヴォルグセンサー強すぎる。

 

「うん・・・うん。ありがとう」

 

 リタが頷く。差し出したドライフルーツを口にくわえると、コウモリは羽ばたいて闇の中に消えていった。

 

「なんだって?」

「洞窟の外に隠れてる人達がいるけど、洞窟の中にはいないって。後、洞窟の奥には赤くて大きいのがいて、コウモリさんたちもそっちの方には行かないって。・・・どうする?」

「うーん・・・」

 

 最適解はジェッターII(ツー)のドリルで穴を掘って、地中から行くことだろう。

 これなら多分見張ってる連中に気付かれず、内部に侵入できる。

 

「おにいちゃん・・・」

 

 真剣な目でリタが俺を見上げてくる。

 だめだぞ。今回は頼まれてもつれていかないからな。

 取りあえず情報は手に入った。

 船長に報告してから改めて洞窟に行こう。ホウレンソウは(ry

 

 

 

「リタはつれていった方がいいんじゃないかい?」

 

 えっ!?

 何考えてんだ船長(あんた)!?

 

「いや、推論が正しければさ、中にはあのサソリ野郎が通れないくらいの障害物があるわけだろ? だとしたらリタの《加護》が助けになる可能性はあるんじゃないかい?」

「だよね!」

 

 勢いよく頷くリタ。

 あ・・・いやまあ・・・そうかもしれないけどさ・・・。

 

「おにいちゃん、お願い!」

 

 ぐぐぐ・・・唸るが周囲にはリタの味方しかいない。

 結局俺は押し切られた。

 

「泣くリタとガイガーさんには勝てんのでチュー」

 

 今回だけは貴様らと同意見だ、畜生ども・・・

 

 

 

 洞窟の中。

 侵入自体はびっくりするほど簡単にできた。

 

「何だかんだ便利な奴でチュー」

「リタの下僕としては使い出があるでチュね」

 

 リタだけじゃなく、ついてくると言って聞かなかったハムリスどもも一緒に来ている。

 黙らんと生き埋めにするぞお前ら。

 

「コウモリさんたち、私たちは通るだけだから静かにしててね。アカフク達も」

「キィキィ」

「わかってるでチュー」

 

 天井のコウモリ達を落ち着かせるリタ。うーん、クッソ便利。

 そして三十分ほど進んだところで、俺達は揃って立ちつくした。

 いつもチューチューうるさいハムリスどもですら、言葉もなく固まっている。

 

「おい冗談だろ、これまさか・・・」

 

 目の前にあったのは、いや、いたのは赤い巨大な塊。あの白鯨に勝るとも劣らぬ巨体。

 赤い鱗。黄金の角。ボートほどもある巨大な爪とどんな大木も及ばない尻尾。

 

「ドラゴン・・・!」

 

 神の獣。

 魔獣の王。

 この世界の大地となった黄金の虹竜の子孫たち。

 世界最強の存在が、目の前にいた。




ワハハハハハハ!(黄金バット笑い)

ちなみに頭がぱかっと割れるのは電人ザボーガー。
背中から偵察機は大鉄人17という、いずれも古い特撮ロボット作品です。
ザボーガーは等身大ロボですけど。
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