異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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この一編を去年亡くなられた我らが悪の大魔道士ワードナ、アンドリュー・グリーンバーグ氏に捧げる。


四の巻「もんすたあ さぷらいずど ゆう」
第一話 大魔術(ウィザードリィ)


キャラ紹介

 

ダン・ハヤト 現代日本からの転移者。16才。《ロボットアニメの加護》を持つ。父親の教育でロボットアニメが好き。

アルテ ヒロイン。16才。《怪力の加護》を持つ力持ち少女。ハスキー一座の怪力芸とおさんどん担当。駄肉。

タチバナ・カオル ヒロイン。16才。ハヤトと同じ転移者。《魔剣の加護》を持つ。美形で天才で善良だが馬鹿正直。

リタ ヒロイン。7才。動物と話せる《会話の加護》を持つ。一座の動物使い。

シルヴィア 一座の座長で歌姫。30絡みのあだっぽい美人。腕っ節も強く気っぷもいい。眼帯巨乳。

ペトロワ 魔女で一座の知恵袋。主人公とカオルの魔術の師匠でもある。

ガイガー リタの父。剣とコマ芸の達人。ヒゲモジャで無愛想。

アーベル 経歴不詳の小人族。軽業と道化芸と忍び技の名人。顔が濃いラテン系。

ラファエル ドワーフの吟遊詩人。ヒゲモジャだけどイケメン。

オブライアン 魚人妖精(オアンネス)の学者。好奇心旺盛。多少の魔術の心得がある。

 

デモゴディΣ(シグマ) 元祖巨大ロボットにしてハヤトの最推し。ハヤトは感情が高ぶるとこれに変身巨大化できる。

 

 

 

「祈る気持ちを忘れずに」

 

     ――コミック版「ウィザードリィ」――

 

 

 

 交易都市イレミーレ。

 東のディテクと南のゲマイとの中間に位置し、陸上及び海上交易の中継地点として栄える都市だ。東西の混淆した文化の花開く都市としても名高いそうな。

 

「それと有名なダンジョンがあるんだよね」

「ですぞ。さすがにニマグ・イリルの千年ダンジョンには及びませんがおおよそ三百年以上、正確には確か三百二十年でしたかな。そのくらいは続いているとのことですぞ」

「おー」

 

 ファンタジーな事象に、感嘆の声をあげる俺とカオルくん。うーんロマン。

 例によって街道を移動中、ラファエル先生のはちみつ授業である。

 でもラファエルさんだとはちみつははちみつでもはちみつ酒のような気がしないでもない。

 本人甘いものも大好きだから、ただのはちみつでも良いと思うけど。

 まあどうでもいいな。

 閑話休題(それはさておき)

 

「ディテクのみならずアグナムの船も入港するので、時折『サムライ』の姿も見れますぞ。

 お二方には興味深いかもしれませんなですぞ」

「サムライかあ・・・」

 

 ちょっと目をきらきらさせるカオルくん。

 そう言えば剣道やってたんだっけ?

 

「まあね。父さんの影響で時代小説も好きだったから、結構憧れみたいなものはあるかな」

「女サムライのカオルくんかあ」

 

 腰には大小二本の刀、桜色の小袖に薄紅色の娘袴。

 

「・・・似合う!」

 

 ポニーテールじゃないのが唯一の弱点だが、クール系のカオルくんなのでそれはそれで!

 S宮寺さくらじゃなくて、Mリア・タチバナが和装してるような感じかな?

 カオル・タチバナだけに。

 

「うーん・・・これは褒められてるのかな、それともけなされてるのかな」

「単に妄想してるだけじゃない?」

「これさえなければ最高のお兄ちゃんなんだけどなあ」

 

 はっ、いかんいかん。ついふけってしまった。

 ところで君たち今何か言ってなかった?

 

「べーつーにー」

「何も?」

「お兄ちゃんには教えて上げなーい」

 

 声を揃えて笑う三人娘。

 女同士の中に入っていけない男の寂しさを感じる・・・!

 まあ三人ともかわいいからいいか。

 

「はいはい、いちゃつくのは後にして、授業を再開するのですぞ。

 知識は蓄えておいて損はありませんぞ」

「「「「はーい」」」」

 

 俺達は声を揃えて返事する。午後の陽気のなか、馬車は街道を辿っていった。

 

 

 

 新たな町につくとやる事はいつも同じ。

 座長が土地の顔役のところに挨拶にいき、残った俺達はテントや舞台の設営だ。

 

「チェインジ・ジェッターII(ツー)! スイッチオンッ!」

 

 ぎゅいいいん、と音を立てて回るドリル。

 ぶっといメインテントの支柱が入るだけの穴が、見る見る地面に開いていく。

 それが終わるとジェッターIII(スリー)だ。

 蛇腹状に伸びるパワフルな手が、クレーン代わりになったりフォークリフトになったりと、これまでアルテに頼りっきりだった力仕事の大半を代替する。

 

「おー、すげー」

「ほんと助かるわー」

「ハヤトの《加護》って家立てたり道作ったりするときに便利そうだよねー」

 

 いやははは、それほどでも・・・あるかな!

 実際ロボットアニメの中には作業機械から進化したロボ、もしくは作業機械そのものというのも結構多い。

 それこそジェッターロボも本来は宇宙開発用ロボだったものを、ディノザウル帝国の侵略に際して武装化した経緯があったりするのだ。

 後男の子はクレーン車とかダンプカーとかショベルカーとか、作業用の車や機械好きだしな!

 

(何故胸に虎の顔があるのだ!)

(それは・・・かっこいいからだ!)

 

 う、何か変な電波飛んできた。

 でもけだし名言だよなこれ・・・恥ずかしがったり茶化したりせず、きっぱりと言い切るのがポイントだ。

 そこがお前は駄目なんだよ炎O燃。

 閑話休題(それはさておき)

 

 

 

「さすがに大きい町だけあるねえ。あたしらみたいな芸人も多いこと」

「ですねー」

 

 今いる場所は町外れの空き地。

 ある種のゲームだと冒険者の訓練場やダンジョン入口があったりするが、さすがにこの魔法溢れる世界でもそんな町は滅多にない。

 ・・・あるにはあるんだよな、すげえ。

 

 それはともかく普通の町なら城壁の外や町の空き地に芸人たちのための空間があって、そこを共通で使うことになる。

 空き地だけあって大体スペースには余裕があるものなんだが、ここは結構広いにも関わらず、芸人一座のテントや舞台でぎっしりだった。

 この場所にしたって、専門の衛士さんたちが俺達を誘導して指示してくれたものだ。手慣れててパねぇ。

 

「つまり客の取り合いになるってことさね。ハヤトの手品は十分な戦力になるだろうけど、今回はガイガーも最初から参加して貰うよ」

 

 頷く俺とガイガーさん。

 

「で、それ以外にも何かないかい? ハヤトたちの話であったみたいに、ハムリスどもをマッチョにしてラインダンスさせるとか」

 

 悪夢にしかならないのでやめていただきたい。

 ペトロワ師匠も苦笑して首を振る。出来なくはないが結構負担が大きいらしい。

 ちょっと目をキラキラさせながら、ラファエルさんが口を開く。

 

「そうですなあ。前々から考えていたのですが劇はどうでしょう。

 それもただの劇ではなく、ニホンの物語をベースにした劇ですぞ。

 せっかくオリジナル冒険者族が二人もいるのですから、何か使えそうな話はないかですぞ?」

 

 実はこの一座の劇、脚本はほぼ全てラファエルさんが手がけている。

 なるほど、脚本家としては異世界の物語を劇にするのはちょっとした夢なんだろうな。

 

「えーと、そうだなあ。ラブストーリーとか?」

「あ、時代劇じゃないんだ そう言うの見てるイメージなかった」

「いやボクだって女なんだけどね?! 恋物語に憧れたりもするよ!」

 

 サーセン。

 

「とは言え『ロミオとジュリエッタ』も『プリティウィメン』も『シンダー・エラ』も『ミラノの休日』も『君の縄』も既に手垢が付いておりますからなあ。

 それら以外で何か斬新なものはありますかですぞ?」

 

 うわあ、とうめくカオルくん。

 

「節操なさ過ぎだろう、過去のオリジナルの人達・・・!」

 

 ワイくんもそう思います。

 ロボットアニメの恋愛ドラマというと「烈将フォボス」あたりがぱっと思い浮かぶが、あれはまんまロミオとジュリエッタが基本ラインだしな・・・

 

「んじゃまあ、別アプローチでダンジョン攻略をネタにした話なんてどう?」

「ああ、そいつぁアリかもしれねえなあ。小話にしても身近な題材ってのはやっぱり受けるもんだぜ」

 

 とはアーベルさんの言。

 道化や軽業に加えて軽妙なトークを持ち味にするこの人らしい意見である。

 

「なるほど、それはいけそうだね。ラファエル、ハヤトたちと相談してホン書いとくれ。

 恋愛ドラマも何かあったら混ぜてみよう」

「それは問題ないのですぞ。どんなジャンルでも主人公とヒロインの恋愛は必須に近い展開なのですぞ」

 

 こうして俺たちの新劇「隣り合わせの風と竜、君の灰色の青春に届いているか」は公演決定したのだった。

 

 

 

「うっぎゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?」

 

 その夜、空き地に俺の悲鳴が響き渡った。

 

「なになに!? どうしたの!」

「ハヤトくん!」

「お兄ちゃん!」

 

 押っ取り刀で駆けつけて来る一座のみんな。

 その目に映るのは、ベリーダンサーみたいな薄物を着た美女が俺の唇を奪っている光景。

 はい死んだ! 今俺死んだよ!




してぇ~~~ウィザードリィしてぇ~~~(刃牙感

ソシャゲのウィザードリィ・ダフネが全部悪いんや。
そしてウィザードリィ外伝II古代皇帝の呪いはシリーズ最高傑作。異論は許すが反論は許さない。

ちなみに

ロミオとジュリエッタ → 説明不要
プリティウィメン → ジュリア・ロバーツとリチャード・ギア主演の映画「プリティ・ウーマン」
シンダー・エラ → シンデレラのもじり、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」参照。
ミラノの休日 → ヘップバーンの名作「ローマの休日」
君の縄 → 君の名は 新海誠のアニメ映画もしくは昭和のラジオドラマ/映画/テレビドラマ。厳密には前者が「君の名は。」で、後者が「君の名は」。
烈将フォボス → 闘将ダイモス ネーミングの元ネタは長谷川裕一先生の「超電磁大戦ビクトリーファイブ」に出てきたダイモス二号機。乗員はエリカ。

隣り合わせの風と竜、君の灰色の青春に届いているか → ベニー松山のウィザードリィ小説「隣り合わせの灰と青春」および「風よ、龍に届いているか」

であります。
最後のはメタルダーの「君の青春は輝いているか」もちょっと入ってるかもしれない(ぉ

つうか考えてみれば四日って土曜日じゃん!
六日からにしとけば良かった(ぉ
まあ更新するって言っちゃったし年末年始って事で四日と五日は特別更新にしますが!
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