異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第五話 突き飛ばされてころころ転がるアストルフォはかわいい

 カオルくんにキスされて、今度こそ硬直する俺。

 唇を重ねたまま、カオルくんの手が俺の胸元をまさぐりボタンを外す。

 待って、そこまでやったらシャレにならないーー!

 

「ちょっと、何やってるのよカオル!」

「!?」

 

 小さい、しかし怒りを込めたアルテの声。

 這いよってきた彼女に突き飛ばされ、カオルくんがころんと転がる。

 

「え・・・うわっ!?」

 

 転がって上半身を起こしたカオルくんは少し呆然としていたが、いきなり我に返って胸元を隠した。

 

「え、どういうこと!? なんでハヤトくんが?」

「あんたがハヤトに夜這いかけたんでしょっ!」

 

 げきおこのアルテさん。

 俺の体に手をついてカオルくんを睨んでいるのだが、こっちも下着姿で、ほっそりしたカオルくんと違ってむちむちとした駄肉が下着を押し上げて・・・

 

「見るなっ!」

 

 アルテのハンマーパンチが顔面に振り下ろされ、俺は気を失った。

 

 

 

 目を覚ますと既に朝だった。いやダンジョンの中で朝も夜もないが、ともかく外では陽が昇る時刻だ。

 

「ぶは、ぶははははははは! 見事にアザになってるな色男!」

 

 アーベルさんには起きるなり大笑いされた。

 ・・・って、何があったのか聞く前にそう言うセリフが出てくるって事は、昨夜起きて様子を窺ってたな!?

 アルテとカオルくんの方を見たが、アルテは睨みつけてきて、カオルくんは顔を真っ赤にして目をそらされた。マジで何がどうしてああなったんだ一体。

 風よ雲よ太陽よ、心あらば教えてくれ。どうして俺はこの世に生まれてきたのだー!

 

「ハヤト」

 

 既に身支度を整えているガイガーさんがずいっと顔を近づけてくる。圧が! 圧が強い!

 

「やるなとは言わん。だがリタの前では控えてくれ。いいな?」

「はい・・・」

 

 幼い娘を持つ父親として当然の釘を刺されてしまった。でも今回俺に責任あるかな? ないよな!?

 

「うーん、惜しいことをしたかなあ。その映像記録しておけばお客さん喜んだだろうに」

「もしホントにやったら体中の骨をへし折った上で肥だめに叩き込むわよ」

「アッハイ」

 

 アルテの静かなマジおこに、のんきしてたオブライアンさんもビビった。

 と言うか人間じゃなくて妖精だからかもしれないけど、割とズレてるよなこの人。

 妹さんに聞いたら「いえ、元からですよ」って言いそうな気もするけど。

 

 

 

 そのまま言葉少なに準備を終え、探索を再開する俺達。

 ガイガーさんはいつも通り無表情に、アーベルさんはニヤニヤと。

 アルテは少し怒った顔で、カオルくんはちょっとぎこちない。

 

「それじゃ行きましょうか。今日もいい映像()取りますよー」

 

 この雰囲気の中でいつも通りのほほんとしていられるオブライアンさんってすごい、俺はそう思った。尊敬はしないけど。

 

 

 

「ギャッ!」

「トローッ!」

 

 短い悲鳴が(ry

 

 今日もガイガーさん絶好調である。

 ただし今日の相手はトロール。

 切り裂いてもしばらくおくと再生してしまう。

 

「アトミックトーチ!」

 

 なので、後衛の俺とアーベルさんが《加護》の火炎放射や松明を使って傷口を焼いて再生を防ぐ。

 切り離された手足や首がぴくぴく動いてるのは正直言ってキモイ。

 というか原作「超電磁メカ コン・ヴィクターV」通りのネーミングなんだが、原子の炎って正直やばくないかなこれ。

 いかにもな火炎放射攻撃でぱっと思いついたのがこれだから使ってるけど!

 

 なお数あるロボットアニメの中には、原子炉を開いて中の核の炎をそのまま敵に放射して焼き尽くすという、恐るべき必殺技を持つやつもいる。

 何やってるんだよメガンダーロボ! 放射能汚染が怖くないのか! そんなんだからスポンサーが倒産するんだよ!(言いがかり)

 なお実際には主力商品だった怪獣がブーム終了してしまったのとオイルショックのダブルパンチが理由であったらしい。奴は不運(ハードラック)と踊っちまったのさ・・・。

 閑話休題(それはさておき)

 

「いかずちよ!」

 

 一方でカオルくんは魔剣サンダースウォードに電撃を纏わせながら戦っていて、斬ると同時に傷口を焼いている。

 うーん、スマートなお仕事をしてくれるひと、私好きですよ。

 

「スマートじゃなくて、悪かったわねー!」

 

 怒りながらも巨大棍棒でトロールの頭を叩きつぶすアルテ。

 みんな丸太は持ったな、行くぞ! いや持てねーって!

 まあ綺麗に切断してるガイガーさんに比べて体組織をグチャグチャに潰す殴打武器は損傷が治りにくいようで、アーベルさんの仕事にも余裕が出来ているからこれはこれで。

 

 取りあえず全部倒して一息つく。

 数は十数匹、昨日のオーガーと同じくらいであったが、さすがに倍くらいの時間がかかった。

 オーガーならすれ違いざまに脇腹をサクッと切り裂き「ハラワタをぶちまけろ!」して終わりなのだが、トロールの場合は足を切って体勢を崩した後、首をはねる必要があるので、ガイガーさんでもちょっと手間がかかるのだ。

 3m以上の巨人に対してちょっとってのも何ではあるが。

 

「少し・・・休むか」

「異議無し」

 

 ガイガーさんは平常運転だが、アルテやカオルくんは少し呼吸が乱れている。

 さすがにここまで来るとこの二人でも楽勝とは行かないらしい。

 身体を動かしていない俺とオブライアンさんが魔力結晶を拾い、アーベルさんは香草茶と菓子の用意を始めた。

 

「しかしきつかったわねー」

「二匹までなら何とかなるけど、三匹同時に相手にしたらちょっときついかな」

 

 カオルくんがさらっとすごい事言ってる。

 んー・・・いつものカオルくんに戻ったかな?

 昨夜のは本当に何だったのだろう。本気で夜這いかけられたなら戸惑うと同時に嬉しいが・・・

 

「って、痛い痛い痛い」

「今えっちなこと考えてたでしょ」

 

 アルテに頬をつねられる。普段より何か力が籠もってません!?

 助けを求めて周囲を見回すが、ガイガーさんは当然我関せず。アーベルさんとオブライアンさんも笑ってるだけ。カオルくんは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。

 ちくしょう味方がいねえ!

 

「あーでもアルテとカオルの消耗が激しいなら、今度からトロールはハヤトに任せるって手もあるかな。あのサンビームとかいうやつ」

 

 太陽の塔ビームね! 意味は通じるけど! そして俺も常に冷静沈着で他人を思いやれる、カッコいい大人になりたいと思っていた時期がありました。グルービー!

 今はどっちかというとメルメルメ~枠? 自覚はあります、はい。

 

 まあともかく俺は本物の太陽の光を発することが出来るし、トロールは太陽の光を浴びるとほぼレジスト不可で石化してしまうので、確かに俺が対応するのが効率的ではある。

 ともあれ、これでアルテの手が離れてくれたのはありがたいんだけど多分オブライアンさん、素で疑問に思った事を口に出しただけだよな、俺を助けようとしてくれたんじゃなくて。

 

「そうだな・・・数が多いときは頼む」

「わかりました」

 

 ガイガーさんがいるなら大丈夫と思ったし事実大丈夫だったが、そろそろ前衛のオート戦闘だけじゃ効率の悪い次元に入って来たってことか。

 まあオート戦闘だけだとたまにギリメカって全滅するしな!




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