異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第二章「イレマーレの遺産」
第八話 マナ・ルーディ


「はかばはくらく……」

 

「このわなはときをきざみしもの」

 

「このさきへ、いかぬがとくさく

 さもなくば……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いしのなかにいる!」

 

 

     ――リルガミンの遺産――

 

 

 

 地上に戻った俺達は、ダンジョンから出るなり大歓声に迎えられた。

 やはり七階の転移ポイントを使えるパーティはごく少なく、有資格者は年に一組現れるかどうか。そう言う(パーティ)が現れると冒険者ギルドと役所が合同で盛大な記念式典を執り行うのだとか。

 加えて俺達はたったの五日、実質四日という超高速攻略で資格を取ってしまったというのもある。一座の配信を見ていた観客がこっちに押し寄せ、彼らから話を聞いた町の人で見物人が膨れあがり・・・ということなのだろう。

 

 そうした大歓迎に戸惑いながらも野営地に帰ろうとしていた俺達のところに、群衆をかき分けてやって来たのは結構えらそうな身なりのおじさん。

 ギルドの幹部の人で、さっき言った式典への出席を要請しに来たとのこと。

 ダンジョンに潜るときに俺達もギルドで冒険者登録を済ませているので、そういう意味では無関係ではない。

 

「と言うわけで、式典に出席して欲しいのだが」

「俺達は急いでいる」

 

 と、言いつつ俺たちに視線を向けるガイガーさん。

 アーベルさんは割とどうでも良さそうだが、他の三人は明らかに乗り気ではない。

 多分アルテとカオルくんは俺の身を案じてくれているのだろうが、オブライアンさんはダンジョンの中をもっと見たいとかそう言う理由に違いない。このカシオミニを賭けてもいい。

 あーでもそうだな。

 

「俺は出席した方がいいと思います。

 何しろダンジョン攻略なんて初めてのことでしょう? 休みはちゃんと取った方がいいかと」

 

 どこかのゲームか小説で見た理屈だが、多分間違ってはいないと思う。

 

「・・・なるほど」

 

 頷いて、出席する旨を伝えるガイガーさん。

 おじさんがほっとしたように頷いた。

 まあガイガーさんみたいなメチャ強い人を前にしたら、何だかんだびびるよね・・・

 

「冒険者は結局のところ荒くれの集団だしな。機嫌を損ねて暴力沙汰になるのも珍しくはないそうだ」

 

 忍び笑いをしながらアーベルさん。

 冒険者の実体は西部劇の無法者みたいなものって親父が言ってたが、やっぱそういうことなんだな・・・

 そんな会話をしてると、おじさんの後ろから小柄な女性がひょいっと現れた。

 栗色の三つ編み、くりくりした目に眼鏡、ワイシャツにベストにパンツスーツ(っぽいもの)。年の頃は二十歳くらい、おっぱいが大きい可愛い感じの人だ。

 

「ぐっ!?」

 

 そんなことを考えていたら、左右から同時に肘撃ちを喰らって一瞬呼吸が止まった。

 き、君たちツッコミが激しくない・・・?

 

「フンッ」

「ふーん」

 

 勢いよく顔を背けるアルテと、冷たい目で俺を見下ろすカオルくん。

 ああっ、新しい性癖の扉が開いてしまう・・・!

 くすくす、と眼鏡のお姉さんが笑って一礼。

 

「初めまして、冒険者ギルドのマナ・ルーディと申します。これからはわたくしが専任で皆様のお世話をさせて頂きますので、よろしくお願いしますね」

 

 なんでも転移ポイント利用資格者のパーティにはこうした専任の担当がつくのだそうだ。

 場合によっては特殊な依頼が官庁とか王家から来たりもするとのこと。

 

「それで、皆様とちょっとお話がしたいのですがこの後よろしいでしょうか? 冒険者登録について欠落事由がありまして」

 

 綴じた薄板に挟んだ書類・・・出席簿みたいなものを取りだしてマナさん。

 

「登録は・・・遺漏はなかったはずだが」

 

 ガイガーさんの言葉にうなずく。

 

「あの時点では。ただ、『パーティ名』のところが抜けておりまして。

 無名のパーティならそれでもいいんですが、リボン持ち(有資格者)ともなるとパーティにも固有名があった方が色々ありがたいんです」

 

 有名になったからその辺はきっちりって事ね。

 

「イベント活動とかグッズ販売にも必要ですし」

 

 え。今なんて?

 

「イベントにグッズですよ。絵姿とか人形とかサインとか、パーティの紋章入りの小物とか結構売れるんです」

「うわ―商業主義・・・」

「ひょっとしてこれって、オリジナル冒険者族の・・・」

「ひょっとしなくてもそうですよ?」

 

 あははと屈託なく笑うマナさん。

 

「おかげで冒険者の皆様の福利厚生や引退後の生活資金、初心者への装備補助に至るまで色々と助かっております♪」

 

 文化が・・・文化が汚染されていく・・・

 

「アイドル冒険者の推し活とかありそうだよね・・・」

「ありますよ?」

「「あんの!?」」

 

 俺とカオルくんの声がハモった。

 

 

 

「それはさておきパーティ名はいかがいたしましょう?」

「・・・一座の人間とも話したい。ついてきて貰えるか」

 

 苦悩に満ちた表情で何とかそう答えるガイガーさん。

 この人こう言うの本当に苦手だな!

 

「かしこまりました。あ、ハスキー一座の皆様は別のところに移動されましたので、ついでにご案内申し上げますね」

 

 え、なんかあったの?

 

「いえ、あまりにも大盛況なもので・・・あの、ハイシンでしたか?

 もっと広いところでやって頂こうと言う事で、ご移動を願いました」

 

 判断が早い(平手打ち)。

 いや早かったら平手打ちされないと思うけど。

 

「こう言ったら何ですけどお役所ってもっと動き遅いイメージありました」

「そこは民間である冒険者ギルドとの提携の結果ですね。

 出向という形で政府の役所にも人員を派遣していますので、そういう柔軟さがあるんでしょう」

「なるほどねえ・・・」

 

 役所とか言ってるけど、この時代の役所ってつまり時代劇の奉行所だ。

 民間人じゃなくて、代々そこに務める中級から下級のお貴族様が運営している。

 それでこれだけ臨機応変に動けるってのはすごいと思うわ。

 

 

 

 新しい野営地につくと、前の三倍以上の広いスペースを確保して貰っていた。

 二千人くらい入りそうだな・・・。

 取りあえず武装を解いて町の料理屋に頼んだ料理をずらりと並べ、祝勝会。

 ついでにマナさんにも参加して貰う。

 

「ほんとは接待とか受けちゃいけないんですけどねー」

 

 笑いながら普通に食べて飲んでる。結構図太いなこの人・・・。

 

「それで・・・パーティ名のことだが」

 

 ある程度食も進んだところでガイガーさんが切り出した。

 これ本人は考える気みじんもないな。

 

「なんだ、そんなことでわざわざそっちのお嬢ちゃん連れて来たのかい?

 『黄金女帝の恋人』でいいじゃないか」

「そう言うタイトルで配信しておるからのう」

 

 頷き会う座長と師匠。

 え、いつの間にそんなことに!? 気付かなかったぞ!

 驚く俺をよそに、俺の隣のアルテと膝の上のリタから即座に反対が入る。

 

「絶対、絶対、ぜ~~~ったいに、駄目!」

「そうだよ! おにいちゃんはあんな幽霊のものなんかじゃないの!」

 

 おおう。

 ちょっとびびるくらいの勢いだ。

 

「わたしは悪くないと思うけどね」

 

 え、カオルくん?

 アルテやリタ、他の面々もびっくりした顔で視線が集中する。

 ちょっとぼうっとしていた感じのカオルくんが、いきなり我に返ってうろたえ始めた。

 

「え、なに? ボク何か言った?」

「・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

 視線の質が変わった。

 自分を値踏みするような八対十六個の目に身じろぎするカオルくん。

 なおその陰で。

 

「それじゃ『黄金女帝の恋人』でいいだろ」

「あの様子だと『ハーレム勇者ハヤト』とかでもよろしいのでは?」

「物語としては女帝との恋物語をメインに押した方がよいのですぞ。今回に関してはアルテ嬢たちは脇役でいってもらいますですぞ」

「なるほど! では『黄金女帝の恋人』で登録しておきますね!」

 

 実際の箱仲間(パーティメンバー)である俺達に相談なく、(パーティ)の名前が決められてしまっていた。

 あんたって人はぁぁぁぁぁ!

 




冒頭の言葉はウィザードリィ#3(ファミコン版だとII)リルガミンの遺産の三階にあるウィズ史上最悪の罠のメッセージ。
一歩進むごとにメッセージが表示されていき、最後のポイントでは問答無用で石の中!
いやあ、ほんと最悪な罠だったw
私の場合はファミコン版だったからいいようなものの、PC版だと問答無用でロストですしお寿司。
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