異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三章「サファイアの騎士」
第十六話 ランダムテレポート


「複数形じゃ! 複数形を忘れるな!」

 

     ――気の狂った老人の叫び――

 

 

 

「大丈夫か、アルテ」

 

 ガイガーの声を耳にして、アルテの意識が覚醒する。

 

「こ、ここどこ?」

 

 見回すと、先ほどまで攻略していた宮殿のどこか。

 

「恐らくは最後の部屋まで三部屋ほど離れた箇所だな」

「・・・あれ? ハヤトたちは? アーベルは? カオルくんやオブライアンは?!」

 

 気付いた。周囲にいるのはガイガー一人。

 

「落ち着け」

 

 肩におかれる大きな手。それがパニックに陥りかけたアルテを引き戻す。

 

「理由は判らないが・・・バラバラに飛ばされたのだろう。こう言うときにどうするか覚えているか」

「ええっと・・・階の起点で合流」

「そうだ」

 

 行くぞ、と話を打ち切って歩き始めるガイガー。

 自分を落ち着かせようと必死に努力しつつ、アルテはそれについて歩き始めた。

 

 

 

「ここは・・・草原か。僕たちだけですね。ガイガーさんもハヤトくんもカオルくんもいないと、撮れ高がちょっと辛いかも」

「パニックになれとは言わないがねえ。もうちょっと慌てても良いんじゃないかと思うぜ俺は」

 

 のんきなオブライアンに呆れるのはアーベル。

 まあすぐにまじめになるだろう。

 亜竜がうろつくこの草原を抜けていくのは一仕事なのだから。

 

 結局のところ、拾っていた虹光線の魔除けや氷嵐の指輪の濫用と、「チカテツ」で宮殿中央部から戻ってきたガイガーたちが草原で亜竜に追われていた二人に気付き、迎えに行くことでなんとか二人は生還できた。

 しかし、ハヤトとカオルは何時間待っても姿を現さなかった。

 

「ばあさんはなんて言ってる?」

「確定は出来ないけど恐らくは地下十階にいるんじゃないかと」

「二人だけ十階に転移された・・・のかな」

「地下十階には魔法の結界が張ってあるらしいですからね。探知や、後瞬間転移の術も妨害される可能性があるそうです」

 

 ガイドブックをめくりつつオブライアン。

 

「・・・」

 

 それを見つつ、ガイガーは決断した。

 

 

 

 

「知らない天井だ・・・」

 

 何度目だよこのネタ。

 いい加減読者も飽きてるぞ。

 繰り返しのギャグは三回までって知らないのかこの作者は。

 いや作者知らんけど。

 

 顔だけ動かして周囲を見渡す。

 薄暗い部屋の中だが、さっきまで歩いていた宮殿なみに豪華な装飾があるように思える。

 ベッドも天蓋付きの豪華なもので、クッションもふかふか。

 こっちの世界どころかあっちの世界でもこんな柔らかい寝床で寝た事ない。

 

「お目覚めのようね」

 

 横からかかる色っぽい声。

 体がびくり、と震えた。

 あれ? でもこの声・・・

 

「何かしら?」

 

 目の前にいたのは、薄物を纏い、黄金の装飾品をつけた黒目黒髪の女性。

 やっぱり! 一瞬見間違ったけどカオルくんだ!

 声も顔もカオルくんそのものだけど、表情や話し方だけで別人と思えるくらいに人が違っている。

 アム□の声で喋るシャ▽みたいだ。

 

 でもこのしゃべり方や表情、どこかで聞いたことがあるような。

 そんなことを考えていると、カオルくんじゃないカオルくんが眼を細めて笑った。

 

「あなたと私は初対面ではないわ。熱い口づけを交わした仲じゃない」

 

 ・・・あっ! 黄金の女帝!?

 そう言うと彼女は微笑んだ。

 

「そうよ。この娘の体を借りているの」

 

 まさか最初に野営地に来た時に?

 カオルくんの様子がおかしかったのはこいつが取り憑いてたせいか。

 

「ええ。あなたとこの娘には・・・何かしら?」

 

 いや、話し方は色っぽいけど、あの時見た幽霊さんに比べてやっぱりおっぱいが・・・げふう!?

 炸裂する黄金の左。あかん、目に星が散った。

 

「今のはこの娘からの反応よ。私の意志ではないからあしからず」

 

 さ、さいですか・・・がくり。

 

 

 

 気を失っていたのは短い時間だったらしい。

 というか、電撃か何かを喰らって目が覚めた。

 

「あばばばばば」

「起きたわね? 今繋がったところよ」

 

 はい?

 

「ど、どうもー・・・」

「マナさん!?」

 

 部屋の隅に光る魔法陣。

 そこから出てきたのは間違いない、冒険者ギルドから出向してきた俺達専任の担当者、マナ・ルーディ女史だった。

 

「い、いったい何が・・・いやこれ、実はダンジョンボスと冒険者ギルド、下手すれば王家がグルだったって話なの!?」

 

 目を丸くする二人。

 

「意外と察しがいいわね。正直見くびってたわ」

 

 いやまあ、その手の話では良くある展開なので・・・

 そう言うとマナさんがポンと手を叩いた。

 

「ああ、やっぱりオリジナル冒険者族だったんですね。カオルさんもそれっぽかったので、二人もいらっしゃるのはどうかと思ってましたが」

 

 見てわかるもんかな、やっぱり。

 

「冒険者ギルドには昔から見分け方が伝わってまして」

「魔力のキャパシティの大きな人を捜してたんだけど、まさか二人ともオリジナルとはね」

 

 うーむ。で、何でグルになってダンジョン経営してるの?

 金ヅルを維持するため?

 

「まあそういう事を考えているものもいるでしょうね」

「否定はできませんね。実際イレマーレがここまで栄えているのは半分はこのダンジョンのおかげですし」

 

 苦笑する二人。

 でもそう言う言い方をするって事は、そうじゃない?

 そう言うと二人が居住まいを正した。

 

「その通りです。このダンジョンは黄金の女帝ハルギアが作ったものであり、ハルギアが王家に呪いをかけたという話が広まっていますが・・・それはハルギア様と私どもが相談した上で決めた偽りなのです」

 

 ハルギア「様」? 「私ども」?

 

「はい。改めて自己紹介させて頂きます。

 そちらにおわすのが『黄金の女帝』ことハルギア様。現王家の遠い先祖にあらせられます。

 そして私の本名はマナヤディール・アル・マル・イレマーレ。イレマーレ王家の第一王女です」

 

 なんですとーっ!?

 

 

 

 どうも王家とか貴族にはいい思い出がない。そうした露骨な警戒感が顔に出てたのか、カオルハルギアとマナさんがまた苦笑した。

 

「あの、大丈夫ですよ。今は冒険者ギルドのマナ・ルーディですからそのように。普通に喋って下さって結構です。そのことで入牢とか処刑とか、そういうのはしませんから」

 

 ま、まあそう言うなら・・・というか王様とかそう言うのを相手にどういう距離感を取ればいいのか当方わかりかねる。

 

「まあオリジナルの方ですものね。その辺は気にせず、気軽にマナとお呼び下さい」

 

 アッハイ。でも言葉に出さない俺の心を気軽に読み取らないで欲しかったな!

 

「まあそのそれは・・・ともかくですね」

 

 コントになりかけた空気を、マナさんが咳払いでリセットする。

 

「王家にかかった呪いはハルギア様がもたらしたものではないんです。

 ハルギア様の伝説や俗信も色々ありますが、本当はハルギア様は地の底に眠る災厄を封じるため、その身を霊体と変えて地中深くで自ら封印となられました。

 ところがそこにダンジョンが開いてしまい、地上と繋がってしまった。

 王家にかけられた呪いは本当ですが、それを為したのはハルギア様が封じようとしていた災厄だったのです。

 その名は――混沌の渦(メイルストローム)




>複数形を忘れるな!
PC版ウィザードリィII「ダイヤモンドの騎士」が元ネタです。
ラスト、謎解きの答えをキーボードで打ち込まねばならないのですが、「KNIGHT OF DIAMOND『S』」の最後のSを打ち込むのを忘れて詰まった人が続出したという古い話。
「ダイヤモンドの騎士」なら「KNIGHT OF DIAMOND」でええと思うやろ!?

>アムロの声で喋るシャア
昔懐かしRPGマガジンの企画で「古谷徹さんにガンダムRPGを遊ばせてみよう」というのがありまして、古谷さんが「シャアの方が人気あるからシャアの役ならいいよ」と答えた結果(!?)、アムロの声で喋るシャアという世にも珍しいものが爆誕したそうです。
すげえ、日本語なのに何言ってるのかわからねえ! 石丸博也の声で喋るブルース・リーかよ!
なお一緒に遊んだ人は「アムロの声なのにシャアに聞こえる・・・!」とおののいていたとか。
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