異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第十八話 ハヤトくんは男の子

 下手な奴が触ったらアウトの混沌の渦、それもダンジョンコア込みの奴をどうにかしてコアから引きはがして退治するかあ・・・

 

「正直御免だけどほっといたら世界が滅ぶんだよなあ・・・」

「あなたの生きてるうちは何も起こらないかも知れないわよ?」

「そう言って誘惑するのはやめて頂きたい! 思わず頷いてしまいそうになるから!」

 

 あらごめんなさい、とくすくす笑うハルギアさん。

 マナさんも苦笑してる。

 この人、他人をからかうのが好きなんだろうなあ。

 マナさんも多分被害者だし、ちょっとシンパシー。

 

「とは言っても、まともにやったらちょっと勝てそうな気がしないんですが、その辺は何か?」

 

 もちろん、とハルギアさんのカオルくんが頷く。

 指を一本立てる。

 

「まずは混沌の力から身を守る青玉(サファイア)の鎧」

 

 指の二本目。

 

「森羅万象を見通すタリエシンの宝珠。混沌の渦の影響をある程度抑えてくれるわ。鎧を着用すれば影響からは完璧に逃れられるでしょう」

「森羅万象を見通すとか千里眼ぽいけど、それが混沌の影響を抑えてくれるんですか?」

「『見る』というのは古い魔術の基本なのよ。自らが望むものを『見る』ことで、現実をその様に固定・改変するというか」

 

 ほへー。

 頷いて三本目。

 

「真実の湾曲短剣(ジャンビーヤ)。奴に打ち込めば、かなりの弱体化が期待できるはずよ」

 

 はず、ですか。

 そう言うとハルギアさんは溜息をついて肩をすくめた。

 

「こればかりはやってみない事にはね。本来は龍脈の力を蓄えて混沌の渦を消滅させるためのものなんだけど、間に合わなくてこうして自分自身で封印する羽目になったのよ。

 封印以来エネルギーを蓄え続けてはいるけど、正直あれがどこまで強くなっているかはわからないから、効果の程は保証できないわ」

 

 うーむ。まあそれでも数千年分のエネルギーを蓄えているなら期待はして良さそうだ。

 

「そういうことね」

 

 四本目の指が立てられる。

 

「そして最後に今の私の本体である魔除け(タリスマン)。 

 これらを制御し、連動させるために必要よ。

 正確にはあと一つあるんだけど、これは奴が地上に出たときのための非常用だから取りあえずは忘れていいわ」

 

 なるほど・・・青玉の鎧ってあれ、鎧にサファイアがはめ込んであるみたいな?

 

「ちょっと違うわね。巨大なサファイアから削りだした全身甲冑(フルプレートアーマー)と盾よ」

 

 ファーッ!? できるのかそれ! いくらなんでもファンタジー過ぎる!

 

「ふぁんたじい?」

「あー、冒険者族用語で『不思議っぽい』とかそんな意味らしいです、ハルギア様」

 

 うんまあそんな感じだが・・・すげえな、マジすげえな!

 

「男の子ねえ」

「ですねー。弟も時々こんな感じになります」

 

 余程目をキラキラさせてたのか、なんか温かい眼差しで見つめられた。

 ちょっと気恥ずかしい。

 

「ま、まあとにかくそのアイテムはもう用意してあるんですね!

 それで俺に装備しろと!」

「まさか。あなたみたいなへっぽこ剣士に大切な武具を預けるわけがないでしょう」

 

 ガン!と頭の上から書き文字が降ってきた。

 ひどい!

 

「あの、もうちょっと手心というか・・・」

「文句があるならせめて剣一本でワイバーンを倒すくらいしてから言いなさい」

 

 はい、おっしゃるとおりです!

 所詮天才でも何でもない、ちょっと剣術かじったくらいの素人ですからね!(泣)

 でも、ってことはそのサファイアの鎧を渡すのは・・・

 

「そ。この娘にはそのために憑依させて貰ったの。正確には託して大丈夫な人間かどうか見極めるために」

「それですけど、大体なんでカオルくんに憑依してるんです?」

 

 カオルくんのハルギアが肩をすくめる。

 

「それは私は霊体だもの。ダンジョンの中みたいな魔素の強い特殊な空間でもなければ、専用に調整された器か、生きてる人間の中でないと体を維持できないのよ。

 あなたと一緒に十階に跳ばされたのは幸いだったわね」

「え?」

「えっ?」

 

 顔を見合わせる俺とハルギアさん。

 マナさんが「?」と首をかしげた。かわいい。

 

「俺達をバラバラにしてここに跳ばしたのってハルギアさんじゃないの?」

「しないわよ。説明するならまとめて説明した方が楽でしょう。十階に飛ばされたから、墳墓の管理者権限を使ってここに連れて来たのはそうだけど」

「じゃあ八階層で滅多に見ないワイヴァーンが襲いかかって来たのは?」

「あそこであなたを邪魔する理由はないわ。むしろ数を減らして上げてたのよあの時」

「第八階層で異常に外れを引いたのも!?」

「それはあなたたちの運が悪いからでしょうが! 正直私だって頭抱えてたのよ!?」

 

 怒られてしまった。

 

「・・・おほん。まあともかく、今上げたようなことは多分だけど・・・混沌の渦の影響ね。

 本来ならあの罠があんな風に発動する事はないはずだけど、恐らく『偶然』が起こりやすくなってるのよ。渦の影響でね」

 

 だから混沌の渦って訳か・・・でもそれなら「偶然」当たりを引けても良かったのに。

 マナさんがあははー、と笑う。

 

「それも含めて運が悪かったってことでしょうねー」

 

 ぐふっ!

 ベッドの上に崩れ落ちる俺。

 

「はわっ!? す、すいません! すいません!」

 

 慌てて謝ってくるマナさん。

 いいんだ、実際運は悪かったんだから・・・

 閑話休題(それはさておき)

 

「これからどうするんです? 心配してるだろうし、地上に連絡つけたいんですが」

「あ、お四方は先ほど地上に戻られました。シルヴィア氏やペトロワ師と何かお話しされていましたね。お伝えするのが遅れて申し訳ありません」

 

 マナさんの報告にほっと胸をなで下ろす。

 

「じゃあ俺達もいっぺん地上に戻して貰えます?」

「それでも構わないけど、行き違いになるわよ」

 

 え?

 

「あの後またダンジョンに潜ったんですか?」

「ええ。十階に下りてきたところまでは確認してる。直接話せればいいんだけど、今少し難しいのよ。十階は私が力を及ぼせる領域でもあるから、今怪物達は抑制されてる。あの面子ならあっさり踏破してくるでしょう」

 

 よかった、じゃあ俺達はここで待ってればいいんですね。

 そう言うとハルギアさんの目が怪しく光った。

 

「そういうことよ・・・だから、待ってる間にいいこと、しましょうか?」

 

 ブフォッ!?

 待って、ちょっと待って! 薄物着てジリジリと近づいてこないで! 肩に手をかけないで!?

 

「は、ハルギア様!? その体はカオルさんの・・・!」

「好きあってるんだからいいじゃない。ちょうどいいきっかけになるわよ。

 それよりあなたもどう? この一月、結構満更でもなさそうだったけど」

「い、いえ私は・・・」

 

 そうだ、マナさん! ご先祖様に反逆しろ! 今こそ反逆者(トリーズナー)になるとき!

 

「今は自由にしてられるけど、どうせそのうち政略結婚するんでしょ? なら今のうちにハヤトを捕まえておくのも悪くないんじゃない? オリジナル冒険者族だし、文句は出ないわよ」

「・・・」

 

 あの、ちょっとマナさん?

 

「ふ、ふつつかものですが、どうぞよろしくお願い致します・・・」

 

 顔を真っ赤にしながら三つ指突いて二人がかりで俺を押し倒してくるマナさん。

 ぼく知ってる! これ一線越えちゃったら逃げられない奴だ!

 二人の顔が近づいてくる! えっちの時も眼鏡は外さないんですかマナさん! 眼鏡を外したマナさんはマナさんじゃないもんね! 何を言ってるんだ俺!

 

「ハヤトー! カオルー! 無事なの!?」

 

 その瞬間、扉が吹き飛んだ。

 響き渡るのはアルテの声。

 入口には素早く展開して戦列を組むガイガーさん、シルヴィア座長、アルテ、アーベルさん、オブライアンさん、それに師匠。

 唖然愕然呆然とした顔、唸り続ける配信術式。

 その視線の先にベッドで押し倒される俺、押し倒す薄物一枚のカオルくんと胸元をはだけたマナさん。

 死んだ! はい死んだよ俺!

 

「配信だけに?」

 

 山田君、オブライアンさんの座布団全部持ってって!(怒)

 

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