異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
固まる俺達。
固まるガイガーさんたち。
いや一人、いや二人だけ動いてる人達がいた。
一人はこの期に及んで配信続けてるオブライアンさん。
「いいよ! これいい! 撮れ高最高だよ! 場合によっては映像保管して結婚式の引き出物にも使えるね!」
今すぐドロップキックをカマして配信中断させたいところだがそうもいかない。
動けるもう一人が満面の笑顔でこちらに近づいてくるからだ。
「あはははははははははははははははははは。
ねえハヤト? カオル? 私とっても心配したのよ?
十階層で二人きりになってひょっとしたらもう会えないんじゃないかって。
それが? お婆ちゃんの助けまで借りて急いで来てみたら?
ベッドの上で? いつかの続きをしてて? しかもマナさんまで混ざって三人仲良く?
あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
人間、怒りが頂点に達すると笑えてくると言うのは本当らしい。
笑うという行為は本来攻撃的なものであり(ry
「あらあら、すごいタイミングねえ。それじゃ私はこれで」
えっ。
ちょっと待って、ハルギアさん、いやハルギア! てめー目が笑ってるぞ!
こいつ、最初からタイミング見計らって・・・
「え・・・うわああああああ!? な、何?! 何なのこの状況!?」
ハルギアさんの目の色が変わり、カオルくんに戻る。
胸を押さえ、悲鳴を上げて飛び退く彼女だが、それでもアルテの笑みは深くなるばかりだ。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
何? 今更『ボクこの状況知りません』アピール? やーねえ、カマトトぶって。それともニホンの手練手管なのかしら? 私もこれまでそれなりに遠慮してきたつもりだけどそう言う事なら考えがあるわよ?
あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
アルテは最早壊れたスピーカーだ! コワイ!
そこで呆然としていた他の面子がようやく再起動した。
「~~~~!」
「あ、あれ、配信魔法が?」
「こんなもん外の連中にこれ以上見せられるか! リタだって見とるんじゃぞ!」
「でもペトロワさん、撮れだ」
ペトロワ師匠の杖が炸裂し、空気を読まない馬鹿が床に沈む。
「お、落ち着けアルテ! まず説明を・・・うおおお!?」
後ろから肩を掴んで止めようとしたガイガーさんが襟元を掴まれて、部屋の隅までぶん投げられた。
あのガイガーさんが片手でぇ!
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
カオルぅ、マナさんもぉ、ただで済むと思わないことねえ。後ハヤトは殺す」
「何で俺だけ!?」
「待って、待ってくれアルテ! これには訳があるんだ!」
「す、すいません! すいません! ともかくお話だけでも! 話せばわかりますから!」
マナさんそれフラグー!
「 問 答 無 用 ! 」
その後の惨状については思い出したくもない。
まさかアルテがデモゴディバリアーを素手でぱりーんと叩き割れるとは・・・
それでもマナさんとカオルくんへの被害は身体を張って防いだぜ・・・がくっ。
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「で?」
床に正座させられた俺達。
カオルくんは薄物のままだが、武士の情けかシーツを肩からかけさせて貰っている。
そして俺の顔はヴォドヴォドだ!
ゴゴゴゴゴ、と効果音が聞こえそうなくらいの雰囲気で仁王立ちするアルテ。
他の面子は・・・ペトロワ師匠は呆れ、ガイガーさんはいつも通りの無表情だがちょっと顔が険しい。まあリタにあんなもん見せてしまったのと、心配して来てたらベッドで濡れ場演じてたらそりゃ怒る。
オブライアンさんは配信を止められて不服顔。
シルヴィア座長とアーベルさんはいうまでもなくニヤニヤしている。
あんたらも正座するか、おう!?
「で?」
そして最後のアルテは無表情のまま俺達を見下ろしている。
無表情なのに雰囲気がこれだからかえってコワイ!
「あ、そのですね、わたくしの方からご説明を・・・ひいっ!?」
仮にも荒くれ相手の冒険者ギルドに勤めてたマナさんを眼光だけで黙らせる。
王女様! その人ガチの王女様だから! と口に出していいものかどうか・・・!
「で?」
視線は俺とカオルくんに突き刺さる。
さっきから「で?」しか言ってない。
怒りは言語中枢を麻痺させてしまうのだろうか。
多分思考能力も大幅に低下していると思う。
「大丈夫よハヤト。私はこれ以上ないほど冷静だから。
だからちゃんと事情を話しなさい。その後殺して上げるから」
ちっとも冷静じゃないじゃないですかやだー!
その後、ガイガーさんとペトロワ師匠の抑止もあり、何とか事情を説明することが出来た。
サソリキングと相対してるより怖かった・・・!
「いやあ、ごめんなさいね。まさかここまで大ごとになるとは思わなかったわ☆」
笑うのはホログラムみたいに宙に浮かぶクソ女王ハルギア。
どうしようすげえ殴りたい。
師匠が本来の姿――黄金の装身具と鎖を纏った黒目黒髪の女――になった彼女を半目で睨む。
「若い者をからかうにしてもやっていいことと悪いことがあるとわしは思うがね」
「ふふふ、申し訳ありません、ペトロワ様」
笑いながらそれでも謝罪するハルギア。
謝るべきは俺達だろ!
・・・ちょっと待て、なんかあんたら妙にツーカーだな?
ひょっとして師匠、カオルくん調べたときにハルギアが憑依してたの既にわかってたな!?
問い詰めようとした瞬間、鬼のような手が俺の頭を掴んで無理矢理顔をそちらに向けさせる。
ぐきって! 首がぐきって言った!
「それでもハヤトは満更でもなかったんじゃないのー?」
息のかかりそうな距離、こっちを半目で睨むアルテさん。 信じて下さい、ぼくは無実です!
と言うか武器がいつの間にか巨大
これがホントの鉾を収めるってか、HAHAHAHA! ・・・いたっ!
「というかマナさん? 話聞く限りハヤトとカオルは情状酌量の余地があるにしても、あなたは真っ黒よね?
神の名においてこの
「ハヤトは黙ってなさい! だいたいあんたお姫様なんでしょ! 結婚相手なんていくらでもいるじゃない!」
これにはさすがに黙ってられなかったのか、マナさんも声を上げる。
「いくらでもいますけど私は選べないんですよ! 下手したら50過ぎのおじいちゃんのところに行かされる可能性だってあるし!
だったらハヤトくんは全然アリかなって!
優しいし、よく気がつくし、女だからって馬鹿にしないし、やるときはやるし!
大体自分だってハヤトくんが好きなくせに、他人がハヤトくんを好きになるのはいけないって言うんですか!」
「ぐっ!?」
思わぬ逆襲を受けてアルテがひるむ。
しかし・・・ううん、そうかあ。アルテがなあ。マナさんもなあ・・・
「ベフォッ!?」
横からの肘撃ち。
呼吸困難に陥って悶絶する俺を、カオルくんが冷たく見下ろしていた。
光源氏が何故もてるか=女を殴らないから と聞いたとき「えぇぇぇぇ・・・」となった記憶。
そう考えると、現代日本のノリで女性に接したら大概の男は好感持たれるんじゃないでしょうか(ぉ