異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第二十八話 六星晶の龍

「VOOOOOOOOOOOOOOOOOO!?」

 

 三万度の熱線をまともに食らった金剛石の龍が咆哮する。

 三途の川の渡し賃は高いぜ!

 何せダイヤを燃やして走る黄金の機関車だからなあ!

 

「え、黄金の機関車って何? サンダースウォードの象嵌のこと?」

 

 あ、すいません。いっぺん言ってみたかっただけです。

 それはともかく、龍は苦悶しながら両前足で顔面をクロスガードしている。

 このまま浴びせ続ければ、と思った瞬間。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAA!」

 

 両前足の爪攻撃。

 ブレストヴォルケイノを放射しつつ、跳び下がって回避。

 そこにブレス・・・かと思ったら違った。

 

「GHEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!」

 

 胸の中央の小さな赤い宝玉。それが光を放つと、レーザーのような、あるいは絞ったブレストヴォルケイノのような熱線が発射された。

 

「ぬっ!」

「くっ!」

 

 放出されるエネルギー量に恐らく大差はない。むしろこちらの方が僅かに上・・・と思うんだが、熱線が収束されてる! 貫通力はあっちが上だ!

 

「ハヤトくん!」

「わかってる!」

 

 カオルくんが思念を飛ばすより早く、俺の体が反応していた。

 ブレストヴォルケイノを切って急上昇。急旋回、急降下を繰り返して回避を続けると熱線の放射がやむ。

 改めて相対した金剛石の龍には、目だった外傷はほぼなかった。

 

「くっ・・・火も駄目か」

「いや、ブレストヴォルケイノを切った瞬間は奴の周囲が揺らいでいたし、体表も色が変わっていたから、全く効果が無かった訳じゃないと思う。

 けど・・・」

 

 見た感じダメージって程のダメージはないんだよなあ・・・

 周囲の魔法力場かなんかでガードされたのか、それとも元から熱にも強いのか・・・

 

「っとっ!」

 

 奴のブレスが俺たちの思考を断ち切った。

 俺は回避に専念、カオルくんは唸りを上げて飛んでくる爪や翼を剣や盾でパリィ!しつつ、雷撃を放って牽制。

 俺がパイロット、カオルくんがガンナーってところだな。

 

 いいぞ ベイべー!

 逃げる奴はドラゴンだ!!

 逃げない奴はよく訓練されたドラゴンだ!!

 ホントボス戦は地獄だぜフゥハハハー。

 

 閑話休題(それはさておき)

 

「カオルくん、取りあえずは色々試してみよう。熱が本当に効かないのかどうか、他に効果的な何かがないのか」

「わかった。取りあえずは何をすればいい?」

「うん。接近して右手であいつ殴ってみて」

「えっ?」

 

 一瞬、戦場に天使が通り過ぎた。

 

「VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」

 

 もちろんシャレのわからないダイヤモンドドラゴンくんは斟酌などしてくれなかったが。

 

「このっ! ええい、行くよハヤトくん!」

 

 OK、忍! じゃなかったカオルくん!

 全力回避の時はほぼ俺一人で動かしているこの体だが、攻撃の時にはカオルくんの意志が半分くらい混じる。武道で言うところの踏み込み的なものが関係してくるんだろう。

 迎撃の爪をセンチ単位の見切りでかわし、青玉(サファイア)の騎士が龍に肉薄する。

 

「たあっ!」

 

 恐ろしく固いものがぶつかる高い音。

 返しの爪とブレスを回避しつつ離脱。

 

「つうっ~~~」

 

 腕がしびれたのか、カオルくんが手をブラブラさせている。

 すんません。でも必要な事だったんです。

 ブラブラさせた手から剥がれ落ちる、キラキラした破片。

 カオルくんもそれに気付いた。

 

「ハヤトくん、これは?」

「ダイヤモンド。もしかしてと思ったけど、やっぱりあいつダイヤモンドより格段に硬いみたいだ」

 

 「マシンロイド」。乗り物や機械から人型に変形するロボの世界で戦うロボットアニメだが、その中にダイヤロイドという、そのまんまダイヤモンドから変形するロボがいる。

 ダイヤはメカじゃねえだろってツッコミはさておき、俺はそいつの力を呼び出してカオルくんの右拳に纏わせたのだ。

 結果は見ての通り、あちらの余りの固さにダイヤモンドが砕け散った。

 

 何せ魔法の世界だからダイヤモンドを魔法で強化してたり、見た目ダイヤでも全く別の物質だったりする可能性はある。

 しかし見た目がダイヤそのもので、ダイヤより硬く、熱にも強い物質を一つだけ俺は知っていた。

 

「ロンズデーライト?」

「六方晶だかなんだかっていう、ダイヤの同位体。

 ダイヤは炭素原子がジグザグの構造をしてるんだけど、ロンズデーライトはそれがもっとがっちりと、立方体の形の構造をしてる。

 だから頑強だし熱にも強い。ダイヤの1.6倍くらいの硬度があって、しかもダイヤの衝撃に弱いという弱点がないらしい」

「うわー・・・」

 

 絶句するカオルくん。

 だが絶句してるヒマはない。こうしてる間にもブレスとか熱線とか飛んできてるからな!

 

「取りあえずロンズデーライトらしいってのはわかった。なら色々試してみようぜ」

「そ、そうだね」

 

 相手の攻撃を全力で回避しつつ、俺達の探りが始まった。

 

「ロケットパンチ!」

「破魔の雷光!」

「ミサイルドリル!ミサイルラッシュ!ヘキサクロスト・ナイフ!」

「青竜波濤の太刀!」

「ルイントルネード!」

「太陽剣!」

「スクランダー・スラッシュ!」

「サンバイソード!」

「マシンフォース・大回転ロケットパンチ!」

「火炎剣!」

 

 数十分ほど、全力での攻撃が続いた。ためこんだ山のような魔力結晶がなければ、とっくに魔力切れで干物になっている。

 見慣れない名前が並んでいるのは、カオルくんが召喚した魔剣だ。

 とっかえひっかえ攻撃を続けたが、先ほどのブレストヴォルケイノを越えるダメージを与えたものはなかった。

 マシンフォース込みの大回転ロケットパンチはさすがに六星晶の龍(ロンズデーライト・ドレイク)をもぐらつかせたが、貫通には至らない。

 

「VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」

 

 そして反撃が来る。胸の赤玉からの熱線。

 こちらのエネルギーを吸収してでもいるのか、先ほどよりも更に太い火線が部屋を縦横無尽に駆け巡る。

 ・・・・・・・・ん? 赤玉?

 

「ハヤトくん、何か思いついた?」

 

 ああ。この攻撃が終わったら突貫する。合わせてくれ。

 

「了解」

 

 即答するカオルくん。

 何も聞かないのね?と思念を送ると、含み笑いのまじった思念が戻ってきた。

 

「信じてるからね」

 

 ・・・ちょっと照れるな。

 ならまあ、その信頼に応えるとしましょうか!

 

 

 

 続く熱線。

 全力回避。

 今までの事を考えるとそろそろ・・・

 

「「今だ!」」

 

 思考がハモった。

 

「行くよ!」

「うん!」

 

 翼を翻して、真っ正面から突貫する。

 再び振るわれる翼、翼、爪、爪のフルコンボ。

 それをカオルくんの先読みと動体視力でかわしつつ、龍の顔面に迫る――と見えたところで急降下して胸元。

 

「VA!?」

 

 意表を突かれて戸惑う龍。これまでの肉弾攻撃は常に顔面狙いだったからな!

 ボディががらあきだぜ!

 そしてがしゃり、と音を立てて変形するカオルくんの右手とそこに握られていたサンダースウォード。

 

「な、何これ!?」

「いいから! その切っ先を!」

「わ、わかった!」

 

 思考停止したカオルくんが右拳を振りかざす。

 赤玉に拳――正確には下腕部に形成された機器が叩き込まれる。

 その瞬間、轟音を立てて射出されるサンダースウォード。

 

 ――右腕に形成されたのは工事現場で良く見るくい打ち機(パイルバンカー)

 それも超大型の奴。

 そして射出するのはただの杭じゃない、伝説に残る魔剣、サンダースウォード!

 

「ただ、撃ち貫くのみ・・・!」

 

 黒き刀身が、龍の胸の赤玉を根元まで貫いた。




>なにせダイヤを燃やして走る黄金の機関車だからなあ!
コブラ「黄金とダイヤ」より。
コブラの短編で一番好きな話で一番好きなセリフ。

>マシンロイド
「マシンロボ」をアレンジしただけw クロノスの大逆襲ですね。
ロボの元ネタはダイヤマン。ホントにでかいダイヤに変形します。・・・それ何の意味が・・・?

>カオルくんの魔剣
オリジナルっぽい名前を連ねようとしたのですが、最初の以外いつの間にかどこかで聞いたような名前になっていた(ぉ
業よのう。
ちなみに太陽剣=サンバルカン、サンバイソード(サンバイ剣)=アルベガス、火炎剣=ダルタニアス。
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