異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第三十三話 古の巨神王

「いくよ!」

「おう!」

 

 六星晶の龍(ロンズデーライト・ドレイク)と戦った時と同じく、二心同体の俺達。

 デモゴディの意匠を加えた青玉の甲冑に真紅のマント。

 サンダースウォードの面影を残す巨大な剣と青い盾。

 その真紅のマントを大きく開き、上空に飛び上がると同時に、古代の王の如き巨神が黒い光の吐息を吐いた。

 

「あれは!」

 

 六星晶の龍のブレスだな・・・くそ、下手によけると町に当たる!

 奴の側面か、できれば後ろ側に回り込んで町から引き離さないと!

 

「GWOOOOO!」

「くっ!」

 

 頭を振る巨神。

 何とかブレスをかいくぐり、俺たちは奴の左側に回り込む。

 岩山に遮られているし、万が一貫通してもこっちは海だ、被害は抑えられる!

 

「破魔の雷光!」

 

 龍との戦いの焼き直しのように、ブレスをかいくぐりながらサンダースウォードの雷光で攻撃を加える。

 だが、まだ互いに前哨戦。まるで手の内を見せてはいない。

 

「ハヤトくん、あれ六星晶の龍と同じ感じなの?」

「少なくとも砕いて結婚指輪には使えそうにはないね」

「いやそう言う意味じゃなくて」

 

 こう言う緊張感のあるときこそ無駄口は出るのだ。それはさておき、今の俺はやはり魔除けに意識を移しているので、混沌感知能力がある。そのセンサーによるとだ。

 

「混沌の力はバリバリ感じる・・・んだけど、何か安定してる感じ。

 龍が結構むき出しのニトログリセリンだったとすれば、こいつはダイナマイト」

「どっちも危険なのでは・・・ああ、なるほど、そういうこと?」

「そ」

 

 つまりむき出しのニトログリセリンって、ちょっとショックを与えれば爆発してしまうめちゃくちゃ怖い物質だったわけだ。その上火をつけても起爆しないことがある、あらゆる意味で不安定な物質。

 それを特別な砂と混ぜて+信管を併用して安定して輸送・起爆できるようになったのがダイナマイト。ノーベル賞のノーベルさんの発明だな。

 変質もしないし、輸送中にいきなり爆発もしない。

 さすがに長いことほっておくと経年劣化でニトログリセリンがしみ出してくるらしいが(タイトルは忘れたが、なんか手近にあるものを使って破壊兵器を作るおっさんが主人公のアメドラで見た)、まあそれはさておき。

 

「力の総量は変わらないけど安定してる感じか」

「変化してるのかもな。っとっ!」

 

 会話を打ち切ってジグザグの回避機動。

 巨神の両肩と両腰の辺りに魔力が収束し、次の瞬間四箇所から魔力球が乱射される。

 

魔力光弾(マジック・ミサイル)!」

「ミサイルラッシュ! ミサイルドリル!」

 

 青玉の盾から同じく乱射される魔力弾。盾の化身と戦った時にばらまいてきた奴だ。

 そして俺の気合いと共に腹から連射されるミサイルと、右腕の折れた肘断面から連射される貫通型ミサイル。

 三者が巨神の弾幕と正面からぶつかり合い、無数の爆発を起こした。

 

 

 

「な、何これ! おなかが! おなかがくすぐったい! 君良くこんなの連射できるね!?」

「もうちょっと我慢して! 互いに乱射してるから! 手は抜けないから!」

「わかってるけどー!」

 

 顔を引きつらせて叫ぶカオルくん。

 確かに自分の腹がカパッと開いてミサイルバカスカ発射するのは変な感じだよな!

 へそからミサイルが出てくる感じか! もしかして出産みたいなのかね!

 

「ハヤトくん?」

「はいすいません、調子乗りました」

 

 さすがにこれはまずかったか。女性の一大事だし、鼻からリンゴが出てくるくらいの衝撃だそうだからまあ茶化しちゃあかんわな。

 

「ルイントルネード!」

「マシンフォース・大回転ロケットパンチ!」

「ブレストインフェルノ!」

 

 一通り試してはみたが、やはり衝撃波や火炎などの様々な魔術攻撃で相殺されてしまう。

 

『余は混沌の王なるぞ! その程度では近づくことも出来ぬと知れ!』

 

 巨神から聞こえるネフェル君、もといケイオス一世の声。

 実際歩く要塞みたいな感じだな。全身これ火砲だ。

 そんなことを考えていたらカオルくんからの提案。

 

「射撃戦じゃ埒があかない。接近して足元から攻めてみよう!」

 

 オーケイ、このままじゃ千日手っぽいしな。

 行くぞ!

 

「うん!」

『侮るな!』

 

 全身から放たれる白熱光。

 それを盾でカバーして突貫する。

 黒い混沌の龍に真実の短剣を突き立てたときの戦術。

 

『それは見たぞ!』

「!」

 

 ケイオスの言葉に緊張が走るが、それでも俺達は盾で身を守ったまま奴の足に肉薄する。

 

「この・・・」

「危ないっ!」

 

 剣を振りかざすカオルくん。それがデモゴディの胴体より太い足を薙ぎ払う直前、俺がコントロールを奪って反転離脱する。

 

「!?」

 

 それと同時に、黒い波動が俺達を襲った。

 

 

 

 恐らく足から放たれたものであろう黒い波動は一瞬だけ俺達の全身を舐めた後、拡散して消失する。

 やべえ、ギリギリだった・・・

 

「カオルくん大丈夫!?」

「う、うん。でも何か体がピリピリする感じ!」

 

 実は俺もそんな感覚を覚えている。何だろう?と思ったが答えはすぐに出た。

 

「今の、混沌の力だ! かなり濃度が高い!」

 

 鎧のおかげでダメージが通っているわけではないが、今の俺達は鎧の表面に触覚があるような状態だ。それを感じてるんだろう。

 

「でも混沌の力って、龍の時も・・・ハヤトくん! 後ろ! ブレスがえぐった場所! 後あいつの足元も!」

 

 なぬ!?

 ブレスのえぐった痕跡が黒く変色して・・・いやそうじゃない!

 混沌の力が強く感じられる! そしてじわじわと黒く変色した部分が広がっている!

 黒い波動を発した奴の足元もだ!

 

(師匠!?)

(今こちらで確認した! 混沌の力が攻撃された部分を中心に広がっておる! このままでは浸食が進んでこの辺一帯が混沌に侵されかねぬぞ!)

 

 なんじゃとて!?

 

『言うたであろう。余は混沌の王! 世界に混沌を広めるものよ! 貴様も混沌の渦に巻かれ我が一部となれ!』

 

 その瞬間、巨神の全身から黒い「なにか」が放たれた。

 

(避けろ小僧!)

 

 反応しようとするが遅い。

 爆発のように広がったそれは、エネルギーでも物質でも爆発の煙でもなく、ただ透き通った黒い何かとしか表現できないようなもの。

 それは空中にいた俺達をあっという間に巻き込み、視界と音と魔力と・・・その他あらゆる感覚と俺達の意識を一瞬にして奪った。




>なんか手近にあるものを使って破壊兵器を作るおっさんが主人公のアメドラ
冒険野郎マクガイバー! リブートされて結構人気だったのを最近知ったw
バディものになってるのねw
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