異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

151 / 415
第三話 三体合体六変化デート

 数日後。俺達は国境の町を離れて次の町、ヴェガスに向かっていた。

 例によって馬車内ではロボットアニメを上映中。

 

『眼鏡賭神ラスヴェガス! 今、鉄火場まっただ中!』

 

 丸サングラスかけたイケメンがカードや麻雀牌や二丁拳銃で戦うロボットアニメである。

 これで設定上高校生ってんだからロボットアニメは奥が深い。

 

「おおおお、何だこりゃ!?」

 

 そして馬車の外、並行して歩く馬の上でイーサン氏が目を丸くしている。

 部外者である彼にこれを見せるのはどうかという話もあったのだが、手品見た時の反応からして俺がオリジナル冒険者族だってのは多分ばれてるのでまあいいだろうって事になった。

 加えて「移動中にあれがないのは退屈でかなわん!」という意見が座長始め結構強かったのも一因である。ククク、戻れぬロボットアニメ沼に沈むがよい・・・!

 

 それはそれとして、俺達年少組は野営時はラファエルさんのはちみつ授業である。

 移動中はロボットアニメ流してるので気が散ってしょうがないのだ。

 

「次に行くヴェガスはカジノの町として有名ですぞ。

 多くの公営カジノや競馬場、ドッグレースなどもあり、観光地として有名なのですぞ」

 

 まるでラスヴェガスだなあ・・・ん、もしかしてまさか。

 

「ご名答。オリジナル冒険者族が作った街なのですぞ。

 昼のロボットアニメでもやってましたが、地球でも賭博の町として有名なところだそうですな」

「あー、そうですね。最近は賭博以上に一般人向けの観光で稼いでたみたいですけど」

 

 とカオルくん。そう言えばどこかで聞いたような。

 まあ賭博にはまる駄目人間よりも一般人相手の観光のほうが稼げるだろうし、変な建物沢山あるしな。ピラミッドとかスフィンクスとか。

 

「あれはいっぺん見てみたかったねー」

「ピラミッドって吸血鬼が根城にしてたところよね。スフィンクスってのは?」

「それはこちらの世界にもいるのですぞ。昔話したことがありますが・・・」

「あー、三つの謎かけに出てくる怪物?」

「ですぞですぞ。リタは物覚えがいいですぞ」

「えへへー」

 

 褒められて笑み崩れるリタ。うーんかわいい。

 ニコニコしていたラファエルさんが、そこですっと真剣な顔になった。

 

「そう言えばハヤトとカオル嬢には伝えておかねばならんことがありましたぞ」

「あー、あれね」

「あれかー」

 

 どことなく投げやりなアルテと、天を仰ぐリタ。

 え、何。何かあるの?

 

「何、大した事ではありませんぞ。座長がこっそり野営地の外に出ようとしてたら、何が何でも止めて欲しいと言うことですぞ。たとえハヤトやカオル嬢の《加護》を使うことになっても」

「・・・何か余程の訳が?」

 

 こちらも真剣な顔になるカオルくん。

 ? でもそんな重大な問題ならアルテ達の反応が・・・。

 

「あ。わかっちゃったかも」

「わかって下さって嬉しいのですぞ」

 

 うんうん、と頷くラファエル。

 

「シルヴィアってば、お酒は強いけど賭け事は弱いのよね・・・」

「そのくせ賭け事大好きだから・・・」

「ああそういう・・・」

 

 カオルくんが脱力する。まあらしい話ではあるなあ、あの駄目人間。

 

「一度など、本当に身ぐるみ剥がされてすっぽんぽんで帰ってきましたのですぞ」

「ハヤト?」

「ハヤトくん?」

「お兄ちゃん?」

 

 待て、濡れ衣だ! 俺は何も言ってない! ちょっと想像しちゃっただけで!

 それでラファエルさん! いくら座長とは言えそれ危ないんじゃないですか!

 

「結果から言えば何もなかったのですぞ。帰る途中で襲われたのを全員返り討ちにして、財布と服を剥ぎましたからな」

 

 ひでえ。

 でもそれならすっぽんぽんで帰ってくるって事はないんじゃ?

 

「男どもを身ぐるみ剥いだ後、意気揚々とカジノにとんぼ返りしたのですぞ。

 その後またすってんてんになって、素っ裸で襲われて再度返り討ちにして身ぐるみ剥いだそうですぞ」

 

 何その永久機関。

 

「まあそんなことを三回やった後で、さすがに襲ってくるものもなくなって野営地に帰ってきたのですぞ。ちなみにその賭博場、後にイカサマがばれて潰れたとか」

 

 それを見抜けずに四回も身ぐるみ剥がれたのか・・・あの人頭が良いと思ってたんだけど。

 

「人間誰しも弱点があるのですぞ・・・」

 

 溜息をついて天を仰ぐラファエルさん。

 一番星が東の空に光っていた。

 

 

 

 翌日、一座はヴェガスの町に着いた。

 

「うわ、ちょっと見てよハヤトくん。あれピラミッドじゃない?」

「マジだ。それにあの隣の塔、ひょっとしてエッフェル塔か!?」

 

 街の外からでも見えるその建築物は、恐らく10mかそこらではあるが確かにピラミッドでエッフェル塔だった。他に何か丸いのとかもある。

 

「へー。公演の準備終わったら、ちょっと見に行ってみようよ」

「さんせーい」

 

 アルテの提案にリタがバンザイで賛意を示した。

 

 

 

「うわー、本当にピラミッドだ」

 

 町の中央、一流カジノが集まっている辺りにそれはあった。

 広場を囲むようにして、ピラミッドだの鉄の塔だの、地球儀だの・・・本物に比べればかなり小さいが、それでも三、四階建てのビルくらいはある。

 スフィンクスもバッチリあった。

 まあどれもこれもパチモン臭いというか微妙に本物と違うのはご愛敬か。

 

「これみんなお兄ちゃんたちの世界にあったの?」

「本物はもっと大きいんだよ。そこの鉄の塔なんて、本物は300mくらいあるんだ」

「ふええええええ」

 

 言葉もないリタ。リタが今まで見た巨大建築物といったら・・・ああ、飛ばされた砂漠で青い大理石のピラミッドを見たことはあったか。

 

「向こうのピラミッドは吸血鬼の根城みたいにきらきらしてないのね」

「うちの世界には古代魔法文明なかったからね・・・それでも高さは150mくらいあるんだけど」

「魔法ないのにそれだけ大きな物作るって逆に凄くない?」

 

 うん実際凄いわな。

 しかも4500年前の話だぜ・・・? エジプトすげえ。

 

「ねえねえ、あっちの玉はなんなの?」

「あれは、あー、俺達の住んでた世界なんだ」

 

 屋台で買った焼き串をもしゃもしゃしながら見物して回る俺達。

 カップルとか家族連れとか俺らみたいなのが周囲には沢山いて、本当に観光地なんだなって思う。

 と言うか異世界なのに(変な言い方だが)地球の地球儀ってのも変な感じではある。

 

「え、あんな丸いところに!?」

「落っこちちゃわない?」

「あー、やっぱりそう言う反応か。いやそれがね・・・危ないっ!」

 

 突然、カオルくんが剣を抜きざまに下から大きく切り上げる。

 サンダースウォードが飛んできた光珠を真っ二つにしたと見て取った次の瞬間、光球の破片が飛んだ広場の一角と「エッフェル塔」の中ほどで爆発が起きる。

 

「キャーッ!?」

 

 悲鳴が響き、俺はようやく自分たちが襲われたのだと理解した。




>『眼鏡賭神ラスヴェガス! 今、鉄火場まっただ中!』
元ネタは光速電神アルベガス。三体合体六変化が売りの合体ロボなのだが、各形態の形状が変わらなさすぎて区別が付かないことでも有名。
後合体方式の問題で超合金はアシュラマンみたいなことになったり。ゲッターロボの子孫でアクエリオンの遠い親戚。武装錬金のアニメでも潜水艦のところでパロられてた。
賭博要素のほうはチョウ・ユンファの「ゴッドギャンブラー(賭神)」から。イメージは大体Gガンダムのウォン・ユンファ(ぉ
今は毎年マラソンに出場してる元気なおじいちゃんであります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。