異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!   作:ケ・セラ・セラ

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第七話 爆発!

「ぐ・・・ぐぐ・・・」

 

 体中が痛い。御者席から放り出されたな。

 目の前が真っ暗だ。というか何か柔らかいものが・・・。

 手をやるとむにゅっと柔らかい手応え。

 

「あぁん」

 

 何故か座長の色っぽい声が聞こえてくる。

 むにゅむにゅ。

 

「あん、ああん」

 

 また色っぽい声。ちょっと待って、まさかこれ・・・。

 がばっと身を起こすと、案の定座長が俺の上に覆い被さっていた。

 

「何してんですかシルヴィアさん!」

「何って・・・あんたがアタシを抱きすくめて押し倒したんだろう? 情熱的にさあ」

 

 言い方ぁ!

 

「まあそうだね、ふざけてられる場合じゃない。立てるかい」

「立ちますよ」

 

 視界の脇に止まった後続の馬車。そして森から出て追いかけて来る襲撃者たちが見える。

 雷光が奔った。俺達は痛む体を押して立ち上がり、駆けつける。

 

「師匠は大丈夫ですか!」

「な、なんとかの」

 

 杖をつきながらではあるが二本の足で歩く師匠を確認して、最後尾に向かう。

 

「・・・」

 

 飛んでくる矢をガイガーさんとイーサン氏が切り払ってる。

 ガイガーさんはもちろんだがこの人もマジで強いな。

 俺達が駆けつけたときにはアルテとリタを除く他の面子も勢揃いしていた。

 アーベルさんはいないけど、たぶん森に隠れて何かやるんだろう。

 

「・・・・・・」

 

 カオルくんがサンダースウォードを構えて油断なく襲撃者たちを睨んでいる。

 既に一度雷光で焼き払われたのか、十人ほどが倒れ伏していた。

 迂闊に近づけないのか、20mほどの距離を置いて街道には武器を持った男たちがぎっしりつまっている。

 弓を持った連中も大半は道に出てきているようだ。

 これがテーブルトークRPGで俺が魔術師なら、躊躇なくライトニングボルトの呪文を使うところだな!

 閑話休題(それはさておき)、俺はこの状況にぴったりの技を知っていた。

 

「・・・よし、任せる」

 

 俺の顔を見ただけでガイガーさんが頷いた。

 もうちょっとあれこれ聞いても良いと思うけど、今はそれがありがたい。

 

「おい、いいのか?」

「・・・」

 

 イーサン氏の小声に、ガイガーさんが僅かに頷く。

 そんなやりとりを見ながら、俺はみんなより五歩ほど前に出た。

 

「・・・?」

 

 襲撃者たちが僅かにざわつく。

 戸惑いもあるが、この状況で前に出てくると言うことは何かあるのではないか、そう言う考えもあるのだろう。

 正解だよ。もう遅いけどな。

 

「フゥゥゥゥゥ・・・」

 

 中国拳法の鶴の構えのように両手を広げ、片足を高く上げて立つ。

 集中。イメージ。

 

「超絶・・・」

 

 カッ!と目を見開くと同時に俺の周囲に渦巻くエネルギーが発生する。

 竜巻のようなエネルギーは俺の周囲を取り巻き、流れ星のような涙滴型に整形される。

 十本を越える矢が飛んでくるが、全てエネルギーに弾かれてどよめきが上がった。

 

「覇神・・・」

 

 横倒しされた渦巻く流星、その先端には俺の顔。

 いや不気味だろうと思うけど、本当にそうなんだ。原作からそうなんだよ。

 引き絞られた弓のように俺に力が溜まっていく。逃げ出そうとする襲撃者も出てきたが、言ったろう? もう遅い。

 

「電・光・弾!」

「うわあああああああああああああああーっ!?」

 

 閃光が奔った。

 その通り道にあった障害物――つまり200人ばかりの襲撃者が吹き飛ばされ、宙に舞う。

 超絶覇神電光弾。「機甲武侠伝Gガンボイ」。中国武侠映画の影響をかなり強く受けた作品だが、その中でも屈指のトンデモ必殺技だ。本来は二人で撃つのだが、気分が乗れば一人でも撃てる。そして今の俺は結構乗ってるのだ――!

 

「ばくはつ!」

 

 宙に舞い上がり、竜巻のようなエネルギーが四散してポーズを決める俺。

 襲撃者たち全員が爆炎の中に消えた。

 

 

 

「あっ、あっ、あっ・・・話を持ってきたのはフェイダーの野郎で・・・」

 

 毎度お馴染みの頭クチュクチュモンダミン。

 驚いた事に東の元締めと北の元締めもこっちに来ていた。今クチュクチュされてるのは東の人である。シルヴィアさんが挨拶に行ったところだ。

 残念な事に話の元である西の元締めはこっちに来ていないらしい。

 東と北の元締めはビビってるんだろうと思ったらしいが、金貨一万枚という破格の報酬につられて襲撃に参加したのだそうだ。

 まあ普通芸人一座に200人のヤクザ+用心棒が負けるとは思わんだろうなあ。

 うちはあらゆる意味で普通じゃないわけですが。

 

「・・・」

 

 そしてこうなったら西の元締めと「お話」するしかないよねー!的に町にとんぼ返りしたのだが・・・西の元締めは姿をくらましていた。家族も置いて消えてしまったらしく、いっそ天晴れな逃げっぷりと評するしかない。

 

「それとも自主的に逃げたんじゃない、とか?」

「可能性はあるな。とは言え現状では何とも、ってところだ」

 

 口封じの可能性がある、と暗に認めるアーベルさん。

 

「やれやれだ」

 

 イーサン氏の言葉が、その場の結論めいて響いた。

 

 

 

「で、どうするんです? このまま次の町に?」

「まあそのほうがいいだろうね。ヤクザどもの係累もいるだろうし、最悪領主様も出て来かねない」

 

 城外、馬車前で合流しての会話である。

 まあそうなるよな。

 ちなみに脱輪はラファエルさんが五分で直してくれました。ドワーフパねえ。

 

「あぁそうそう。ハヤトぉ?」

 

 そこでいきなりしなだれかかってくる座長。

 ファッ!? 当たってる! 色々当たってる!

 

「さっきの続きがしたいなら今晩あたしのテントに来な。色々教えてあげるよぉ」

 

 さ、さっきの続きって!?

 

「ちょっとシルヴィア! 何やってんのよ!」

「いやあ、さっき放り出されたときにハヤトが咄嗟にかばってくれてさあ。

 その後胸を情熱的に揉みしだかれて、これはお礼代わりに手ほどきくらいしてあげなくちゃねーって」

「ハヤト!」

「ハヤトくん!」

 

 羅刹の表情で近づいてくるアルテとカオルくん。

 だから放して下さいシルヴィアさん! くそっ、何気に力強ぇ!

 

「おとうさん、手ほどきって?」

「・・・」

 

 ああ、君だけが救いだよリタ・・・

 

「ハヤト! 何デレデレしてるの!」

「ハヤトくん、シルヴィアさんに何したのかな・・・」

「やだねえ、そんなこと明るいうちに言えるはずないじゃないか」

 

 羅刹女二人の顔が更に怖くなる。

 たーすーけーてー!




>爆発
主にときメモ的な意味で(ぉ
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