異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
第二十六話 公爵家の秘密
「未来への切符は・・・いつも白紙なんだ」
――トライガン――
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
長い沈黙があった。
俺達はウルリヒさんが口を開くのをただ待つ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
待つ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ひたすらに待つ。
どれだけ経ったろうか、ウルリヒさんが深い溜息をついた。
何かその顔が急に老け込んだような気がする。
「イーサン」
「ああ」
「『
「わかった」
頷いてイーサン氏が部屋を出ていく。
「薄々わかっちゃいたけど余程の事みたいだね」
座長の言葉に公爵様が頷く。その顔に苦悩。
「・・・」
イーサン氏はすぐに戻ってきた。
宝石の卵をテーブルに置き、席に着く。
「わしは公爵ではない」
ウルリヒさんの嘘に反応して卵が赤く光った。
『嘘つきの卵』の動作を確かめた後、公爵がイーサン氏を含めて俺達一人一人の顔を見る。
「この件は我が家の運命のみならず、この国、あるいはもっと広い範囲に破滅をもたらしかねんことだ。
話を聞いたものは生涯墓まで持っていくと誓って貰う。よいな?」
全員が頷く。
「俺イーサン・マリオン・フォン・レミンジャーは我が神
「アタシ、シルヴィア・ハスキーは
次々と自分の信仰する神に誓っていく人達。これ俺達もやったほうがいいのかな。
日本人に信仰する神なんてあってないようなものだけど。
「ボク、タチバナ・カオルは、ええと、鹿島明神と香取明神にかけて、これから聞く話を生涯漏らさないと誓います」
あー、そう来たか。
鹿島明神と香取明神はどっちも武道の神様だ。女神が転生する奴的に言うと武神タケミカヅチと剣神フツノミタマ。道場には良く祭ってある。
そして俺の番。えーと・・・まあこれでいいか。
「俺、ダン・ハヤトは手束修神と立山闇深神と長井轟神と永浜唯夫神と刻野嘉幸神にかけて、これから聞く話を生涯漏らさないと誓います」
「・・・二人とも聞いたことのない神だな?」
「俺の信仰する偉大な神々です」
きっぱりと断言する俺。
何となく察したのか、カオルくんがジト目で俺を見ていた。
嘘はついてないぞ? その証拠に、『嘘つきの卵』も光ってないからな!
「まあ良かろう。ついて来い」
ウルリヒさんが立ち上がり、俺達もそれについていく。
降りていった先は地下の宝物庫。
執事の人がでかい鍵で錠前を開けると、脇によって待機する。
そのまま執事の人は宝物庫の前に待機し、俺達が全員入ると外から扉を閉めて鍵をかけた。
「え」
「・・・本当に厳重だねえ」
「それだけの理由があるのだ。伝承が正しければな」
魔法のランプを掲げて奥へ進みながら、ウルリヒさんが胸元からペンダントを取り出す。
公爵家の家紋、王冠をかぶった燃える獅子。
そして公爵が進む先の石壁には2mくらいの同じ紋章が飾られていた。
大紋章の前でペンダントを掲げ、瞑目する。
「奥に隠れた錠前ふたつ」
「ミスル銀の鍵ひとつ」
「
おおおお。
大紋章の獅子の目が光り、公爵の掲げるペンダントと光の線で結ばれる。
「扉よ、大きく開け」
「!」
北の石壁に幾何学的な線が走った。
「おお・・・」
誰かが驚きの声を上げる。
石壁が線に沿って寄木細工のからくり箱のように動き、大きな開口部を生み出す。
俺も映画やアニメとかではたまに見ても、自分の目の前でそれが実際に起こっているとなると言葉もない。
「さあ、着いてきたまえ」
「・・・」
ごくりとつばを飲み込み、俺達は公爵について更に地下へ降りていく。
最後尾の俺の後ろで再び岩壁が動き、開口部が閉じた。
三人くらいは並べそうなくらい広く、緩やかに湾曲した階段を下りていく。
壁と天井がおぼろげに光り、足元に不自由はない。
と言うかこれ石壁とかじゃないな。
俺の知ってる中で一番近いのって言うと・・・
「師匠、これひょっとして・・・」
「恐らくはな」
小声で尋ねるとペトロワ師匠が頷いた。
やっぱり超古代の、真なる魔法文明時代の遺産かここ。
そうなるとさっきからの公爵のあれこれも、あながち大げさじゃないかもしれん。
「着いたぞ」
十分くらい降りた後、階段は取っ手もノブもない扉で終わった。
公爵が手をかざすと、扉は音もなく横滑りして開く。
「はー・・・」
「初めて見たのですぞ・・・」
アーベルさんやラファエルさんもさすがに口数が少ない。ガイガーさんすら僅かに目を見張っている。
だが扉の中では、その彼らすら絶句するような光景が広がっていた。
まず真っ先に目に入るのは直径2mほどの光の柱。
それが直径10m近くあるこの円形の広間の中心を床から天井まで貫いている。
周囲は滑らかな素材で出来ており、2mくらいの高さに一定間隔を置いて点滅する巨大な宝珠。
日本人の俺から見ると、SFに出てくる何か凄い部屋みたいな感じ。
そして光の柱の中では、SF的な超科学とファンタジー的な魔法が融合したような、奇妙な杖がゆっくりと回転していた。
白に金で模様をかたどった、40センチほどの杖。
ボタンやメーターのついたSF的なデバイスにも見えるし、巫女さんが持って舞うような神具にも見える。
「っ! まだ残っていたのか・・・!」
師匠が絶句してる。
そんなヤバい物なのか。
振り向いた公爵が、僅かに顔色を変える。
「これがなんであるか、おわかりか、マスター・ペトロワ」
「ああ」
俺達の視線が集まっているのに気付き、師匠がこちらに振り向く。
一息、心を落ち着けてから口を開いた。
「これはな。ナジャラーガの杖。神と接触するための道具じゃよ」
>手束修神と立山闇深神と長井業神と永浜唯夫神と刻野嘉幸神にかけて
手塚治虫、横山光輝、永井豪、長浜忠夫、富野由悠季。
個人的にはこの五人がロボットアニメの祖神と創造神。
ギリシャ神話で言えば手塚先生横山先生がウラノスガイアで、永井先生がゼウスか。
手塚先生は我が子を喰らうクロノスかもしれんけど(ぉ
後横山先生は明るく正しい少年漫画が有名だから勘違いされがちだけど、手塚先生にも負けないくらい闇の深い人だと思う。